vol.28 採譜 - 2002年05月31日(金) 「オン・グリーン・ドルフィンストリート」の採譜を一昨日からはじめた。 ひえ〜!!!!! 簡単に採譜できるものと思っていた。なんと思いあがったワタシ。 師匠のホームページに師匠のCDのごく一部分が視聴できるのだが、 昨秋それがアップロードされてすぐ、採譜をしてみた。1箇所どうしても怪しいところがあるが、とりあえず何とかとれたのだ。左手の伴奏はギターに消されて聞こえないところがあったので、右手のアドリブフレーズだけを採譜した。何遍も弾いてみた。後に師匠曰く「あぁ、あんなの(採譜するほど)たいした部分じゃない」みたいなことを言っていたが。 アート・テイタムに比べりゃウィントン・ケリーのなら音も少ないし、行けそうだ、と思ったのが大間違い。何度部分的に繰り返しても聞こえないところは聞こえないし、何よりも左手の和音の構成音が??????状態なのである。 こりゃ、和音の響きをきちっと耳と頭にブチ込んでからじゃないとムリだ。 そう、結局それが頭に入ってないと自分でアドリブもできん。 師匠さぁー、どのくらい私が出来ないかまだわかってないもんな。 和音のお勉強しよう。。。 ... vol.27 久しぶりのレッスンその2 - 2002年05月30日(木) で、レッスンについて。 まず師匠が「先に質問を聞きましょうか」と言ってくれた。これはありがたい。以前の楽器店でのレッスンは、ただひたすら間髪入れずに師匠の説明が60分続いたので、質問しようにもタイミングが掴めなくて困った。終わったら次の生徒さんが待ってるし。 ディミニッシュスケールのところでつまづいたのを質問した。 だいたいよ、ディミニッシュスケールなんてワシらクラシック畑におるもんはそんなの知らんもんね(←山下洋輔のエッセイに出てくる坂田明風口調)。 ディミニッシュスケールは3種類しかないのです。そう、「ディミニッシュ」を意味する「減」を考えるとそうだ。そういえば減7の和音は3種類しかない、って音大受験前の楽典のレッスンで習ったな、確かに。 だから、ディミニッシュスケールというのも、 1.ド−ミ♭−ファ♯−ラ 2.ド♯−ミ−ソ−シ♭ 3.レ−ファ−ソ♯−シ の3つの和音のうちのどれか2つずつの組み合わせから成り立つ。 他の減7の和音は上記の3つのどれかの異名同音の展開和音になる。 だから、ディミニッシュスケールも主音が「ド」の場合と「ド♯」の場合と「レ」の場合の3つだけ。ひとつだけ例に取ると、 ドーレーミ♭−ファーソ♭−ラ♭−ラーシ、となる。 この場合、 ド−ミ♭−ソ♭−ラ(=ファ♯−ラ−ド−ミ♭)がコードトーンで レ−ファ−ラ♭−シ(=ソ♯−シ−レ−ファ)がテンションなのだそうな。 なんでかわかる?みなさん?私は今のところ何故なのかはよくワカンナイ。 全部で12個ある属7の和音はそれぞれ、3つのディミニッシュスケールのどれに帰属するか、ということが本に書いてある。 その説明がわかりにくい。C7♭9のコードを例にとってある。 C7♭9=分母がC音で分子がEディミニッシュの分数コードであるからつまり、 Eディミニッシュ=Gディミニッシュ=Bディミニッシュ=C♯ディミニッシュ ということである。それをスケールに拡大して考えると C7♭9は、ド♯レ♯ミファ♯ソラシ♭ド、というディミニッシュスケールに帰属するので、そのコードのところはそのスケールの音を使える。 …とまぁこんなカンジ(写しではない)。わかったようでわからんもんね。 私が初めてそのディミニッシュスケールを本で見た時、ジ−っつと眺めてからおもむろにそれらの構成音をコードトーンだけの和音、テンションだけの和音の二つに分けて書いてみた。そしてそれらを異名同音すると、先に述べたように 3つのディミニッシュスケールは、3つの減7の和音を2つずつ組合せて、 それらを音階構成音として並べたもの、という答えを逆に引出す事が出来た。 そしてさらに、 12の属7和音は4つずつそれらの3つのディミニッシュスケールに 帰属する、という事を確かめる事が出来た。 