出向コージ苑

2004年10月31日(日) 冬時間

起きたらそこは冬時間だった。

夫は昨夜、

「冬時間になる日はねえ、時計を一時間止めていいんだよ」

と、何やら夢見がちな乙女の如きセリフを吐いていたが、
コージ苑は知っている。


どうせ1時間多めに寝られてラッキーとしか考えていないに違いない。



2004年10月30日(土) せめて散歩

ということで、
連休の予定がさっぱりないコージ苑である。
朝起きたら、ぎりぎりという感じで雨が降っていなかったので、
せめて市場を攻めることにした。

その前に大学によって、
借りていた本を返し、
カバンを軽くして買物に突入しようとしたところ、
新たに5冊ほど借りてしまったので意味がなかった。
そろそろ図書館の本も、
コージ苑の好みの範囲のは品切れだなー…どうしよ。

こういう時に、
「いつか読まなくてはいかんだろうと思っている本」が目に付く。
でも、そういうのは大抵固〜い本なので、
休日に手出しするにはちょっとためらう。
ま、また今度…と目を合わせないようにして、
そそくさと図書館を去る私。

折から晴れてきたこともあり、
土曜日の市場はいつも通りの人ごみ。

まず新鮮な野菜を物色する。
最近野菜スープにはまっている。
今週はトマト味、来週は和風と、
組み合わせを考えるのが楽しい。
元気の良いお姉さんが売り子をしているお店で買う。
大き目の袋いっぱいに買って300円程度。
食べ物が安い国は、ありがたい。

後は新しい卵とパン、
パプリカ入りのバター、
黒と白のコショウをちょっとずつ買って、
ほくほくで帰宅する。

結局2時間ぐらい歩いていたので、
帰ってからはぐったり疲れて、
ぶっひー嬢からの山登りのお誘いを断ってしまった。
午後はお茶を片手に本を読んで終わる。

明日も同じような一日を過ごす予感プンプン。
この日記コピペしてもいいかも(笑)



2004年10月29日(金) コージ苑は何故敗戦したか

11月1日は、スロの休日。
「死者を弔う日」なんだそうだ。
日本のお盆みたいなものかなー。

従って、今日から4連休なわけで。
仕事がないわけで。
どっかに旅行にも行けたわけで。

あ、夫の所へは行きません。
航空券代高すぎる。←これでも新婚なんである

もうちょっと近場、
例えばハンガリーで温泉フォアグラ三昧ツアーとか、
イタリアでパスタとワインを楽しむ会とか
(4日あればもう一回シチリアにも行けちゃうぞ)、
クロアチアに南下してアドリア海のんびり紀行もいいなー。

・・・って気づいたのが、今日の夕方だったんだよ!!
なんてこったいセニョール、
コージ苑仕事ばっかで気づいてなかったよ!←二重に悔しい



そしてその夜、
一人自宅で「地球の歩き方」を読んでいるオンナがいましたとさ。
さ、寂しすぎる。



2004年10月28日(木)

今年初めてのMOST(モシュト)を飲んだ。

・・・会議中に。←いいのか?

いやいいんだよ、
出席者全員、お酒飲んでたから。←いいのか?



2004年10月27日(水) 航空券大人買い

冬に、学科総出で韓国旅行をすることになったので、
航空券を予約しに行った。

ちなみに二日前には、
クリスマス休暇にL国へ行くチケットを予約した。

うーん、コージ苑ってば売れっ子ビジネスマンみたい。
(実は売れっ子どころか給料下がったんだけど。不景気っていやね)



2004年10月26日(火) 先生

ベケ教授。

学生の卒論発表会でまで、
ダジャレを言うのはいかがなものかと(笑)

学生がいつも以上に反応に困っていました。
(かわいそうに…)



2004年10月25日(月) 時間の言い方

コージ苑「これは何時ですか」
学生A「きゅうじぱん」(9時半)

なんか美味しそうじゃん。



2004年10月24日(日) 赤いジゼル

ボリス・エイフマン。
クラシック主流のロシアで、
モダン・バレエのカンパニーを主宰する名振付師である。
クラシックを素材にした創作バレエが特に有名で、
今回その一つである「赤いジゼル」が来スロした。

