ロマンティスト・テイスト...jovanna

 

 

ラブミーテンダー - 2004年04月29日(木)

ミック・ロンソンの残した2枚のソロ・アルバム
「Slaughter on 10th Avenue」「PLAY DON'T WORRY」を
聴いている。今日は、ミック・ロンソンの11回目の命日だから。
デビットボウイのバックバンド=スパイダース・フロム・マースの
ギタリストとして、「ジギー・スターダスト」を世に送り出した
華麗なギタリストとして有名であろう彼だけど、
「ラヴミー・テンダー」や「THIS IS FOR YOU」でのミックの歌声は、
何とも柔らかく心に染みて来る非常に味わい深いものだ。
アルバム表題曲「Slaughter on 10th Avenue」や、
「THE EMPTY BED」の流麗なストリングスアンサンブルの調べは、
本当にうっとりとする。
自作曲の作曲も勿論だけれど、2枚のアルバムに収録されている
古今のカバー曲のアレンジでも非凡な才能を魅せている。
このソロ・アルバムに出会えたのは、吉井和哉のお蔭だ。
吉井和哉の歌う「ラヴミー・テンダー」を生で聴いて見たかったな。
THE YELLOW MONKEYが復活して、いつかまた「ミック・ロンソン追悼
ライブ」が開催される日がきっと来るよね。
ビデオの映像だけじゃ淋し過ぎる。
次第に歳を重ねて年輪を深めていくミック・ロンソン愛好家達の姿と
歌い継がれていく曲達を体感したいと願う。




風の中の答え - 2004年04月12日(月)

『お宅のテレビの故障ではありません。調節しようとしても無駄です。
今や放送は、われわれがコントロールしています。そのすべてを。・・・』の
ナレーションから始まる人気SFドラマ「新アウター・リミッツ」を楽しみに見ている。
先週は、『禁断の音楽』というタイトルだった。
6000万光年?彼方の宇宙から届いた電波がある規則的な周波数を
持つ事に気づいた若き研究者は、10代の妹が偶然そのテープを耳にした事から、
驚愕の真相に迫っていくという内容だ。
その音楽は、急速に10代の少年少女に熱狂的に広まっていく。
間もなく彼らの身体に異変が起き、懸命に謎を追求する主人公と
兄弟の父親の医師が突き止めた音楽の正体は・・・
太陽系と非常に似通った恒星に属していた、高度な文明を持った
生命体が、急激な紫外線増加による生命絶滅の危機に対処する
方策を、その音楽に託して我々人類に送ってくれていたというものだった。
太陽が最終変化を遂げて、地上の空が紫に変わった時、
兄妹と妹の恋人等進化を選んだ人類達は、紫外線の脅威に適応した
メタルフェイスの異形の姿だった。
最終場面のナレーションは、『音楽は、世代も地域も人種も超えて
人々を繋ぐ。そして時には、時空の扉さえも軽々と超える事がある。』というものだった。
細かい言い回しは、違っているかも知れない。
けれど、今日本人がイラクの武装グループに拘束され、
安否が気遣われている現状で、もし人種も主義主張も全ての
紛争を収める「究極の音楽」というものは、存在しないものだろうか
とふと思って仕舞った。あまりに儚い幻想だ。
“人は何度見上げたら
本当の空を見ることができるのだろう?
どれだけ聞いたら分かるのだろう?
人々が泣いているという事を。
どれだけあれば分かるのだろう?
あまりにも多くの死があるということを。
答えは友よ、風の中にある。
答えは風の中にある。”
ボブ・ディランの歌う「風に吹かれて」の一節だ。
風の中に彷徨う答えを人はいつか手にする事も出来るだろうって、
希望を持とうよと、肩を抱かれているような、穏やかで優美でありながら、
とても力強い歌だ。人の命より重いものはない・・・
平和な星でありたい。




古いテープから流れ出した曲 - 2004年04月07日(水)

