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2004年02月27日(金)   マリア様がみてる バラエティギフト/今野緒雪

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番外編短編集。
山百合会ではないリリアンの生徒たちのばたばたの日常。++



「奇跡って、なかなか起こらないことが起きるから奇跡なんじゃないの」
「でも。奇跡、って言葉が存在するのは、この世に奇跡があるからだわ」


今野緒雪:マリア様がみてる バラエティギフト,p.54,集英社.












2004年02月26日(木)   マリア様がみてる レディ、GO!/今野緒雪

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花寺学院の学園祭も終わり、リリアン女学園の次の学校行事は、体育祭。祐巳の二年松組にはスポーツ万能の生徒がいなくて、いまいち盛り上がらない。出場種目を決めるホームルームでも、祐巳は上の空。ケンカ別れしてしまった一年の可南子のことを考えていた…。
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女子高の体育祭は戦いです。
私の高校では9月の第二木曜金曜だったので、まだ暑い。なのにさらに熱気でむんむんでした。
バスケやハンドボールの試合となると、爪を武器に(してるわけでもないとは思いますが)ボール争いが行われ、リレーともなれば、胸の大きい(かつ足の速い)子がアンカーとなるのは定石。黄色い声援が飛び交い、普段のりの悪い子がクラスユニフォーム(チームカラァのTシャツなどが定番)をのりのりで着こなしてたり、終了後に憧れの先輩のハチマキやバンダナをもらってたりするものです。
3年のときは2日間の体育祭のために、夏休み前から練習とかユニフォームづくり(白のかぼちゃパンツ風ハーフパンツ+ピンクのプリントT)に勤しみました。
ちなみに体育祭の1週間後に期末試験(うちは二期制)なので、終ると急速に熱が冷め、みんな勉強しだします。その切り替えの早さが、うちの高校らしいのだそうで(勤続38年の美術教師談)。



「最下位争いなんてバカげているわ。いい?やるからには、狙うのは優勝。赤チームなんて目じゃないわ」
高慢で、高飛車で、そしてまばゆいばかりの美しさ。やっぱり、祥子さまは格好いい。


今野緒雪:マリア様がみてる レディ、GO!,p.73,集英社.












2004年02月25日(水)   マリア様がみてる 涼風さつさつ/今野緒雪

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学園祭シーズンが近づいて、薔薇さまたちはリリアンと花寺の学園祭の準備で忙しくなる。そんな頃、祐巳と一年生の可南子に姉妹の噂がたつ。その噂を否定した可南子だが、だんだん祐巳の行動を尾け始める。
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この話の中にもありますが、たいてい女子高よりも男子校の方が、学園祭っていうのはスケールが大きいというか大味なものに感じます。
母校の隣の男子校も前夜祭・本祭1・本祭2・後夜祭と4日間も学園祭がありました。進学校なのに4日間も学園祭をしてしまうお祭り体質なところとか、市の繁華街を宣伝のために仮装(白ランの応援団とか、畳背負った柔道部とか、今にも泳ぎだしそうな格好の水泳部とか)で練り歩いちゃうとか、コンクリート打ちっ放しのきれいな校舎にべたべた張られたチラシとか、舞台発表ではどの団体も必ず脱ぐ人が現れるとことか、とにかくびっくり。
メインイベントのひとつ、ミス○○高のグランプリは毎年毎年、ほんとうに美人さんで必見でした。
自分のとこの学園祭の思い出と言えば、お茶部(茶道部)のみんなの和装がかわいかったとか、有志の男装喫茶で黄色い声に囲まれたとか、軽音部のライブが盛り上がり過ぎてみんなで踊りだしたとか。女子高なのでおとなしく(笑)盛り上がりました。



今の祐巳にはその言葉は必要だった。擦り傷に擦り込む軟膏のような、外気の刺激から守ってくれる薬が必要だった。
「大丈夫。私は祐巳の味方だから」


今野緒雪:マリア様がみてる 涼風さつさつ,p.154,集英社.












