Deckard's Movie Diary
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2004年12月27日(月)  インストール 理由 銀のエンゼル

上戸彩、神木隆之介主演『インストール』。原作は『蹴りたい背中』の綿矢りさ。まぁ、ある程度予想していたとは言え、ここまで幼稚だとは・・・(苦笑)。っつーか、アホか!まるでボンクラ妄想学生が作ったような出来損ない!久しぶりに映画館から出たくなりました。テンポは悪いし、しょーもない話をダラダラと見せられるのでウンザリします。中高生辺りが見れば興味深いストーリーなのかもしれませんが、オイラにはそこら辺に転がっている手垢のついた話にしか見えませんでした。ヴァーチャルとリアルの間の話なのに、その辺りの突っ込みもヌルい!っつーか、理解度は浅くて、どうしようもありません!とにかく、作り手の頭の悪さが如実に出た映画であるのは間違いないですね。もちろん!来年のワースト1候補!


宮部みゆきのベストセラー『理由』の映画化です。監督は大林宣彦。観終わって最初に思い浮かんだ感想は「良くぞ捌いた!」でした。残念ながら、再現フィルムの域を出ていませんが、それでも『レディ・ジョーカー』の映画化に比べたら雲泥の差です。とりあえず、エンドロールが終わる頃には小説一冊を斜め読みしたような気分にさせてくれます。個人的には小説を読んだ時にはイマイチ分かり辛かった人間関係も立体的に見えて、とても良く理解出来ました(自爆)。ただ、小説でもそうだったのですが、大勢の人間模様を描くコトに夢中になるあまり、犯人の人物像及び動機へのツッコミが甘いんですよねぇ・・・。一番濃く描かれなければいけない部分なんだけどなぁ・・・その辺りが、どうしてこんなにヌルくなっちゃうのか、分かりませんが、とにかく長いし(2時間半)、大勢の人間関係を把握しなければいけないので疲れますが、まぁ、観て損はないでしょう(本当かよ(苦笑))。それにしても、ラスト近辺での大林の悪いクセにはウンザリします。どうして、ああいう内輪ウケみたいなシーンを挿入するのか理解に苦しみます。でも、相変わらず編集は上手いっすねぇ!


北海道発『銀のエンゼル』です。コンビニを舞台にしたグランドホテル物っつーワケですけど 前作の『river』の方が幾分かマシでした。薄っぺらい!というか、底が浅い!というか、つまんねぇ〜映画です。この程度の内容を平気で人々の目に晒す作り手も、また喜んで受け入れている観客も、どっちもヤバいよ!まぁ・・・そこまで酷い内容ではありませんが、逆に言えばソコが問題なんです。つまり、この程度の映画で(作り手も観客も)満足して欲しくないワケなんですが、でも、この程度の映画が一番誤解され易い・・・褒め易い、高評価し易いレベルなんです。例えば上映中、斜め前に5分おきに携帯を開いて見ている女性が居たんですが、その馬鹿女が終わってから『面白かったね!』とか言って、彼氏にグッズをねだっていました。まぁ、そんなレベルですよ。だからね、監督の鈴井貴之もインタビューなんか答えている暇があるのなら、アルトマンの傑作群像モノでも観て勉強しろよ!っつーコトですよ。北海道の番組で成功しようが、東京の番組で成功しようが、そんな程度で映画監督の才能があると思うのは大間違いだ!っつーコトですね。くれぐれも『ウェディング』とか観ちゃダメよ!あ、そうそう!山口もえってよ〜く見るとかなりの美人なんですねぇ。


