あっこのPiano Diary...あっこ

 

 

vol.45 思いきった - 2003年07月29日(火)

相手にいやな思いをさせて演奏なんてしたくない。
ソロで弾いて誰かに「下手や、もっと勉強せえ!」って
言われるなら自分だけの問題だし、
全く別の仕事なら我慢もしよう。
でもこれはお客さんに対しての音楽のサービスだから。
それが不協和音の音楽だったら
お客さんにも申し訳ない。

で、今日はちょっと早めにお店に行って
マスターに相談することにした。
まず、私がてっきりクラシックの仕事だと思いこんで
面接を受けたこと。そして「コードわかるよね?」
と聞かれてうやむやな返事をしてしまったことを
マスターに詫びた。
その上で次のように頼んでみた。

「彼女はたぶんかなり不満で吹いていると思います。
 演奏はそういうのがすぐ出ますから。わかります。
 これ以上彼女の足を引っ張りたくないし、
 ジャズの勉強を再開しようと思っているので
 とりあえず3ステージのうち私が2ステージ弾いて
 彼女とのデュオを1ステージに減らしてください。
 そのほうが負担は大きいですが、精神的にかなり
 楽になるので」

マスターは寝耳に水、といったカンジで
「そんなん気にせんでエエよ。そんな風に見えへんけどな」
と言う。
悲しいかな、お客さんはピアノオンリーよりも
フルートやらバイオリンやらが入ったほうが
見た目に珍しいし喜んでくれるので、マスターとしては
出来れば今のままピアノ1ステージ、デュオ2ステージで
行きたいみたいだ。
まぁいろいろとマスターにたしなめられて?るうちに
時間が来た。

私がまずソロを1ステージ弾き、
彼女が来てからしばらくしてデュオをはじめた。
お客さんの数でステージ数が決まるのだが
今夜は少なめなので彼女とのデュオが終わった時は
殆どお客さんもいなかった。
今日はAll of meの曲を4コーラスぶんやった。
勇気を出して?3コーラス目は私のアドリブソロ。
伴奏譜がもとから左手がウォーキングベースになっているので
それを弾きながらテキトーにフンイキでソレらしいジャズっぽい
メロディーをやってみた。理論は無視。

私達の仕事が上がるころ、客足が途絶えたので
マスターが私達を前に二人の関係を修復すべく
話し合いの場を作ってくれた。
彼女もそれこそ寝耳に水といったカンジだった。
私には一段譜で仕事が出来るようになってほしいのと同時に
自分がアドリブ勉強中なので一緒に勉強しませんか?という
ニュアンスで私にいろいろ言ったのだという…。
それに今夜の私のアドリブで十分だと思うと言った。

いやぁ、、あれ、でたらめだと思うな。フンイキのアドリブだもん。

なんか狐につままれたような気分だ。
その場で、プログラムは毎回私の希望の曲で行くことに決まった。


...

vol.44 やれやれ - 2003年07月28日(月)

自分が100%いけないんだろうか?
そう自問してみて心配になったので、お店のHPを
もう一度確かめてみた。
正確に言うとお店のHPは今はないのだが、
過去に新聞で紹介されていたお店なので、新聞社のHPを見てみた。

「クラシックが流れていてくつろげる。(中略)音楽大の卒業生が
ピアノやヴァイオリンを奏でる…(後略)」

ほら、やっぱり。これ見たら100%クラシックの仕事だって誤解しちゃうよ。
そう思いこんで面接に臨んだの。
で、即決のあとマスターに「コードわかるよね?」って聞かれた。
なんでクラシックの仕事なのにコードのことを言われるんだろう?と
疑問に思いつつ、「はぁ、、、」と曖昧な返事をしたのは確かだ。
その点は私が悪い。出来ないものは出来ないと言えば良かった。
でもクラシックだと思い込んでいたのよね。しかも、
「絶対クラシックじゃないとダメなんですか?ガーシュインはダメですか?」
って聞いたくらい。
「うちは何でもありやから、何弾いても良いよ」と言われた。
そこで私自身気がつけば良かったんだよね。ポピュラー主体だって…

でも仕方ない。他のピアノの人も「私も初めは何も出来ませんでしたよ」
って言ってくれたし。嘘かもしれないけど信じてるよ。
マスターはアメリカで修行してきた人を断ってまで
私を採ってくれたのだから、私が努力すれば良いんだよね。

一段譜を読むための解説の本は、
自分で出来たのか出来てないのかがわかりにくい。
まず書いてあるものを暗譜して弾いて
その後和音分析して(っていってもコードネームは書いてあるけど)
こんどは一段譜だけで弾いて、、、
を繰り返す。
そして次の理論の段階へ行くのだが、なんだか自分でやると
凄い時間がかかりそうだ。