しかし「そこまでする必要はないですよ」と師匠は言い、 それぞれ当てはまる属7の和音の第9音を♭させると、 みな同じ減7和音(テンション付き)になる、と説明してくれた。 逆からの説明だ。 しかし、そこまでして確かめる事をしないと、 私の脳みそが受け入れ態勢に入らないもんね。 オルタードスケールのところも説明してくれたけど、結局忘れてしまった。 もう一度理論書を調べてみる事にする。 とにかくそのようにして、どのコードになんの音階が使えるか、ということを 踏まえて「オン・グリーン・ドルフィンストリート」を使っていきなりアドリブを書いていくことになった!!!!! 「たとえばですねぇ、こんな風に…」と、師匠は1種類から3,4種類のアドリブパターンを使って鮮やかに弾いてくれた。 おお!プロみたいだ…あ、師匠はプロなのだった。 師匠はピアノを弾いてるとき以外は 「ジャズの好きな腰の低いお兄さん」って感じなので 一瞬忘れてしまうがな…(ってそんなことないか)。 くーっ!こんな風になるにはいったい何年かかる事やら。 ちなみに左手のコードのつかみ方はまだすっかり私が身についてないので、 師匠が和音を書いてくれた。 練習した「オン・グリーン・ドルフィンストリート」を弾かされた。 例によって、メトロノーム後打ちで合わせたやつ。 メトロノームなしとありとで2回。 「あ、全然問題ないですね。ちゃんとリズムが聞こえてきます」だって。 たぶんタッチはきつすぎるのかもしれない。でもよくわからない。 かなり軽めのタッチで弾いたつもりもあるけど、 消音ユニットの音、つまり電子ピアノの音だから、 音色までは出せないことが幸いしたのかも。 師匠はウィントン・ケリーのコピー譜を出して見せてくれ、レコード(!)をかけてくれた。でも、もしかしたら私が持っているのと同じかもしれない。 なんべんも聴いた訳ではなかったので、 「あ、同じです」と言えなかったのが恥ずかしかった。 コピー譜をのどから手が出るほど借りて帰りたいのをぐっと我慢して まず自分でコピーしてみようと思った。 「別の人のコピー譜が見つかるといいですね」などと師匠は言っていたが、 今度までに探しには行けないだろう。 「とにかくコピー(採譜)していろいろなアドリブの仕方を自分の中にためる事です。左手の和音のつかみ方のパターンを丸覚えすることです。プロでもしばらく弾いてないと、せっかく身につけたアドリブの種類忘れるんですよ。」 「え、でもいくら好きでもアートテイタムのはコピーしにくいですよね?」 「あぁ!それ、いまボク挑戦してるんですよ」 と、急に「師匠」の立場から離れた顔になって、ネットでアメリカから取り寄せたというアメリカ人研究者の書いたアートテイタムの演奏の分析本を出して見せてくれた。実にたのしそうな表情だった。 「興味があればこんなのありますよ」と、アメリカのジャズの楽譜などの手引書を見せてくれた。でも、そんなの私にとってはまだまだ先の話じゃんー。 楽器店のレッスン室では音楽ソフトも楽譜も何もないから、こんな展開のレッスンは受けられないだろう。その点では師匠のお宅に来てよかったと思った。 師匠が左手の和音を書いてくれてる間、少しだけ雑談もしたし、 帰る時も師匠は楽器店では見せなかった笑顔だったので、 (漸く帰ってくれるという安堵の笑顔だったのかもしれんが) 私の中ではかなりわだかまりが解けた思いがした。 よかった。 しかしのー、いきなりアドリブ弾いてこいだなんて… ... vol.26 久しぶりのレッスンその1 - 2002年05月29日(水) 28日火曜日、レッスンの再開。師匠宅へ行くのである。 師匠の家の最寄のバス停で1時ごろ待っていろと言われた。 家からバス停までは近いらしいので師匠が迎えにきてくれるのだ。 なんて親切な師匠。 で、1時にバスを降りたら、師匠が赤いじゅうたんを敷いて私を出迎えてくれました…なんてのは古臭いボケ。 実際は私がバスに乗り遅れてしまった。