2004年02月24日(火)   マリア様がみてる 真夏の一ページ/今野緒雪

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もうすぐ二学期が始まる夏休みの一日――リリアン女学園の山百合会では、恒例の学園祭のことで花寺学院高校の生徒会と集まることになる。ところが祥子さまは男嫌い。かくして祥子さまの男嫌い克服㊙作戦が開始されるのだけど…。祐巳と祐麒の福沢姉弟、フル稼働。(表紙折り返しより抜粋に加筆)
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夏休み後半。
数少ない男性キャラの祐麒くんがたくさん出てきます。にこにこ。
次巻は文化祭かな?



「あなたには、時々、本当に驚かされるわ(略)なぜ、そんなに上手に私に接することができるのかしら(略)不思議ね。蓉子さまとはまるで違うのに。なぜだか私は、あなたの言動によって心地よく動いてしまうんだわ」


今野緒雪:マリア様がみてる 真夏の一ページ,p.94,集英社.












2004年02月23日(月)   マリア様がみてる 小羊たちの休暇/今野緒雪

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梅雨が明けて、めっきり暑くなった期末テストの最終日。山百合会の総勢六名が勢揃いしていた。夏休みの予定をきいていた祐巳は、つまらなかった。みんな姉妹で一緒の予定があるのをうらやましがっていたのだ。ところが、祥子さまから避暑地の別荘へ行こうと誘われて……!?(表紙折り返しより)
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1・2年と部活動に明け暮れた私に、こんな優雅な夏休みはありませんでした。3年は受験勉強だったし…。
こんな、何もしないっていう贅沢な時間を3日でいいので欲しいものです。



「明日は、何をしたい?」(略)
「お姉さまと、お昼寝をしたい」
思い切り怠惰に。
明日一日は、靴を履かないくらいの気持ちで。(略)
お姉さまと二人きりで。なんて贅沢な時間だろう。
「ああ、それは素敵なことね」
祥子さまは一も二もなく賛成した。


今野緒雪:マリア様がみてる 小羊たちの休暇,p.204-205,集英社.












2004年02月22日(日)   マリア様がみてる パラソルをさして/今野緒雪

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祥子さまは雨のなかに祐巳をおいて、瞳子と車で去っていった。その後も祥子さまは不登校を続けていて…。
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前作の続編。
ほんとにこの紅薔薇姉妹は言葉が足りませんね。お互いがお互いを思い遣って、言葉にしないばかりにこんな事態に…。
これでふたりとも少しは相手に自分の気持ちを伝えるようになるでしょう、きっと。



何か、行く手に光がさしてきたような気がした。(略)
何だろう、この気持ち。
吹っ切れる、っていうのとまた違うけれど。
(前略)気持ちのいい風が祐巳の額を撫でた。
ああ、そう。
こんな感じに似ている。


今野緒雪:マリア様がみてる パラソルをさして,p.105,集英社.












2004年02月21日(土)   マリア様がみてる レイニーブルー/今野緒雪

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新入生の乃梨子に親しみを抱くが、ロザリオの授受を踏み切れない志摩子。剣道部入部をめぐって絶縁寸前の由乃と令。お姉さまの祥子が自分との約束を反故にして、瞳子といるところを見て心乱れる祐巳。三薔薇姉妹どうなる?
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ずぶ濡れで泣きながら家に帰り、玄関で大声をあげて泣いた。(略)
傘をなくしたという理由があったから、家族の前でも隠さず泣けた。
「……他人(ひと)の物、勝手に持っていかないでよ」(略)
「私の大切な物、盗らないでよ」
なくした傘は、祐巳にはまるで祥子さまのように思われた。


今野緒雪:マリア様がみてる レイニーブルー,p.200,集英社.












