出向コージ苑

2004年08月31日(火) ワイン

ここにいると、ワインを飲む機会が多い。
食事と一緒にワイン、
飲み会でもワイン、
誕生日もワイン、
クリスマスも正月もみーんなワイン、である。
コージ苑はどちらかというとビール党なので、
今までワインは通ったことのない道だった。

かつて日本酒でも経験したことだが、
飲めばおいしいと思うし、
自分の好みだとかそうじゃないとか、
ある程度は感じることが出来るものだ。
コージ苑、決して味オンチではない、と自分では信じている。

問題は、おいしいと感じたものの銘柄を、
次の日になるときれいさっぱり忘れてしまうということで。

ならメモでもとっておけよと自分でも思いながら、
飲んでいるとついつい、紙とペンを出す一手間が面倒くさい。
結局記憶にとどめておけるのは、
毎回最初に飲んだものか、
そうでなければ、その酒を服にこぼしたとか、
そんな強烈な印象を残したものに限る。

あ、今ふと思ったけど、
これって自分の中学高校の勉強態度と全く一緒じゃん。
成長してねぇー。



2004年08月30日(月) 仕事はじめ

帰ってきた翌日から仕事が始まった。
今日は学年末テストの三回目。
監督は別の人がやってくれたので、
コージ苑は採点に集中することができた。

今回、1年生の受験予定者は40名強だったはず、
だが、
あんたら16人しか来ていないってどういうことよ。
月末にある最後のテストに賭けてるんだろうけど、
そんな背水の陣しいちゃっていいのか。

ま、おかげで採点が楽だったから、別にいいんだけどさ。



2004年08月29日(日) 行動パターン

早朝、七味屋氏にバイバイして、
スロ行きの飛行機に乗る。
乗り継ぎのプラハ空港で、
同じ飛行機に乗るフレンチ嬢と待ち合わせ。

コージ苑は今回の帰国中、
また欧州で美容院難民になることを予想して、
高田馬場(やたらと具体的)でザックザックと髪を切ってきた。
背中の半分あたりまで伸びていた髪は、
どんどん短くなった結果、
ミディアムとショートの中間程度になった。
後ろで結ぶ時に多少ばらける以外は、
頭が軽くて大変都合がよい。

日本で何をしましたかって、
高い金だして美容院かよ、
全く自分ってやつはくだらないこと考えるよなーと、
自嘲気味のコージ苑であったが、
目の前に現れたフレンチ嬢を見て、
思わず笑ってしまいたくなった。

彼女も髪が短くなり、しかもウェーブかかっている。

やっぱり皆考えることは一緒なんだねー。
ちょっと安心。



2004年08月28日(土) 存在の耐えられない軽さ

さて、L国の滞在も最終日。
軽く買い物をして、余った時間でドライブに出た。
といっても、例のごとく運転は七味屋氏である。
彼はR市近郊の主要道路を大方把握しているため、
ナビすらする必要もないコージ苑の存在価値はあまりない。
せめてもの救いは、
彼の車にCDチェンジャーがついていないということ位である。

私ゃ、ケ○ウッドのステレオ(旧式)程度かい。
・・・と、ここまで書いてふと気づいたが、
コージ苑はもちろん、アンプ機能も持っておらず、
CD再生もできるわけがないので、
とどのつまりケン○ッドに軽く負けてるってことである。
悲しい。人間って何。

とか言って落ち込んでみせたら、
夫がご飯でもおごってくれないかなーと計算するあたりが、
人間の人間たる所以であろう。←ずるい、ちゅうか夫婦でおごるも何も。



2004年08月27日(金) ジャパニーズスシ

L国に滞在している時、
たまに寿司屋に行く。

外国の寿司屋=割と高級な店、であるからして、
店員も割と丁寧な対応をしてくれる。
頭を下げるというよりは、
お尻を後ろにつき出す様なお辞儀をして出迎えてくれ、
寿司を頼むと、
小皿とキッコーマ○の小ビンに入った醤油を持ってきて、
その白魚のような手で、醤油を

つーっと、
つーっと、
つーっと、
つーーーーーーーーーーっと、

そそいでくれる、って多いぞコラ。

当然コージ苑達は、いつもこれを残してしまう。
いくらキッ○ーマンが普及しているとはいえ、
そう安くもないであろうにもったいない、と思っていたら、
今日の店で、その理由が分かった。