2004年12月24日(金)  ベルヴィル・ランデブー

フランス、ベルギー、カナダの合作『ベルヴィル・ランデブー』。面白い!とにかく、その有り余るセンスの良さに酔ってしまいました。極めて個性的な造形美に溢れたキャラクターの数々。その全てが実に魅力的で、動きは大胆にして繊細!ノルスタジーカラーに彩られた画面の中でバイタリティ溢れるお婆ちゃんの達観とした佇まい、「うるさいよ!」とツッコミを入れながらも愛着を覚えずにはいられない愛犬・ブルーノ、敵も見方も入り乱れて大活躍!大して表情はありませんし、台詞もほとんどありません!なのに、描かれるキャラクター全てが愛嬌タップリにスクリーンから飛び出て来ます!もちろん、音楽も素晴らしく、ほとんど非の打ち所がありません!製作は『キリクと魔女』『白くまになりたかった子ども』のディディエ・ブリュネール。監督はフランスで食えないでカナダで成功したらしいシルヴァン・ショメ。ベルヴィルの街のイメージはケベックとモントリオールだそうです。この映画を観るとジャパニメーションの一方の雄と言われる押井や大友のアニメが如何に小賢しいだけのモノかが分かります。まさに、アニメーションの原典がココに!個人的にはピクサー作品に物足りなさを感じるオイラにはツボにハマリ捲くりの映画でした。あ、ひとつだけ・・・シャンピオンの表情の無さが気になるなぁ・・・ボソ。


2004年12月22日(水)  約三十の嘘 ヴィタール ふたりにクギづけ

『アベックモンマリ』『とらばいゆ』と生き生きとした台詞回しで映画に存在感を持たせてきた大谷健次郎最新『約三十の嘘』。今回は今までで一番贅沢な役者が揃っています。ところが・・・芸達者な連中だと思っていたんですけどねぇ。どうにも落ち着きが悪いです。台詞が板についていないというか、リハーサル不足というか、ちょっと過剰な演技も目に付きますし、わざとらしい印象です。さすがに、後半は落ち着いてきますが、時既に遅し!でしょう。ストーリーは寝台特急トワイライトエクスプレス内での密室劇で、その辺りの設定とか、過去を引きずる人間関係とか、クレイジー・ケン・バンドが手がける音楽とか、十分魅力的なんですが、小賢しくまとまってしまったようです。悪い映画ではないんですけど、いまいち魅力に欠けます。“嘘”がテーマなのに、あんまり“嘘”が際立っていないのが一番の欠点なのかなぁ・・・ボソ。


『ヴィタール』。なるほど!塚本晋也が描くと“純愛”はこういう風に描かれるワケですね!いやぁ、不気味ですなぁ(笑)。でも、不気味ですけど、その気持ちは分かります。“気持ち”というか“繋がり”とか言った方が分かり易いかもしれません。この映画の興味深いところは、記憶を無くした主人公が、その記憶を取り戻していく過程なんですけど、解剖と結びつけたところに塚本の真骨頂があります。塚本は毎回、精神と肉体のバランスに触れて来たんですが、今回は肉体の内部、つまり骨や臓物までに踏み込んだワケですから、かなり来ちゃいましたよねぇ。ただ、来ちゃったワリには、仕上がりは意外と平凡だったりして、どうせならもっとイっちゃえば良かったのになぁ・・・ちょいと食い足りないです。因みに“VITAL”とは生命維持に直接必要な諸器官のコト(主に心臓、肺、脳、胃など)だそうです。浅野に絡む二人のヒロイン、バレリーナの柄本奈美、モデル出身のKIKIですが、二人とも素晴らしい存在感です。ところが、浅野です。彼の髪型はコレじゃないとダメだったんですかねぇ(苦笑)。まぁ、主人公のモデルはレオナルド・ダ・ビンチっつーコトでロンゲなんでしょうけど、鬱陶しいコトこの上なし!それに、相変わらずですが、彼の台詞が聞き取りにくいですねぇ・・・このままホッといていいんですかね?


