Deckard's Movie Diary
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2003年05月30日(金)  ダブル・ビジョン

 何故かデビッド・モースが出ている『ダブル・ビジョン』。ハッキリ言って、あっちもこっちもトッ散らかっちゃって、怖くも何ともないホラー映画でした。出だしは『シックス・センス』を思わせる死臭が漂っていて、「おお、中々エエやんかぁ〜♪」と感じさせてくれるんですけど、いつまでたっても思わせぶりのまま話が前に進みません。いくらナンでもタメ過ぎだろ!と、ツッコミを入れたとたん「ウソよねぇ〜!Σ( ̄□ ̄;)」と情けない話に展開しちゃうから、どーしましょ?キョロ(T_T ))(( T_T)キョロって落ち着かなくなっちゃいました。色々とソレっぽい理屈を言ってますが、観ている方にはな〜んも伝わって来ませんから、ち〜っとも怖くありません。しかし、この映画は間違いなく編集次第でもっと面白くなるでしょう。無駄なところが多すぎるし、もっと分かりやすい展開にしてあげればイイと思うんですけどねぇ。まぁ、それでもお暇なら!って感じでしょうけど(苦笑)。結局はアレもコレもと欲張ったせいでどーでもイイ映画になってしまったってコトですね。


2003年05月26日(月)  アバウト・シュミット 8マイル

 『アバウト・シュミット』・・・あまりに偉大で平凡な映画でした。まさに“平凡”を絵に描いたような、いや、“平凡”を映画にしたような映画です(笑)。主人公であるシュミットは『めぐりあう時間たち』に登場したジョン・C・ライリー演じるローラの夫のような人物で、彼の人生は平凡そのものだったんでしょう。だけんどもしかし!どんなに平凡な人生だろうと、出会いがあり別れがあるのです。そこに、喜びに溢れる瞬間もあれば、怒りに我を忘れるコトもあり、哀しい場面に出会う時も、楽しいひとときが訪れる事もあるのです。人生とは、最後に幕が下りるまで出会いと別れを繰り返しながら、喜怒哀楽の中で生きていくモノなのでしょう。そして時には、小さな幸せに大きく心を揺さぶられるコトもあるのです。誤解のないように言っときますが、“平凡な人生”は“つまらない人生”とは違います。“つまらない人生”などというモノはありません。“つまらない人生”かどうかはその人生を生きる人によるのです。しかし“つまらない人間”は星の数ほどいます。その“つまらない人間”もまた生まれた時から“つまらない人間”ではありません。長く生きている内につまらない常識や人間関係等に囚われ、少しずつ“つまらない人間”になっていくのです。シュミットは“つまらない人間”だったのかもしれません。“つまらない人生”に限りなく近い生き方だったのかもしれません。しかし!彼はホンの些細な出来事から自分の人生は“平凡な人生”だったけど“つまらない人生”ではなかったと悟るのです。夜空に浮かぶ星の美しさを感じたあの頃のように、他愛のない人形を可愛いと思ったあの頃のように、母に甘えたあの頃のように、彼に残された未来は多くはないかもしれません。しかし、この映画の素晴らしいエンディングは、残りの人生を有意義に過ごすシュミットの姿をエンドロールの向こうに見させてくれるのでした。“平凡”という人生をここまで映画として昇華させたアレクサンダー・ペイン監督とシュミットを演じたジャック・ニコルソンに拍手を惜しみません。

 攻撃的なラップで有名なエミネムの自伝映画的映画『8マイル』です。うーん・・・まぁ、ハッキリ言って、アイドル映画以外のナニモノでもなかったです。アメリカン・ドリームを実現させたラッパーの上辺をサラっと描いただけの映画にしか見えませんでした(>_<)アチャ!主演はエミネム自身なんですが、役者ではナイので表情に全く変化がありません。それが演技だとか、演出だとか言うのはちょっと無理があるような気がします。彼の攻撃的なリリック(歌詞)の核になっている部分の描写がいかにも在りがちな状況の上に成り立っているので、それが事実と言われればそれまでなんですが、お座なりに感じてしまいました。まぁ、そんな風に思うオイラは捻くれてるんでしょう(苦笑)。個人的には彼がリリックを書いていく部分とかを、もっと突っ込んで描いて欲しかったですね。だって、それが彼の全てでしょ。人と違う風景をもっと見ていたはずなんだよねぇ。絶対に!もちろん、ラッパーとしてのパフォーマンスも素晴らしいのでしょうけれど・・・。まぁ、普通には楽しめます。