こっちの人間、全部使ってるわ。

コージ苑が目撃したお姉ちゃんを例に説明しよう。
彼女が食べていたのは巻き寿司だった。
それを箸にとり、まずは下面に醤油をつける。
もとい、下面「を」醤油「に」「漬ける」。
そして黒い液体をしたたらせながら、
彼女はおもむろに寿司をひっくり返し、
今度は上面を同じように醤油に「漬ける」。
この時点で、米の白さはもはやどこにも残っていなかった。
さぞかしカライことであろうと、
密かに心配していたコージ苑に、
さらなる衝撃がはしった。

寿司を横にして小皿の中でころがし、
海苔の面すら徹底的に醤油味にしようとしていた彼女が、そこにいた。

お嬢さん、腎臓を大切にね。



2004年08月26日(木) デカデカ

一時期(今でも?)「侍魂」というサイトが大変な人気だった。
コージ苑も爆笑しつつ読んでいた口。
人気が出てくれば、それについて分析を加える人間も出てくるわけで、
どこで読んだかは忘れたけど、

強調したいところは文字のポイントやフォント、色等を変える、
または前文との間を極端に開けることによって、
後文のインパクトを強くするなど、
今では普通に使われる(こう言ってよければ)技は、
「侍魂」で使われてから、急速に広まったとか。
たった一人が使っていたものが、
その世界で急速に広まって、
今やスタンダードになったというのはすごいよなあと思っていたら、
これを読んでまたびっくり。

※※※※※

香山リカ『心とおなかの相談室』 NHK出版

内容は何ということもない、
食に関する悩みにリカ先生がお答え、という良くあるパターン。
注目すべきはその紙面である。

「夫はとってもグルメです。
いつも色々なところに連れていってくれて、
料理についての知識を披露してくれます。←ここまで12ポイント
でも、私は実は料理好きではありません。」←ここ、太字20ポイント

N○K出版、お前もか。


そしてそれを読んで、笑ってしまったコージ苑。
(まるで思うつぼである)



2004年08月25日(水) 遺伝子の陰謀

ワンパターンな生活を3日も続けていると、
次第に曜日感覚がなくなってきて、
もうすぐスロに戻るという実感は、霧の彼方である。
何で私ってやつは、こうもぐうたらかなー。

答え、それは遺伝子の陰謀です。


※※※※※

竹内久美子『そんなバカな!』 文春文庫

我々は利己的遺伝子(セルフィッシュジーン)の乗り物だ、
という基本姿勢のもとに、
理屈に合わない人間の行動の謎を、
動物行動学の事例を挙げつつ解いてゆく。
発行が10年ほど前となっていたが、
これは理科好き、理屈好きの人間にはこたえられなかっただろう。
これを中学生の頃に読んでいたら、
もしかして進路も変わっていたのだろうか、と思わせるほど、
動物行動学っていうのは面白そうな学問、なのかもしれない。

んでもって、いつぞや某俳優が「浮気は文化だ」発言で、
一部ワイドショーや女性誌でたたかれていたが、
彼はきっとこの人の本の読者だったんだろうなーと、
本当にどうでもいいことをぼんやり考えたコージ苑だった。



2004年08月24日(火) 名前

結婚・入籍に伴い、
コージ苑の公的な名字が変わった。
本来ならば、職場でもそっちに統一すべきなのだろうが、
ビザの手続きや大学との契約書など、
色々と面倒なことが起こるという事実が判明したので、
仕事関係では、当分旧姓のままで通すことにした。
「やっぱり夫婦別姓よ、何で女が変えなきゃいけないのよ!」という、
確固たる信念の結果でないところが、
我ながらぬるい人間だと思う。

※※※※※

清水義範『名前がいっぱい』 新潮文庫

「名前」をモチーフにした短編集。
気に入ったのは、登場人物の命名に悩む小説家のお話。

作家が自分で考えて適当に名づける場合に、
たまたま「沼」という字が頭の中にあると、
名前が沼縛りになってしまい、
小説が沼だらけになって、
読み手が「むむ!?この沼づくしには何か深い意味が?」と、
妙に深読みしてしまうので、好ましくない。

では、ランダムに付ける場合、どういう手段が有効か。
まず思い付くのは電話帳だということで、
それを使って「所さんのダーツの旅」方式で決めると、どうなるか。

夫→田中照一(小説のままではありません、念のため)
妻→田中文恵
夫の愛人→穴井トメ
その浮気相手→山口接骨院

この「トメ」さんと「山口接骨院」の登場で、
コージ苑の笑いのボルテージは一気にあがってしまった。
こういうの、好きなんだよねえ・・・。



2004年08月23日(月) 引きこもり開始

だらーと過ごす一週間計画。
いやあ、ほら五輪だし、テレビの前離れられないでしょ。
ユーロスポーツ、本当に一日中アテネ中継をしている。
放送する競技に大いなる偏りがあるのが、玉にキズ。
ヨーロッパの人間は、何でああ重量あげとかカヌーとかが好きなんだ?
おかげでごついおっさんばっかり鑑賞しているコージ苑である。

