奇跡を信じて〜あれから〜
R



 旅立った場所にて

先月に事故をして二回は事故現場近くの病院へ行き
先週から検査設備の整っている病院へ転院しました

そこはHが旅だった場所でもあります

そのせいか今日一日Hの事が頭から離れませんでした

先日Hの母より御招待頂き自宅へおじゃまさせて頂きました
その時Hの母に「Hの最期は痩せていった?」と聞かれました
母上の記憶の中にはないとの事

Hは痩せている人でしたが癌末期患者を想像させる様な
痩せ方はしなかったと思います

亡くなる一ヶ月前にHは
「病院にいたら治らないから家に帰りたい
でも夜中の看護を頼める人がいないから」そう言っていました
そしてHの家族は反対した
つまり自宅での看護をする自信がないと言った
家族がそう言っているのに
私はそれ以上の事を言うわけにはいかなかった
ただ後になって考えた事は
「私がHの自宅で看病しながらオフィスに通いますから」と
言えばHの家族はOKしたのかもしれない
もしかしたらHも間接的に
「夜中の看護を頼める人がいない」と
言いたかったのではないか

過ぎた日の事でありながら
私はもっと何かできたのではないかと考える事がある

2002年10月09日(水)



 桜の樹

とても爽やかな秋晴れの1日
穏やかで心地の良い日でした

私は桜の樹に話し掛けてみた
「来年は花を咲かすの?」と
毎日話し掛けている内に
桜の樹は何か勘違いした様で新芽が出てきました
「まだ春じゃないですよ
これから厳しい冬がやってくるんです」
そう語りかけてみました
今年の1月
「桜の咲く頃までは無理でしょう」と医師から告知され
4月に亡くなったH
「春になったら桜の樹の下で写真を撮りましょう」と
Hにメールを送りながらも
心の中では毎日
「桜なんて咲かなくても良いのに」
そう思っていました
私の気持ちを察してなのか
春になっても
オフィスの桜の樹は花を咲かせる事はありませんでした

2002年10月02日(水)
初日 最新 目次 MAIL


My追加