この作品でエイフマンは、
オリガ・スペシーフツェワというダンサーの生涯をモデルにしている。
19世紀末に生まれた彼女は、
共産主義の嵐が吹き荒れるロシアを去り、
パリに亡命した後に「ジゼル」を西側に広めた。
バレエの中で描かれる一ダンサーの半生は、
観ているこちらに生々しく伝わってくるものだった。

※※※※※

第一幕は、主人公のロシア時代。
バレエ学校で抜きん出た技量を持つ彼女を、
「教師」は慈しみ育てる。
公演も成功し、ダンサーとしての道を歩み始める彼女の前に、
チェキストが姿を現す。
抗いながらも、彼に翻弄されてゆく主人公。
「教師」は彼女を取り戻そうとするが、
時代はそれを許さなかった。

共産主義下で踊る彼女であるが、
そこに踊る喜びはなく、苦悩が深まる。
そしてついに、彼女は亡命を決意する。
彼女を愛するチェキストを振り切って、
亡命する人々の列に加わる彼女の様子は、
後ろ髪をひかれつつ、という感じに演出されていた。

第二幕。パリ。
主人公は、ここで所属したバレエ団でのパートナーに心惹かれるが、
彼は同性愛者であり、
それに応えることができなかった。
満たされない想いを抱え、
次第に虚無感にとらわれる彼女は、
しばしばソビエトの幻想を見るようになる。
例えば社交クラブで踊っている時、
チェキストの姿が目の前に現れる。
彼女は段々と、赤い影に悩まされるようになる。

最終幕は、「ジゼル」と重ねて演出される。
精神を病み、病院に連れて行かれた彼女を見て、
パートナーは心を痛め、彼女の元へ行く。
愛する彼と二人で踊り、
主人公は一瞬、現実の世界に戻ったかに見えたが、
赤い幻想が彼女を解放することはなかった。

最終シーンでは、舞台上に鏡が据えられ、
その一つの中に、彼女は入ってゆく。
裏側から観客の方を見ながら消えていった彼女は、
自分だけの閉じられた世界に入っていったのかもしれない。

※※※※※

はい、正直コージ苑ぞっとしました。
ダンサーの「狂気」に、というよりも、
一人の人間をそこまでがんじ絡めにしてしまった「時代」に。

技術的なことを言えば、
照明がえらく印象的で、
ダンサーの表情、音楽などと相まって、
しばらくは頭の中に残りそうである。



2004年10月23日(土) ファン?

新山千春の結婚報告のセリフ、

「初めて会った時からビビビッときた」

っつーのは確か…

彼女は聖子ファンなんだろうか。
なーんて、心底どうでもいいことが気になったりした。



2004年10月22日(金) ・・・に限って

自分の日記に限って、

キリ番というのを踏んでしまうのは、

なぜだろう。




そういう強運があるなら懸賞当たってほしい。



2004年10月21日(木) ほとんど嗜眠症

昨夜1時過ぎに寝て、
今朝は8時の目覚ましで起きられず、
1時間ほど過ぎてからやっと起き上がり。

なのに夕方4時、
自宅待機している時間がつらくてしょうがない。


眠い〜…


(眠さを紛らわすために、タグの勉強をしてました。
かえって眠気誘うっちゅうねん)



2004年10月20日(水) 当たったって感じ

家賃を振り込みに銀行に行ったら、
いまだかつてない程待ち時間が短かった。

こういうの、やったぜ!って思いません?



