A Will
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2013年08月29日(木)




考えすぎなんだよ、と友人は笑った。

だって、考えないわけにはいかないもの。
頭から離れないの。


叱られた気分で、小さな声で反論する。



頼りになりすぎる友人と言うのも考えものだ。

睡眠時間を削り、
何よりも最優先してくれるのを知っているから、
迂闊に声も掛けられないし、泣き言も言えない。



好き、とは言えないから、
何度も意味なく名前を呼んだ。

その全てに律儀に返事をしてくれるから、
可笑しくて、それだけで、大丈夫だと思う。



大丈夫。

わたしは大丈夫。



この人を所有するようなことがあったら、
そのときは、消えてなくなってしまいたいくらい。


この先も、一生涯言えなくて良い。

本音なんか何にも必要じゃない。




2013年08月12日(月)




わたしの知らない彼がいて、
入り込む余地がないことを悟る。


薄すら寒い寂しさの中で、
彼と目が合い、わたしは手を振った。

笑顔で手を上げた彼を、
やっぱり知らない人だと思った。




入り込んだらいけない。

たぶん、触れることさえナシだ。



だから、手を振ったのだ。

確かに距離があることを、
手を伸ばしても届かないと、
あちらと、こちらに、わたしたちはいると、

確認のために。



日が沈んでも、汗が滴るような熱気の中で、
この暑さに乗りきれない。

浴衣を着た可愛い女の子の集団が、
口を赤く染めて、りんご飴を頬張っていた。

豪奢とは言えないけど、立派である神輿が、
怒声とも歓声ともつかない音の中で、跳ねる。




神さま。

心の中で、呟く。



冷めない熱気を後に、わたしは電車に乗った。


覗き見をしたような後ろめたさだ、と
なんだか可笑しくなる。



たまたま、出会う。なんて、
運命的でないとするなら、それは悲劇的だ。


頭の中の、笑顔で手を上げた彼を、
どうにか振り払う。

幻だ。
夏が、暑さが、見せた幻だきっと。



頭が痛いのは、昨日、1本空にしたシャブリのせいだ。


相変わらず、よく飲むな、と笑ったのは、
久々に会った友人だ。

ワインなんか飲めるようになったのは、
結構、最近だ。
一人で空
けたのは昨日が初めてだ。


電話を片手に持つ。

もうシャブリには頼れないから、
頼りがいのある友人にアルコール代わりになってもらおう。



大丈夫。

わたしは、昔から1度だって二日酔いにはなったことがないんだ。


2013年08月07日(水)

コカ・コーラを買った。

半分も飲めないのはいつものこと。
気の抜けたコーラを彼は嫌悪していたけど、

甘いばかりの、あのコーラのほうが、
わたしは好きだ。


特別でもなんでもなくなってしまったけれど、
普通の日のふりをしないことには、
まだ、やっぱり過ごせそうにない。



悲しいとも違うし、
寂しいとも少し違う。


無力な恋だったな、と今なら言える。
子供で、わたしも君も。
外圧でもかかったら、簡単に壊れただろう脆さで、
それでも構わないと必死で恋をした。


好きで好きで堪らなかった。



今も。せめて今日は。

好きで好きで大好き、と嘯いてあげるね。


君のことを話すわたしは、
きっと13才のまんまだと思う。


おめでとう。
今年も、今日が来たよ。


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