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| 2004年04月04日(日) |
ディーソを入れた日 Don’t put diesel in it. |
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ハワイに着いて車を満タンにするためＧＳに行って考え事をしているうちにディーソを入れていた。考え事は切れず、ディーソはたっぷり入ってしまった。
３メートルほど行って車が動かなくなった。
その原因が１分くらいでわかった連れ合い（相手から見れば私のことだ）は、片手を額に当てて口をあけた。
これは異文化コミュニケーションで習うジェスチャーのひとつであるが、ほんまに、それもぼくのせいで、そんな姿を拝見できるとは、つゆとも、いや油一滴とも思っておらなんだ。
Premium Super Regular
と並んでいるはずのPremiumのところに、緑のビニールテープがぐるぐる巻かれたディーソのスパウトが置いてあって、その口が車のタンクの受け口にぴったり合わないのに、無理に納得したまま考え事をしていた。
車は動かない。
わたしの手は額には行かない。
自分の首をしめたがっておる。
dumbfoundedです。
GSに戻る、といっても車は出口で止まったまま。
修理店を二軒紹介される。一軒は高いし混んでいる。もう一軒はふつう。あるいて５分。家内（相手の目から見れば私のことだ）と娘は「普通」へ歩いていく。
私は車の番。
死ぬときに走馬灯のように人生が見られるという。
My life flashed before my eyes.
というようだが、ほんまにそうであった。
ただ死なないのだ。
人生それほど甘くない。
やがてハワイの若者が二人。ニコニコ娘や家人と話しつつやってきた。
こういうとき、アメリカ人はここぞとばかりお説教とかおどけるとかしないのが普通だ。
ビジネスでもあるしな。静かなもんだ。これが好きである。学校の先生をやらない。私も先生であるし、やらない人もいるから、overgeneralizationはいけない。味自慢のラーメン屋のおやじがシナチクを残されたことに静脈を浮き立たせ説教を始めるような上下関係が成り立ちにくいし、そういうことがあれば弁護士が出てくる。
みなでたんたんと車を押す。海外用モデル。日産エクステラだ。トラックのようなもんじゃ。
店主が迎えて、
It’s really nice to meet you, sir.
と挨拶。顔をあまり見ずに。笑ってしまうからかもしれないが。
niceであるのだ。やりましたねえ、お客さん、いや、参ったよ、お客さん、What were you thinking?などというのはないのである。
大雑把で単刀直入というが、こういうところは威張ったりへりくだったりするシステムがないので、やはり楽である。
店主のセリフはこちらの言うべきセリフであったはずだ、何しろ数時間で直してくれたのだから。でもそのときは知らなかったぼくにはhindsightだ。もう一軒の店だと翌日までかかったという。
車を頭の上までjackで上げた、ガレージの内装に溶け込んだような、そんなおっさん（彼の視座から見れば私のことだ）が、I’ve done it before.とかぶつぶつ言っている。
で、明日までかかるのかと思いながら、診断が出るまで、待合室の雑誌みたいのをぱらぱら。マシンのことの載った雑誌で、油っぽい。
マシンより人間、いや自分が好きなわたしは、わからんものは避けてきた。形態も持たん。字すら間違っておる。免許は去年はじめてこの地で取得した。ぼくの歳で車を運転し始めるのは、進化に遅れた猿人のように見られる。ニアンデサー（ネアンデルタールの英語に近いカタカナ表記）である。科学の芽が伸びなかった私を、発明だらけの世の中が取り囲みはじめている。
で、じき直ると言われ、一旦宿舎まで車で送ってもらって待っていると電話。
３時間で直った。
インジェクターというものにまで入り込んでこびりついた全てのディーソをSEAFOAMという製品でとりのぞいたのだそうだ。なんで海の泡なのだろう。
とにかく泡を喰ったのはわたしだけではなかったのだ。
このあと小家族では、何かうまくいかないこととか変なことが起こると、Did you put diesel in it?とかYou didn’t put diesel in it, did you?と言うのがrunning jokeとなった。
若者が迎えにきてくれて、同乗すると、彼は自分が空手を１０年やり、今は娘にやらせ、マナーと生きる姿勢を身につけさせ・・・とかそういうワカモン父さんの熱い人生論を聞きつつ、確実に疲弊しつづける私の精神にこそ、ほかでもない、SEAFOAMが必要であったのだ。
昨年１月に免許をとり、同年１２カ月後にディーソを入れる。
これはひとつの終りを象徴している。
しかし Life goes on.である。
今も生きておる。And the band played on.であったのだ。
And the chindon band played on.であった。
注：ディーソとは「ディーゼル」の英語dieselという語の発音に近いカタカナ表記である。ディーゼル油をマイトラックに入れたとは、くやしくて言えないというのが、新表記採用の理由である。
情報を確認する
＜質問されたが答えがわからないときどうするか＞
悪びれず振舞うのが英語らしい
・わからないときには、申し訳ないとかしこまるより、フレンドリーで水平なレベルを保ちながら対応するほうが英語らしい。まず次の表現が真顔で使われる。
No.
I don’t know.
I have no idea.
・こう言われた側は次の定番の答えがある。
That’s all right. Thanks anyway.（構いません。どうも）
・情報源を示唆することもある
I don’t know. Ask Tim. He may know.（さあ。ティムに聞いたら。知っているかも）
I have no idea. Why don’t you go on-line.（さあわからない。ネットで調べたら）
・わからないが調べてみる、と答えたいとき
I'll look into it.（調べてみます）
I can look into it for you.（調べてあげましょうか）
・あとに回したい場合は次の表現。これも悪びれずに言うのがよい。
I can’t give you an answer right now.（今は答えられないのですが）
I'll get back to you on that later.（その件、あとで知らせます）
Good question.（いい質問ですね）＜わからないということを示唆する＞
I wish I could give you an answer.（答えられればいいのですが）
DIALOGUE MODEL−��
上司から聞かれる
A: What's the best and cheapest office supply shop?
B: Let's see. I can't give you an answer right now.
A: Will you run a check on it for me?
B: No problem.
『英語スピーキングマニュアル[基礎編]』より抜粋
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