2004年10月19日(火) 学生なんて

昨日の1年生の授業では、

「ここ そこ あそこ どこ」

を使った文を学習した。
ということは、場所の名前が必要。
とりあえず、大学や会社の中にある所ってことで、

「教室 受け付け 事務所 ロビー…」

などなど、何度も言わせて覚えさせた、
とコージ苑は思っていた。

火曜日の担当はCSB先生なのだが、
授業が終わって戻ってきて、笑って言った。

「あのね、『事務所』は覚えていなくて、
当ててもごにょごにょ口の中で言うだけなのに、
『お手洗い』だけは、
絵を見せた途端に全員が大きな声で言うのよねー」


うん、うん。
学生なんてそんなもんだ。

実際「お手洗い」って言葉は大切だから良しとする。するの。



2004年10月18日(月) 国際派な舌

同僚の栗先生(イタリア出身のスロベニア人)との会話。

コージ苑「ここ乾燥してるから、パンが一日でカチカチですね」

栗「こっちの人はねえ、コーヒーとかミルクにつけて食べるのよ」

苑「あー、なるほどー」

栗「私、日本でそれやったら『みっともないよ』って言われちゃった。
  イタリアじゃ皆やってるからさ…」

苑「え、日本だってやりますよ、鳩サブレとか紅茶につけるし、
  コージ苑子供の頃は、バタートーストをココアにつけてたし」

栗「そうなのー?じゃあ良かった」


同僚の気掛かりを取り除いたコージ苑。
一日一善である。


栗「もういっこあるの、日本人が『え!?』って言ったこと」

苑「なんですか?」

栗「納豆をトーストにのっけて食べるの」

苑「あ、私もよくやってましたよー。しかもマヨネーズ付きで」

栗「…わかった。日本でどうこうじゃなくて、
  コージ苑さんの味覚が単に私と似てるんだ」


一日一善、撤回。



2004年10月17日(日) たまに時間があると

午前中に料理もし、
洗濯も掃除もすませ、
あまつさえ観葉植物の手入れなどの雑事もしてしまうと、
後は読書かネットしかやる事ないなあ、
困った困ったはっはっは。

…どこまでインドア派だよ…


※※※※※

栗本薫『ネフェルティティの微笑』 中公文庫

天下の中公が、2ヶ所も誤字作っちゃってます。



2004年10月16日(土) 午前、午後

休日の朝、がんばって早起きして、
L市から車で30分程の、
皮革産業の町へ行く。

ここはイタリア等のブランドの下請をやっており、
卸の値段で品質の良い製品が買える。
もちろん、くさってもイタリアというわけで、
デザインも面白いものが多い。

同行したのは、夏にも一緒だったCSB先生と、その娘さん。
先生は前回スーツを買っており、
その店がすっかり気に入ってしまったらしい。
コージ苑も、その時にはバッグを一点買ったが、
これが結構使いやすいので、味を占めたという次第である。

10時前には現地に到着して、
秋冬のコレクションを物色する。
やはり厚手のスーツとコートが多い。
襟と袖口に長めの羊毛がボワボワとついているコートがかわいいが、
さすがにデザインが若くて、
ちょっと手が出ない。

スーツもいいなーと思いつつ、
あれこれと見てまわっていたところ、
一着のコートが目に止まった。

黒が多い店内に、
一見茶色く見えるのが、まず目立った。
良く見ると、渋い赤を下地に、
茶色をのせている、なんとも微妙な色合い。
ちょっとハード目のデザインで、
ベルトが袖口にもついている。
実際に着てみると、
見た目よりも随分と柔らかい革を使っていた。

どうしよう、気に入っちゃった…

お値段を見る。
日本円にして3万円以下。
はっきり言って安い。
しかし、コージ苑の給料からいって、
ちょっと考えさせるお値段ではある。

それでも結局買ってしまったのは、
あまり見かけないその色が、
意外なほど自分に合っていたのと、
ヨーロッパの製品にも関わらず、
日本人にしても肩幅が狭いコージ苑にぴったりだったからである。
加えて、CSB先生と娘さんの後押しも効いた。
女同士の買物って、
どうしてお互いを浪費させる方向に向かうんだろう…

※※※※※

予定外の出費をした後は、
その出費に対する後悔が半分と、
手に入れた物への満足感が半分。
心を落ち着けるため(そしてこれ以上出費しないため)に、
午後は自宅で大人しく読書しておいた。

司馬遼太郎『風の武士』 講談社文庫

物語は、紀州の山奥にある隠し国を巡る、
幕府と紀州藩の攻防を舞台にして、
忍びの家に生まれた一人の男が活躍する、というもの。

伝奇物には、自分は今いち入り込めないことが、
この夏から数冊ほど読み、
ここに至ってよく分った。
司馬作品でさえそうなんだから、
こりゃもう何読んでもダメだな、と。

加納朋子『魔法飛行』 創元推理文庫

この作家さんは、誠に女の子らしい話を書く、
と言ったら怒られるだろうか。
日常にひそむ謎を、あくまで淡々と解いてゆく。
好き嫌いが結構分かれるタイプの話なんではなかろうか。

清水義範『永遠のジャック&ベティ』 講談社文庫

「こんにちは。私はジャックです」
「こんにちは。私はベティです」
大概の英語教科書が、このようにして始まる。
その登場人物が、50歳にして再会した時に交わす会話は…