2003年05月23日(金)  サラマンダー

 『サラマンダー』。これは想像していたより良かったです。もう少し頑張っていたら傑作になっていたかもしれません(それは言い過ぎだな(笑))。で、想像していたのは、観終わって「まぁ、そんなに期待しちゃいかんでしょう!(苦笑)」ってな感じで自分を納得させるようなシロモノですけどね。そりゃ、ツッコミ所はたくさんありますけど、まぁいいじゃないですか(笑)。映画の主役であるサラマンダーですが、登場の仕方は唐突ですし、二度目の登場もパァっとしません。大丈夫かなぁ・・・この映画・・・と、少々不安になって来たところに、強力な援軍?が到着(笑)。そっちに話が行くんかい〜!と、思っていたら、そこからサラマンダーがガメラシリーズのギャオスやイリスを思い出させる雰囲気を醸し出し、俄然魅力的に!(ホントかよー(苦笑))。アナログチックな攻撃とかも怪獣映画の定番で好感触。何よりも気に入った表現は、登場人物が最後までサラマンダーを等身大に怖がっているのが良かったです。だいたいコノ手の映画ってヒーロー&ヒロインが人並外れたスーパーマンになっちゃうんですけど、その辺りの表現が実に適度な温度で描かれていました。だって、あんな怪物が目の前にいたら怖いもの(爆)。また、マシュー・マコノヒーもクリスチャン・ベールも今までとはチョイと違ったキャラで楽しませてくれますが、特にマコノヒーの変身ぶりにはビックリ!細かいところで映画ファンを擽る演出も微笑ましかったです。


2003年05月21日(水)  風の絨毯 Bモンキー

 数少ない国際女優の工藤夕貴(井沢八郎の娘も、もう32歳なんですねぇ(笑))がプロデュースに名を連ねる『風の絨毯』。日本とイランの初の合作映画だそうです。ストーリーは悪くないと思います。日本の祭りとペルシャ絨毯、母を亡くした少女の再生の物語。日本とイラクの文化の違い・・・・・うん?それは無かったなぁ。っつーか、この映画ってマジで合作なの?だいたい榎木孝明(この人の演技がまた謎なんだよなぁ・・・)が髭を生やして登場したのを見た時はイラン人かと思いましたよ(笑)。そのくらい日本人なんて何処にも居ない。日本である必要は飛騨高山の祭りだけ。けっこう笑えるところもあったりするんだけど、映画の出来としては間違いなく3流!本当に真面目に作ったのかなぁ・・・それさえも疑いたくなってしまうほどシマリのない映画でした。全てがの〜んびりしちゃってるんですよ(苦笑)。幾らだって良くなる下地はあるのになぁ・・・トホホ。

 『Bモンキー』はあの『1984』『イル・ポスティーノ』のマイケル・ラドフォード監督作品です。最近では、未見ですけど『ブルー・イグアナの夜』なんてのも撮ってました。で、この作品ですが、新橋で石を投げればサラリーマンに当たる!っつーくらい、そこら辺に転がっている映画でした。全く持ってオリジナリティがナイというか、よくもまぁ、こんなストーリーの映画をヌケヌケと作るよなぁ・・・という感じでしょうか(苦笑)。それでもラス前はそれなりに盛り上がったので、もうちょっと前半部をキチンと描けよ!とツッコミ状態でした。“Bモンキー”と呼ばれるヒロインとその仲間との関係がおざなりな描き方の上、ヒロインが引退するコレと言った理由もありませんしねぇ。30分くらい切られちゃったような薄さでした。というワケで完璧なB級映画ですね。幾らでも面白くなる要素(アーシア・アルジェント、ルパート・エヴェレット、ジョナサン・リース・マイヤーズの関係は良くあるパターンですけど、雰囲気はありました。)はあるのに、才能のない制作者の為に、しょーもない映画になった典型的な例でした。ナンだか上記の映画の感想と似てるなぁ・・・。


