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2002年01月31日(木) フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人


太陽も、小川も、緑の草も、キラキラして綺麗。
輝いていた。
揺れていた。
何もかもが。
繰り返す。それが世界。
揺れ自体が一つの創造。
そんな長閑かな午後。(略)
フリッカー。
現実に戻るのが嫌になると云う感覚に、僕は生まれて初めて捉われていた。


佐藤友哉:フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人,p.208,講談社.



2002年01月30日(水) ツインズ twins 続・世界の終わりという名の雑貨店


苦難よ、訪れよ。災いよ、振りかかれ。僕は彼女と二人きりで世界の終わりに棲もう。


嶽本野ばら:ツインズ twins 続・世界の終わりという名の雑貨店,p.251,小学館.



2002年01月26日(土) ハサミ男 SISSOR MAN


とても頭のよさそうな子だった。
「きみ、名前はなんていうの?」
と、わたしは訊ねた。


殊能将之:ハサミ男 SISSOR MAN,p.364,講談社.



2002年01月21日(月) 捩れ屋敷の利鈍 The Riddle in Torsional Nest


選べる道具と選べない道具があるが、少なくとも、選べるものは選ぶべきである。つまりそれは、可能な最良の筋道を選ぶことと等しく、また同時に、選べなかった道筋の存在を自覚する重要さにも気づかされるだろう。


森博嗣:捩れ屋敷の利鈍 The Riddle in Torsional Nest,p.15,講談社.



2002年01月18日(金) QED 式の密室


「そう。真に怖るべきは、鬼でも神でも狐でもなかったんだ。我々の無自覚な日常だ。本当の『鬼』は、善良で無知な人々―――我々自身だということだよ」


高田崇史:QED 式の密室,p.134,講談社.



2002年01月17日(木) めろめろ


「どんな朝を迎えたいの?」
二人は答えをだしました。
「焼きたてのパン。熱いコーヒー。そして恋人がそばにいれば。セ・ラ・ヴィ……」


犬丸りん:めろめろ,p.151,角川書店.



2002年01月15日(火) 西の魔女が死んだ


ニシノマジョ カラ ヒガシノマジョ へ
オバアチャン ノ タマシイ、 ダッシュツ、 ダイセイコウ


梨木香歩:西の魔女が死んだ,p.190,新潮社.



2002年01月13日(日) 墜ちていく僕たち Falling Ropewalkers


優しい神様が一瞬だけ、僕に降りてきてたのかも。


森博嗣:墜ちていく僕たち Falling Ropewalkers,p.65,集英社.



2002年01月12日(土) QED 東照宮の怨


「(前略)現在という力場からは、どうしたって逃れようもないんだ。(中略)縛られたくなくても、知らず知らずのうちにきちんと縛り付けられている。色々な呪によってね。ただ、それに気づいているかいないかの違いだけだよ。(後略)」


高田崇史:QED 東照宮の怨,p.302,講談社.



2002年01月06日(日) スカイ・クロラ The Sky Crawlers


僕は、いったい、何を望んでいるだろう?(略)
理解、でないことは確かだ。
人に理解されることほど、ぬるぬるとして、気色の悪いことはない。
僕はそれが嫌いだ。
できるだけそれを拒絶して、これまで生きてきた。(略)
そういうタイプが、飛行機乗りには向いている。
理解されたくない、という気持ちが、空へ高く上らせる力となる。


森博嗣:スカイ・クロラ The Sky Crawlers,p.268,中央公論新社



2002年01月05日(土) プラチナ・ビーズ Platinum Beads


「お前には未来が必要だ」


五條瑛:プラチナ・ビーズ Platinum Beads,p.750,集英社.



2002年01月02日(水) QED ベイカー街の問題


「まぁ、所詮、我々の会話などは、相手の言葉を自分の頭の中だけで勝手に解釈して、受け答えしているだけなのだからな。(中略)それでお互いの言い分を理解し合おうというほうが無理な話かも知れないね。言ってしまえば、人は常に自分の言葉を聞いているにすぎないのだ」


高田崇史:QED ベイカー街の問題,p.13-14,講談社.






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