※※※※※

ケルテース・イムレ『運命ではなく』 国書刊行会

ハンガリー出身で、強制収容所経験者である作者が、
自伝的に綴った小説である。
体験した一人一人に、とてつもない「話」を与えた、
あの戦争の、あの出来事。
かつて『朗読者』に書かれたように、
体験していない者にとっては、
いくら事実に関する知識を集め、考察を重ねたところで、
それはあくまで想像でしかなく、
私達は「分かる」とは言えないのだろう。
この作品では、主人公の少年は、最後にこんなことを言っている。

−あの出来事が私達の方へ『やって来た』なら、
私達もそれに向って進んでいたはずだ。
そして、もしあの出来事が避けようのない運命であるならば、
自由などというものは、そもそも存在しないのだ。−

この重さは何事だと思う。
普通に生きていれば、まず出てきそうにない発想である。
コージ苑はこの言葉に簡単にうなずきたくないけれど、
かといって頭から打ち消してしまえるだけの言葉も見付からない。
ここ数年で読んだ、この手の話の中では一押し。



2004年08月22日(日) 時期が時期だけに

バタやん宅にお呼ばれしてパーティー。
結局おみやげは、手作りのサングリアにした。
大阪出身のケンタロウ氏は、
「サンガリア、サンガリア」と連呼して周囲を混乱させていたが、
そういう紛らわしいことはやめましょうね。
(七味屋氏があっさり術中にはまってしまったじゃないか)

メンツが揃うのを待って、まず乾杯。
ベリー味のスパークリングワインなんて、初めて飲んだ。
ハンガリーのものだそうで、これは使える。
それから、結婚式の写真だの、プレゼントだのが一周して、


その後はひたすら五輪観戦でした。


まあ、ね、時期が時期だけに、
こうなるのは必然というかなんというか。
(マラソン万歳)



2004年08月21日(土) 縁起のいい日

明日、プライベートのパーティーがあるので、
散歩がてら、おみやげを物色しに出かけた。

離れた場所に駐車した車をとりに行こうと、
自宅近所を歩いていると、
けたたましくクラクションを鳴らしながら、
花嫁さんカー(※)の行列が通り過ぎる。
新郎新婦は、サンルーフから姿をみせ、
やはりクラクションで祝う対向車に手を振っていた。

途中、旧市街も歩こうかと車を乗り入れると、
脇道から花嫁さんがひょっこり。

おみやげのアイディアが今ひとつぱっとせず、
七味屋氏がかねてより行きたかったという、
ソ連時代の戦勝記念公園に行ってみる。
ひたすら何もない芝生の敷地に、
むやみに背の高いコンクリートの記念碑がぽつりと建っている。
そこに、遠目でも分かる白いドレス姿。

その公園の向かい側は、植物園になっている。
温室だの池だのあるので、
まだこっちの方が風景として成り立っているのだが、
そちらに目をやると、あっちに一群、こっちに一群、
全てウエディングドレスとタキシードが中心に見える。

今日、何かおめでたい日なの?
L国の大安??

※花嫁さんカー:高級車(黒か白)の前部にリボンや花をあしらい、
後ろに親族友人の車(これもリボンつき)を従えて、
町中を練り歩く、もとい走る、ハッピー全開の車。



2004年08月20日(金) お食事は楽しく

公使宅で、結婚祝いパーティー。
ちょうどディディエ夫妻の41回目の結婚記念日だということで、
美味しい食事ともあいまって、
会場はとっても盛り上がり…と書きたいところだが、

L国の人って、本っ当におとなしい。

ただそこには食器のカチャカチャいう音と、
隣りの人間と小さい声で話している「気配」だけが。

うう、大好きなお寿司が出たのに、
緊張しちゃって味が全然しなかったよう〜。



2004年08月19日(木) リビング

こんなに外出していないと、
体のどこかがおかしくなるんじゃないかと思う。
でも、とにかく寒くて、
着替える気も失せるっていう話。

重松清『リビング』 中公文庫

だんだん新田次郎っぽくなってきた、と書くと、
ファンは激怒するであろうか。
とにかく「やさし〜い」んである。
彼の文章は多分に女性的なところがあると思っていたが、
実は逆なんじゃないかと最近疑い始めた。
男性的であるからこそ、女性の喜ぶ空気が作れる。
男性的であるからこそ、女性の喜ぶ言葉を選べる。
…などと考えていたら、
某男性向け週刊誌の連載を発見。
それを読んで、この人はやっぱり女性と、
疲れた男性に高い評価を得る作家なんだろうな、と。
その小説、性描写がところどころに出てくるんだけど、
それが実にさらっとしている。
ある種の男性が喜びそうな、
ねちねちと生々しい言葉はどこにもなく、
ただそこにあるのは、いたわる様な、癒すような。
コージ苑にとっては、この類のテイストは、
度が過ぎると鼻についてしまうので、
個人的にはこの程度のレベルで留めておいて欲しいところである。



