コトバアソビ。
無断引用お断り。

2003年01月31日(金) 乙女の特権。


星に願いを。

(星に祈ったっていいじゃない!!)

月に祈りを。

(月に願っちゃダメだっつぅの!?)

夜の帳が、睫毛に降りて

瞳を閉じたらアナタがいたの。

(それよりも、一緒にいたいっての。)

夜の、魔法。




2003年01月30日(木) あまえんぼー。


すきすきすきすきすき。

その一言でチャラにします。

このぉ、あまえんぼぉー♪




2003年01月29日(水) ビスクドール。


もし、私が

チョコで出来たビスクドールだとしたら。

アナタの体温で融けちゃうかもね。

知ってた?

チョコは常温でも融けるってコト。




2003年01月28日(火) 黒影。


一日に一回のちゅう。

舐めるほどに可愛い。

私の、影ちゃん。




2003年01月27日(月) 胸を張って生きてみよう。


正直な気持ちを伝えること。

好きだと伝えられること。

本当はそんなに好きではないこと。

アナタ以上に愛する存在を見つけたこと。

素直に言葉にするだけだから。

胸を張って生きてみよう。

前を向いて、私だけの為に。




2003年01月26日(日) アル、愛ノ詩。


むかし、むかし。

まだ小鳥も小リスも海も華も空も、

人間とオハナシが出来た頃の話。

年老いた王様には年頃の姫がおりました。

しかし、姫は中々結婚しようとしませんでした。

王様は涙ながらに語ります。

「姫、私ももう年だ。後生だから、可愛い孫をこの手に。」

しかし、どんな王子を連れてこようと

姫は首を縦には振らないのです。

王はまた尋ねます。

「姫、どうしたら、結婚してくれるのかね。」

姫は待ってましたとばかりに、

にっこり笑って答えます。

「お父様、私、テストをするわ。」

「テストだって?」

「そう。だって私、お金も権力も顔の良さも背の高さもいらないわ。」

「だからって・・・」

「だから、テストをするの。」

「本気かい、姫?」

「ええ、本気よ。さあ、国中にお触れを出して、お父様。」

姫はにっこり笑うのです。

後日、国中にお触れが出されました。


『姫の試験に合格されし者、姫の花婿とする』


国中の独身男は色めき立ちました。

姫の花婿と言う事は、つまり、次期国王だからです。

・・・が、我こそは、と立ち上がったものは、

わずか三人だけでした。

それは、

国一番の宝石商と、

国一番のパティシエと、

ありふれた地味なパン屋でした。

国一番の宝石商は、背の低い、でっぷりとした男です。

パティシエは、背の高い、軟派な感じの男です。

パン屋は、中肉中背の、冴えない地味な男です。

それに、この国の両隣の国の王子を二人足して、

受験者は五人になりました。

さて、テストが始まります。

テストは一人ずつ、

姫と向かい合って別室で行われるようです。

始めは、一番負けん気の強い右隣の国の王子です。

「すまないな、キミ達。僕がこの国と自分の国を統合するよ。」

他の受験者達にそう言い残し、意気揚揚と入室しました。

しかし、五分もしない内に

ぶつくさと何か呟きながら部屋を出てきたのです。

「おかしいよ。あんな事、出来る筈がない。」

そう言って、王子は国へと帰って行きました。

残された受験者達は、ざわざわと話します。


「一体、姫は何をおっしゃるのだろう?」


二番目は、おどおどと臆病そうで病弱な左隣の国の王子です。

残された受験者達に、何を告げることも出来ず、

緊張した面持ちで入室して行きました。

しかし、やはり彼も、五分としない内に出てきたのです。

「目に、見えない・・・はずなのに・・・。」

そう言って、彼も国へと帰って行きました。

またも受験者達は話します。


「目に見えない・・・はずの何か?」


三番目は宝石商です。

しかし、彼もまた、前の二人と同じでした。

「おかしいな。宝石の嫌いな女など、この世にいる筈がないのに。」

程なく、四番目のパティシエです。

彼もまた、他の三人同様に、

首を傾げながら部屋を出てきました。

「甘い物じゃ、なかったのかな。振られたのは初めてだ。」


最後に残されたパン屋はドキドキしながら順番を待ちました。

一体、姫の試験の内容はなんなのだろう。

自分より

地位も、権力も、顔も、背も、

全てにおいて勝った男たちが

目の前で敗れて行ったのですから。


「次、パン屋のジョゼフ。」


城の執事に名前を呼ばれて、

椅子から飛び上がらんばかりにパン屋は吃驚しました。

