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遺書と屍
羽月
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2008年04月29日(火)

虚無の海がある。
心の内には、虚無の海がある。
からっぽで、薄寒くて、暗くて、暗くて、暗い虚無の海がある。
そこに一切合財を投げ込むともう決めている。どれだけかなしくても、くるしくても、それはもうどうにもならないのだとあきらめている。それはきっと、かなしいことではないのです。
羽月の死体も、そこに沈んでいるだろうか。

*

わたしのこえはとどかないようになっている。
だれに? もちろん、わたしに。
わたしのことばは、わたしにはけっしてとどかない。
しゃんとしろ。背筋を伸ばせ。前を見ろ。俯くな。
わたしのことばはわたしに現実をみせつける。
わたしは、わたしがうらぎりものであることを知っている。だれにたいして、だなんてお笑い草。

*

涙を流したところで、何も変わりはしないのです。
変わるのはきっと上辺だけ。変わってしまった上辺の分、深層はきっと何処までも信用されないまま。
壊れてしまえと声高に叫ぶ心を、声を、わたしはなんの意味もないものだって既に知っている。

笑え。
泣くのならば笑え。
涙に意味などあるものか。
自分をかわいそうなものにしたいのならばどうぞ存分に。
そうですらないのなら。

(壊れてしまうのは楽なこと。何も見なくて済むのなら。そう、わたしはずっと、こわれてしまいたかった。)
(喜びも、笑顔も声も愛も恋も悲しみも憎しみも嘘も全部)
(全部、いらないから)



2008年04月23日(水)


そのまま返信しないことを、お許しください。

生きています。わたしは。


*

羽月を殺してからここに書き込むのははじめて。
全てを塗り変えてここは本当に、遺書と屍だけの場所。最も、遺書は全てわたしが引き取ってしまったからここにはないけれど。

受け取ってすらもらえなかった羽月の屍はここにあります。今もまだここにあります。もう、どこにも見えないけれど。

不思議なもので、羽月を殺してしまってから、心は軽くなっていった。
羽月は多分、わたしの愛したかったわたしだった。蔑ろにされたと思い込んでいた私のひとかけらだった。
捨ててしまえば、忘れてしまうのは道理ですね。


泣いていた子供の首を絞めて心臓を引き千切ったのです。もうどこも痛くないように。そのくせ、わたしは自分勝手に呟こうと思う。それくらいは許されるでしょう、とわたしはわたしに免罪符を渡す。
もうどこへ行ってしまったのかもわからないわたしの亡骸に。

あいしたかったと、たった、一言。