2004年08月18日(水) いつの時代にも

最近、各所で名前を聞くこの作家の本を読んでみたかった。

西尾維新『零崎双識の人間試験』 講談社ノベルズ

そういえば講談社ノベルズは、
ある程度以上の年齢の人間がレジに出すとき、
何となく恥ずかしい表紙なのであった。
若かりし頃は、マンガっぽいイラストを見て、
登場人物のかっこいい男性に惚れていたものだが、
さすがに最近はそういうこともなくなった。

さて、肝心の中身であるが、
分析、深読み等々しておらず、
しかも読んだのはこれ一冊、という前提で感想を述べれば、
いつの時代にもこの手の小説は人気が出るんだな、ということ。
まず、言葉の弄び方(あえて「弄ぶ」を使うが)がうまい。
んで、登場人物が変わり者で賢くて「格好いい」。
そして彼らはいつでも、いつまでも戦う。
相手はなるべく得体の知れない、大きいモノがいい。
強大な相手に対し、彼らは哀しい程の激戦を繰り広げる。
そこには、身内でも信念でもいい、何か守るべき相手が必ずいる。

そして困ったことに、コージ苑こういうの嫌いじゃないんだ(笑)



2004年08月17日(火) 杉の柩

もう何度も何度も、
それこそ数え切れないほど読んだ本だけど、
何となく日本から持ってきてしまった。

アガサ・クリスティー『杉の柩』 ハヤカワ文庫

婚約をしているロディーとエリノアはいとこ同士。
ある日舞い込んだ匿名の手紙を読んで、
彼らは病気の伯母の元に出かける。
そこで美しく成長した門番の娘、メアリイに出会い、
ロディーはすっかり一目惚れ、
伯母の死をきっかけに、2人は婚約解消となる。
一見そうは見えないが、実はロディーを深く愛していたエリノアは、
メアリイを激しく憎むようになる。

数ヶ月後、伯母の屋敷を処分しに来たエリノアは、
父の死に会い、同じく屋敷に戻ってきたメアリイに再会する。
エリノアは彼女にサンドイッチを供したが、
メアリイはその数時間後に死んでしまう。

…といった感じで、恋愛色が濃く出ているこの作品、
殺人事件とその解決よりも、
前半で病死してしまう伯母やポアロ等の年寄りが、
全編を通じて若者の恋を優しく見守っている様子が、
物語の土台を成しているようだ。
これは謎解きに挑むよりも、
恋愛小説を読むようにして当たるといいかもしれない。



2004年08月16日(月) やっと一息

今日からお仕事再開の七味屋氏に対し、
コージ苑は引き続きお休み、
しかも何のスケジュールもない、
だらけた二週間を送ることになっている。

とりあえず、本読んでおく。

※※※※※

熊谷達也『迎え火の山』 講談社文庫

あらすじを紹介したところ、
酔卯ちゃんに「ベタだねー」と言われた。
彼女は、更に作者が直木賞だと聞くと、
「文学賞めった斬り、っていう本が面白いよ」とニッコリ。
活字好きのお友達は素敵である。読も。

実はコージ苑も、本書をキオスクで買ったときに、
ベタな予感全開だったのだ。
自分の中ではキオスクに置いてある本イコール、
「あっさり読めてふーんという感想しかわかない」、
出張のオジサンが頭を休めるに適した本、なんだが、
ごくまれに、そんな本を手に取ってしまうことがある。
んでもって大抵の場合、読後一人で恥ずかしがってみたりする。

ジャンルとしては伝奇ホラー、舞台は東北。
数ヶ月前の高橋克彦といい、
東北には悪の本拠地があるというイメージがあるんだろうか。
そういえば仮面ライダーも特殊戦隊ナントカカントカも、
北関東でたくさん撮影されてるらしい。
きっと「世界征服は東北から(練馬に非ず)」ってセオリーがあるんだ。