<ネタバレしています!>
『メリーに首ったけ』『愛しのローズマリー』等、深層心理のブラックな部分を弄ってきたファレリー兄弟ですが、とうとうここまで来ちゃいましたか・・・新作『ふたりにクギづけ』は結合双生児が主人公です。深層心理どころか、そのまんまじゃん!これはヤバいネタですよ。というワケで、ド真っ黒な内容を期待していたのですが、意外とマトモで、ちょっと肩透かしでした。もっとヤってくれるかと思ってたんですけどねぇ・・・なんかねぇ・・・“結合”の意味が軽いっつーか、捉え方がちょっとズレているような印象です。言い方を変えると“結合”にあんまり意味があるように感じられないんですよ。それもこれもブラック度が足りないからだと思うんですけど、いかがでしょう?・・・・・・・・・・・・・と、優しく書きましたけどね、正直なハナシ、ダメダメじゃん!こんなんで偏見云々なんてふざけるな!キチンと落とし前つけろよ!って感じですよ。だってさ、結局セパレートしちゃって、普通の人になっちゃうんだったら、意味ねーよ!だったら、最初からセパレートすりゃイイじゃん!それが出来れば苦労しない!っつーの!でもって、セパレートしちゃったら相手が恋しくなって、お互いの身体をくっつけて疑似双生児状態を作ってチャンチャン!なんて、なんじゃそりゃ!結合双生児を主人公にするなら最後まで結合双生児じゃないと意味ありませんよ。結合双生児は“結合双生児”という個性なワケですから、セパレートしちゃったら、結合双生児を否定するコトになっちまいますよ。こんな映画、本物の結合双生児が観たら、どういう気持ちになるんですかね?オイラにはメチャメチャ薄っぺらい映画にしか見えませんでした。


2004年12月21日(火)  AVP

『AVP』・・・予告編のダメダメさが信じられないほど、良く出来ています。南極を舞台にしているのに、息が白いシーンはわずかですが(苦笑)、それでも、この作品は気に入りました!まさか、そんな展開かよ〜!と良い意味で裏切られました。上手い脚本です!成功した原因は、作り手が“プレデター”“エイリアン”の両キャラクターに妙な思い入れをしなかったからじゃないでしょうか。美味しいところだけをキッチリと拝借していて、その辺りの割り切りの良さは気持ち良いくらいです。あ、そうそう!『プレデター2』を観ていない人は、予習してから観に行った方が良いと思われます。チラシとか読んじゃっている人には関係ありませんけどね(苦笑)。続編ではシガニー・ウィーバーが出て欲しいなぁ・・・。


2004年12月20日(月)  ターミナル

スティーヴン・スピルバーグ最新作『ターミナル』。う〜ん、ヌルい!それなりにエピソードを散らしてはあるのですが、結局はヌル過ぎる風呂状態を脱しません。まぁ、元々そんなに奇抜なストーリーを作る監督ではありませんが、今まではそんなステレオタイプのストーリーでもツボを得た達者な演出で、観ている者を楽しませて来たんですが、今回はあまりに不甲斐ない出来です。何処までも整形美人を眺めているような気分になりました。だいたい、トム・ハンクス扮する主人公が、何故に空港から出ていけるチャンスを生かさないのか全く分かりませんでした(オイラが馬鹿なのかも・・・(⌒o⌒;A)。また、彼がNYに来た理由もいまいちピンと来ませんでした。涙を流して感激するような話なんすかねぇ?キャサリンの心には熱いモノをもたらしたのかもしれませんが、オイラの琴線に全く触れませんでした。しかし、スピルバーグ・・・オーラが消えちゃったなぁ・・・ボソ。


