Wakako's Diary 道すがら記

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雨、「浅井忠と関西美術院」展@京都市美術館 - 2006年11月19日(日)

雨。絶えまない雨の音。

午前中採点、同じ模試の3回目なので、作業効率上がる。お昼、友人と待ち合わせてbastille(バスティーユ:肩の凝らない、しかしサービスは素晴しいフランス料理屋さん)でランチ。自転車で出かけたため、急に強くなる雨に大分濡れてしまうf^_^;こちらのお店、雨傘まで貸してくださった。

その後、京都市美術館にて、
「浅井忠と関西美術院展」を見る。
洋画を盛り上げるために、浅井忠が中心となって設立した関西美術院の初期の歩みを取り上げている。日本への洋画の定着の過程としてみると面白いかも。
いろいろな作風があること、また作品展示数も多いので(約200点と、企画展にしては、通常の2〜4倍の出品点数。関西美術院の地元・京都ならでは、かな?)、イイな、と思う絵もそれなりに見つけられると思います。

そんなお気楽なレベルで絵を観賞していたら、友人曰く、
「オリジナルなものを描くって難しいねえ」

う、確かに、そうだ。

出品作品には、セザンヌの影響を受けたもの、印象派やキュビズム、そういった画風ものも見られるが、これこそがオリジナル作風でござい、というものはなかなかないかも。。(勿論、オリジナルな作風でなければ芸術品としての価値がない訳では全くない。作風のオリジナリティーが問題となるのは、近代以降、特に現代美術の問題だし、関西美術院が現在も続く教育機関であることを考えれば、独自性を求める必要はないのかもしれないし。。)

それはともかく、セザンヌやキュビズムの日本洋画での受容や、
日本画壇の人たちの洋画の受容などが伺えて見ていて面白い。

女性の塾生さんが何人か混じっていたりする集合写真もあり、
トレンチコートを着ていたり、和装だったりする彼女たちは、
時代の先端をいく、モガだったのかな、と思ってみたり。

気に入ってしまった展覧会ゆえの身びいきか、
原田直次郎「靴屋の親爺」が秀逸な(重要文化財の名前に恥じませぬ)、
「森鴎外と美術」展の作品の方が、息を飲ませてくれるものが多かった気もしつつ、まとめて観賞できたのは、よかったです。




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「有元利夫−女神たち」展@佐川美術館 - 2006年11月15日(水)

紅葉が綺麗な良く晴れた日(千島列島でマグニチュード8の地震があって、津波が来るという話だが。。こういうとき、移動中や旅行者だったら、物凄く心細いだろうなあ。。)。

今日は実習が休講になったので、午前中洗濯をどっさりとして、夕方からの放射線と呼吸器科の合同カンファレンスまでに、
・オルセ−美術館展&エコール・ド・パリ展 ハシゴ か、
・有元利夫−女神たち展 か、
どちらに行こう、と贅沢にも考えつつ、のんびりしすぎて時間も厳しかったので、佐川美術館(滋賀県守山市)の後者に足を運ぶことにする。

美術館は、水をモチーフとして、あたかも浮御堂のようであるが、
琵琶湖大橋が近いため、周辺にケバケバしいラブホが多いこと、
そして、概観の箱型とそれを繋ぐ廊下(水面が見える)を重視しているためか、展示室(特に特別展である有元利夫展のスペース)が、ぎゅうぎゅうになっていて、あまり快適とはいい難いのが気になる。

お目当ての有元利夫の作品は良かった!静謐で、わざと古びさせてあることから、ものとしての存在感もあり、バロック音楽の調べのようである。

そして、彼は大学卒業後3年程、電通に勤め、本や雑誌やレコードのジャケットをデザインしていたと知り、
彼の名前をはっきりと記名していた訳ではないのだが、
作品を見るなり、「あっ、この人の作品知ってる!見たことがある!」
と思うのも納得した。
惜しくも1985年に38歳でなくなった後も、
彼の作品は本や雑誌の表紙に、今でも使われている。

帰り道、田んぼになが〜くバスの影が伸びて、薄く青い空には彼が描くような雲が浮かんでいる。
久しぶりに、かつて好んで聴いていたバロックのCDを、流したくなる。

++

「人が生きるためには、しることが大切です。同じように、感ずることが大切です。私は皆さんの一人一人に、本当の喜び、悲しみ、怒りがどんなものかがわかる人間にはってもらいたいのです。」(佐藤忠良、中学校美術教科書、1981年刊)

「本当の知性や感性を努力の末に獲得した人間が自由なのだ。感性はほっておけば鈍ってしまう。学問と同じように、努力して獲得するものだ。獲得の方法を吟味して努力を積まなければならない」(同、高等学校美術教科書、1982年刊)


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