ストーリー書いてないけど、まあいっか。
鬼と霊能力と平安時代から続く陰謀に心惹かれ、
東北旅行の計画がある人は、よかったらどうぞ。



2004年08月15日(日) 雨天決行観光

昨日休ませてもらったコージ苑、
今日はアテンドのアシストをすることに。

予定では、晴れたら国定公園の中にあるお城のあたりをピクニック、
雨ならドライブ中心で、南の方にある宮殿見学。
起きてみればどんより曇り空で、ぽつぽつ雨も降っていた。
七味屋氏が、がんばって運転する事に決定。

宮殿だけでは時間がもたないので、
お隣の国にある「十字架の丘」もオプションでつけちゃう。
片道2時間程度もかかる割に、
それ自体の観光は30分たらずで終わってしまうのがご愛敬である。
ここは公共の交通機関を使って行くのが難しいので、
観光客は大抵がツアーにのっかってくる。
今はさすがの観光シーズンなので、駐車場もほぼ満車。
ドイツやイタリア、いろいろな国の言葉が聞こえてくる。
そこに「じゅじかのおおくはにぽんから〜」という声が。
…あ、日本語だ。

最近、バルト三国ツアーが好評だそうだ。
大抵がサンクトペテルブルグとかみあわせたもので、
友人いわく、結構お高いらしい(理由はわからない)。
こういうツアーに申し込む人たちって、
もう西欧は一回りしちゃってるんだろうな。
でもバルトだよ…?
どんなあおり文句使って彼らの旅情をかきたてているのか、
ちょっと知りたい気も。

※※※※※

お昼をお隣のL国で食べようかと思ったら、
今日、8月15日はカトリックの聖母昇天日だとかで、
普段の休日なら開いている飲食店も軒並みお休み。
しょうがないので、くるりとUターンしてプロテスタントのL国へ戻る。
しかし、目的の宮殿近くで適当に入ったレストランが、
かつて無いほどの大外れだった。
空腹は最高のスパイス、という言葉の限界を感じるその料理、
そして新しい見かけのわりに徹底的に故障していた結果、
まさに「目も当てられない」事態に陥っていたトイレ。
コージ苑、気持ちの準備なしにそのトイレに入ったおかげで、
決定的なモノを見てしまい、その後数時間はフラッシュバックに悩まされた。

品のない話題で失礼。
えーと、で、「バルトのベルサイユ」です。
(どうでもいいが、この類のネーミングはどうにかならんものか)
二年前に来たときよりも修復が進み、
格段に見応えのあるものになっていた。
うん、これなら「宮殿」って言っても名前負けしないかも。
特に少女趣味の部屋が多いので、
その手の装飾が好きな人にはいいかもしれない。

ちなみに、駐車場から宮殿に向かう道に、
時々おばあちゃんが座っていてリンゴを売っていますが、
実はそれ、おばあちゃんが勝手にそこらで拾ってきたものらしいです。
なので質は悪いですが、安いことは安い、というか格安。
(何のか分からないけど)ご参考までに。



2004年08月14日(土) アテンドする?

帰国早々、七味屋氏は友人(在スウェーデン)のアテンド。
ついていこうかな、どうしようかなと3秒ぐらい迷って、
疲労を理由に行かないことに決定。
すみませーん。

七味屋氏を送り出した時までは、
五輪でも観戦するか読書するか、と考えていたけれど、
ドアが閉まった途端に眠くてしょうがない。
結局、2時間寝て水分補給、2時間寝てトイレ、
2時間寝てご飯、を繰り返して一日が終わってしまった。

さすがに夕食はお付き合いする。
L国料理のレストラン、有名どころは二件あるが、
そのうちの一件は、いかにも観光客ずれした感じの料理と対応なので、
コージ苑は余り好きではない!と主張し、
この国で一番古いバーだという、もう一件の店にしてもらった。

ビールを飲みつつ、4人でおしゃべり。
この夏に会った伯父が、コージ苑にこう言った。
「人とお酒を一升飲んだら、その人から二升分のものを吸収しなさい」
「一升」という酒量に九州男児の心意気を感じるが、
それはひとまずこちらに置いておくとして。
今日のコージ苑がスウェーデンのお二人から吸収したこと。