思いがけず、ニルヴァーナがカヴァーしたデビット・ボウイの
「世界を売った男」を聴いた。
昔吉井和哉がDJをしていたラジオ番組の中で掛けていたのだ。
古いテープを漸くMDへ移し変え作業を始めたのだけれど、
カートの物憂げな歌声を耳にした途端、電流が走った。
この曲は、1993年11月8日ニューヨークで録音された
「MTV アンプラグド」アコースティックライブの曲だ。
歪んだギター、爆音の激しいベースやドラムではなく、アコースティックの
スタジオライブだからこそ、この曲の美しいメロディが惹き立つ。
この人の歌声は、どうしてこうも心に響くのだろう。
今年は、早いものでもうカート・コバーン没後10年になるという。
4月8日に自宅で猟銃自殺しているのを発見された。
死亡推定日は、4月5日頃とされている。ちょうど10年前。
ロックの感受性を研ぎ澄まして、内へ内へと深く突き詰めた挙句、
弾け散って仕舞ったカリスマ。
生きていればまだ37歳。若い。若すぎるじゃないか。
死んで仕舞った人の歳を数えるほど虚しい事はないね。
今、「NEVER MIND」を掛けている。
ロックの歴史に燦然と輝く名盤だ。
カートがニルヴァーナが作り出した曲達は、今も生きている。







聴き道楽 - 2004年04月06日(火)

あがた森魚さんの『バンドネオンの豹と青猫』アナログ盤を聴いた。
『バンドネオンの豹』の続編である。
「ジュリエッタの夏」「誰れでもありたくない彼氏」
あがたさんの柔らかな歌声、池田光夫さんの
バンドネオン、流麗なヴァイオリンの調べ・・・
「バンドネオンの豹」の冒険の世界にどっぷりと浸り込んで
仕舞った。LPの帯に『これは、「バンドネオンの豹」3部作の
第2作目で「青猫」の巻です。』と書かれているのだが、
現在、第3作目は未だ出ていない。
3部作の完結編、本当に出して下さると良いのに。
アルバム最終曲が「眞白に十文字<次号予告>」となっていて
更なる展開が楽しみなだけに、残念なのだ。
A面、B面が終わっても、片付ける気に為らなくて、またひっくり返して
最初から聴いて仕舞う。
昨日は「はっぴいえんどBOX」をずっと掛けていて、今日は
あがたさんのこのアルバムに浸っている。
私は、食い道楽でも着道楽でもないけれど、
聴き道楽に近いものがあるのだなあと思う。
人の価値観は人それぞれだろうけれど、聴きたい音楽に
自由に触れられるという事は、非常に心豊かなことだと思う。
掛け替えのない時間だ。






はっぴいえんどBOX - 2004年04月05日(月)

先週、あがた森魚の映画「僕は天使ぢゃないよ」を見て、
大瀧詠一、松本隆の音楽にとても興味を覚えたあげく、
とうとう『はっぴいえんどBOX』を購入して仕舞った。
YMOでの細野晴臣の輝かしい活躍、そして大瀧詠一
「ロングバケーション」の衝撃は良く覚えている。
けれど、細野晴臣、松本隆、鈴木茂、大瀧詠一の4人が三十数年前の
日本のロック黎明期を鮮やかに駆け抜けて行ったという伝説のグループ
「はっぴいえんど」に関しては、殆どその名前しか知らなかった。
今回、映画「僕は天使ぢゃないよ」の中で流れた「びんぼう」
「それは僕じゃないよ」にゾクゾク来て、ちゃんとCDで聴いてみたい
という欲求が元に為ったのだけれど、ちょうどこの『はっぴいえんどBOX』
発売時期に間に合って本当に良かった。
『はっぴいえんど(ゆでめん)』 、『風街ろまん』、『HAPPY END』
の順に聴いた。
私は、「はっぴいえんど」はフォークグループだとずっと思い込んでいた。
聴いてみて、これは非常に優れたPOPでありROCKであると
認識を新たにした。「日本語でROCKを」それに取り組んだ最初の
バンドだという。松本隆の詞が本当に良い。そして大瀧詠一の曲も。
特に『風街ろまん』が凄い。
『ライヴはっぴいえんど』の「びんぼう」「はいからはくち」
「かくれんぼ」の臨場感に痺れた。
オリジナル盤の緻密に作り上げられた世界が、観衆を前にした
ステージで生々しく力強く息づいている事がとても新鮮で
興奮した。
まだ漸く半分だ。あと4枚、じっくり聴いていこうと思う。





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