慌てて師匠に電話をし、バス停に付いてから更に電話をしてそのまま一人で師匠のうちに行こうと思ったのだが、 「説明がややこしいのでやはりそこで待っていてください」と言われた。 なんて親切な師匠。 大阪駅からバスに乗るなんて、もう24年も大阪に住んでるのに初めての体験。いったいどこへ連れていかれるんだろう、と思えるような見知らぬ道をバスは走っていく。 少女小説「あしながおじさん」の中で、主人公のジュディが初めて念願のあしながおじさんに会いに行く時、「♪あなたはあしながおじさんに会いに行くのよ」と、レールを走る汽車が歌っているのをジュディは耳にしたが、 大阪市営バスの座席に座る私はちっともそんな気分ではなくて、「今度こそついていかねば…」と妙に冷静だった。そして降りるバス停を間違えないかヒヤヒヤした。 バス停まで迎えに来てくれた師匠は、道々私に「あの、、本当にフツーの住宅なんです…」と恐縮する。いったい何回聞いたセリフか。メールでもライブででも電話でも。余程気にしてるのかなぁ。私だってフツーの住宅の一室でピアノを教えているんだけど。なんか師匠が気の毒に思えた。 師匠は玄関のドアを鍵で開けたので、どうやら奥さんは留守らしい。 ピアノ室は…やっぱ狭かったな。でも、マンションに住んでる私のピアノ教師仲間だって、6畳ぐらいの防音室がグランドピアノ1台と本棚とオーディオセットでひしめき合っていたりするから、同じだな。 消音ユニットつきのアップライトピアノ。オーディオセットとソフトでいっぱいのスチール棚。200枚以上ぎっしり詰まっているCDラック。たぶんCDはもっと持っているんだろう。ジャズ関係の本でいっぱいの本棚。偶然私のと同じメーカーのたぶん同じ機種のパソコン。そう、去年夏に突然日本撤退をしたアメリカのG社の。 「普段直には座らないので座布団も何もないけど、ここで座ってください」と言うと師匠は奥へ消え、しばらくしたら、氷を浮かべたアイスコーヒーとストローとシロップを持ってきてくれた。親切な師匠。 「あの、今度からこんなお気遣いなさらないで下さい。私は生徒なんですから。お客じゃないんですから」と言っておきながら飲もうとしたが、飲むタイミングがなくて、実はそのまま飲まないでレッスンが終わってしまった。。。 レッスンの内容は次回に。 ... vol.25 レッスンの再開決定 - 2002年05月20日(月) 師匠の高槻でのライブとCDの感想をメールで送った。その約1週間後にレッスンの再開をお願いする電話をかけた。 レッスンを休んでいるあいだに私がどう過ごしたか、稲森メソッドの本を読み始めている事などもメールに書いておいたのだが、電話の向こうの師匠は稲森メソッドの本を読んでいることについて何となく苦笑しているように感じた。でも再開レッスンは初めの通り<ジャズピアノ・アドリブマスター>ノ本を使う事になった。 「長調での和声の扱いがまだわかってないので、短調に行くと辛いです。長調の曲にしてください」と頼むと、本に載っている<オン グリーン ドルフィン ストリート>か<ミスティ>のどちらかの譜例を弾いて行く事になった。注意事項は、 1.<ドルフィン>ならメトロノームを裏拍打ちにしてあわせる。 2.バラードである<ミスティ>なら表拍にメトロノームを合わせる。 ドルフィンは本の一番はじめに載っているので、その方が気分がいいかと思ってそれにした。「あ、そう、後打ちね」と簡単に思ったのが間違いだった。 譜例はバイエル並。ただし和音がテンション使っているので慣れないと掴みにくい。初めてラヴェルの曲を譜よみした時のようなカンジ。しかし、なんと言っても裏拍のメトロノームに合わせるのがむつかしいこと! 始めはいい。しかし途中で和音をつかみ損なったら最後、弾きなおしをした途端にいつのまにか表拍に合わせているではないか。 そういえば雑誌のインタビューで、帝国ホテルのバーピアニスト朝倉和子さんが言ってらした。クラシック出の人はリズムが弱いので、ジャズをかけながら1曲終わるまでずーっと裏拍を打つ練習をすると効果的とか。 