Deckard's Movie Diary
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2007年09月27日(木)  グラインドハウス/プラネット・テラー

どちらかというと好きなタイプの映画なんですけど、長いですよ!本来はタランティーノが仕組んだプロジェクト、自身が監督した『グラインドハウス/デス・プルーフ』との2本立ての1本なんですが、個人的には「B級映画は90分以内がベスト!」という持論を持っているので100分を越えはいただけません。案の定、ダラダラと長いんです。15分くらい切ればサクサクと進んで観終わった後に「いやぁ、いい時間つぶしが出来た!さぁ、仕事でもするかぁ!」となったと思うんですけどねぇ(相変わらずの“オイラは何様だよ”発言)。まぁ、ぶっちゃけ、金持ちが「たまには居酒屋とかで飲んでみる?」みたいな印象がちょっとしましたね。金持ちになっても「やっぱ、玉子かけご飯が一番美味い!」って感じになってれば良かったんですけどねぇ・・・・・・・・・( ̄。 ̄ )ボソ で、あのフェイクの予告編は実際に作るんですかね?


2007年09月22日(土)  題名のない子守唄

常に『ニュー・シネマ・パラダイス』の亡霊が付き纏うトルナトーレの新作『題名のない子守唄』。一流の監督はどんな題材で撮っても、完成された映画はその監督の匂いに満ち溢れているモノです。トルナトーレの作品は常に優しく、その目線は子供たち見守っている父親のような温かさを感じさせてくれます。今回もまた一人の女性の過酷な運命を、最後には大きな手のひらでの些細な出来事のように(どんな出来事だよ!)優しく包んでしまいます。腑に落ちない部分もあったりしますが、それこそ些細な事です。男には経験出来ない女性の喜びや悲しみの全てをサスペンス仕立てで凝縮してみせる手腕は、さすがはトルナトーレ!です。映画が始まり、断片的映像の積み重ねでグイグイと引っ張り込まれるのですが、心地良かったですね。結局は何を書いてもネタバレになってしまいますので、大したコトは書けませんが、観て損はありません。優しい気持ちになれる映画でした。

全くの余談ですが、主演の***の最後の顔が誰かに似ているなぁ・・・・と、考えていたらアーセン・ベンゲルでしたd( ̄  ̄) ヾ(^o^;オイオイ・・・

さて、最初に書いた「一流の監督はどんな題材で撮っても、完成された映画はその監督の匂いに満ち溢れているモノです。」という言葉の意味ですが、出来上がった作品の出来不出来は全く関係ないんですよ。どうしようもない駄作でも、その監督の匂いがします。何故か?それはその監督が自分を貫いているからなんですね。で、それこそが監督業の辛さだったりするワケです。まぁ、天才には関係ない話でしょうけどね(苦笑)


2007年09月21日(金)  包帯クラブ スキヤキウエスタン/ジャンゴ オフサイド・ガールズ

原作の力もあるのでしょうが、とても良く出来た青春映画でした。まぁ、この手の作品に甘い採点をする小生ですので、閉店間際の2割引目線で読んで下さい。個人的には今年の邦画ではベスト3に入る作品です。まずは冒頭で石原扮するワラの独白で既にやられてしまいました。全編に渡ってハンバートハンバートの音楽も心地よく(途中でちょっと過多でしたが・・・)、そのあまりに真っ直ぐな彼らの行動と相まって涙腺が必要以上に緩んでしまいました(苦笑)。後半で「そんな程度の決着なのかなぁ・・・」と訝しげに思っていたら、最後に今の時代(時代は関係ないのかな・・・)を象徴するような深遠を見せてくれて、評価が上がりました!主役の二人を演じる柳楽裕也と石原さとみは実に魅力的でしたねぇ・・・二人とも将来の邦画界を背負って行けるだけの素質は十分です。

堤幸彦と言えば、時代を先取りした写真雑誌を映像化したような実験的なTVドラマ『池袋ウエストゲートパーク』が有名ですが、その後の作品はその亡霊に意地悪をされていたような気がしてなりません。先日TVで観た『明日の記憶』も決して凡作ではなかったのですが、堤が得意とする映像センスが邪魔していたような気がしました。映像を駆使するという事は、ある意味、演出の自信の無さの裏返しだったりする場合もあります。堤幸彦がそうかどうかは知りません。ただ、今作に関して、その演出は堂々たるモノですし多少冗漫な部分もありましたが、彼の『IWGP』以降の最高傑作と言っていいかもしれません。



まさに三池にピッタリの題材だと思ったんですが、その出来は落胆させられるモノでした。この映画の致命的な欠点は主役の伊藤英明ですね。とにかく薄い!存在感ゼロ!主役の背景がほとんど描かれていませんが、そんなコトはどーでもいいんです。存在感があれば、そんなコトは必要ないんですよ!せめてオダジョー辺りが演じていたら、もう少し違った印象だったかもしれません。それにしても、このようなトンデモ設定の場合は役者の実力が分かりますねぇ。一番良かったのは桃井かおり!伊達に70年代からチヤホヤされていませんわ。一層のこと桃井かおりを主役にした方が良かったんじゃないですか!この人だけ英語が上手いので、ある意味浮いていますが(笑)。とにかく、笑えないギャグやしょーもないストーリーがまるで隠し芸大会の英語劇のようで寒くて仕方がありません!っつーか、幾らナンでも、もうちょっと脚本を煮詰めようよ!あまりに酷いでしょ!マカロニ・ウエスタンの脚本なんて、そんなに難しくないですからね!ラストの決闘シーンも北島三郎の歌も悪くないし、もったいないなぁ・・・。

映画が終わって中年カップルが以下のような会話をしながら出て来ました。

男:「なんだこれ!」
女:「全然意味が分からない・・・」
男:「失敗したなぁ・・・」
女:「『釣りバカ日誌』にすれば良かった!」

相手は『釣りバカ』かよ!そりゃ、違うだろ!でも、世間なんてそんなものなのかもしれんませんね(苦笑)。そういう意味でも、もうちょっとマトモな作品を作って欲しかったです。



あの『チャドルと生きる』のマジッド・マジャディ監督の新作です。はっきり言って予告編以上のモノはありません。題材はとても面白いので、おそらくもっと作りこんだ方が娯楽度が上がったのは間違いありません。でも、このテイストがイラン映画なんでしょうね。ストーリーは2006年ドイツ・ワールドカップ最終予選イランvsバーレーン戦の一日だけを描いているのでドキュメンタリー色が濃いです。臨場感はありますが、92分の映画なのにちょっと飽きてしまいました。っつーか、サッカー好きじゃなかったら、そんなに面白くないんじゃないですかね?良く分からなかったのが、一人の少女のお兄さんだったかな、事故で死んだみたいな話があったんですね。これはイランvs日本戦(2対1でイランの勝利)の後にスタジアムの外で観客と兵士の間でトラブルがあり、大勢の下敷きになって7人が死亡した事件のことらしいです。その際に報道された人数が6人だったらしく、7人目は女性だったんじゃないか?という噂がたったという話で、それも監督が映画を作るきっかけになったというコトでした。なるほどねぇ・・・。色々な意味でイランでの女性の扱いやら、サッカーに対しての情熱やら、ダエイはともかくメタリカの人気やら(笑)、イランという国を知る上で興味深い映画なのは間違いありません。


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