レッスンに行くお金がない。しかし、、、、このままでは…

火曜の仕事の件で彼女にメールをしたのが金曜の夜。
「市販の本はまた楽譜屋に行きましたが良いのがないので
 買っていません。一段譜はまだ怖いけど、楽譜を見ながら
 フェイクならなんとか行けると思います。
 いまは理論的にちゃんとしたアドリブは私には無理ですが
 このあいだお借りした楽譜は同じものを買いましたので
 その楽譜の中から選んで私のつたないフェイクでやっても
 よろしいでしょうか?そして私がフェイクをしているあいだは
 フルートは何を吹かれるのですか?」というような内容。

コードに合ったフレーズなら即興でもなんとか弾けないことはない。
ただ、ジャズ的なセンスがないだけだ。
つまり、対旋律のようなフレーズ。。。。ダサイか。
今日は月曜で仕事は明日なのだけど、彼女からはなんの返事もない。
よほど私に不満なの?

いいさ、変なフェイクで行くからさ。

本当はそろそろジャズのレッスンを再開しようと思っていたのだが
急にこの仕事をするようになって、却って時間が取れないので
師匠にもう少し失礼させてもらえるよう
こないだメールを出したところだった。
秋に母の入院と私の耳鳴りでレッスンに行けなくてメールした時は
すぐに返事をくれたのだが、
春の母の入院の時は「夏ごろにまたご連絡します」というメールに
師匠は返事をくれなかった。
今回も返事をくれないので、もしかしたら私が嘘を言って
レッスンをやめようとしてるのだと誤解してるのかも。
師匠のところはもう、駄目だな。生徒失格。
クラシック出身の人はジャズをきちんと教えてくれる先生に出会うまで
先生を渡り歩くことは珍しくないらしいから、
師匠も私がその一人だと思っているかもしれない。

とにかく、彼女のご機嫌を損ねていることはたしかだ。
そして更に確かなのは立場的に文句が言えないこと。
無理して習いに行こうかな。。。。

で、仕事先の幼稚園のすぐ近くにジャズを教えている教室があるのを
ネットで見つけたので、私のような状況でも教えてもらえるか
ゆうべメールしてみた。
今朝、さっそく返事をもらい、とりあえず無料体験レッスンを
受けてくれという。
数回のやり取りの結果、しあさって木曜日に行くことになった。
先生というのは私よりも若い男の子で
クラブで弾いているらしい。クラブってどっちのクラブ?
オネーチャンがいるクラブ?それともジャズクラブ?
だいぶ違うんだけどなぁ。あ、でもあまり関係ないや。
私ができるようになればそれで良いから。

でもいったいどのくらいの期間で出来るようになるんだろう?













...

vol.43 ポピュラーの仕事 その2 - 2003年07月25日(金)

何が辛いって、レパートリー作り。
ポピュラーって興味ないもん。
クラシックばかりお店で弾いてると、マスターは
「あっこちゃんの好きな曲でもいいねんで。映画音楽とかさ」
と、勝手に映画音楽好きにされてしまう。
そして「クラシックじゃないのを弾いて」という注文まで来たから
ポピュラーを弾かないわけには行かない。

この1ヶ月で楽譜代やコピー代に使った金額、
三万円は越してる。いや、4万行ってるかも。計算してないけど。
もともと家にあったポピュラーやジャズの楽譜は
8割方役に立たない。
で、やっと気がついたことは、
そういった「役に立たない」しょぼい編曲の楽譜に
自分で色づけして弾かねばレパートリーは作れないということ。
たしかになぁ、作曲のお稽古にも通ってたけど、、、
どの程度色づけしたらお客さんが喜ぶのか、
あるいはどの程度で押さえておいても間に合うか、
その辺の境目がわからない。しかしやるしかない。
みんな「自己流です」というのはこれだったのか?

時には使える楽譜もある。学生時代に買った楽譜が
10年以上たって役に立ったのもある。るるるる。。。。

ピアノラウンジの仕事はレパートリーが500曲は必要、
とどこかで読んだことがある。ビストロもしかり。
今の私は100曲もない。
とにかくやらねばならない。時間がかかる…るるる。。。