「スウェーデン人はバナナが好き」

ごめんおじちゃん、そういうこと言ってたんじゃないよね、私にね。
うん、分かってるんだけどね。



2004年08月13日(金) 戻ったところから

冗談抜きでため込んでいる日記、
とりあえず欧州に戻ってきた日のことから書き始めよう。

朝6時起床、身支度と荷作り。
管理人さんの出勤を待って退寮届けをしたので、
出発が遅くなって、コージ苑はちょっとイライラする。

成田では、もう使わないであろう携帯を友人に送ったり、
未練たらしくあわただしく、免税店で買い物をしたり。
飛行機の座席は、L国までずっと別々。
隣に青い瞳のナイスガイ(死語?)が座る展開を予想されたが、
現実は元気な欧米人のおばちゃま三人連れだった。
何しろこの人達、食前酒に食中酒に食後酒、
それもそれぞれお代わりまでする元気っぷり。
すっかりイイご機嫌ではしゃぐ姿は、
コージ苑よりもよっぽど若かった。

長いフライトの前半6時間は熟睡。
すっきりと起きた後は、酔卯ちゃんオススメの本を読んで過ごした。

※※※※※

伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』 新潮文庫

ぎょぎょー、面白い〜と唸りながら読んだ。
手に汗握る展開があるわけでもなし、
派手な登場人物が出てくるわけでもない(優午はある意味派手だろうか)。
こういう印象をなんと表現したらいいんだろうと、
ボキャブラリーが極端に貧困なコージ苑は困ってしまう。
鉄道のローカル線が走る音がずーっと頭に響いていて、
その下の方で時々、疑問符がポコン、ポコンと、
沼からわき上がるように静かに浮かんでくる、そんなイメージ。
あー、こんな事なら文庫でなくてもいいから、
まとめ買いしておくんだったなーと後悔。

※※※※※

ミュンヘンで、2時間ほどの乗り継ぎ時間を利用して、
七味屋氏の元同僚と会う。
結婚の記念品を渡しに、わざわざ空港まで来てくれた由。
自分が結婚したんだということを、まず実感するのが交友関係である。
単純に考えて、お付き合いが今までの二倍になるわけで、
余り社交的でないコージ苑としては、
それは手放しで嬉しい事ではないのだけれど、
今まで知らなかった人たちが突然、自分の行動圏内に入ってくるという事態に、
ちょっと怖がりつつもわくわくしていたりする。

夜11時過ぎ、三週間ぶりのL国に到着。
空港を出た途端に感じる寒さは、相も変わらず。

<本日の美味しい国>
朝:プリッツサラダ味、コロッケサンドイッチ
昼(機内):鰻丼、そば、こんにゃくサラダ等々
おやつ(機内):梅おにぎり、ウーロン茶
夜(機内):チキンカレー、グリーンサラダ等々



2004年08月12日(木) 明日出発って本当かい

午前中早い時間に、
母親&伯母と二俣川駅で待ち合わせて、
諸々の用事を済ませる。
昼食を一緒にとった後で、
至極あっさりと別れたわけだが、
何だか心配されてるのかされてないのか、
今イチ分りづらいお言葉をいただいた。

彼女たちもコージ苑が送るであろう夫婦生活について、
漠然とした喜びを感じつつ、
不安を拭いきれない、といったところだろうか。
それはそうだろう、第一当の本人が実感小数点以下である。
ごめんお母さん、コージ苑がんばるよ。

田無の仮住居に戻ってみると、
七味屋氏は哀れにも鼻血を噴いて横になっていた。
あああどうしたんだこいつ大丈夫か!?と駆け寄り聞いてみると、
昨夜の疲れからタラっときた、んだそうだ。

何だかなあ、同情してやるべきなんだろうか、こういうの。
しかし、ソファにへちゃっと倒れている様は、
いかにもHP失いつつあります、って感じで、
微妙に母性本能を刺激しないこともない、かもしれない。

とはいえ、数時間後に宅急便が来るのは紛れも無い事実である。
(スーツケースを空港まで宅配してもらう事にしたのだ)
数十分後、めでたく止血完了した七味屋氏と共に、
荷物をぎゅうぎゅうぎゅうとつめる。
そして気づけば、ほとんどがコージ苑の物である事実に唖然とする。
ごめんよごめんよ、コージ苑シンプルな人間になるよ。

そして二人で疲れきって、
日本でとる最後の夕食は、
弁当屋の弁当とビールを飲み食いしつつ、
ケーブルテレビの「アニメ専用チャンネル」を見て終わったのだった。
ああ、これが新婚さんの食卓…