2004年12月17日(金)  レディ・ジョーカー 舞台よりすてきな生活

高村薫の最高傑作と呼び声の高い『レディ・ジョーカー』。高村原作と言えば崔洋一監督の『マークスの山』が思い出されますが、世間の評判とは別に個人的にはダメでした。傑作長編推理小説の映画化というのは大変難しい作業だとは思うのですが、元々のストーリーの良さは折り紙つきですから、上手く着地すれば娯楽大作として十分魅力的な作品に仕上がるワケです。当然、映画化が決れば、読者の多くはそれなりに期待します。しかし、何せ“長編”ですから、そのまんま全てを映像化するワケには行きません。何処を生かして、何処を省略するのか?言い換えれば監督や脚本家の力量が試されるコトになります。そういう意味で、今作での平山秀幸、鄭義信のコンビの頭の悪さと言ったら、開いた口がふさがりません!この“しょーもなさ!は一体なんなんでしょ!簡単に言ってしまえば“火サス”で最後に犯人の語りが全く無いような映画です。救いようがありません!小生は原作を読んでいませんから、余計にチンプンカンプンです。何故に今になって?彼らの繋がりは?何故に“レディ・ジョーカー”なのか?そりゃ、オボロゲには分かりますが、そんなんダメでしょ!原作の上澄みだけを掬い取ったような、薄っぺらい仕上がりの作品を「5年に及ぶ歳月を費やして、遂に実現させた感動作」等と謳っている情けなさ・・・「あなたたちは分かりはしない」って言われてもねぇ!っつーか、分かるわけねーだろ!友人が言ってました「映画みたいに作っているけど、これは単に高村薫の原作のCMだよ」。なるほどねぇ!実際に映画を観た後、原作を買いに走った人間が約一名居ましたわ(笑)。これが今の邦画の限界とは思いたくありませんが、『飢餓海峡』の内田吐夢、『華麗なる一族』の山本薩夫、『砂の器』の野村芳太郎等・・・彼等の後を継ぐような監督が居ないのは淋しい限りです。


ロバート・レッドフォード製作総指揮の『舞台よりすてきな生活』。子ども嫌いの劇作家ピーター(ケネス・ブラナー)と妊娠願望症の妻メラニー(ロビン・ライト・ペン)の夫婦を中心に描かれるすてきな?生活。う〜ん、微妙(苦笑)。つまり、型通りに作れば、こぢんまりとまとまった作品になったと思うのですが、今作は“型”を外して様々なキャラクターを登場させ、多くのエピソードを散りばめ、広がりのある作品にしようとしています。ただ、その狙いが手放しで成功しているとは言えないんですよね。おそらくシニカルな笑いや、コアな部分でオイラには理解出来ないところも多々あったとは思うのですが、イマイチまとまりに欠けます。やはり、この映画のバックボーンになる、引っ越してきた少女との交友をもう少しキチンと描いた方が良かったような気がします。ブラナー、ペンが良かっただけに、ちょっともったいないです。監督・脚本は今作がデビューのマイケル・カレスニコ。


2004年12月16日(木)  バッド・サンタ ベルリン・フィルと子どもたち

友人がNGを出していた『バッド・サンタ』です。いやぁ、仰るとおり!これはダメですよ(笑)。監督が『ゴースト・ワールド』のテリー・ツワイゴフだったので、ちょいと期待したんですが・・・とにかく弾けない作品でした。テンポが悪いのは置いといても、一番のNGはビリー・ボブ・ソーントンが演じる主人公です。全く魅力がありません!単にだらしないだけで、ぜ〜んぜん可愛くありません!これは主演のビリー・ボブに責任があるワケじゃなくて、演出がダメダメなんだと思われます。脚本も無駄な描写ばかりで、それぞれのエピソードは全く説得力がありません。重要な役割になるヘタレ小僧も、どうしてバッド・サンタに纏わりつくのかさっぱり分かりません。なんだか、日本のTVドラマのような軽薄な映画でした。