そのほかの宿題は、「本の他の所も一通り読んでおいてください」だった。 「ぜ、全部ですか?」「…無理ならそこのところだけでいいです」…レッスンまで後約1週間。読めないよ。まだ最初の単元のところだけ。作曲のおけいこが今週あるから、曲も作りなおしていかなきゃいけないしなぁ。しかし、ジャズ初心者に本を一冊全部読めだと?師匠って完璧主義でそれを人にも望むのね…私に合っているか合っていないのかわからない。 師匠は自分のライブの宣伝を私にメールした事について、行けなかった私に「メールしてすみませんでした」などと言う…これじゃどっちが師匠かわかんないよなぁ。あたしは弟子なのにな。 初めて師匠に会った時にショボショボ弾いたガーシュインの<ライザ>に興味をずーっと持っていたらしく、「今度持ってきてくれませんか」と言った。人間、仕事以外で上の人にたのまれ事をすると、時に張り切ってしまうものである。コピーをして持っていってあげることにした。 ... vol.24 高槻ジャズストリートその2 - 2002年05月19日(日) 師匠たちのライブが終わってから友人とお茶に行って一服した後、別の人のピアノソロを聴きに行くため、前もってそのお店に行っておく事にした。もう聴き逃さないぞ。だって今日の目的は師匠とその人のライブの2つだけだったんだもの。 そのお店は2階と3階にステージがあって、2回ではおネエちゃん3人組みが「A列車で行こう」とかのスタンダードナンバーを歌っていた。先の師匠が伴奏した歌手で既にゲンナリしている私は、たとえその3人組みが上手かったとしても聴く気になれなかった。そう。もともと私は歌が好きでないのだ。ジャンルに関係なく。もっともドイツリートの伴奏をするのはメチャクチャやり甲斐があって大好きなんだけど。 私が聴きたかった二人目の人物は、母校の先輩にあたる人で、既に東京で活躍している。たしか3歳年上の作曲科出身の人らしい。ついでに言えば母校のジャズコースで教えているはず。あ、違うかもしれないけど。 私と約半年位しか年の違わない私の師匠とちがって、この先輩は髪の毛フサフサ、キャンディ・キャンディに出てくるテリィみたいなヘアスタイル。黒いパンツに黒いシャツ、典型的なおしょうゆ顔。人を笑わせるノリもいい。「お、カッコイイ、あ、目があっちゃった」ってカンジ… 曲目はスタンダードナンバーとオリジナルと両方あったが、どちらにしてもうちの師匠とは全く違うスタイル。クラシック出身だからか?端々にクラシック音楽への傾倒みたいなものが見え隠れして、確かに和音はジャズなんだけど、クラシック聴いてるみたい。かなりセンシティブ。うーん、ちょっとちがうなぁ。私が思っているのと。確かに彼自身の世界をしっかり築いているってカンジだけど。「気に入った」とかでなくて、単にああいうスタイルへの興味という点でもう一度ライブを聴いてみたいな、という人。曲と曲のあいだの彼のコメント中、「あ、また目が合っちゃった。どうしよ♪」なーんて思ったりしたが、たぶんいろんな女性が同じように思ったに違いないな。終了後、彼は入り口に立ってお客さんをお見送りしていた。何か一言感想を言おうと思ったけど、彼の前まで来るとなんか急に恥ずかしくなったので、下を向いて帰ってきてしまった。 さて、次の日。師匠のCDを何度も繰り返し聴いてみた。 オスカー・ピーターソンを敬愛しているとあって、かなりエンタティメントな音楽。 でも、実に私が弾ける様になりたい系のジャズ。そういう点では師匠で良かったなーと思った。解説を書いた人は「オスカー・ピーターソンを彷彿とさせる演奏」と言っている。彼はアート・テイタムも大好きらしいが、私にはまだオスカー・ピーターソンの良さがもうひとつわかっていない。私にとってはアート・テイタムのほうが断然上なのだ。そしてなんと言ってもやはりまだ、ホロヴィッツや内田光子を聴いてる方が幸せな気分になれる。 とにかくそっち系のスタイルなので、結果的に演奏にテクニカルなものが求められる。