詰まった3本番を終えて ファッションショーをおどりきって
やはり、そのままというわけにはいかなかった—
通院リハビリで 担当理学療法士は言った
「終わった後すぐ冷やしましたか?」
あの時は、膝のことを忘れてしまっていた (忘れた)というのは本番のおどりには、 最高の結果です☆ そしておどりを終えた後には、、 最悪の《忘却》でした。。
わたしたちの本番は、 本番を終えたら、見に来てくれた人たちへの挨拶や 出演者仲間たちとのようやく笑いあえる時間。 この一瞬にしか分かち合えないものがあります 少しでも時間が経つと失われるような、 ベツモノになってしまうような一瞬。 この時間だけが緊張から解き放たれるときです 言ってしまえば しあわせ なんでしょう だから、膝のことは 二の次にしたい そうして 気付かされるのは 今の自分には、 やっぱりカラダ優先だった 自分でも気づかないダメージがあるんだと 自らに言い聞かせなきゃならなかった
おかげさまで生きたシカバネ期間です
おどりつづけるというのが どんなにむずかしいことか 痛みをわすれるまでに どれだけのことをしてきたか 自分にしかわからないことですが 毎回地味にくるしみ抜いて本番に至っています 今はただひたすらに 《炎症を退かせること》 痛みがあるうちは おどりをおどりに昇華するのが 果てしなく困難になります 痛さを脳が覚えているかぎり、 防衛本能ができる動きさえ阻害してしまいます 術後は、「防衛本能とたたかう!」なんて 本気で言っていましたが、 今となっては、、若かったという他ない(爆)
努力できないことが一番つらい
なにしろできることを重ねていくことが おどりを、じぶんを育てていくことです それを頭から「やらない」と言い切らなきゃ ならないのがツライ。 痛み 痛みが出るのは間違いです 間違った使い方をしているからです 人体は、人体にとっていい動きのもとでこそ はじめて最高のチカラが引き出せる!!
痛みが、、痛みがあるうちは我慢
この数年で徹っそうとして、それでもなお 毎回毎回 混沌が襲ってきます この我慢の時にみんな練習しているという 上達していっている、 練習していなくちゃならない、という思い込み なにしろそれが本当のことだからこそ 混沌が決して抜けきれません
| 2022年11月06日(日) |
「ITOBA コレクション2022」 |
毎回あたりまえのこと言ってますが ついにこの日がやって来た—
『ITOBA vol.4』 繊維表現 いろあそび
2022年11月1日〜13日 九州芸文館
ITOBAは繊維表現をキーワードに 染める織る編む紡ぐ結ぶ解く絞るなどの 様々な技法を駆使して感性豊かな 創作活動に邁進している集まり☆
主催は九州芸文館です! したがって(かたい)。 かたすぎるすべてをクリアしないと 主催を納得させなければなりません。 大変な苦労があったのは間違いない。 ITOBAの皆さんのチカラです。 わたしが招聘されたのは—
【ITOBA コレクション2022】 ファッションショー 11月6日(日)13:00〜開演
筑後の雄大な自然の中に佇む、 モダン且つぬくもりある施設。 その洗練された豊かな地にて ITOBAが初のファッションショーを 手懸けます。 記念すべき第1回のスペシャルゲストに トランペット奏者 井手口博文氏 舞踊家 タイスケ氏 をお招きし、 パワフル且つ妖艶な世界を演出します
観覧無料の屋外パフォーマンスです! 屋外ですから当然雨も降りかねません。 顔合わせに出向いたとき わたしを含む晴れ男と晴れ女の方が 割合が多いことを知りましたw
…勝ったな☆
そういうわけで秋晴れも秋晴れ 超がつくほどの蒼天。 わたしはモデルも依頼されています。 プログラムを渡されたとき背筋が凍ったw 全体にわたって出ずっぱりじゃん(爆) あとから考えても震えますが、 全員が揃ったのは当日だけです! それにリハーサルも当日のゲネプロのみ。 正直言って気が気じゃなかった 絶対に《何かがおきる》そんな気持ちでした そんなことを思っても出来ることはひとつ (今の全力を尽くす) ブロック注射は2日前に撃ちました。 おどるというのは おどるだけでは足りません おどりを浴びせられる実力が不可欠です おどりを通して《何か》を現出させる 《何か》が現出するには 痛いなんて考えている暇はない おどりをおどるというよりも、 おどりになれるかどうか です
そうはいっても不安は拭えない 最後まで付き纏っていた
当日は午前6時から準備 お迎えが来るのは7時40分
…調子は、わるくない☆
車移動 1時間30分で到着 アーティストに出演者が続々集まってきた 本番会場、ステージでの足運びを確かめながら 寝転がってみる するとどうだ—
青しか、、ないじゃないか!!