英語教科書をはじめ、
私たちがよく目にする文体(映画パンフとかCMとか)が、
ひねり方一つでえらく面白くなる、その良い見本。

宮部みゆき『返事はいらない』 新潮文庫

『火車』の前に出版されたという短編集。
コージ苑が好きだったのは、
表題にもなっている「返事はいらない」と、
「ドルネシアへようこそ」の二本。
宮部みゆきの、なんとも悲しい読後感も嫌いじゃないけど、
やっぱり「ほっとする」話の方が好み。



2004年10月15日(金) 魔の立ち読み

それは出勤前のお話。

「ちょっとメールチェック」のつもりで、
パソコン起動してネットに繋いだはずなのに、
何故か1時間程、
某出版社の単行本立ち読みボタンをクリックしまくっていた。

ああ、マンガ……
リアルで読みてぇ………!!

『サイコ』が今どうなってるのか、
『無限の住人』が何巻まで出ているのか、
誰か本気で教えてほしい。

日本にいた頃には、
売れ筋だったり話題だったりするマンガは、
一通りチェックしていた仮性(←仮性?)オタクな私だったのに、
先日の帰国の際には、

「『デスノート』?どこの雑誌で連載してますか」
「『ハガレン』?どこの特殊戦隊ですか」

なあんて情けない話しか出来なくなってたのだ。
悲しい。

コージ苑、今年「現代文学講読」の授業持つんだけど、
教材っていって、マンガ取り寄せちゃダメかなー。
(ダメに決まってんだろ)



2004年10月14日(木) いつもの

週一恒例の会議の後、
夕食会で中華料理に行った。
コージ苑とフレンチ嬢の家の近くなので、
二人でたまに行くレストランである。

飲み物は白ワインにしようということになり、
他にもスープや前菜を決めて、
お店のマダムを呼んで注文した。


教授 「これとこれと、飲み物はこのワインでね」

マダム「はい、分りました〜。
   (くるっとコージ苑の方を向いて)
    あなたはビールだよね?」


確かに、確かにいっつもビール飲んでるけど。



2004年10月13日(水) さようならポットちゃん

研究室のポットが壊れた。
フレンチ嬢とコージ苑で、
まつげ付きのぱっちりおめめと、
赤い口紅のついたお口まで作ってあげたポットちゃん。
(もしかして男性だったのかもしれない)

昨日の午前中までは動いていたのに、
突然、お湯を沸かすのに10時間以上かかるようになってしまった。
スローライフにも限度っちゅうものがあるのだ。

相談の結果、仕方なく新しいのを買うことに。
さようならポットちゃん。
君は最早、過去のオンナなのだ。



…下手に顔を描いているもんだから、捨てにくくてさあ。



2004年10月12日(火) バイオリンの音

今年度初のクラシックコンサートは、
オランダ、デン・ハーグの交響楽団。
曲目は、ブラームスのバイオリン協奏曲と、
ベートーベンの「英雄」。

バイオリンのソロが素晴らしかった。
一つ一つの音が、コージ苑の目の端っこから入ってきて、
涙腺を伝って喉までいくので、
ちょっとばっかり泣けそうになった。

音楽っていいなあと思えた二時間。



2004年10月11日(月) 今年の学生占い

1年生の初授業。
人数が多いので3つのグループに分かれて演習をやるのだが、
不思議とそれぞれにカラーがある。

Aグループ → 分らなくても盛り上がる
Bグループ → 分らないと極端に暗くなる
Cグループ → 分らなくても幸せ

「分らない」ってところは共通してるみたいなんだけど。
(笑い事じゃーない)



2004年10月10日(日) 寒い

ここ数日、やけに冷え込んでいる。
CSB先生のお家とか、黒柳さんのアパートとかには、
もう暖房が入っているらしい。
(こっちは建物単位のセントラルヒーティングが多い)
いいないいな。

コージ苑ちの暖房装置は、まだ冷え冷えとしたままなんである。
おかげで帰宅拒否症になってしまって、残業続き。
今日なんて日曜日だというのに、
休日出勤までしてしまった。

もとから暖房が入っているにも関わらず、
「心が寒いから」という理由で、
加えて温風器全開にする語学講師。



2004年10月09日(土) 眠れない

夫は、のん気そうな顔をしているくせに、
実は神経細かいところがある。

夫「昨日眠れなかったよー」
私「なんで?」
夫「自分の唾を飲み込む音が気になっちゃって」

全く信じ難い。
コージ苑はそんな事考えついたこともないよ。

私「昨日眠れなかったよー」
夫「どうしたの?何か心配事?」
私「いやあ、昼まで寝てて、さらに昼寝を4時間ほど」

そりゃ眠れないだろって話。



2004年10月08日(金) 韓国の!

