ToY◎StorY
モクジカコミライ


2011年07月29日(金) ぎゅう の はて

あつかって、エアコンあびてるんーって返したら、

ぐいーって手をつかんで、

「おいでー」っていう、ひさくん。

え?!と思いながらも

しずしずとひさくんの腕の中に入るわたし。

時間がとまればいいのに、って

何度も 何度も 願った。

好きって言いたくて

言ったら終わりだということもわかっていたけれど

言わなきゃ終われないこともわかっていた。



だからね。

あたし、がんばったんだよ。



「ねぇ、ひさくん。ごめんね。わたしやっぱりすごいすきだよー」



ひさくんは、あはーって笑ったきりで

あたしは帰る時間になっていた。








それが、ひさくんとの最後だった。


2011年07月20日(水) ここちのよい、ひと。

「飯たべてく?」という

ひさくんの一言から訪問が決まった。

わたしは、

彼に会えるのはこれが最後かもしれないという覚悟で

会いに行った。

きちんと伝えて、終わろうと思ったの。




二日酔いのひさくんお手製のごはん。

おいしくておいしくて

すごいしあわせだなぁと思った。

ソファでごろごろしながらTVみて、

これはあーだこーだとTVに二人で突っ込んで

腕でも、ほおでも、髪でも

いつもどこかに彼がふれていることが

なんて心地よいんだろう、と。




結局この日も泊まることになったけど

やっぱり一切手を出してこないひさくん。

どんだけあたし女の子と思われてないのかと落ち込みつつ、

ソファで寝てしまったひさくんを横目に

しぶしぶベッドに入るわたし。




2時間後、暑くて目が覚めて

クーラーのあたるソファの前でお茶を飲んでいた。

ぼーっと風にあたりながら

明日帰る前になんて言おうかと考えていた。




「みっこ、なにしてんの?」

ぼーっとしてたあたしの後ろから

声がきこえた。


2011年07月17日(日) おうち

「みんなでご飯会するから、くる?」

そんなひさくんの言葉に誘われて

2時間かけてひさくんのおうちへ。

たのしくて、たのしくて、

時間が止まればいいと何度も思った。

終電が気づいたらなくなっちゃってて、

3人でおとまり。

一切手を出してこないひさくんだから、

なにも思われていないのだということも、

同時にわかってしまったけれど。




そしてそれから2週間後。



ひさくんのおうちにもう一度行くことになった。

今度は大勢じゃなくて、

わたしだけ、で。


みっこ |MaiL

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