2003年05月19日(月)  めぐりあう時間たち

 『めぐりあう時間たち』はとても丁寧で格調高い素晴らしい作品でした。出だしから実に上手い演出で、違和感なく三つのストーリーに入っていけました。3女優の演技も素晴らしく、映画としてはそれだけで十分楽しめます。エド・ハリスの存在感も特筆モノです。マイケル・ナイマンを重厚にしたようなフィリップ・グラスの音楽もハリウッド映画らしからぬ雰囲気を与えていて、ある意味、ヨーロッパ映画とハリウッド映画の幸せな融合とも言える作品に仕上がっています。ただ、性的嗜好の問題が大きくフューチャーされているので、それがこの映画のテーマに見えてしまう可能性があります。もちろん、人によってはそれがテーマなのだ!という人もいるでしょうけど、小生はそうは思いませんでした。それがテーマなのかな?と錯覚を起こしかねない作りに見えてしまうのが残念というか、惜しいというか・・・。もちろんこの映画にとって重要な要素だとは思いますが、この映画はもっと普遍的なテーマ。つまり“生きていく”というコトを描いているんだと思います。
「結婚は女にとって人生の墓場だ」と悩んでいたダロウェイ夫人も日常に流され無難な結婚をし、いつのまにか年月が過ぎてしまった。しかし、彼女は悟ります。自分の人生を受け入れ、逃げずに真正面から向き合うコトこそが人の生きる道なのだ!と。そこから逃げ出したジュリアン・ムーア扮するローラ・ブラウンはどうだったのでしょうか?息子は自ら道を閉ざしました。では、もしローラ・ブラウンがしっかりとジョン・C・ライリーに悩みを打ち明け家を後にしていたら・・・その場合、偉大な詩人は生まれなかったかもしれません。どちらが、誰が幸せなのかはわかりません。そして、現代のクラリッサの心も満たされていません。しかし!それは彼女達の問題だけでなく人間全てがかかえているモノなのです。つまり“生きていく”という事は様々な悩みや不安と同居しているコトであり、そこから逃げていては幸せにはなれない!というコトを言いたいのじゃないでしょうか。とは言え、オイラもちょっとベルイマンの『ペルソナ』風を加味して観ていた部分もありました(自爆)。そういう意味ではドップリ疲れてもいいから3時間くらいかけてもっと丁寧に描いて欲しかった感じもするんですよね。もっと3人の生への叫びをしっかりと把握したかったというか・・・。その辺りの深い部分は3人の演技力でカバーって感じなんでしょうけど、なんとなく全体を“上手〜くまとめた感”が強くて、どうにももったいない気がしちゃって・・・。まぁ、どちらにせよヴァージニア・ウルフの小説『ダロウェイ夫人』、又はヴァネッサ・レッドグレーブ主演映画『ダロウェイ夫人』なりの知識がないと、この映画の賞賛されるべき巧みさの部分は伝わらないでしょう。だから何?という人も居るかもしれませんが、その巧みさこそが“人生はミステリー”とも言えるんじゃないでしょうか?あ〜、上手く言えないなぁ・・・・トホホ。それにしても惚れ惚れするほど上手く出来てる物語だなぁ・・・。ナンだか、書いてたらドンドン印象が良くなって来ちゃったよ(苦笑)。


2003年05月15日(木)  X−MEN2

 『X−MEN2』は『1』より断然好き!前作は単なる娯楽映画でしたが、今回は人間ドラマ(あ、正確にはミュータント・ドラマですね)がいい感じで絡み合ってきてオイラ好みの映画に仕上がってました。全編を通して肌に纏わりついてくるウェット感はあの『ブレード・ランナー』等に近いモノがあり(ちょっと誉め過ぎだけど(笑))ます。それよりなにより!プロフェッサーがヤバイ状態になっている時にオイラが思い出したのは001<イワン・ウイスキー>だったんです。そう!この映画ってあの名作アニメ『サイボーグ009』のような雰囲気に満ち溢れています。それぞれのキャラが単なる超能力者ではなく何処か自分に納得出来ていない日陰者みたいな・・・やっぱり超能力モノは切なくないとね。ただの暴れん坊じゃなぁ・・・(爆)。ズラリと揃って立っている図なんて、まさに『サイボーグ009』。マフラーを忘れてるぞー!と言いたくなりました(苦笑)。ストーリーも前作では敵役だったマグニートーとの関係が上手い作りですし、新キャラのナイトクローラー、パイロ、アイスマン等の性格も分かりやすいし、ローグは成長したところも見せてくれます。出番が多くなったストーム、003<フランソワーズ・アルヌール>にあたるジーンは一番憂いがありました。個人的にはミスティークがツボです。因みにウルヴァリンは009<島村ジョー>で、ストームは002<ジェット・リンク>、サイクロップスは004<アルベルト・ハインリヒ>、マグニートは鼻がでかいしギルモア博士ってことかなぁ。ミスティークが007<グレート・ブリテン>ってコトはないと思うけど(爆))。っつーか、X−MENが63年、009が64年に連載が始まってるんですけど関係あるんですか?誰か知っている人いたら教えて下さい。連載当初はウルヴァリンとか出てなかったみたいですけど・・・。ナンか話しが逸れてきちゃったなぁ(自爆)。とにかく良かったんです〜!もうちょっと後半のテンポが良ければなぁ・・・ボソ。