2004年02月20日(金)   マリア様がみてる チェリーブロッサム/今野緒雪

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私立リリアン女学園は伝統あるカトリック系お嬢様学校――高等部新入生代表の挨拶をした乃梨子は、実は仏像の造形美に魅せられている。マリア様を愛でる学園生活に慣れるように、瞳子さんがさっそく何かと世話をやいてくださる。でもミサだけでも憂鬱なのに、紅薔薇さま、黄薔薇さま、白薔薇さまの歓迎式・マリア祭もあって…。(表紙折り返しより)
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新しい代の薔薇さま体制になりました。



「私たち上級生は、心より新しい妹たちを歓迎します。共に、マリア様に恥じることなき学園生活を送ることにいたしましょう。(略)マリア様のご加護がありますように」


今野緒雪:マリア様がみてる チェリーブロッサム,p.102,集英社.












2004年02月13日(金)   マリア様がみてる いとしき歳月(後編)/今野緒雪

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卒業式まであと二日。どうしよう、もうすぐ薔薇さまたちが卒業しちゃう!急に寂しさが押し寄せてきた祐巳。なのに紅薔薇さまったら、遺言めいた言動なんかして寂しさに追い討ちをかけるのだった。(表紙折り返しより)
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卒業式っていうのは、場合によっては送られる者よりも送る者の方が感慨深かったりするものだと、私は思ってます。その場合というのは、先輩に思い入れがある場合のみなんですけどね。
卒業式までの準備期間が長い分、卒業生って卒業式前に離れるということに気持ちの準備がすすむように思います。残される者は、式の場で今までとは違う雰囲気の卒業生を見て、急に離れることを実感してしまうんじゃないかな、と。
私の場合、卒業式で泣いたのは記憶にある限り一度だけ。高一、憧れの上の方が卒業するときでした。
自分の高校の卒業式は、母校90数年の歴史で始めて、卒業式でクラッカを鳴らしウェーブをした学年でした。その時の先生と(大昔の卒業生と思われる)来賓の方々の顔が、今でも忘れられません。
してやったり。式ってのは、主役が誰かはっきりしていなくてはね。
(それと成人式でハメを外すのは、もちろん別ですが。)
「粛々と」が旨の卒業式をざわざわ言わせたのが、入学以来問題児・学力低いと言われ続けた私たちの代の後輩への置き土産。
以後、クラッカとウェ−ブは恒例になったとか…。
さて、この巻で薔薇さまも代がわり。著者曰く、これからが本編だそうですが、寂しくなりますね。



「じゃあね」
そう言って、三人は別れた。
マリア様の見守る分かれ道で。
「じゃあね」
次に会う約束はしなかった。しなくても大丈夫だということを知っていた。
言い足りない言葉が、まだたくさんあったかもしれない。けれど、すべてを伝えられはしないから。
この学校で、あなたたちと出会えてよかった。(p.143−144より抜粋)


今野緒雪:マリア様がみてる いとしき歳月(後編),p.143-144,集英社.













2004年02月12日(木)   マリア様がみてる いとしき歳月(前編)/今野緒雪

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卒業式を直前に控えたこの時期、黄薔薇さまの行動がおかしい。どうやら、複数の男性と付き合っているらしいのだ。――って、証拠ツーショット写真を手渡されても。これをどうしろっていうの、蔦子さん。ほとほと困った祐巳の前に現れた黄薔薇さまは、黄薔薇革命の頃を彷彿させる、気怠い雰囲気をもっていて……。
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歳月は「としつき」と読みたい私ですが、「としつき」で入力しても変換されないところをみると、「さいげつ」が正しいか…。
話の中で、「仰げば尊し」の歌詞「おもえば」の後は「いと疾し」であって、「愛しい」ではないというくだりがあります。
それに対して祐巳が「思えば早かった、よりも、思えば愛しかったのほうがいい」と感じるのですが、私も「愛しい」だと思っていましたし、その方が語感がいいな、と思っています。
なので、私の中では「思えば愛しいこの歳月」なのです。



三年生たちは受け取った薔薇の茎を短く追って、コサージュのように胸に挿す。
誇らしげな花に、私はまぶしく目を細めた。
その花の色を選んだのは、紅と白と黄色を混ぜた色だから。
今まで何とも思わなかったけれど、サーモンピンクは私の一番好きな色になった。


今野緒雪:マリア様がみてる いとしき歳月(前編),p.201,集英社.