来るべき時が来たのです。

パン屋は覚悟を決めて、部屋へと入りました。


「・・・失礼します。」

恐る恐る顔を上げると、

其処には見た事もないような美少女が、

柔らかに椅子に腰掛けていました。


「お前で最後ね、ジョゼフ。」


見た事もない美少女が、

聞いた事もないような綺麗な声で、

そう、まるで小鳥が囀るように、歌うように、言いました。

あまりの夢のような出来事に、パン屋は返事も出来ません。

姫は、構わずに喋り続けます。


「では、ジョゼフに課します。」


その言葉に、我に返ったパン屋は息を呑みます。


「お前の前に置いてある空の壷を、愛で一杯にして見せて。」


美少女は極上の笑顔で笑いました。

パン屋は暫し、呆然とします。


・・・この空の壷を、愛で?


姫は言います。

「一番目の王子は、ハナから無理だと諦めたわ。」

『おかしいよ。あんな事、出来る筈がない。』

「二番目の王子は、形に出来ないと諦めたわ。」

『目に、見えない・・・はずなのに・・・。』

「三番目の宝石商は、物欲に支配されていたわ。」

『おかしいな。宝石の嫌いな女など、この世にいる筈がないのに。』

「四番目のパティシエは、食欲と自分のルックスに溺れていたし。」

『甘い物じゃ、なかったのかな。振られたのは初めてだ。』

パン屋はやっと彼らの呟きの合点が行ったのでした。

そうか。

王子二人は努力を放棄し、

宝石商は壷に宝石を、

パティシエは壷にお菓子を入れたに違いない。

パティシエに至っては、

姫をそこらの女の様に口説いたと。

きっと、そうに。


「さぁ、ジョゼフ。お前はどうして壷を一杯にしてくれるのかしら。」


パン屋は、じっと考え込みました。

自分は、どうしたら、この壷を一杯に出来るのだろう?


「ジョゼフ? 聞いているの?」

姫が不思議そうに尋ねます。

パン屋は、意を決して喋り始めました。

「姫様、私目に壷を愛で一杯にする事は出来そうに御座いません。」

「・・・」

「でも、永遠の愛を誓う事なら出来ます。」

「・・・?・・・」

「此処に、不肖、私目の短剣が御座います。」

「・・・」

「もし、私目が約束を破りましたならば、

 迷わず此れで私目を殺して下さい。

 愛で壷を一杯にする事は叶いません。

 しかし、愛の代わりに、

 私目の命で壷を一杯にしたい。

 無礼をお許し下さい、姫様。」

そう言うと、

パン屋は壷に、自分の短剣を放り込みました。

そして、すっと傅いて、姫の言葉を待ちました。

きっと、失格だろう、そんな事を思いながら。


「ジョゼフ。」

「・・・はい。」

「お前、私の為に死ねると言うのね?」

「・・・はい。」

「いいでしょう。ジョゼフ、今日から貴方は私の夫です。」

「・・・はい?」

びっくりして顔を上げると、直ぐ間近に姫がいました。

いや、いたと思うが早いか、

その腕の中に暖かい体温を感じます。

「テストは満点よ。百点の答えを有難う、ジョゼフ。」

姫は抱き付いて言いました。

驚いて言葉もないパン屋は、

ただただ、圧倒されるばかりでした。



翌年、可愛い子供の声と共に、

城からは香ばしいパンの匂いがしてきます。

それと、城の中央ホールには何の変哲もない空の壷。

その台座には、こう記されています。


『愛の溢れる壷』、と。






2003年01月25日(土) 自己嫌悪、再び。


ぁあ、子供の心って

簡単に傷付くのねぇ。

トラウマにならないといいけど。

ママを赦して・・・。



2003年01月24日(金) 叱る。


世の中の親を

尊敬します。

子を叱るって、凄く心が痛いのねぇ。

もうしらんっ。

その実、大好きで仕方がないんです。




2003年01月23日(木) 無いモノ強請り。


いいなぁ、って思いました。

今は亡き人の声が

欲しくなりました。

自分が此処まで卑屈だったなんてね。

呆れて物も言えないわ。




2003年01月22日(水) カメラ付き。


あっという間に

キミで一杯とわ。

親馬鹿もここまで来ると、

ちょっとねぇ(笑)



2003年01月21日(火) 愛してアゲル。


もうさ、愛され飽きたから。

器に溜め続けて溢れ出した愛を、

今度は惜しみなく、キミに送るよ。




2003年01月20日(月) こんにちは、あかちゃん。


何も知らない君の

良いママになれるかなぁ。

こんにちは、あかちゃん♪




2003年01月19日(日) 生声。


聞きたかったんでしょうけど。

そんな安売りしませんよーっだ!!

