Deckard's Movie Diary
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2005年01月25日(火)  パッチギ!

ヘルメットを被り、タオルで口を覆い、角棒を手にした学生達が新宿駅のホームや線路を蜘蛛の子を散らすように逃げながら暴れていた。云わずと知れた“新宿騒乱事件”。TVのニュースに映し出された映像を観ながら「すっげぇ〜!」と驚嘆したのを昨日のコトのように憶えています。その頃、オイラは新宿駅から一つ目の新大久保っつー駅にある中学の2年生でした。見慣れた場所がトンでもないコトになっているので「大丈夫なのかぉ?明日は学校あるのかぁ?」とか、不謹慎にもちょいとワクワクしちゃったりしていました。学生達が国際問題に頭を悩ませている頃、オイラのような進学校の中坊は池袋の駅で朝鮮高校(通称“チョン校”)の連中に追われたりしていました(苦笑)。他にも帝京高校(通称“便所蜂”当時は校章が蜂でした。この頃の帝京は悪の巣窟で、その後サッカーで有名になろうと、とんねるずで有名になろうと、オイラの中でメチャクチャ印象の悪い学校です)や国士舘の連中にも苛められていました。まぁ、ひ弱で色白の進学校の生徒でしたからね。あの頃は、駅の構内で「逃がすなぁ〜!」という掛け声と共に学生同士のおっかけっこ!は日常茶飯事でしたわ(苦笑)。そんな時代でしたから“暴力”というか“喧嘩”というか、今よりは当たり前だったんですよねぇ・・・。そんな時代が1968年。この映画の時代設定です。で、東京では“パッチギ”とは言わず“チョーパン”と呼んでいました。つまり、この映画はオイラの青春とほとんどダブります。予告編から♪イムジン河 や♪あの素晴らしい愛をもういちど なんか流れて来た日には、それだけで胸がちょいと熱くなっていました(苦笑)。さて本編です。おそらく、この作品は井筒和幸の最高傑作になるでしょう。たとえ“青臭い!”“嘘臭い!”“無知野郎”と言われようと、オイラは大好きです!この映画には間違いなくあの頃の空気が充満しており、登場人物の多くがあの頃の誰かに重なり、オイラを追いかけてきたチョン校の奴もまた、誰かなのでしょう。当時は、朝鮮半島の出来事や歴史等にほとんど興味など無く(っつーか、敢えて知ろうとはしなかった・・・)、目の前の“今は傘が無い!問題(音楽とか女の子とか・・・)”ばかりで精一杯でした。一度だけ満員電車の中でチマチョゴリの女子と向かい合ってしまったコトがあって、あの娘が沢尻エリカくらい可愛かったら、オイラももう少し真面目に考えていたとは思うんですけどねぇ・・・あ、そういうコトじゃないですね(自爆)。というワケですから、そんなに深い意味での歴史とかの教育とかとは全く関係無く、ただただ個人的に懐かしく、いとおしく泣けました。また、全ての役者の存在感も特筆モノです。ヒロイン・キョンジャ役の沢尻エリカの愛らしさはもちろん、アンソン役の高岡宗蒼佑と朝鮮高校生役の二人、アンソンの彼女・桃子こと楊原京子(『虎ノ門』“こちトラ自腹じゃ!”で井筒の相手役)、看護士になるガンジャこと真木ようこ、左翼かぶれの光石研も、オダギリ・ジョーのノンポリぶりも、大友康平の迫力もメチャメチャはまっています!後半、苦手な展開になったのですが、このエンディングが来るのなら「まぁ、いいか!」と納得しました。監督の井筒和幸はテレ朝系の番組『虎ノ門・映画鑑賞コーナー』で、言いがかり的な辛口コメントで多くの映画ファンから失笑を買っていますが、その仕事が良い刺激になっているような気がしてなりません。狂気の天才で無い限り、やはり色んな作品を観るのは糧になるんですよ!それにしても、面白かった!また、キャンプファイヤーでフォークギターを弾きたくなりました♪〜( ̄ε ̄;)♪命かけてとぉ〜 誓った愛もぉ〜