2004年02月11日(水)   マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(後編)/今野緒雪

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バレンタインデーに思わず口走ってしまった「私とのデート券」。かくして祐巳は祥子さまとデートすることになった。
その日は、白と黄薔薇のつぼみたちもカードの発見者とデートをしており、それをスクープしようと新聞部・写真部までも同じ街に…。
せっかくのデート、見つからずに楽しく過ごしたい!
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マリみて第6弾。
バレンタインというと、私の高校でも密かにということもなく公然とチョコのお渡しや交換がありました。
ただし、全く面識のない子からは受け取ってもらえないっていう暗黙の了解のようなものがあったので、同じ部活であることに優越感を感じたりしたものです。
私も、1年のときに3年の憧れの上の方(先輩とはあまり言わないのがN高校風)に手作りしました。そんな懐かしいことが、これを読んで急に思い出されました。



祐巳は何だかまた嬉しくなって、
「お姉さま」
駆け寄って、買い物袋を持った手にしがみついた。なぜかわからないけれど、突然、そうしてみたくなったのだ。
「何なの」
「私、お姉さまと一緒に過ごせて、今すごく幸せです」(略)
「重いわよ」
そう言いながらも、祥子さまは祐巳が絡めた手を振りほどかなかった。


今野緒雪:マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(後編),p.139-140,集英社.












2004年02月10日(火)   マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(前編)/今野緒雪

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2月14日。チョコレートに添えて、胸にしまい込んだ想いを表す絶好のチャンス。
リリアン女学園では三薔薇のつぼみ(ブゥトン)たち直筆のバレンタインカード+半日デートをめぐって、バレンタインデーにカード探しが行われることになった。
他の生徒にカードと半日デートをとられたくないつぼみの妹(スール)、祐巳と由乃もカード探しに参加することになって…。
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「あのね。三回しかないんだから、当日もそれまでの何日かも高等部のバレンタインデーを十分楽しんだらいいわ。悩んだり迷ったりしたことも、来年再来年もっと先にいい思い出になるはずだから」


今野緒雪:マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(前編),p.106,集英社.











2004年02月09日(月)   マリア様がみてる ロサ・カニーナ/今野緒雪

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年が明けて三学期が始まったリリアン女学園では三年生の欠席が目立ち、祐巳たち下級生は大好きな先輩の卒業が近づいていることを実感していた。そんな中、来年度の生徒会役員選挙が行われることになる。祐巳はつぼみ(ブゥトン)の三人がそれぞれの薔薇を引き継ぐのだと思っていたが、二年生で「ロサ・カニーナ」と呼ばれる生徒も立候補することを知って…!?(表紙折り返しより抜粋)
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マリみて第4弾です。
生徒会選挙、私の高校はそんなに盛り上がる行事ではなかったと思いますが、隣の男子高(隣と言っても徒歩5分)の生徒会はおもしろそうでした。なんでも、生徒会長よりも応援団長の方が権限が大きくて、選挙で選ばれた生徒会役員は、応援団長からの任命って形で任命式があったらしい。文句は「貴殿を――に任ずる。プライドと役職に恥じることのないよう、貴殿の言動が我が高の規範となることを期待する。以上。」
この任命式、私も見に行ったことがあります。大時代で何様な文句だけどかっこいいんだよね。これが。
話の内容とは全然関係ありませんが、三学期って響きいいですね。
私の通っていた高校は二期制だったので、前期・後期でした。なので、中学校以来のこの響きが懐かしかったり。
二期制のいい点って、期の間に1週間(5日だったかな)の休みがあったことくらいでしょうか。テストの回数が少ないため範囲も広くて問題数多いし、授業時間は65分だし、そんな印象。



「あなたは、ただ側にいてくれればいいの。私には、側で私を見ていてくれる妹が必要なの。あなたは側にいて、私がたまに心細くなった時に私の手を握って頂戴」


今野緒雪:マリア様がみてる ロサ・カニーナ,p.112,集英社.