彼の手は腹が立つほど、そしてヨダレがでるほど大きいし、もしかしたらクラシックで言えばプロコフィエフ、カバレフスキー、リストなんかを私よりもバリバリずっと上手に弾けるんじゃないかと思った。うーん!弾かせてみたい…そして、体育会系のカプスチンなんかは却って嫌いなんだろうなと思った。 次に師匠に会うのは…レッスンの再開のときである… ... vol.23 高槻ジャズストリートその1 - 2002年05月06日(月) 5月5日子どもの日。「子供の日」って書いちゃいけないそうだ。これは修士論文書いてたころ教わった。子どもは大人に供えるものではないので、人格を尊重して「子ども」と表記すべきなのだと。 あ、そうなの、いけないの、でもひらがなにしただけじゃん。だったら呼び方から変えたら?「生意気ワルガキ」とか「甘ったれクソガキ」とか「軟弱ハナタレ小僧」とか…って言いたくなるな。やれ、子どもの権利だとか人権とかいうから「少年法」なんて訳のわからんのが出来るのよ。 …って、私のミニバイクを半殺しにして昼間女一人でも危ない藪にほったらかしにしたガキどもに怒ってるだけかもしれないけどさ、、、まぁ、アラファト議長もカメラを前に吠えとったしな。世界中怒れる人々で溢れかえっておる… 先日あるところで大阪は高槻で行われる毎年恒例の「第4回高槻JAZZ STREET」のパンフレットをみつけ、私の師匠も出るんじゃないかと思って見てみたら、やはり出演する事になっていた。彼のトリオと、あと歌の人と、2コマも。師匠とは音信普通になっていたので、なにも聞かされていなかった。 で、レッスン再開のことについて師匠にメールを送る必要があり、彼からの返事にさらに返事をするとき、「高槻でのライブを楽しみにしています」と書いた。すると、思いがけずまた返事が来た。別のライブの宣伝とともに……だからか。 「あっこさんのリサイタル、楽しみにしています」と言って来てくれなかった師匠だ。よほど私も行くのやめたろか、と思ったりしたけど、そういう態度がいかん。弟子がそういう態度じゃいかんのだ、師匠はとてもプライドのある人なので、じゃあ聴いてやろうじゃないの、っていうのとともに、単に素直に聴いてみたいのもあった。 で、2:00から○○ライブハウスで始るということだったので、デザイナーをしている友人と一緒に15分前くらいについた。ところが、である。メチャクチャ並んでいて、なんと私の前に並んでいた人までで定員いっぱいになった。「立ち見でもいっぱいなんですよ」って店の人が。 「え゛〜私の師匠なんですゥ〜」「本人に行くって言ってあるのに」「次の師匠の出番は伴奏やから参考にならんし〜」と何度粘っても入れてくれなかった。 がっかりした。でも仕方がない。次に師匠が出るお店で前もって待っておこうとそこへ行った。おネエちゃんが映画音楽ばっかり歌っていた。アヴェ・マリアまで歌ってた。つまんないの。なにもこんなとこでポピュラーの発声のクラシック聴かなくってもいいのにさ。ピアノの人は女の人で上手いのか下手なのかわからない。なんかとにかくガンガン頑張って弾いてるんだけど、置いてあるピアノは、背の低い玩具みたいなピアノだった。見るからにタッチは浅そうだし、低音は出ないし、最低。おネエちゃんの歌が終わってから、次のコマの3人組みの時間になった。これもおネエちゃんの歌だ。でも、こっちのおネエちゃんのほうが歌もトークも上手いし、ハスキーで好みだな。ちゃんとジャズ歌ってたし。けっこう楽しくてあっという間に終わった。 次が師匠が伴奏で出る番だ。お店に入ってきた師匠にニッコリ会釈すると、こんなイイ女がsmile at youしているのに、師匠は私を誰だかわからなかったぞ…ま、仕方ないか、4回レッスン受けただけで休んでしまったのだもの。第一、レッスンのときは二人とも譜面代に向かって座ってるしね。 名前を言うと「あぁ!!さっき…?〈来てくれてました?〉」と私に言う。私もはじめてのレッスンのときに「リサイタル来てくれてました?」って聞けばよかったかな、などとカワイクないことを思いながら、定員でいっぱいで入場できなかったことを告げた。