そこへ伴奏である。楽譜を弾くだけなら問題ない。すぐできる。
問題は一段譜。しかもアドリブつき。
フルートの彼女は私が何も出来ないことに対して
ご不満のようである。
先日なぜかお客がゼロ、という日があって、
その時にたっぷり打ち合わせをしたはずなのに、、、
こないだ本番である曲をはじめた。
前奏→1回目は楽譜のまま→
2回目リズム的な和音とウォーキングベースで→
3回目ピアノがメロディー→4回目また楽譜のまま…
という予定だったので、
3回目に私は伴奏譜に適当にメロディーをつけて弾き始めた。
するとフルートの子は吹くのをやめてしまい、
私が弾いている横から
「何弾いているんですか?」という。
「え?メロディーですけど」と弾きながら答える私。
「私が入れない。まあいいや、ここから一緒に吹きます」と彼女。
曲が終わって彼女が言うには
「あのね!ブライダルとかこういう仕事するときは
 メロディーというとアドリブのことを言うんです」
私の認識不足には間違いないが、
私はクラシックの仕事しかしたことがないと
最初に言ったじゃろーが。
で、「じゃ、クラシックでもしましょうか」と
予定していた曲を全部キャンセル。なんで?
「本なら私が持ってます」と言って出そうとすると
「いーですよ、これ使ってください!」と
譜面代に楽譜を「バン!」と置いた。
でもそれ、譜めくりしにくいもん。
私の楽譜は譜めくりしなくていい様に
コピーしたページを張りつけてあるもん。
無理にその本を出して使ったよ。

私に言わせれば、私が勘違いしたことがわかったなら
アドリブはフルートだけして、繰り返しを3回に減らせば
済むことじゃん、って思った。
そして、本当に出来る人なら私が勘違いして本来のメロディーを
弾いている時に、とっさにアドリブすりゃいいじゃん。
何も私が時間を割いてコピーしたものをすべてキャンセルしなくても
いいじゃないの、と思った。
でも、この仕事では彼女が先輩。ポピュラー歴?年。私は3週間。
とにかく私の認識不足を「すみませんでした」と謝るしかない。
ああ、小さなとこにも社会はあるなぁ。。

帰り道、気まずかったけど、
言葉を交わす時間は帰り道くらいしかないので
彼女に合わせて少し遠回りした。
彼女は自分の経験をもとにアドリブの必要性について語った。
いや、そんなん私も十分認識したって。
彼女自身、「アドリブについては私もいま自分で本を見て
勉強中なんです。私のはまだフェイクなんです」と言うけど。

フェイクというのは本来のメロディーを
リズムを変えたり半音下や上の音やその他コードの構成音
を使って飾り付けて弾くこと。
その程度のアドリブなら私でも何とかできる。
でも彼女のはさすがにもう少し上だ。

一番堪えたのは次の彼女の一言。
「私ね、ピアノの人を募集する時に、マスターには
 一段譜が読めてアドリブ出来る人にしてくださいって頼んだんです」
…マスターが私を採用してくれたんだけど。
彼女は「私も最初はなにもできなかった。
クラシックばかりで仕事しようとしてた」って言ってたのにな。

「この仕事をする人の中にはね、本番で勉強すればいい、
っていう人もいるけど、私はそんなのいやなんですね。
やるからにはちゃんとしたいんですね」って。
「そうですね、お金もらってますしね」って返事したけど、
べつにさ、私はいいかげんなことをしようとは思ってないよ。
どっちかと言うと私は完璧主義だから、たとえ本番で失敗しようが
とにかく自分の中でいいかげんと思われる技術のまま
弾きたくないだけなんよ…って弾いてるけど。

しかし新入りで、しかも一段譜で仕事が出来ない私に
そんなセリフ吐けるわけない。
ひたすら、
「ごめんなさい。勉強して1日でもはやく出来るように
なりますので」と謝る。

とにかくお金もらってピアノ弾くんだから
同じラインに立たないと即戦力にはならない。
それは十分わかっている。
もしここで私が切れてしまって出勤拒否とか
辞めたりしたら、私の担当していた困った学生と同じレベルだし。
実はさ、引越しとかで今月限りでまた二人生徒がやめたんだよ。
9月にも二人やめることが決まってるし。
頑張って稼ぐしかないのだ。


…彼女との不協和音をマスターは敏感に感じとったのか?
「あっこちゃんはあっこちゃんのままでやってくれたらいいねん。
 僕はみんなが仲良くなってくれたらそれが一番うれしいんや」
と言った。
マスターもママもとてもいい人だからお店に不満はないんだけど。
暇な時にささっと作って出してくれる軽食も
さすがマスター、どれもこれもおいしいし。


...

vol.42 ポピュラーの仕事 その1 - 2003年07月24日(木)

ビストロのピアノ弾きをはじめて4週間がたつ。
私は月木に行っているのだが、
今月は5週あるのでまだ1ヶ月たたない。
月曜日はフルートと、木曜はバイオリンとビオラのトリオで。

初めて入った日のソロピアノはクラシックばかり弾いた。
いわゆるアンコールピースと呼ばれる程度の曲群。
まず入店後1時間のあいだに30分ステージで
ピアノソロを弾いてから、別の楽器とのアンサンブルを
するというシステムになっている。
今日はビオラ奏者一人が来た。

