懊悩煩悩
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2004年06月29日(火) おおきなさかな

 なんだかんだで結局自分の思い通りにしちゃってる自分にふと気付いた時、ちょっと愕然としてしまった初夏の宵の管理人であります。いやね、なんてことはないのですがちょっとしつこく業務日報に「パソコンがショボすぎて仕事にならない。一体何回フリーズすれば気が済むのか」といった類のことを書き続けまくり、「メーカーからのサンプルを営業だけでなくウチの部でも情報伝達の為に置きたい。狭いけど何が何でも場所を確保して置きたい。とにかく置きたい」と書きまくり、周囲の人にも置いた方がいいですよね、ね、ね、とアピールしまくっただけのことなんですがね。パソコンに関しても、最初はハナから聞き入れられなかったというか元々ウチは古いものから順番に買い換えるという何とも効率の悪いシステムで(つまりほとんど使わない営業のパソコンだって順番が来れば変わるし、日々使いまくるのに順番が来ないから変わらないことだってあるということです)他の人にも「しょうがないから諦めなよ」と言われることしきり。それでも本気で毎日の仕事に差し障るレベルのショボさで、いい加減にしないと私の堪忍袋の緒も切れそうだったし、本当に耐え難かったので、聞き入れてもらえて本当に嬉しい。近日変わるそうなので楽しみにしてます。とか言ってまたショボショボのパソコンだったりしないだろうねえ…頼みますよ。

 もう一つは、商品に関わる部に属する者として、商品そのものに触って確かめてみたい、パンフレットだけではわからないことも多々あるし、何より問い合わせを受けることの多い業務部の人に商品の情報が全然行き渡っていないのは何故だ?それはおかしいんじゃないか、営業も偉いけど業務部だって偉いんだぞ、蔑ろにしちゃいかんだろと鼻息荒く主張してみたわけです。…というのはまあ一応塗り固めてみた建前なわけで、本音はただただ自分が商品のサンプル欲しいというあさましい動機の元で出発しているわけです。まあ主張したことも常々思ってたことだし、嘘じゃないんですけどね。しかしまあ私という人間は己の欲望の為ならとことん弁を尽くして(というより弄して)熱情を持って動くんですなあ。我ながら呆れる。最初「場所がない」と一刀両断にされておったんですが、地道な活動(?)の甲斐あって実現の運びとなり嬉しい限り。っつーかそういうことになって改めて気付いたのだが、一介の新入社員がクチバシをばっつんばっつん突っ込んで掻き回していいのかしらん、と…親にも新入があんまり出しゃばるなよ、嫌がられるだけと何度もクギをしっかりと刺されていたにもかかわらず、この体たらくですものねえ。出しゃばっちゃいかんというのは頭にちゃんとあるんですが、どうしても出っ張らずにはおれんタチなのです。まあ今だったら生意気な新入社員がガーガー言ってるからしょーがねえなぁ、で許してもらえるんじゃなかろかというセコイ考えもあるし、上司が懐広い人だから、というのもあるしね。その辺はちゃんと人見て動いてるつもりなのです。今日はいきなり副社長に呼び出し食らったので、すわ早速よその部に飛ばされるのかと少しガクガクしたのですがまあ何のことはない用事だったのでホッと胸を撫で下ろしたわけです。もううるせえから静かにせざるをえない部に飛ばしとけ、とか思われたらヤだなあ…と思いつつも今いる部は何か提案してナンボかなとも思ったり。どっちにせよ、ウチの会社は違う部に飛ばす時は何の前触れもナシにいきなり1ヵ月前にハイアナタ来月から○○部ネ、という感じらしいのであれこれ思い悩んでもしょうがないしね。先日知人と飲んでる時に上記の話をしていたら、「どうせ数年でいなくなるんだし、期間限定で気兼ねせずにブイブイいわして去るってのはどうよ」と言われたのでそれもいいナーなんて思っているわけです。

 ってそれを言いたくて今日は書いたわけではなく。前置き長いね。先日、「ビッグフィッシュ」という映画を見ました。ポスターもそんなに見たい欲をそそるモンでもなし、レディースデーだからまあクソ映画でもいっか、という感じで見に行ったわけです。最初の方は、「あーやっぱダメ映画引いちゃったかな…」なんて思いつつ見てたんですが、ラスト十五分ぐらいはもうだだ泣きで涙が止まりません。最後に近づくにつれて全てがひとつにまとまり、そして哀しくも清々しいラストへと昇華されてゆくのが素晴らしい。ポスターはまるでちょっとレトロで純愛チックな恋愛モノっぽい雰囲気を醸し出してますが、実際は父と子を軸にした物語です。それがまた良いのですわ。何というか、じんわりと心に染みて、わけもわからず見ていた前半を思い返しながら全てがひとつになる瞬間の心地よさ。余韻を追いかけながら、また見たいなあという思いがじわじわと湧き上がってきて、思わずパンフレットを買ってしまいました。最近の映画にありがちな超大作というわけでもなく、地味に進行してゆく映画ですが、是非おすすめしたい映画です。最初のかったるさ(というかワケのわからなさ)は少し我慢していただいて、是非是非。


