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遺書と屍
羽月
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2010年12月12日(日)



この声はどこへ行くの
叫びにもならない惨めなこの声はどこへ行くの

どこへも 行かない
誰も聞かない
わたしすらも忘れる

そんなことはなかった
わたしはわらっている
いつまでもどこまでも
わたしはわらっている
このこえはきこえない


たとえば
傷がなければ
悲鳴がなければ
痛みがなければ
苦しみは有り得ないと言うのならば
こんなものはただの勘違いだ

終わるすべて
希望に満ちた明日
信じるから 痛い 居たい いたい


なんにもない
苛まれることも
絶望するようなことは何もない
世界は今日も昨日も明日も同じく平等におぞましくいとおしく切なく狂おしく
だからわたしは笑っています



消えない傷があればいいな
違うな、もうあるの
わたしを揺らす

壊れてしまえば
壊れる度胸があったなら
よかったな、本当に
傷は痛くて
痛いのは嫌で
だからもう傷跡は増えない
だからもう、わたしは、きっと、傷ついてなんかいないのだろう
忘れていられるほどには強くて 暇じゃないなんて切って捨てられる
その程度の痛みだから

なにもかも忘れたいなんて、怠惰に過ぎた。