すると、「立ち見でいっぱいで、おかげでチップのカゴをまわすことがゼンゼン出来なくて、チップゼロで終わってしまったんですよ」と言ってた。仕方ない、今ここで買ってあげよう、と師匠のCD2500円を1枚だけ買った。「CDもね、さっきは結局誰も買ってくれなくて、知り合いが数人買ってくれただけだったんですよ」と笑っていた。 JAZZの人たちって簡単に(と言っちゃあ怒られるか)CDを作るような気がする。JAZZ人口よりもクラック人口の方がずっと少ないけれど、JAZピアノ弾いて仕事してるジャズピアニスト人口よりも音大のピアノ科出てる人と言う意味でのピアニスト人口の方が圧倒的に多いと思う。でも、クラシックでCDを出す人なんてほんの一握りだ。0.1パーセントにも満たないんじゃないだろうか? 彼は「クラシック聴くみたいに聴いてもらうと困ります…ミスノートとかあったりするのも見逃してください」と恥ずかしそうに言う。基本的に彼は悪い人ではないんだな。クラシックの仕事をしていると言う意味では私は師匠と対等に話をしたいけど、ジャズピアニストとしては彼をとても尊重しているつもりだし(え?これでも?)ホント、それはウソじゃない。何しろ私は弟子なのだ。 だいたい、テンションのことがしっかり頭に入ってないばかりか、覚えたと思ったらすっかりアタマから出てしまっているのに、ミスノートなんて分かるわけないじゃん。「そんなの、ワタシにはわかりませんよぉ」と返事した。 友人が「このCDはどんなJAZZなんですか?」と聞く。 「全部スタンダードジャズです」と彼が答える。 「先生はもともとスタンダードをされる人なの」とワタシが友人に説明すると、 師匠は「セ、センセイだなんて…」とまた恥ずかしそうに言う。やっぱり基本的にはいい人なんだ。。。 「先生、このピアノね、最悪ですよ。おもちゃみたい。低音は鳴らないし、音もワルいし」と言ってあげると、師匠はちょこっと触ってみて「鍵盤が浅くて、奥行きも狭いです」と言った。「じゃぁ手が、つっかえません(笑)?」と言うと、「それはたぶん大丈夫でしょう(笑)」とのことだった。 で、演奏が始まる。まず1曲目はベースの人と師匠の二人だけのセッションだった。あら、まぁ!さっきの玩具みたいなピアノ、ちがう!!それに師匠上手い!さっきの女性ピアニストよりも音が自然に鳴ってる。男で手が大きくて腕の重さもあるからなのかな?いや、でもやっぱり師匠、うまいやんかぁ!なんか嬉しくなった。 で、歌のおネエちゃんが歌う番になった。厚化粧なだけでカワイクないし(前述の二人はそれぞれに可愛かった)、話し方も男に媚び売るみたいでなんか感じわるー。で、いざ歌い出すと、こいつーメチャクチャ下手やんか!うわ、なんで師匠が伴奏なんかすんの?こんなんで「歌手」やったら、私だってすぐになれるワイ、と思うくらい何を歌っても同じにしか聞こえなかった。しかも、その前のおネエちゃんの歌った曲と同じものまで歌ったけど、ゼンゼン違う曲にしか聞こえなかった。しかもトークが全くなく、ひたすら歌ばかり。飽きてきた。師匠の伴奏はさっきの女性ピアニストよりもずっと趣味のいいアレンジになってるというのに、なんじゃこれは。こんなんでライブハウスでお客一人につき1000円以上のチャージもらって歌ってゴハン食べてるなんて、許されへん。私の周りには、優秀なクラシックミュージシャンがたくさんいて不遇なのに、彼女みたいに何歌っても同じ音楽にしか聞こえない人が音楽でゴハン食べてるって???? お財布の中に10円玉がいくつかと、五千円札しかなかったので、チップが払えなかった。師匠には悪いなぁと思ったけど、あの歌には絶対払いたくなかった。 師匠に「先生が弾くとピアノが変わりました」と言って、お店を出た。 あと、別のお店で以前から気になっていたピアニストの演奏があったので、時間を稼いだあと聴きに言った。 その感想と師匠のCDの感想については、また次回。 ...
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