<本日の美味しい国>
朝:ドトー○のキーマカレーパン(寸止めで和食と判断)
昼:和○のヒレカツ膳
夜:豚カルビ弁当、ゴボウサラダ、エビスビール

…なんか肉ばっかりでやんの。



2004年08月11日(水) 本好きに明日はあるか

明日の朝まで、七味屋氏とは別行動である。
心なしか羽が生えたように飛んでいった夫を見送り、
自分は昼過ぎにF嬢と会うべく、神保町へ向かう。

三省堂の前で待ち合わせ、とのことだったが、
着いてみると二箇所の三省堂がある。
どっちだ?としばし躊躇していたら、
タイミングよく、後ろからやってきたF嬢に肩を叩かれた。

とりあえずは昼食、ということで、
近くにあるカレー屋でカレー。
その後、古書店街探索の旅へ出かける。

目当ての本は決まっているような、いないような、という状態なので、
国語国文学に強い店に入って集中的に探す。
二階部分で目的にかなった本を見つけ、
絶版本ゆえの高さに涙しつつ購入。

また、小林秀雄の『本居宣長』が1000円以下で手に入ったので、
ほくほくしながら一階におりたところ、
同本の「補記」を発見した。
あ、そろえておくと便利だろうなーと手にとり、
箱やら表紙やら見てみたが、値段がない。
レジに持っていって聞いてみると、
「本編とセット価格で」とのこと。
で、本編をチェックしたら、げげげげっ、高いじゃないの!
っていうか、さっき買ったのの10倍ってどういうこと!!

しかし、補記は必要でしょう、ってことで、
店主に交渉して、先ほどの本は返品扱いにして、
こちらのセット本を号泣しつつ購入。
っていうか、文庫本も出てた気が…って、
買う前に思い出せよ私。

なんだか一気に白髪が増えた気持ちになった所で、
高田馬場へ移動して美容院で髪を「切りだめ」してもらい、
再び移動して日本語教育関連書籍専門の書店へ。
ここで某出版会社勤務のF嬢オススメの新刊を購入した時点で、
コージ苑の財布はさびしさ満点である。

心が冷えるねえ、などと話していたところに目に入ったのが、
クイックマッサージの店の看板。
歩き疲れていたこともあり、興味半分で店に入る。
脚中心のリラクゼーションコースを選んでみたが、
はっきり言って物足りなかった。

当たり前か、コージ苑ってばものすごい凝り性で、
マッサージに対する耐性というか、免疫はオヤジ並みである。
台湾のツボ押しマッサージでも、
あまりにも反応がないのでムキになって押しまくる担当横目に、
「気持ちええ〜」と至福の表情を浮かべていたほどだ。
そんな人間がリラクゼーションで満足するわけがなかった。
これは店側の責任にあらず、私の選択ミスである。
反省、つーか後悔。

夕食は田無駅近くの寿司屋。
会社帰りのオジサマ達に混じって、
F嬢は握りずしを、コージ苑は納豆巻きを堪能する。

その時、携帯メールが一通。
「今、Y先生(コージ苑の大学の恩師)がトリビアに出てる!」
え、また!?と驚いてテレビを確認しようとするが、
オジサン達は巨人戦に集中しており、
そこにタモリの出る幕はなかった。
残念、っていうか教授、昨日会った時に教えてくださいよぅ〜。

<本日の美味しい国>
昼:キーマカレー(中辛)
夜:もずく酢、握り寿司(梅)+納豆巻き、八海山一合



2004年08月10日(火) つくばと渋谷と

朝9時、東京駅八重洲南口の高速バス乗り場で、
ちびっこ嬢と待ち合わせるも、
8時59分、携帯にメール。
「すみません、10分ほど遅れます」
…こいつ、まさかこれを定型文登録してるんじゃ…
時間に制約があるわけでもない(本当はある)けど、
待ち合わせ場所が暑い!暑い!暑い〜!んだよぅ、ふえーん。

ほぼ満席の高速バスに乗って、
お久しぶりのつくば。
これもご無沙汰の関鉄バスを待つ間、
物珍しげに市内案内図を眺める七味屋氏。
この男、今回帰国してからというもの、
JRだろうが私鉄だろうがバスだろうが、
ヒマさえあれば車内の路線地図だの中吊り広告だのを読んでいる。
その姿、まるで小学生男子。いや別にいいけど。

周りの風景が微妙に変わってる事を確認しつつ、
大学構内へ入る。
(ここからローカルネタ満載になること必至)
どうしようもなく暑いので、
ジュースでも飲もうと2学食堂に入ったが、
ここの床やら壁の色は、夏に見るようなものではない事を、
次の瞬間思い出した。

大学院時代の友人と連絡が取れ、
昼食を一緒にとることになった。
場所はちびっこのリクエストにより「ふく○ら」である。
何度でも言うけど暑い中、
定食をがんがん食べましたとも。
しかもエビフライ。うまかったっす。