目に映るものが青しかなかった☆ 突き抜けた空に 空間の果てがない青に、、 震えた この時 スイッチが入ったのかもしれない だってそれ以降、膝のことをわすれていた
ここでは舞踊家と名乗ることにした ダンサーというと皆様に 洋舞のイメージが降りてしまう 想像力、創造力のためには 人それぞれにある既存の《ダンス》が邪魔です わたしがおどりたい「おどり」は いつもこれを打ち破っていかなければなりません なにしろ そんな「おどり」を 知らない人には おどりと思えないかもしれないからです
さあさあ 問われようか!!
(オープニング) まずはモデル業務から。 はじまってすぐの第一団です☆ それにしても目にする度に驚愕を覚えるのは このファッションショーの計画書ッッ 当日を創り上げる気力が滲み出ています! 他の人間には決して出来まい。 すべてのイメージは企画者の脳内です。 ここにしか答えがないとも言える。 その制作指揮はなんと清水まゆみさん わたしの復帰公演『Choice』 再復帰公演『The 3rd BIRTHDAY』でも 手伝っていただいている ファイバーワークのアーティストです☆ とはいってもさすがはまいさん(通称) そのイメージを超えていってくれるのを 願っているあたりに同じ情熱を感じます!! まいさんも寝ずに過ごした時間が見えます 一般の方には伝わりづらいことですが 見えないところにこそ命を削っています すべてがきっちり進むことが まったくあたりまえでないことを思い知る それが舞台本番当日なんですよ!! (幕間パフォーマンス) トランペット井手口さんとのデュオ トランペットは人生でも初です 音源は事前にいただいていたものの おどりのイメージが!! 当日まいさんと話さなかったら もしかしたら解決しなかったかもしれません 出を遅らせることでイメージが完結。 思い出すとやっぱり最後まで考え抜いた先です その後は井手口さんのソロを挟んでからの タイスケソロ。 「人生のメリーゴーランド」 ハウルですハウル!! 村治佳織音源もなかなかハードでした! 厳しいのは転調です。 この転調で物語が空間が激変してしまうw これも最後の最後までイメージを練りました。 音にとらわれないのがわたしのおどりだとしても それが素晴らしければ素晴らしいほどに。 今回のおどりは、 《染める織る編む紡ぐ結ぶ解く絞る》です その末端だけでもおどりで感じてもらいたい。 アーティストの皆さんが繊維に懸けるように、 おどりに懸けるのも。 ゲネプロも本番も地面はコンクリートです 2回とも全力を投じました 投じられたのはいまのカラダでは奇跡にもちかい 我ながらいい日になったとおもいます (第二部〜エンディング) 出番はまだ終わりませんw 後半 第3師団でまたもおどります☆ ここでは去年クリスマスに一緒に踊った、 初美さんとのデュオ。 しかも、しかーも、、曲がッッ 「リベルタンゴ」 2曲踊った先のキレッキレなんです!! 笑 初美さんはジャズダンサーですから 放っておいても格好良き、なんだけど こっちは気力も体力も根こそぎ削ってます 笑笑 でも二人で踊るって、、なんて楽なんだろうw たのしいなあ(爆) (心はかるくてもダンスは酷使です) ここでは過去まいさんのファッションショーで お馴染みの作品 ロングストール黒と赤。 黒と赤、男と女、だけでも おどり以外の要素が目に見えるのは カラダだけで立ち向かうのとは 天と地ほどの差があります もちろん作品を使いこなせるかは別問題ですが 最後にストールを重ねることは決めていました さあようやく終演です☆ なんと本番は最後まで一気にいきました 不安なんて、、、なかった!! これは凄いことです すべてが揃ってないとこうはいかない。 最初はウォークもおぼつかなかったみんな そのみんな笑顔で、もう何も要らない気がした きっとすべてが報われたんじゃないかと思えます
すべて終わって どでかい公園に移動 本番を見に来てくれたジョーさんと息子カナメくん さっき別れた二人が目の前にいるw 奇跡だ 笑笑 あれだ! 北海道とかのホスト街によくある、 「また会えたね」(爆) ようやく食事できたのは16時。 出演者ゲストに配給された、 「本気のからあげ」弁当もキンキンに冷えていたw それを確かめるとき、おどったなあって 笑笑
遠くから見にきて下さった方々、 応援してくれた皆様、 なんとかおどりきることができましたッッ☆
見ていただけたひとに このおどりがおどりになったことを祈っています
|