2003年05月14日(水)  BULLY  ロスト・イン・ラ・マンチャ

 結局・・・だから何?そんな言葉しか見つからない。何を隠そう『BULLY』です。「痛い十代の事件を説教臭=0で描く」映画だそうですけど、それってどうなん?確かに殺すまでが、いじめっ子とダラダラと付き合いながら、乳繰り合いながらの描写が長いので、殺されるシーンはけっこうズシ〜んと来ます。その後、事件が発覚していく過程も面白いんですけど、それだけなんです。それなりに分別ある人間がこの映画を観ると「こいつらアホじゃん!こういう事件を起こすのも仕方ないなぁ」と思って終わりなんじゃないかなぁ・・・つまりバカがバカを殺した映画でしかない。殺す理由が分からないという話もあるでしょうけど、ナンテたってバカですから、大した理由もないんでしょう(苦笑)。まぁ、色んな意味で若い連中が観たらどう思うのか聞いてみたいですね。だって渋谷辺りにたくさん居そうじゃないですかぁ、こんな連中(あ、言っちゃったよ)。オイラが高校教師だったら生徒に見せて、感想文を書かせます(笑)。で、それぞれの感想文を読んでみたいですねぇ。それくらい現象だけを追った映画です。まぁ、こんなコトを書いてるオイラにはお呼びでない映画なんでしょう(苦笑)。監督は無関心な親がテーマだったとか言ってるらしいけど、そういうコトかよー?ってな感じでした。確かに説教臭さは無かったけど馬鹿臭さはありました。って書いてたら、この映画ってR−18でやんの!なんだかなぁ・・・。

 さて、『ロスト・イン・ラ・マンチャ』です。個人的にはとても面白かった!あくまでも個人的に!であって他の人がどう思うのか全くわかりませ〜ん!キッパリ! 内容は、あのテリー・ギリアム最新作『ドン・キホーテを殺した男』の頓挫した様子を記録したドキュメンタリーなんですが、もちろんテリー・ギリアムに“あの”の定冠詞をつけたのは分かりますよね(苦笑)。いっつも金のかかりそうな映画ばっかり作ってるし、『バロン』で大コケしてるし(爆)。で、何故“個人的”にというコトにしつこく拘るかと言うと、少なくとも小生は似たような体験をしている部分があって、彼ら(ギリアムを含むスタッフ全員)が直面した数々の災難が肌で感じられたし、その時の皆の心模様が手に取るように理解出来ちゃったんですよ。とにかくカメラが少しでも回ると安心するとかね。監督が自ら誉め、周りを巻き込んでいく雰囲気とかも、興味深く見ました。ああいう場合の監督の内心ってビクビクなんですよ(苦笑)。ギリアムって意外と常識人ってのも面白かったし、元々アニメーターという下積みの出身だからかなぁ。他にも、助監督の言葉に落ち込むギリアムの怒られた子供のような表情とか・・・助監督は監督のしたいようにさせたいんだけど、出来なかった辛さもあるし・・・、彼の「カメラを回してしまえば何とかなるコトが多いんだけど、それが今回に関しては上手く行かなかった・・・」と言った言葉も印象的でした。というワケで、結局は制作者サイドで受けちゃう内容なんですよ。だってね、DVDの特典映像用に回していた映像をこういう形で映画にしちゃっていいのかよー!ってツッコミも絶対ありますから(苦笑)。『ポンヌフの恋人』の“出来るまで”も凄かったけど、こちらは完成しなかった・・・つまりメイド出来なかった映画のメイキング映画。だからこそ面白い!とオイラは思ったけど、他の人がどう思うのかは全くわかりませ〜ん!キッパリ!アレ?さっきも言ったっけ(苦笑)。オイラにとってはラストのオチも効いてます♪