アバドの後を受けて、ベルリン・フィルの首席指揮者に就任したサイモン・ラトルは言う「サッカーの授業ならサッカーボールを蹴って教える、美術の授業なら絵を描かせて教える、音楽の授業は静かに聴きなさい・・・これはオカシイだろ!」。就任早々「音楽は工場へ、学校へ解放されるべきだ!」と宣言したラトルは“教育プロジェクト”に着手したワケですが、その成果の全てがこの作品に描かれています。ベルリン中から募った8歳から20歳までの子どもたち250人にベルリン・フィルが演奏するストラヴィンスキーの♪春の祭典 に合わせて踊ってもらう・・・8週間のレッスンを経て子どもたちはどう変わっていくのか?授業の後、冬の寒い体育館に集まって、ただただ身体を動かす子どもたち。今までは、学校が終わればサッサと遊びに行っていた子どもたち・・・・彼らは信じられない経験をするコトに!このプロジェクトは本当に素晴らしいし、素敵です!これはクラシック音楽を育んできた土壌が無いと絶対に生まれないモノなのかもしれません。もちろん、サイモン・ラトルも素晴らしいのですが、ナンと言っても英国ロイヤル・バレエ団のコリオグラファーであるロイストン・マルドゥームの指導の力強さと言ったら、今の多くの教師が手本に出来るのではないかと思うくらい、力強く美しいです!彼の発する言葉の多くは神がかっており、その説得力に惚れ惚れしてしまいました。この作品を観ると、子どもが持つ大きな可能性を信じずにはいられませんし、音楽のある星に生まれたコトも感謝したくなります。それと同時に、人生の先輩として、子どもに対してどう接しなければいけないのか?という疑問さえ解けそうな気がします。「踊りの最中に話してはダメだ!何故なら全てのエネルギーは身体で表現して欲しいから!話すコトでエネルギーは逃げてしまう!」に始まって、この映画の中で発せられる言葉の多くは、本当に魅力的です。登場する全ての人間が美しく見えてしまうのはオイラだけでしょうか?「音楽にできるコトは人々を一つにするコトだ!」。国籍も人種も、どんな“壁”も越える力が“音楽”にはある!エミネムを髣髴させるメインテーマもあまりにハマリ過ぎている『ベルリン・フィルと子どもたち』は多くの人に観て欲しい秀作と言えるでしょう!なお、このプロジェクトは年に2回の予定で続いているらしいですが、日本でもヤレばいいのに・・・・ボソ。


2004年12月15日(水)  ザ・ゴールデンカップス/ワンモアタイム 人妻集団暴行致死事件

最近は全世界的に音楽ドキュが流行のようで、日本からは『ザ☆ゴールデン☆カップス/ワンモアタイム』がエントリーです。「トーキョーなんてハマの残りカスみたいなもんさ!」と言ったのはフェンスの向こうに“アメリカ”がドカン!と構えていた“本牧”の言葉です。ベトナム帰休兵が踊り撒くっていた横浜・本牧にあるクラブ“ゴールデンカップ”。60年代後半の世相(安田講堂、新宿騒乱事件など)を垣間見せながら、今現在は各界で活躍する人々が証言する本牧の実態は、同じ時代を生きて来た人間としては懐かしくもあり、悔しくもありました。日比谷野音でのフリー・コンサートに革マル派が乱入したり・・・という、その時、現場にいた遠い記憶を呼び覚まされる話なんかも出て、胸がちょっと熱くなりました。ただねぇ・・・遅れてきた大物バンドだったカップスが♪いとしのジザベル なんてバタ臭い楽曲でデビューし、こいつらはちょっと違う・・・な〜んて思っていたのに、いきなり♪長い髪の少女 かよ〜!っつー印象はありました。つまり、バカにしていたトーキョーのやり方に乗っかったワケですからねぇ・・・地元の風当たりはどうだったの?とか、どんな気持ちでやってたの?みたいな、その辺りのコトにあまり触れてないんですよねぇ。まぁ、そんな細かいコトなんか考えてないよ!っつーことなのかもしれませんけどね。それと、気になったのは前半後半(A面B面)に分けた構成が良かったのかどうか?つまり後半は所謂フィルム・コンサートなんですよ。やっぱり、生生しいインタビューと復活ライブを交互に見せた方が良かったと思うんですけど。それにしても、マジでカップスの連中って悪かったんですねぇ。曰く「あんな不良は見たことない」、「いい奴なんだけど、ヤク中だからなぁ・・・」とか、やっぱ住んでた世界は違いますわ(笑)。観客は同窓会のような雰囲気で、何処か共犯意識にも似た空気が流れていました。そんな女性客の中には現在のマモル・マヌーの姿を見てトホホな溜め息をこぼしている方もいらっしゃいました(笑)。インタビューで面白かったのは土屋昌己(カップスのローディだったんですね)。あんなに嬉々としている土屋昌己なんて見たコトありません(笑)。葉村エツコなんて人の顔が見られたり、ちょっとビックリ!


