昔の人は、良い言葉を残していると思う。

「子は鎹（かすがい）」

「鎹」って、二つのものを繋ぐコの字型の釘のようなもの。
だから夫婦の離れかかった心も、子供が鎹になって繋ぎ止めるという意味で使われる。

わたしの場合は、どうなんだろ。

娘のために、わたしが「諦めた」っていうカタチ。
相手は何も譲ってないし、何も変わってない。

どちらか一方が我慢しても「子は鎹」になるのかな。

けれど、今回のことでは、chimomoが良い支えになってくれた。
優しい子に育ってくれて、わたしはもうそれだけで
たくさんの切り捨てたものたちを惜しいとは思わない。

それでいい。

こんなに涙が流れたのは、何ヶ月ぶりだろう―――。

疲れてしまって、楽しみにしていた深夜アニメもウワノソラ。

放送時間が終わったあと、chimomoのお弁当の下ごしらえをしておかなくちゃならないのに
いつの間にかそのまま横に倒れこんだまま、眠ってしまった。

目が覚めたら、もういつもの時間で。
お弁当を作れなかった―――。

男はいいな　と思う。
気に喰わないからと出て行けば、それで済む。
でも女はそうはいかない。
命を生み出した責任がある。
子供を育て、きちんと学校へ送り出す義務がある。
ヘソ曲げて出て行くだけでは、何の解決にもならない。

親の不仲は、子供を哀しい思いにさせる。
彼は、そんなことはたとえ世界が終わっても気づかないのかも知れない。
そしてわたしが心配していることなど、お墓に入るまで伝わらないのかも知れない。

今までいろんなこと、諦めてきた。
これからも諦めてゆくのだろう。
夫婦をやっていくということは、様々な物事の「諦め」なのだと思う。

「自分」なんて、何処にも居ない。

結婚して初めて、旦那と深刻な喧嘩（かな…）をした。
今まで喧嘩らしい喧嘩なんてしたことなかった。
…というよりも、喧嘩にならなかった。
夫婦喧嘩は犬も喰わないと言われるけれど、
後で笑い話になってしまうような、そういうレベルじゃない。

今までずっといろんなこと我慢し、諦めてきた。
でもどうしても我慢できなかったことが起きた。

「夫婦」って、いったい何なんだろう…。

今年、結婚して20年目――。
全て節目の時期なんだろうか…。

いろいろわからなくなってしまった。
今までのことも、そしてこのことも
やっぱりわたしが諦めてしまえば良いことなのだろう。

ひとつ、諦め、切り捨てて行くうちに、わたしのこころもひとつ
死んでいくような気がする。

「危機」なのかも知れない――。

朝のお弁当作りに追われることもなく、すっかり寝坊できて、
今日、ちょっと体調回復。
少しほっ…としたり。

昨日はchimomoから朝のメールが来ないまま、夕方までずっと届かなかったので、
ちょっと心配になってしまった。
確か予定では、全山ツアーに出掛けるっていう話だったのを思いだして
ほっ…としてみたり。
ゴンドラから樹氷を見て、スゴーイ！なんて大はしゃぎたったらしい。
スキーの腕前（足前？）も、大分レベルアップしたんじゃないかな。

今日は節分。
毎年chimomoと一緒に豆まきをするのだけれど、今年はひとりだから―――。
旅行に出掛ける前に買い物に行った時、節分のお豆を買わなきゃねって
彼女が棚から取って来てカートに入れたんだけど、その時は気づかなくて。

あれ？節分の日に帰って来るんだっけ？

あ゛〜〜　違うじゃない。
ひとりでお豆を食べても、楽しくないぞ。

ぽつん… と、ひとりでこころの中に巣喰った鬼を追い出した。