冬ソナに代表される、
昨今日本で流行りの韓国ドラマ。
噂ばかりが耳に入ってきて、
自分ではさっぱり見ていないコージ苑だったが、
本日ついに見ました!
話題の韓国…

映画。←めちゃめちゃ今さら

といっても、「シュリ」あたりのような、
現代を舞台にしたドラマではなく、
昔から伝わっている烈女伝の一つである、
「春香」というお話の映画化。
しかもパンソリと絡めているので、
舞台の中継とフィクションの映像とが混じり合い、
何だかとってもお得感のある作品である。

話は、まあ、よくある…と言っていいんだろうか、
若い男女が幸せになるまでのお話。

※※※※※

都から遠く離れた地。
政治家の父を持つ若様は、現在科挙のための勉強中。
気晴らしに付近の散策に出かけたところ、
節句のお祝いでブランコに興じていた美女を見初める。
彼女は、いわゆる芸妓の娘であるが多芸に通じ、
地元の人々も一目置く才女であった。
名前は春香。

若様は、貴族らしからぬ性急さで彼女の家を訪ね、
母親に了解を得て、春香と夫婦の契りを結ぶ。
それからは勉強どころではなく(当然であろう)、
彼女と甘〜い時間を過ごすわけだが、
世の中、というよりオハナシはそう上手くいかない。
父親の異動が決まり、若様は都へ旅立つことに。
泣いてすがる春香を振り切って、若様は去って行った。
「必ず迎えに来るから」という約束だけを残して。

春香が日々嘆くその地に、
新しい長官が赴任してくる。
彼は、到着するなり芸妓の点呼を開始する。
(このあたり、いかにも悪役である)
その頃、一般的に芸妓は世襲制だったらしく、
長官は「春香が何故来ない」と怒り出す。

出頭した彼女に、身の回りの世話を命じる長官。
身の回りの世話っていうことは、つまりアレである。
当然、彼女は拒絶するが、長官は承知しないどころか、
「芸妓の娘が貞操を守るなんて笑わせるぜ」とばかりに迫る。
それでも断りつづける春香に、彼はとうとう逆ギレ。
彼女を棒でぶった挙句、牢獄に入れてしまう。

一方、都の若様は猛勉強の末、
臨時に行われた科挙に主席合格、
暗行御使(だったと思う。「闇奉行」みたいなものだとみた)に任命される。
行き先は春香のいる地方。
役目の性質上、若様は粗末な身なりをして彼の地を訪れる。

おりしも、長官の誕生日前夜。
春香は祝いの席の最後に、処刑される予定になっていた。
必死に祈る母親のもとに現れた若様だが、
何せ服がボロいので、誤解した母親に邪険にされてしまう。

そして翌日。
祝いの席に飛び入りした若様は、長官の悪政を非難する詩をよむ。
動揺する人々を尻目に、さあクライマックス。
若様が合図の扇子をばばっと広げると、
町中に潜んでいた部下達が乗り込み、悪役達を一網打尽。
元凶である長官も罷免され、
春香と若様は、めでたく結ばれたのでした。

※※※※※

言ってみれば韓国の時代劇なので、
当時の風俗が見られるのが面白い。
多分DVDになっていると思うので、
ドラマだけではなく、こんな「韓国」も是非。



2004年10月07日(木) 浮気のツケ

数年前に浮気したツケが、回ってきた。

いや、窓専用になったプリンタ(リンゴの使い古し)が、
もらって数日しない内に壊れちゃったみたいで。
ほら、うちの講座、リンゴ族優勢だから。優遇されてるから。

コージ苑、最初はリンゴ族だったんだけど。
就職先では大抵が窓だろうって浮気したんだけど。

…す、すまん、オレが悪かった…!(後悔の涙)
(パワーブック欲しいでしゅ)



2004年10月06日(水) カビ臭い

3・4年生のオリエンテーション。
文法漬けになる前半とは異なり、
この学年になると、言葉を応用する方に重点が置かれるようになる。
例えば、何か調べたことについてプレゼンテーションを行うとか、
卒論に役に立つ文章の書き方を勉強したりとか、
そして、