2003年05月13日(火)  レセ・パセ[自由への通行証] あずみ

 『レス・パセ(自由への通行許可証)』は170分もある映画だったんですねぇ(笑)。想像していた映画とちょっと違ってました(⌒o⌒;A 実在の人物、助監督のジャン=ドヴェーヴルと脚本家のジャン・オーランジュの二人を中心にストーリーが展開します。ナチス占領下のパリ、ドイツ資本の映画会社<コンティナンタル>に身を投じながら地道にレジスタンス活動をしたり、仲間を助けたりしている二人。実話を元に様々なエピソードが描かれますが、そのひとつひとつが全くリンクしてきません。なぜなら、彼らは戦時下でも好きな仕事を出来ているワケで、そういう意味では恵まれているんです。そりゃ爆撃されて右往左往なんてのもありますが、悲惨さもさほどありませんし、この手の映画でよくある切羽つまった緊張感もほとんど感じられません。まぁ、感動するような映画でないのは確かです。観終わって、「3時間過ぎたのか・・・・」って印象しかありませんでした。監督は「二人の人物を得て、シッカリした物語になった」と言ってるようですが、中心人物を二人にしたことによって物語が散漫な印象になったのは否めません。また、ほとんど標準レンズによるバストアップのサイズばかりの映像でフランス語がヴゥーヴゥー飛び交うので、睡魔に誘われてしまいました(>_<)アチャ!映画としては、ところどころ笑えるシーンもあったりするので、もっとノホホンとしたコメディ風味にした方が良かったかもしれません。

 スペリオールで愛読していた小山ゆうの劇画『あずみ』の映画化が決まった時、ワクワクしたのを覚えています(苦笑)。監督に抜擢された北村龍平は魅せるアクションという演出では十分期待出来ますが、ストーリーテーリングに不安があったし、あずみ役の上戸彩は海のものとも山のものとも分からない・・・期待値も不安値も同じような数値だったんですけど、これがどーして中々良かったですわ!劇画が原作の映画化としてはほとんど満点だと思いました。だからこそ、もう一つ上に行って欲しかった・・・という気持ちもありますが、今回はこれで満足します(笑)。つまり「この程度は作って欲しい」という期待以上のモノは全くないってコトです(褒めてないじゃん!)。それでも、北村龍平は今の日本で分かり易いエンターテイメントを提供出来る一番の監督であるのは間違いないです。今回はストーリーも人物描写も原作があるのでしっかりしていますしね(笑)。欲を言えばもっと残酷描写や血飛沫が多くても良かったし、あずみの孤独感をもっと浮き彫りにして欲しかったんですけど、まぁ、そこまで描かれてたら傑作になっていたでしょう。で、上戸彩なんですが、頑張っているのは分かりますし、良くやった!という印象もありますが、やはり力不足!表情に変化が無さ過ぎるのがどうしようもないし、殺陣も時折異常に遅く見えます(苦笑)。似たような役柄では『修羅雪姫』の釈由美子のが良かったです。これはアクション監督の差なのかなぁ・・・ボソ。


2003年05月09日(金)  愛してる・・・愛してない D.I.

 あまりに評判が悪くてスルーしようかと思っていた『愛してる、愛してない・・・』。某情報筋によりますと、日本で『アメリ』が驚異的なヒットをした為、自分のイメージが固定されるのを嫌ったオドレイ・トトゥが日本の映画ファンを標的に作った映画だそうです。当然『アメリ』のイメージを壊すのが目的ですが、ロボット役やスナイパー役だとあまりにあざといし全く当たらないのも困るので、一見『アメリ』のように見えて『アメリ』とは似ても似つかない内容ってコトで選ばれたらしいです。それで予告編のナレーションも「あのアメリがもっと素敵な恋をしました。」に決定。というのは大嘘です〜。と、まぁ・・・そんな風に勘ぐりたくなるような映画でした。でもね、そんなに悪くはなかったです。ただ、途中から策に溺れて話の方向性を見失ってましたし、全体的に演出が稚拙なのでバランスが悪くてフラフラしてます。それなりに野心的な映画ではあるんでしょうねぇ。なぁ〜にが、「あなたがバラをくれたから、私は心にケガをした。」だとー!なるほどねぇ〜(って、納得かいー!)