神代辰巳と並んで日活ロマンポルノの雄と並び称された田中登の代表作と言えば『マル秘・色情めす市場』と『実録・阿部定』ですが、その二本の中間に位置する作品がこの『人妻集団暴行致死事件』ではないでしょうか。確か・・・日活ロマンポルノと題されたシリーズは90分の上映時間の中に10分に1回濡れ場があれば後は何をやってもいい!という法則でした。田中登は軽いノリの若者たちのSEXに比べ、室田と黒沢の濡れ場を執拗に映し出します。即物的な行為としか描かれない若者と、成熟した大人の濃厚な性描写。しかし、自分が可愛がっていた無軌道な若者3人は妻を強姦し殺してしまう・・・そして、彼女の“死”から分かったコトは・・・。それはあまりに自分勝手な解釈だった・・・アレだけ愛し合っていたと思っていたのは単なる勘違いだったのかもしれない・・・それなりに人生経験を積んで来たのに、何も分かっていなかった・・・悲しい結末。この辺りのレトリックはロマンポルノの法則を逆手にとった上手い作りです。相手のコトを思いやっているように見えて、結局は自分の都合の良い解釈をしてしまう、望んでしまう人間の“愚かさ”が産んだ悲劇を、淡々と描いています。マリファナ所持で捕まった室田日出男は復帰後初作品となる今作で、破滅する中年男を好演していますが、ナンと言っても人妻役の黒沢のり子です。殺された後までも素晴らしい存在感で恐ろしいくらいです。懐かしかったのは、まだ“康雄”と名乗っていた頃のひょろひょろの故・古尾谷雅人とか、タヌキ顔のポルノ女優・志方亜紀子とか、まさに遠い目になってしまいました。それにしても尋常じゃないタイトルです。まぁ、日活ロマンポルノ色が良く出ていて個人的には好きですけどね。もちろん、東京国立近代美術館フィルムセンターに所蔵されています(笑)。


2004年12月10日(金)  ゴジラ ファイナル ウォーズ Mr.インクレディブル

まぁ、北村龍平ですからねぇ・・・『ゴジラ ファイナル ウォーズ』。予告編で見て想像した範囲は全くと云っていいほど越えていませんでした(笑)。映画を観ながら「ああ、北村だなぁ・・・」と思えるのが良いのか悪いのか分かりませんが、例によって最後は長いですし、うるさいです(苦笑)。X星人がたくさん出てきたらX−menってのはギャグなんですかね(笑)。カイル・クーパーのメインタイトルや、エンディングで延々と流れるキース・エマーソン節とか、見所は満載ですが、一番興味深かったのは予告編で流れた『TOKYO TOWER』を見せられた後の観客の所在投げな様子でした。すっげぇ、気まずい空気がドッヨ〜ン・・・全く興味ねーよ!くだらねぇ!とか、観た事を静かに記憶から抹殺したいとか、隣の奴には絶対悟られたくないけど、ちょっと見たいかもとか、いいなぁ・・・とか、実に妙な状況が生み出された瞬間でした(笑)。しかし、菊川怜って下手だなぁ。


