気ままな日記
DiaryINDEXpast


2008年07月19日(土) いつものことながら

 職員の不祥事が相次いでいるのを受けて、先日、その防止策を問うために、「訪問指導」なるものが行われた。訪問者は、定年後どこかに引き取られたOBたち。
監査もそうだが、本庁からの訪問者というと、やたら色めき立つのはいつものこと。今回は、現金の管理方法や、通勤手段の適否、パソコンを含めた情報管理の方法などが、指導対象となるらしい。
 そこで1週間以上も前から、”こう訊かれたらああ答えよう”というような、想定問答集作りが、課長中心に、本業そっちの勢いで行われ始めた。これもいつものこと。
 通勤手当が定期代として支給されているのに、バスカードを買っていることを指摘されたらどう答えよう…などと、真剣に悩んでいる姿は、鋭い母親に悪事がばれるのを恐れている子供のよう。
 ばかばかしいなあと思いつつも、文書を外に持ち出す時の要綱を、4月1日に遡って、それらしく作り上げて褒められた時は、お役に立ったようで、まんざらでもない気分。その団体に属する限り、これもいたしかたないこと。
 さて、当日。現役を引退したとはいえ、というか、引退したからこそ、久し振りの出番とあって、訪問者もずいぶんと張り切ったのだかどうだか。予定していた時間をとうに過ぎ、夕方になってようやくこの訪問指導は終了。果たして、あれほど念入りにした準備の甲斐はあったのだかどうだか。あれほどみんなを振り回しておいて、特段何の報告もなく、再び日々の業務が戻ってきたのでした。


2008年07月06日(日) 歩いても歩いても

 映画「歩いても歩いても」を観に行った。
田舎に帰省した姉弟とその家族、両親の紡ぐ2日間の物語だ。
年季の入った風呂場、古めかしい家具、建具の雰囲気。あった、あった、こんな風景……と、神戸にあった父の実家を思い出した。
 作品の中で、原田芳雄さん扮するおじいさんが、「わしが建てたうちなのに、なんでおばあちゃんちなんだ」とひがんでいたけど、そう言えばわたしも、そして多分いとこたちもみんな、なんの疑問も抱かずに、「おばあちゃんち」と呼んでいた。やっぱり食事を作ったり、細々とした世話をやいてくれるのはおばあちゃんだから。そしてついでに言うと、お年玉やお小遣いも、正確には、おじいちゃんの働いて得たお金なのに、おばあちゃんからもらったように思っていた。
 たった二日間のできごとを描いた作品なのに、家族それぞれの立場や、しがらみ、わだかまり、コンプレックスやらが無理なく凝縮されていて、それが不自然に見えないストーリ仕立て。
 見る人それぞれ自分の置かれた立場によって、親しみを感じる登場人物は異なるとは思うが、私の場合は、嫁の連れ子あつし君の目線に1番近かった。
 ひとくちに、里帰りといっても、母親の実家に行くのと、父親の実家に行くのでは、子供の心境は大きく違う。母親の立場が、実の娘か嫁かによって、リラックス度が全く違うのである。
 嫁として里帰りした場合は、母親の緊張感がそのまま子供にも伝わって、くつろいで遊んだりする気分ではなくなる。小姑がいればなおさらである。そう、あつしくんが、いとこたちからすいか割りに誘われても、「いいです」と礼儀正しく断ったのと同じように。母親の名誉を傷つけないように、粗相のないように、すべてにおいて遠慮がちになる。子供なりに気を使ってしまうのだ。
 そして、実の娘の子供たちのように、普段着で走り回ることもせず、まっ白い靴下と、ブラウスといった、「よそいき」の洋服を着たまま、おとなしく一日を過ごす。

 会話からにじみ出てくる、毒というか本音。こういうものをみんな内心抱えこんで生きているんだ、とちょっとホッとするものがあった。大きな事件が起きないだけに、ハラハラドキドキすることもなく、安心して浸っていられた2時間でした。




2008年07月03日(木) あ、足りない

 先週、近くのスーパーへ買い物に出かけた時のことである。
横着の性分のわたしは、週に1度か2度まとめ買いをする。そのため、一度の買い物量が多くなる。
 その日も、スーパーのカゴいっぱいに冷凍食品だのお菓子だのを放り込み、レジに並んでいた。順番が来て、店員さんが、次々と商品のバーコードを読み取っているのをぼんやりと眺めていた。
 時は夕刻。お勤め帰りの人々で、どこのレジもそうとう列ができている。
 その時ふいに、何の脈絡もなく、さっきバスカードを買ったことを思い出し、いやあな予感がしたので、さりげなさを装って、財布をのぞいてみる。
 「……」千円札が1枚しかない。あとは、札と同じ大きさの、どこかの割引券がしわしわになって入っているだけ。
 それでも冷静を保ちつつ、内心すがる思いで小銭入れの方をちらりとのぞく。
「1個2個3個……」
こういう時の500円玉は実に有り難い。
 しかしそれでも足りないのは明らか。そうこうしている間にも、レジのお兄さんは、次々と商品の読み取りをしている。今なら何とか払える範囲内におさまるかも……。もはや一刻の猶予もない。意を決して、「すいません、そこでやめてもらえます?お金足りないので」と告白。
「ここまででやめるんですか」と店員さん。
 そのやりとりの段階で、うしろに並んでいた、醤油一本お買い上げの女性が、明らかに苛立ち始めている様子。とにかくここを円満に手早く切り抜けなくてはと、「そこのキャッシュコーナーでお金おろしてきますから、残りはとっておいてください。あとでまた来ますから」と言い置いて、買える範囲内の物だけお買い上げ。
 もちろん恥ずかしくて再び戻る気はせず。第一、キャッシュカードも、持ち合わせていない……。
 冷凍食品をたくさん残して来てしまったけど、あれらはみんな、解けちゃう前に、ちゃんと冷凍庫に戻してもらえたかしら。
 閉店までずーっとレジのうしろに、とっておいてくれてたりして……。
ホント、すみません。
 しかし、お金払わずに商品持ってきちゃったわけじゃないし、混んでたから面は割れてないよね、などと言い訳し、性懲りもなく今日またそのスーパーへ行ってお買物。今度は、店にはいる前に財布の中身を確かめたのは、言うまでもありません。


TOMATO |HomePage

My追加