ビオラ奏者は26歳でいったん別の大学を卒業した後
どうしても音大に行きたくて大阪に来たそうだ。
ただいま4回生。なかなか美人。
で、仕事も1ヶ月前に始めたばかりのうえに、
ビオラの楽譜というのが殆どないため
楽譜選びに困っているようだった。
服装は近所のお姉さん、といったかんじ。
話すといろいろとわきまえている子の様で
とても感じが良い。
こんな人ならこの先気持ち良く仕事が出来そうだと思った。
ところが彼女は実家が北海道で
学校が夏休みに入るので、私と1回だけ仕事した後
北海道に戻ってしまった。次は9月だそうだ。
ということは、彼女が戻ってくるまでは
バイオリン奏者の子と二人でやらなければならない。

さて、フルート奏者との初仕事。
彼女は前もって店においてある自分の楽譜のなかから
いいと思うもの14曲をコピーしておくよう私に言っていた。
膨大なコピー楽譜のなかからそれだけを選び出す時間などない。
だって、朝9時から学校の仕事、帰ってきて15分後に生徒が二人、
それが終わったらすぐに家を出ないと
ビストロの勤務時間に間に合わない。
仕方ないので、ビオラ奏者と仕事をした日に
適当に3分の1ほど楽譜を持って帰ってきて、
家で適当に選んでおいた。

ところが、、、当日私の選んだ曲を見て彼女は一言、
「あ…しまった。これは殆ど使わない曲です」
仕方なく慌てて適当に他の楽譜を出してくれて
なんとか曲数だけは揃えた。
彼女は私に楽譜どおりだとすぐ終わるので
繰り返しして、その時に私にメロディーを弾くよう言った。
でも、あまり知らない曲の伴奏譜にいきなりメロディーをつけるのは
不安があったので「今日は勘弁してください」といった。
まァとにかく殆どすべてを初見で合わせてなんとかすんだ。

この日、別の曜日のピアニストが私が困っているだろうということで
バイオリン奏者との仕事の為に1回分の楽譜を適当に選んで
私の為に置いておいてくれた。心配だったのか、
演奏している時にお店に様子を見に来てくれた。
彼女はその日は近くのほかの店でピアノを弾いているのだった。
今考えると、彼女はフルートの子から私のことを
「何もできない」とでも聞かされていたんじゃないかと思う。
帰り道はそのピアニストの子も同じ時間に仕事が終わるので
駅まで一緒に帰ることとなった。
彼女は私の大学のかなり後輩らしい。多分まだ20代かな?
彼女も美人♪ 採用するのはマスター。面食いかも。
私は一段譜でピアノを弾くことが出来ない
(っつーか、自信がないと言うほうが正しい)ことを言い、
今回のお店がクラシックの仕事だとばかり思っていたことも言った。
彼女は
「三年前にこの仕事を始めた時は、私も何も出来ませんでしたよ」
と、フォローしてくれた。
「今やってる仕事は、本当にしたい仕事ではないんですよね。
 私もクラシックの仕事がしたかったんです」と言っていた。

私はいままでピアノの仕事といえば
関西にいくつかチェーン店があって
ハムのおいしいと言われている某ステーキハウスでの仕事くらいで、
そこでは適当にクラシックやポピュラーを
楽譜どおりに弾いておけば済む仕事だった。
以前阪神百貨店の1階でピアノの生演奏があったが
そこの仕事をしようと事務所に入った時も
ジャンルはクラシックということで研修を受けた。
去年入りかけたブライダル事務所も
クラシックピアノ奏者募集ということだった。

でも今度は違う。ポピュラーが出来ないとダメな店だ。
つまり一段譜で仕事が出来ないと行けない。
わからない人のために説明すると、
一段譜とは、メロディーだけの譜面にコードネームがついているもの。
ポピュラーやジャズは基本的に一段譜がメインだ。
更にジャズに至っては即興が必要になってくる。
コードネームだけで伴奏を適当に弾けるようになるのは
そう遠い日ではないことは想像できる。
ただ、コード進行パターンというのがあって、
勿論それがすべてではないけれど、そういうパターンを
身につけていれば、かなり気の利いたコード奏法となることは
間違いない。私にはパターンが全く身についていない。

で、イナモリメソッドの「リードシート奏法」というテキストを
三冊まとめて買った。中身も調べずにいきなり紀伊国屋に電話して
取り置きしてもらった。
で、買ってから良く見てみると、最初の2冊はあまり意味がなかった。
というのは去年私のピアノ友達の「キャバクラ君」が貸してくれた本と
中身が殆ど同じだったから。
しかし三冊目からはジャズっぽくなってくる。
実は4冊目というのがあって、それをこなせば
ジャズのコード奏法としては完了するらしい。
とりあえず復習の意味をこめて1冊目から目を通すことにした。


...



 

 

 

 

INDEX
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