 さて『D.I.』でやんす。パレスチナとフランスの合作でやんす。あのイスラエル軍にボコボコにされ続けているパレスチナが一枚噛んでる映画でやんす。今回のイラク戦争の陰でも散々深夜に急襲され続けていたパレスチナが作った映画でやんす。妊婦や子供がイスラエル軍に無差別攻撃されているパレスチナが作った映画がこんなでいいんですかいのぉ?まぁ、製作者の意図はそこにはナイんでしょうけんどもね・・・こちとらどーも納得出来ねぇ〜なぁ。全く笑えないギャグというか、ブラックジョークというか、シニカルとか自虐とか、あまりに寂しくて違う意味で涙が出てくるっつーモンよ。こういう内容がOK!っつー人はアレですかい?インテリゲンチャってケッタイなしろものがコップ酒のテッペンから溢れているような人達なんですかい?(ひゃー!言っちゃったよー!キョロ(・_・ ))(( ・_・)キョロ)「カンヌも喝采、笑いに結晶した中東問題の隠された真実」だとぉーへんぼく野郎!な〜にが、パレスチナのキートンだってんだぁ〜!この映画の中に出てくる真実なんてクソみたいなモンばかりじゃねぇーかぁ!どうせブラックやるなら、イスラエル軍に殺された死んだ妊婦の腹から自力で這い出てくる赤ちゃんとか描いてみろ!ってんだぁ、べらぼうめぇ!あ、そういう映画じゃないんでやんすか?あいすみませ〜ん!でやんした(>_<)アチャ!リアルなサウスパーク風味を期待してたんですどねぇ・・・ボソ


2003年05月06日(火)  魔界転生 散歩する惑星

 やっぱダメだわ!『魔界転生』@平山。っつーか、ナニ、真面目に作ってんの?って感じでしょうか。又は、『中学教師』じゃないんだから淡々と作ってどうすんだよー!みたいな(爆)。近頃、こんなに盛り上がらない娯楽大作も珍しいです。出てくる連中がどいつもこいつも冷めちゃってて、まるで生気がない。全く力が入ってないんだよなぁ・・・。殺陣にしても妙にロングで見せたりして、明らかに平山を監督に据えた失敗ですね。全編に青い血が流れてるような映画でした。最初の合戦シーンなんてけっこう良かったのになぁ。

 2000年カンヌ審査員特別賞受賞作『散歩する惑星』。いやぁ、参りました。久々に出会ってしまいました。クソ映画です。チラシには「ジャック・タチ meets キューブリック」とか書いてありますが、ハッキリ言って「タチの悪い、脳みそがカブレタ映画」でした。っつーか、映画じゃないでしょ!コレ。監督はカンヌ広告映画祭で8度のグランプリに輝くロイ・アンダーソン。お前、二度と映画作るんじゃない!バカァー!!だから広告出身監督ってアテにならないんだよなぁ・・・ボソ。マジで、こういう映画を評価する人に話を聞いてみたいモンです。シネ・セゾンのレイト・ショーだったんですけど、そこそこ入ってましたわ♪〜( ̄ε ̄;)。上映後、観客のほとんどは茫然自失としてましたけどね(爆)


2003年05月02日(金)  ライ麦畑をさがして

 『ライ麦畑をさがして』なんですけど、全くサリンジャーと縁のないオイラが観に行っちゃいました(笑)。想像していた内容とは違ってたんですけが、けっこう好きな方向だったんで、そういう意味では悪くなかったんです。だけんどもしかし!あまりにバラバラの脚本に全く感情移入が出来ませんでした。自分の好きな対象に異常に固執する偏執狂のような話しに、もっと的を絞れば良かったのに、無駄なエピソードの羅列が脚を引っ張ります。また、主演の二人が持っている秘密があるのですが、お互いの負の部分であるその秘密を曝け出して相手のコトを受け入れていく過程が全くありません。だから最後に主人公がとる行動に説得力がないんです。ちょっと残念だったかも・・・。で、実際のところ、この映画とサリンジャー、若しくは『ライ麦畑でつかまえて』の主人公ホールデンとどのように関係しているんですか?読んでないとワカラナイ部分もけっこうあるんでしょうか?謎だわ・・・ボソ。ところで、プラダのモデルでもある、主人公ニールを演じたDJクォールズって幾つなんですか?ちょっと高校生役は無理ありました。人物設定で何とか誤魔けていましたが・・・カール・マルデンの鼻を持つ男なんですけどね(ソレっていいのかぁ(爆))


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