2005年01月19日(水)  僕の彼女を紹介します Jam Films S

友人から「お話が破綻しているのに、観客を最後まで楽しませる作品を作れる監督は、今の日本には居ないのではないだろうか。」と言われたので「おいおい!それは言いすぎだろ!」と、喧々諤々のヤリトリをしていたのですが・・・・予告編からあまりにベタなシーンばかりだし、観た人の印象もイマイチだったのでスルー決め込んでいたにも拘らず、まぁ、観ないと始まらない!っつーコトで観てきました!なるほど!そういうコトですか!オイラはコレ、けっこう好きです(自爆)。大小数多のエピソードを多少強引(まぁ、全編少女漫画風味ですから気になりません)とは言え、全てをストーリーに不可欠な要素として描いているのは脱帽モノです。っつーか、ここまでしつこく作れるのは、明らかに才能です!冒頭の友人の言葉をオイラ的に言い換えると「とにかくサービス精神が旺盛!脚本も演出もスエンセンズのロッキーマウンテン(知らねーよ!確か3800円くらいのパフェ)も真っ青な豪華テンコ盛り!日本の映画も脚本段階でこのくらい練りこんで欲しいよなぁ・・・」っつー感じでしょうか(苦笑)。さらに!感心したことは明らかに少女漫画でありラブコメなのに、銃撃戦とかの迫力は馬鹿に出来ないんですよ。この辺りの作り方も学んで欲しいなぁ・・・( ̄。 ̄ )ボソ…。で、一人思いつきました!つまり“お話が破綻しているのに、観客を最後まで楽しませる作品を作れる日本の監督ですが・・・ジャンルは違いますが『ジュブナイル』『リターナー』の山崎貴なんかどうでしょう?まだまだクァク・ジェヨンに比べたらひよっ子ですが・・・『ALWAYS 三丁目の夕日』に期待しましょう(って、期待してるんかい!)。


さて、『僕の彼女を紹介します』を観た後「友人の言った通りじゃないか!」と忸怩たる思いを胸にしながらシネ・アミューズへ向かい『Jam Films S』を観た・・・。情けねぇ!!!!!!・・・どうして、こんなにダメなんだろ・・・・『僕の彼女を紹介します』が物凄い傑作に思えてしまいました。全部で7本!1本目『Tuesday/監督脚本・園田賢次』でかなりテンションが下がったのですが、2本目『HEAVEN SENT/監督脚本・高津隆一』、3本目『ブラウス/監督・石川均』と過ぎていくうちに、いい加減腹が立ってきて、4本目『NEW HORIZON/監督・手島領』なんて全く観る価値のない駄作で、5本目の『すべり台/阿部雄一』で初めて「ああ、これは観られるわ!」と九死に一生!6本目『α/監督・原田大三郎』、7本目『スーツ/浜本正機』と再び悪夢で、Jamを食べ過ぎて吐いてしまったようなゲロ映画でした!ハッキリ言いますが、知恵遅れとしか言いようがないほど薄っぺら〜い仕上がりですよ。全てはプロデューサーの責任だと思いますね。どうして「こんな脚本、つまらねーよ!」って言えないんでしょうか?上がりが読めないのならプロデューサーなんて辞めちまえ!ひょっとしたら日本語が苦手?そうでも思わないとやってられねーよ!それにしても、水曜1000円の日だったから昼間から「アタシィ、あんまり映画は観ないんだけど、この映画はアンテナに引っかかったのよねぇ〜!」みたいな連中で、ほぼ満席だし!こんなくだらないゲロ映画(っつーか、映画じゃないだろ!コレ!)を観るんなら、コタツで丸くなってた方がマシ!っつーモンです。しっかし、どうしようもねぇな〜!


2005年01月18日(火)  ネバーランド

監督は『チョコレート』のマーク・フォスター。映画は“ピーターパン”が生まれる背景を描いた内容・・・これは期待するでしょう!主役のジャームズ・バリを演じるのは『シークレット・ウインドウ』に続く作家役(苦笑)のジョニー・デップ。相手役は毎回同じ姿形なのにカメレオンのように役に成りきってしまう(上手い!ってコトですよ)ケイト・ウィンスレット。脇を固めるのはベテランのダスティン・ホフマン&ジュリー・クリスティ。まぁ、それなりには観られますけどねぇ・・・どうにも薄味です。とにかくステレオタイプのシーン、会話、演出の連続で、観ながら「ふ〜ん、で?」「ふ〜ん、で?」「ふ〜ん、で?」と繰り返してばかりいました。それぞれのエピソードの描き方も絵本で読む程度のモノですし、30分くらい強引に切っちゃったような仕上がりです。個人的には、好みのストーリーなんで点数は甘くなってしまいますが、ハッキリ言って低学年向けでしょう。