古典やるとか。

これがまた嫌われるんだ。
そりゃよーく分るよコージ苑。
自分だって古文、胸はって好きとは言えなかったもん。
文法の暗記大変だったし。
特に助動詞、あれは一体何!?ってほどだった。
「源氏なんか『あさきゆめみし』読んでりゃいいだろうに」と、
わけもなく反感を持った記憶もある。

日本人ですらこの始末なのに、
外国語として日本語を習ってる学生が、
2年間やった時点で古典を習わされる悲しさよ。
しかも必修、逃げ場なし。
担当の教師を逆恨みもしたくなるってもんですよ。

コージ苑なんだけどさ。
(別に逆恨みされたことはないけど、授業のノリは悪い。断然悪い。)

さらに。

大抵の学生は「やっつけ」で古典の単位を取るので、
その先にある「古典上級」とか「漢文」の授業なんて、
できれば避けてとおりたい科目ナンバーワンだ。
こちらは選択科目なので、十分逃げ場あり、だし。

担当、どっちもコージ苑なんだけどね。

今年の私は、なんだかカビの臭いがする。
古文書開けた時の、あの臭いが。
そして、カビは嫌われるんだ。
(コージ苑だってきらいだ)

選択科目の登録リスト、
「古典上級」も「漢文」も、
一人の名前も無かったね、うん。

泣いてないよ。



2004年10月05日(火) ワインをこぼしたら

突然の論文が入り、
今日は一日中自宅でパソコン。

夜は、CSB先生宅で新年度パーティーがあったので、
ご近所フレンチ嬢と、
お新香巻+白菜の浅漬けを作って臨んだ。
L国のように、大根とまではいかないけれど、
この国にも白菜があるので助かっている。

到着してみると、
テーブルの上座の方が不自然なほど空いている。
何でだと近寄ってみると、
早くも誰かがワインをこぼしてしまったらしい。
しかも赤。

ワイン、特に赤をこぼした時の対処法として、

・白ワインを上から染み込ませて、タオル等で叩く

という手が知られているが、
特に日本だと、白ワインを常備しているかどうかもあやしいし、
第一もったいない。
そういう時、ベケ教授ご推薦の、こんな手はどうでしょう。

(1)こぼしたワインの上に塩を多めにまく。
(2)上から水をかける。
(3)しばし置く。
(4)2・3を繰り返す。
(5)色が取れてきたら、洗剤を染み込ませた布で叩く。

塩をケチケチしないのがコツだそうで。
結構時間がかかるらしいので、
ちゃんと取れるのかどうか、という点については、
コージ苑も未確認。

誰か試して、結果を教えてください。



2004年10月04日(月) 新年度開始!

今日から新年度が始まる。
恒例のオリエンテーションがあるため、
珍しくスーツで出勤。

コージ苑は今年も1年生担当なので、
13時から行われた1年生のオリエンテーションに出席。
教室に入ってみると、

うじゃ〜

とあふれている新入生の皆様。
多い、多すぎるよ、どうしようおじいちゃん。
(夫じゃないのか)
…あれ?
よく見ると…知った顔がちらほら…


去 年 の 1 年 生 だ よ


お前ら!お前ら結局最初から2年計画か!!
確信犯なんだな、そうなんだな!?
(彼らの屈託の無いにこやかな表情から推察)

新入生の受入数から計算するに、
留年組は、10人以上。

ということは…

ぶっひー嬢「2年生、とっても少ないのぅ〜」

あら大変。



2004年10月03日(日) お持ち帰り

L国くんだりから、風邪菌を持ち帰ってしまったコージ苑。
いつもなら人に伝染して治してしまうところ(←超迷惑)、
異国の菌を撒き散らすのもなーと思って自粛していた。
盛大に鼻水が出るこんな時に限って、
箱ティッシュを切らしてしまってるあたり、
悲しみが止まらない今日この頃。

電話が鳴った。

「コージ苑さん、お久しぶりですぅ〜」

マダムぶっひーである。
声が弱々しい。

「あ゛、ひぱびぶびー」(註:久しぶり〜)
「お元気でしたか〜ごほごほ」

どうやら彼女も風邪を持って帰って来たらしい。
しかもアジアから。コージ苑より遠いし。
しかもこれぞ異種って感じで、
こっちの人たちにとっては、めちゃめちゃ強烈そう。

みんな、R市の南エリアから遠ざかるんだ!