ゴジラに続いて、こちらもスーパーヒーロー物『Mr.インクレディブル』。すっげぇ〜完成度が高くて面白いです。昨年の『ファインディング・ニモ』よりも十分魅力的でもあります。キャラクターそれぞれの表情が生き生きしていて本当に上手い!ほとんど非の打ち所の無い映画です。つまり!ルックスは爽やかで、性格は良くて、勉強も嫌味にならない程度に出来て、頼まれたコトは卒なくこなし、時々ギャグをかまして、時々ドジを踏む。もちろん中肉中背、脚も早くてクラスの人気者!そんな映画です。それって、どうなの?オイラはやっぱり『シュレック』のが好き♪


2004年12月07日(火)  人情紙風船

山中貞雄は「こんな作品を遺作にしたくない!」と言って戦地に赴いたそうですが、結局は遺作になってしまった『人情紙風船』です。劇場鑑賞は初めてでした♪〜( ̄ε ̄;)。現存する山中3作品(『丹下左膳絵話・百萬両の壷』『河内山宗俊』)の中では一番大人しい作品になっていますが、これは当時、既に召集令状を手にしていた山中の厭世的な胸中が反映されたモノだとも言われています。ちょっと前に劇場で、どちらかというと活劇風味の前記2作品を観ていたせいか、今回の『人情紙風船』は遠い昔にLDだかVHD(古いよ!)だとかで観た時より、かなり緩慢な印象が残りました。それでも山中らしい“粋”な演出は健在で、新三や海野、海野の奥方の描き方なんぞは特筆に価します。特にラストの竹を割ったような潔さは、まさに山中節の炸裂です。個人的には完成度が一番高いと思うのは『丹下左膳絵話・百萬両の壷』。一番好きな作品は『河内山宗俊』。『人情紙風船』は、後付ですが、作られた時の背景を考えてしまうと何処か寂しげな表情が見え隠れしまい、ちょっと切ないかも・・・ボソ。


2004年12月03日(金)  ニワトリはハダシだ

森崎東監督、原田芳雄、倍賞美津子と揃えば『生きてるうちが花なのよ 死んだらそれまでよ党宣言』を思い出されますが、今回の『ニワトリはハダシだ』もまた『死んだら〜』に近い印象の映画です。森崎と言えば、世の中の不条理に対して“一億総中流階級”の意識など全くない庶民、言い方を変えれば全てのアウトローな人々が「ざけんなよ!このやろー!」とたくましく向かっていく姿を描いてきた映画作家ですが、今作は久々に森崎節が炸裂しています。しかし!『死んだら〜』の時も、話を広げすぎてまとまり切らなかったように、今回もまた・・・さらにバラバラな印象が残りました(苦笑)。それぞれのストーリーが上手くリンクしていません。特にバックボーンになる汚職事件が分かり辛いのが致命的です。多彩な登場人物(原田、倍賞の他に石橋蓮司、柄本明、岸部一徳、李麗仙、笑福亭松之助、塩見三省、余貴美子、加瀬亮)は皆魅力的なだけに惜しいんですよねぇ・・・77歳の森崎東としては精一杯なんかなぁ・・・ボソ。映画の完成度はそこそこですが、それよりも何よりも一番心奪われたのは、観ている最中ズーっと「誰だっけかなぁ・・・新山千春じゃないしなぁ・・・こんな女優いたっけかなぁ?」と、気になっていた養護学校の担任役です。あまりに自然で躍動感溢れる演技だったので、てっきり既存の役者だとばっかり思っていたら、全くの新人“肘井美佳”という女優でした。CMなどで露出している、所謂アイドル路線のタレントだそうですが、この娘は上手いですよ!初めての映画出演でこれだけの存在感を発揮するのは並大抵ではありません!何処かで見たことあるようなルックスがちょいと欠点ですが、それでも何処か土着的な印象を残す佇まいは生命力が漲る力強さを感じさせてくれます。しっかりと勉強してちゃんとした女優に育って欲しいなぁ・・・。