2004年06月21日(月) どてっ腹に風穴あきまくり

 祭りは目の前に迫ってくるわ身内は入院するわ手術するわでもうてんやわんやでまたしばらく放置しててすみません…ここんとこ原稿とユーロ2004のダブルパンチで睡眠時間も二、三時間で会社に行くというすさまじい生活で、土曜も夜行バスで現地入りと体力の限界に挑戦しようしようとしている私は結局マゾなのかしらん。まあしかし命削った甲斐あって、楽しいひとときをもつことが出来て本当に良かった。しかし。ひとつの闘いが終わってもまたすぐ新たなる闘いへ向けて旅立たねばならない…折角夏の天下一武闘会の招待状がもらえたわけだし、ブ厚い本を出すべく今度こそ、今度こそ早め早めの予定を組まないともう体力が保たないです。

 それにしても毎度のことなんですが、本を作るたび己のヘタクソさ加減にあきれてしまうというか、ホントに魅力のない絵だ…たとえ絵があまり上手くなくても、どこか惹かれる絵というものがあったり逆も然りで上手いのに魅力ゼロな絵もあったりしますが、不味くて魅力もないとなるともう手がつけられませんのう。もっと素敵な絵が描きたいなあ。努力あるのみですけど、なかなかこう思うようにはいってくれないのが世の常で、そんなんでも買って行ってくださる方々は本当に有難く嬉しいのです。誰でもそうだと思うのですが、自分の作った本をパラパラと見たあとバサッと置いていかれるとショックだし(好みの問題もあるだろうけど、自分の実力がその人を振り向かせるだけのものがなかったということだし)逆に買ってもらえると本当に泣きそうなくらいに心が震えます。まあシビアなことを言えば、需要と供給のバランスで、とりあえず買っておこうというのもあるだろうけど(自虐的な…)というかホントにそれは大きいと思うし、メジャージャンルだったら振り向きもされないだろうなという確信は有り余るほどにあります。だからといってそれが理由でこのジャンルやってるわけじゃなし、ホントに描きたいから、命削って不義理してまでも(身内の手術の日も原稿やってた最低人間ですすみません)原稿やるわけだし。今回の合同誌は、ぶっちゃけものすご上手い人とタッグ組んでやらせてもらえたのと、オンリーということで客はそのジャンルのみ目当ての人だし、まあシビアに色々考えてこれくらいなら捌けるだろうという目算のもとに部数を考えてやりました。(実際まあ予想以上に早めに捌けたのでむしろ間がもたずに困ったくらいでしたが)そこまで自虐的にならなくてもいいじゃん、と妹は言うけれど、事実だしなあ。描くこともダラダラと続けてますが、「読む」側の立場としてはもっと長いわけだし、嫌な言い方だけどどのくらい部数がいくのかとか他人のに関してはある程度は読めるわけです。こと自分のとなるとよくわからなくなりますけど。というかもう本当にチキンな人間なので、スペース取って本出しても恐くて自分のスペースに長居出来ないのですわ。いつもそんなこんなですぐ人にスペース預けて外で遊んでくるダメ人間…毎度売り子してくれる友人ズありがとう。他人の売り子するのは好きなのになあ。まあそれはさておき、以前出した個人誌の在庫も捌けたし、(と言ってもそんなに数あったわけじゃないですが)スッキリした気持ちで夏へ向けて本腰入れてやっていきたいと決意表明しときます。


2004年06月04日(金) "siempre estará en mi corazón"

 まさしく晴天の霹靂で、まだその事実を消化出来ておらんのですが…バレンシアのベニテス監督の退任に、ずっとまっすぐに歩いていた道で、突然歩く方向がわからなくなってしまったような、上手く言えない、自分でも把握できない思いでいっぱいです。フロントとの衝突は前からずっと言われてたことだし、バレンシアのフロントがケチくさいのは今に始まったことではないし、こうなってもおかしくはなかったのかもしれないけど、ぽつりと妹がこぼした言葉が忘れられません。「会者定離とはかねて聞きしかど 昨日今日とは思はざりしを…」(正しくは「つひに行く道とはかねて聞きしかど」ですが)昨年の最悪とも言えるシーズン、ベニテスの手腕を疑いまくり、もうあんなヤツ辞めちまえ!なんて悪態つきまくってたけど、今シーズン、本当に素晴らしい指揮で最高のシーズンにしてくれて、本当に、本当にありがとう…今これを書いている間ももう涙でモニターが滲んで…海外サイトの記事や、訳された記事などを読んでさらに涙が止まりません。海外のファンサイトで、「Thanks for everything Rafa,and good luck」と書かれていて、本当にもう何とも言えず悲しくて悲しくて。何やってんだよフロント、とか正直代理人がアレなんじゃないのかとか、そんなことはひとまずどうでもよく、とにかくもうベニテスがバレンシアを指揮しないという事実、夏の日本遠征にも姿を現すことはないのだという事実…Dobleteというクラブ史上でも歴史的なことを達成してくれた監督が、何故いなくなるんだろう…ただそのことが悲しくて辛くて、バレンシアの練習場に行った時の彼の姿を記憶の底をさらいながら思いだし、いっそうこみ上げてくる思いをせき止めることも出来ず、感情のままに書き殴っています。ビセンテがインタビューで、「彼は戦術のトレーニングに費やす時間が長いんだ」と言っていましたが、あの素晴らしく整備されたスキのない、芸術の域にまで達しているバレンシアのプレーを見ていると、それはそれはもうどれだけ戦術を練り込んでそれを選手達にしっかりと浸透させているかよくわかります。美しいとさえ思わせる、組織の形を作り上げてくれたラファエル・ベニテス…願わくは、彼のこれからが好ましく幸多きものでありますように。(ただし、バレンシアと対戦する時は容赦しないけどね)後任にはラニエリだのデシャンだのと早速かまびすしいですが、今のバレンシアを理解し、かつより高みへと押し上げられる監督がいいなあ…


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