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2001年12月31日(月) ミシン missin'


この想いだけを僕は大切にしていれば良かったのです。この想いだけが、哀しみも、悦びも、不安も、臆病も、未来も、過去も、真実も嘘も蹴散らし、永久に絶対的価値を有するものだったのです。


獄本野ばら:ミシン missin',p.80,小学館.



2001年12月30日(日) 東亰異聞


「(前略)心を闇に染めた者は、きっと鬼に見えるだろうか。ひょっとしたら、菩薩のように見えはしないか」(略)
「(前略)ただ夜に惹かれるのだよ。それも人の心の夜にねえ。(中略)闇に染まっている人間がいたら、会ってみたいと思わないかい。それも毒々しく塗り隠したりせずに、夜そのもののでいられる人間がいればねえ」


小野不由美:東亰異聞,p.55,新潮社.



2001年12月28日(金) DIVE!! 3 SSスペシャル’99


「どうかしてたよ」(略)
「敵に花を贈るなんてばかげてるし、王子様はひとりで十分だ。(後略)」


森絵都:DIVE!! 3 SSスペシャル'99,p.112,講談社.



2001年12月27日(木) DIVE!! 2 スワンダイブ


ぞくっとした。
赤潮に燃える海を見るようだった。
そこで異常な何かが起こっている。
起こしたのは自分だ。
そう思うと体の芯が熱い。(略)
ジジイのやつ、この快感を知っていやがったな……。


森絵都:DIVE!! 2 スワンダイブ,p.72-73,講談社.



2001年12月26日(水) R.P.G.


取調室の床いっぱいに落ちた、無数の羽根のような感情の残滓。
一美の掌から舞いあがった心の断片。
嘘と真実。
武上の目の裏で、そのイメージが、頼りない蝶の羽ばたきと重なった。
寄る辺なく孤独で、まっ白で。


宮部みゆき:R.P.G.,p.293,集英社.



2001年12月23日(日) DIVE!! 1 前宙返り3回半抱え型


「でも、もう決めた。選ばなかったもののことはあきらめる。いや、あきらめるんじゃなくて、超越する。(後略)」


森絵都:DIVE!! 1 前宙返り3回半抱え型,p.218,講談社.



2001年12月22日(土) QED 六歌仙の暗号


「(前略)本当の原因は僕の脳だったのだ。敵は本能にあり、というやつだ」


高田崇史:QED 六歌仙の暗号,p.14,講談社.



2001年12月17日(月) QED 百人一首の呪


怨霊や呪というものは、確かに一つの概念に違いない。(略)とすれば、それら「無形の概念」に対して戦い、自分の身を護るために必要なものは、やはり「無形の概念」しかないのではないか。
呪には呪で。鬼には鬼で。怨念には怨念で。


高田崇史:百人一首の呪,p.313,講談社.



2001年12月16日(日) 黒祠の島


化物には化物のルールがある。―――


小野不由美:黒祠の島,p.320,祥伝社.



2001年12月14日(金) 夏と冬の奏鳴曲


「なに。今回は、私はただの銘探偵に過ぎません。しかし、きみとはいつかまた遭うことがあるでしょうね、きっと……。そのときが楽しみですよ」


麻耶雄嵩:夏と冬の奏鳴曲,p.499,講談社.



2001年12月08日(土) それいぬ 正しい乙女になるために


新しく制服を着る貴方は、スミレのようにダサくあって下さい。そんな貴方を見つけたら、僕は小さな鉢植えを突然無理矢理、プレゼントしてしまうかもしれません。


獄本野ばら:それいぬ 正しい乙女になるために,p.36-37,文藝春秋.



2001年12月05日(水) かんたんに幸せになりたい


不幸と幸福はいい相棒である。


犬丸りん:かんたんに幸せになりたい,p.191,幻冬社.






ゆそか