2004年12月01日(水)  春夏秋冬そして春 ニュースの天才 イブラヒムおじさんとコーランの花たち

『魚と寝る女』を観た時に「ああ、この監督とは相性悪そう・・・」と思い、前作の『悪い男』もスルーしたんですが、この監督特有の暴力シーンは今回は無い!というコトで観てきました。キム・ギドク監督作、2004年の韓国大鐘賞最優秀作品賞受賞作品『春夏秋冬そして春』です。確かに直接的な暴力シーンはありませんでしたが、怒りのシーンにしろ、ラストの歌声にしろ、異常なテンションの演出を見る限り、この監督には肉食動物の獣の血が流れているような気がします(笑)。ストーリーは予告編で想像した通りの展開で、特に言うコトはありません。そういう意味では今までで一番観やすいですし、東洋の神秘っぽいストーリーに海外のマスコミがゴロニャンしちゃうのも頷けます。まぁ、そんな話ですから、元々東洋人のオイラには、だからぁ?みたいな印象ですが(笑)。ただ、韓国の名勝と言われる国立公園に作られたロケセットは研ぎ澄まされた美しさを醸し出しており、一見の価値はあります。後から知ったコトなんですが、“冬”と“そして春”を演じた主人公は監督自身(“秋”の人物とは違い過ぎるだろ!)だそうです。しかし、この監督の作品は評価高いですねぇ・・・最新作の『サマリア』(かなりヤバそうでした・・・ボソ)はベルリン映画祭で最優秀監督賞受賞ですから!う〜ん・・・わからん!あ、そうそう!登場する和尚ですが、まるでヨーダのような・・・・ボソ。


ダース・ベイダーことへイデン・クリステンセン(笑)が主演、トム・クルーズが製作総指揮を担当している『ニュースの天才』。初メガホンになった監督のビリー・レイは『ボルケーノ』『ジャスティス』の脚本家として有名です。脚本家の初監督作・・・やはり一筋縄では行きません。多少映画的に納まり過ぎるきらいはありましたが、登場人物それぞれの印象が映画が進むにつれて見事としか言いようの無い変化を遂げます。エアフォースワンで唯一読まれている雑誌“ニューリパブリック”の人気ジャーナリストが書いた41の記事のうち27が全くの捏造だった!という実話の映画化ですが、そんなことも全く知らないで観た方が絶対面白いです。ダラダラと、もたついているようにしか見えない前半と、主人公・スティーヴン・グラスがどんどん壊れていく後半の対比は、ひょっとしたら狙い?と、思えてしまうほど、加速度をつけてクライマックスへ向かいます。ジャーナリスト物と言うのは、ともすると硬派なタッチで描かれる場合が多いのですが、この作品はそういう事実を追求するよりも、一人の人間が壊れていく様をあくまでも冷静な視点で見せつけます。正当化する為の、嘘の上塗り、恥の上塗り・・・それは巨額の公金をくすねたり、ギャンブルやヤミ金にハマったり、アバタもエクボで異性に溺れたりするコト等、つまり傍から見れば「何故?」としか思えない、人が時々落ちる狂った瞬間と大差ないことなのかもしれません。それにしても、捏造した記事が27もあったのに誰からもクレームが来なかったのが不思議です。そんなモンなんすかねぇ?っつーか、あんまりポピュラーじゃないんすか?だいたい、このスティーヴン・グラスという人物は最初から作家になっていれば良かったんじゃないのかなぁ・・・そんなにピューリッツァ賞が魅力的だったのかなぁ?イケメンのヘイデン・クリステンセンは神経質なキャラクターを好演しています。


オマー・シャリフが、超お久しぶりに主演した『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』。あちらこちらで賞を取っているらしいんですが、どうにも不甲斐ない作品でした。無駄なエピソードは多いし、大して重要とは思えない場面がやたらと冗長なのに“肝”となる部分の描写はすこぶる曖昧です。言いたいコトは分かりますが、この映画で描かれるストーリーが必要とは全く思えません。ナンだか何処かボヤけた印象の作品でした。監督は『うつくしい人生』のフランソワ・デュペイロン。概ね不評だった『うつくしい人生』、オイラは好きだったんですけどねぇ・・・トホホ。


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