2005年01月07日(金)  カンフーハッスル

『少林サッカー』で一躍全世界区になったチャウ・シンチー!今回はハリウッド資本も参加してお金ありまっせぇ〜♪状態で作ったのが『カンフーハッスル』。いやぁ〜噂に違わず面白かったですわ!おそらく一般的には少林寺拳法とサッカーを結びつけた奇想天外なストーリー『少林サッカー』の方が評価は高いと思うのですが、オイラはこちらのが好みです。前作は決め玉フォークを持っている投手のような映画で、今作はストレート一本やりの剛速球投手のようなマウンド仁王立ち!っつー感じでしょうか(笑)。言い方を変えれば、今まではどちらかというと技巧派の印象が強かったシンチーですが、ここに来て“功夫一直線!”っつーか、全く余所見をしていません。もちろん!予算が多くなって映像がグレードアップしたって、エグい!汚い!だらしない!の“ないない三拍子”は健在!それがまた嬉しいんですよ(苦笑)。映像や演出はどんどん洗練されたとしても、描く事は変わらなくていいんです!人間、下手に裕福になって珍妙な井出達になるくらい淋しいコトはありませんからね。前作と今作でCGを担当している香港のセントロデジタルミクチャーズですが、ちょいと関わりがあって色々と耳に入ってくる話だと、監督の指示が特に無くても映像が面白くなるのならドンドン新たなシーンを作ってしまい、試写で「こういうを作ってみたんだけど、こっちのがいいだろ!」って感じで仕事が進んで行くそうです。で、それが採用されると、その場でガッツポーズが出るくらい熱い雰囲気の中で制作しているらしいです。う〜ん、なんだか懐かしい熱気ですなぁ・・・遠い目( ̄。 ̄ )ボソ…。『カンフーハッスル』を観ても、良く分かるのですが、この映画くらいCGをCGとして効果的且つ楽しんで使っている映画は他に観た事がありません。個人的にはカンフーを扱った映画では今まで観た映画(大して多くはありません!キッパリ!)の中では一番好きかもしれません。サイドストーリーの塩梅も申し分無く好感触♪もう一度観たい!!

で、なんとなく気になっていた“ありえねー。”のキャッチコピーなんですが、本編を観てさらに思いを強くしました。このコピーって、この映画に愛情が感じられないんですけど・・・まぁ、こんな小煩いコトを言うのはオイラだけでしょうが、なんかイヤ!


2005年01月05日(水)  戦争のはじめかた

「え〜なになに?『戦争のはじめかた』・・・面白いタイトルじゃん!『前代未聞!全米公開5度延期!!』おお!こりゃ、観たくなってきたわい!『2001年のトロント国際映画祭のワールド・プレミアで会場を騒然とさせ、その評判からミラマックス社が直ちに全米配給権を獲得。しかし、その翌日は、あの“9月11日”だった・・・!』おおおお!これは、まさに時代を先取りしてしまった映画なのかぁ〜!その後のイラク侵攻でまた延期になったというコトかぁ!。つまり、アメリカが東欧か中東、はたまたアフリカ辺りの小国を相手に、営利目的なのに正義の御旗の元に戦争を仕掛ける内容だと勝手に思っていました。ところが実際の映画はと〜んでもない映画でしたわ(苦笑)。なんじゃ、こりゃ?一体何が言いたいのでしょうか?要は、実際の戦火の下でも、その緊張感からハメを外しがちなアメリカ陸軍の連中が、戦争下で無かったらもっとデタラメ!っつー話です。彼らは、戦争が無ければ戦争を欲して軍隊内で戦争を起こす!ってコトみたいですけど、そんなん勝手にやってろよ!っつー感じです。単なるノータリン同士の殺し合い・・・ばっかみたい!5度の延期は、どう考えても内容の酷さでしょ!こんな紛らわしい邦題つけるなよ!全くもう!看板に偽りあり!っつーか、ボッタクリバーみたい(苦笑)。まぁ、勘違いしていたオイラもかなりトンチンカンですけどね(自爆)。ホアキン・フェニックス、エド・ハリス、スコット・グレンと達者なだけに、なんだかなぁ・・・とドッチラケの作品でした。アンナ・パキン・・・だらしなくなっちゃったなぁ・・・ボソ。


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