2004年10月02日(土) 今度はコージ苑帰る

いつもの便でスロへ帰る。
少々風邪っぽかったので、
飲み慣れない薬を飲んだら(←薬嫌い)、
てきめん効いて帰宅後爆睡。

どのぐらいかって、
15時から翌朝10時まで(笑)

寝すぎ。



2004年10月01日(金) ナブッコ

今日は3人でオペラ(夫含む)。
後一人?
エンジェル先生ですとも。悪いか。
どうせ「あら、東洋人の親子。三人ともメガネ」とか思われてんだ。

演目はベルディ「ナブッコ」。
ゲーム会社かよ(またしてもおっさんユーモア)と思っていたら、
ネブカドネザル二世の事だったらしい。
旧約聖書に載ってる話だそうだ。

※※※※※

時は紀元前六世紀、
バビロニア王のナブッコには、二人の娘がいた。
お姉さんはアビガイッレ、妹はフェネーナ。

…世界に色んな名まえがあるのは分る。
分るけど、歌手がいかにも歌いづらそうなんですけど、この名前。
まあいいや、とにかく娘が二人。
よくあるパターンで、姉は気が強く、妹は心優しい。
アビガイッレは、実は奴隷の子。
フェネーナは、現在エルサレムに人質にとられている。

娘が人質になっているにも関わらず、
強気のナブッコ父さんは、エルサレム侵攻を目論む。
大騒ぎするエルサレムの民衆に対し、
神官ザカーリアは「人質がいるから大丈夫」となだめる。

「アイーダ」と同じく、
フェネーナもエルサレムに恋人ができる。
神官ザカーリアの甥(←微妙)、イズマエーレである。
ところが、姉のアビガイッレも彼に恋していた…
というのも良くあるパターン。
兵を率いてエルサレムに乗り込んできたアビガイッレは、
「私を愛するなら助けよう」とイズマエーレに迫る。
脅迫しないと男がなびかないと知っているだけに、
このお姉さんはハナから高圧的である。

しかし、イズマエーレは怖い女が苦手だったようで、
すげなくこの申し出を拒否、
アビガイッレが怒り心頭に達した時、
ナブッコ王登場。
登場しただけならまだしも、
ユダヤの神を侮辱したから、神官ザカーリアが激怒した。
うかつに宗教に踏み込んじゃいかんというのに、
この王様は、そんなこと全然気にしてないんだから困ったものだ。

ザカーリアはフェネーナに短剣を突きつけるが、
イズマエーレに止められ、あえなく敗退。
ナブッコはユダヤの民を捕虜とし、バビロンへ連行する。

鼻高々のナブッコ父さんは、
こうなったらもう止まらない。
「私は王ではない、神だ」とか言っちゃったもんだから、
厳しいユダヤの神様が怒って、
彼の頭上に雷を落とし、
ナブッコは精神錯乱状態に陥ってしまう。

一方、恋に破れたアビガイッレは悔しくてしょうがない。
おかしくなってしまった父親をだまして、
改宗したフェネーナとユダヤ人の処刑を承諾させ、
さらに父親を監禁して、自分が王位につこうと画策する。
処刑前夜、ユダヤの民は故郷を想い、
イタリア第二の国歌とも言われる、
「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」を大合唱。

フェネーナとユダヤ人の処刑直前、
奇跡が起こり、ナブッコが正気に戻る。
エホバの神に許しを乞い、偶像を破壊して、彼らを救出する。
喜ぶ一同のもとに、大怪我を負ったアビガイッレが登場。
父と妹にわびつつ、息をひきとる。
神官ザカーリアは一部始終を見届け、
ナブッコを「王の中の王」と称える。

※※※※※

L国ナショナルオペラの「売り」は、
どうやら「アイーダ」と、この「ナブッコ」らしい。
オリエントに強烈な思い入れでもあるんだろうか。
他のオペラ、例えば一昨日の「椿姫」と比べても、
セットの気合いの入れ方が断然違うのだ。
ここのオペラは「カルメン」も良いが、
これはどちらかというと、演出と解釈が斬新という点で際立っている。

L国旅行の際、オペラ鑑賞もという方は、
ここら辺を狙うと満足する…かも。


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コージ苑