2004年02月08日(日)   マリア様がみてる いばらの森/今野緒雪

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期末試験で落ち着かない学園に、驚くべき噂が流れた。リリアン女学園をモデルにしたと思われる自伝的小説が出版され、しかもその作者が白薔薇さま(ロサ・ギガンティア)だというのである!小説の内容が二人の少女の禁断の恋を描いたものであることも加わって、学園は大騒ぎ。白薔薇さまの過去はタブーとなっていて、事情を知っている人もみんな口をつぐんでいた。祐巳と由乃は、真相の解明に乗り出した。(表紙折り返しより)
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「でも、私に会いさえしなければ――」
「そうね。でも、会って良かったのよ。人生は勉強だから。会って良かったって思える未来にすれば、それでいいのよ」
「そんな未来なんて、きっと来ない」
「大丈夫。あなたは死んだわけじゃないんだから。傷はいつか癒えるものだわ」


今野緒雪:マリア様がみてる いばらの森,p.270-271,集英社.













2004年02月07日(土)   マリア様がみてる 黄薔薇革命/今野緒雪

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学園祭の夜にロザリオを受け取って、正式に祥子の妹(スール)になった祐巳。紅薔薇のつぼみ(ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン)の妹としての日々が新たにスタートするが、思いがけない大事件が待ち受けていた。今年度の「理想の姉妹(ベスト・スール)」賞に選ばれた黄薔薇のつぼみ(ロサ・フェティダ・アン・ブゥトン)の支倉令とその妹の島津由乃が、突然姉妹関係を解消したのだ!二人の影響を受けた少女たちが自分のお姉さまにロザリオを返す事件が相次ぎ、学園中がパニックになる。(表紙折り返しより)
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「ごめんね。私、令ちゃんと手をつないで歩きたかったの」
「え?」
「片方がもう一方をおぶったり、肩を貸したり、そういうのじゃなくて。同じように自分の足で歩きたかったの。そういう関係になりなかったの。(略)令ちゃんと肩を並べて歩きたかったの。」


今野緒雪:マリア様がみてる 黄薔薇革命,p.191-192,集英社.













2004年02月06日(金)   マリア様がみてる/今野緒雪

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純粋培養の乙女たちが集う、私立リリアン女学園。清く正しい学園生活を受け継いでいくため、高等部には「姉妹(スール)」と呼ばれるシステムが存在していた。ロザリオを授受する儀式を行って姉妹となることを誓うと、姉である先輩が後輩の妹を指導するのである。高等部に進学して、まだ姉を持っていなかった祐巳は、憧れの『紅薔薇のつぼみ(ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン)』である二年生の祥子から、突然「姉妹宣言」をされる。(表紙折り返しより)
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とうとう手を出してしまいました。
マリみての第1弾です。
懐かしい女子高時代が頭を過ぎります。もちろんこんなにお嬢様な学校でも、薔薇さまがいたりもしませんが…。



「今の私が笑っていられるのは、祐巳のお蔭よ」
「でも、私、何も」
「してくれたのよ。自分ではわからないかもしれないけれど、確かに。だから――これ祐巳の首にかけてもいい?」
それはいつか見た、祥子さまのロザリオだった。


今野緒雪:マリア様がみてる,p.247,集英社.













2004年02月05日(木)   宇宙のみなしご/森絵都

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真夜中の屋根のぼりは、陽子・リン姉弟のとっておきの秘密の遊びだった。やがて、思いがけない仲間が加わって……。(帯より抜粋)
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こういう鍵っこな兄弟姉妹が、自分たちだけの遊びを考えていく過程はすごく理解できます。自分の幼かった頃を思い出しました。いろいろやったな、と。ああいった衝動ってのは、とめられないものです。
小学生の自分が読んだら、もっとのめり込んで読んだに違いない。そんなお話。



退屈に負けないこと。
自分たちの力でおもしろいことを考えつづけること。
テレビやゲームじゃどうにもならない、むずむずした気もち。ぜったいに我慢しないこと。
わたしたち姉弟にとっては、それがすべてだった。
生きていく知恵のすべてだった。


森絵都:宇宙のみなしご,p.5,講談社.






ゆそか