午後は恩師であるY教授の研究室におじゃまし、
1時間ほど近況(つーか結婚)報告。
「顔に余裕が出てきて、いい感じですねえ」と言われたが、
新婚さんで余裕がない表情してたら、
ちょっと終わってるかもしれないです、教授。

急いで資料収集し、鬼のようにコピーを取り、
ちびっことバスセンターで別れて土浦駅に向かい、
駆け込みで常磐線の快速に乗る。
これに乗れないと、酔卯ちゃんとの待ち合わせに遅れるところだった。

渋谷、6時半。
酔卯ちゃんはすぐに見つかった。
美味しい居酒屋さんをたくさん知っている彼女、
今日のお店もとっっっっても良かった。
連れて行ってもらったのは、渋谷の「JYU」というところ。
後ろの学生達がちょっとうるさかったけど、
まあ居酒屋ってこういうもんかもなー、で気にしない事に決めた。

それはもうたくさん飲み、食い、かつしゃべったので、
全部のメニューを覚えていないけれど、
お酒に気合いを入れてて、
かつそれにぴったり合う料理に執念燃やしてて、
っていうのが、力んだ感じ無く伝わってくるお店だった。

<本日の美味しい国>
朝:ツナ+コンブおにぎり(駅構内ファーストフード)
昼:エビフライ定食
夜:刺身盛り合わせ、牛スジのピリ辛煮込み他山ほどの肴
  ビールジョッキ、焼酎3〜4合?



2004年08月09日(月) セカチュー

午前中、夫は職場に、コージ苑はベッドに。
(グロッキー気味だったのよ)
朝食も昼食もとらずに、だらりーんと半日を過ごし、
お茶の時間の待ち合わせにあわせて動き出す。

本日の3時のおやつ、
相手は院卒業以来のバンコク嬢(バンコクに勤務していたから)。
田舎モンのコージ苑、まるでバカの一つ覚えで、
問答無用の場所指定をさせてもらった。

JR新宿駅南口、改札を出てすぐの花屋の前。

うわ、わっかりやすー!!(当の花屋はいい迷惑である)
もうちょっと混雑していないところとか座れる所とか、
もしかしてあるのかもしれないが、
何せ当方、東京は未だに未知ゾーンなのです。申し訳ない。

欧米では、数年ぶりの再会ならハグとキスは良くある事。
コージ苑、どうしてもあれに慣れないので、
ヨーロッパ人のおばちゃまが、時として頬を近づけてくると、
必要以上に緊張してしまう。
本当にほっぺをくっつけるんだろうか、
長さは0コンマ1秒ぐらいでいいだろうか、
右と左一回ずつか、右左もう一度右(安全確認かよ)かどっち、
ああああ緊張するう〜〜〜!!
(以上心の叫び)

…という文化をもたない祖国に万歳三唱。
ごく静かに再会を果たし、ルミネでティータイム。

バンコク嬢、今度はスリランカに赴任することになったそうだ。
コージ苑と逆で、暖かい〜暑い国にばかり行っている。
スリランカといえば、紅茶とカレーが美味しいらしい(短絡的)ので、
今後、そのあたりのレポートを期待したいところである。

話題は多岐に渡ったが、
ちょっと盛り上がったのが昨今の純愛ブームについて。
コージ苑、ほとんど予備知識の無いままに帰国したところ、
世の中の「ヨン様」ブームに仰天である。
同時に「セカチュー」とかいう本も爆発的に人気らしい。
(「それはポケモンの新キャラか」と素で聞いた自分に乾杯)
ヨン様人気は、そりゃもう宗教の様なんだそうで、
テレビで「そんなにいいかぁ?」と言ってしまった女優が、
その後番組を降ろされたとか降ろされないとか。

…怖い。

本人も、そんな愛され方はちょっと引くんじゃないかと思ってみたり。

そんな話をしているところに、夫が新宿到着。
別の場所で落ち合って、もう一度お茶。
コクのあるチャイを頼んではみたけれど、
この時点で十分に水バラだった。

バンコク嬢と別れて、夜は七味屋氏の親戚と食事会。
新宿のスエ○ロで「しゃぶしゃぶ」である。
おいしそうだにゃー、とのんびり構えていた一人っ子コージ苑は、
しかし結局、2キレしか肉を食べられなかった。
見事な因果関係である、っていうか肉もうちょっと食べたかった。

<本日の美味しい国>
朝昼兼おやつ:アイスキャラメルラテ(どうやら微妙に流行らしい)
お茶:チャイ
夜:牛しゃぶ、ビール2杯


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コージ苑