残念でした♪



2003年01月18日(土) 誰か為に。


華は咲いて、散って行くのか。

愛でられるとも限らずに

魂を落して行くばかり。

一枚、二枚、三枚と。

誰が為に、華は咲く?



2003年01月17日(金) 醜い白鳥の。


昔々、家鴨に育てられた白鳥の子がいました。

白鳥の子は、自分の兄弟達に虐められます。

「変なの、変なの!! お前の身体、鼠色だ!!」

白鳥の子は、親からも言われます。

「お前が自分の子だなんて、思いたくないわ。出来損ない。」

白鳥の子は泣くのです。

泣きながら、思うのです。


きっと、大人になったら立派な家鴨に成れるさ。

大人になったら、きっと。


暫くして、

兄弟達が親元から独り立ちする事になりました。

成長した白鳥の子は、

やはり家鴨には成れずに白鳥のままでした。

兄弟達は囃し立てます。

「変なの、変なの!! お前の身体、真っ白だ!!」

親はもう、言葉すら掛けてくれません。

白鳥の子は思います。


この身体が、もう少し、茶色だったら。

この身体が、もう少し、小さかったら。

この身体が、もう少しだけ。

そうしたら、兄弟達は僕の事、

仲間に入れてくれた?

そうしたら、お母さんにもお父さんにも

笑顔を見せてもらえたの?


思いながら、自分の羽根を毟って行くのです。

この白い羽根の下からはきっと、

皆と同じ茶色の羽根が。

そうしたら、僕は。


毟っても、毟っても

白鳥の子の毛は白いままでした。

その内に、無理矢理毟った皮膚が切れて

白い羽根がどんどん赤く染まりました。

白鳥は紅鳥になりました。

綺麗な紅鳥に成った白鳥の子は、

其処で息絶えてしまいました。

それでもやっぱり、兄弟達は言うのです。

「変なの、変なの!! こいつの身体、紅色だ!!」



もし、白鳥の子が、白鳥の仲間に会えていたとしたら。






2003年01月16日(木) 闇に隠れて生きる。


醜い家鴨の仔の様に。

世間を逆恨みして生きれれば

もっと人生楽だった。

世の中をわかっていないのは

私の方だったのに。




2003年01月15日(水) おもいやり。


あるところに、

星を食べるカイブツがいました。

またあるところに、

雲を食べるカイブツがいました。

二人はともだちどうしでした。

星を食べるカイブツが聞きます。

『雲の味はどんなふうだい?』

雲を食べるカイブツは答えます。

『そうだなぁ、ふわっとしててじんわり心に沁みる甘さだよ。』

星を食べるカイブツが言います。

『わたあめ、みたいなカンジかい?』

雲を食べるカイブツは頷きます。

『うん、きっとそんな感じだね。僕は雲しか食べた事がないけれど。』

そして、今度は雲を食べるカイブツは尋ねます。

『ところで、星の味はどんなふうだい?』

星を食べるカイブツは答えます。

『そうだなぁ、舌の上でぱちんと割れてほのぼのできる甘さだよ。』

雲を食べるカイブツが言います。

『こんぺいとう、みたいなカンジかい?』

星を食べるカイブツは頷きます。

『うん、きっとそんな感じさ。僕は星しか食べないけれど。』

雲を食べるカイブツは言いました。

『一度、星を食べてみたいなぁ。』

星を食べるカイブツも言いました。

『僕は一度、雲を食べてみたいよ。』

雲を食べるカイブツはにっこりと笑いました。

『じゃあ、取り替えて食べてみればいいのさ。』

星を食べるカイブツもにっこりと笑いました。

『そうだね、そうしよう。そら、星だよ。』

星を食べるカイブツは、雲を食べるカイブツの手に

星をさらさら落します。

『ありがとう。そら、雲だ。』

雲を食べるカイブツは、星を食べるカイブツの手に

ふわんふわんと雲を乗せます。

どちらからともなく、二人は言いました。

『いただこうか。』


・・・ぱくん。


雲を食べるカイブツは言います。

『・・・おいしいなぁ。』

星を食べるカイブツも言います。

『・・・おいしいねぇ。』

二人は顔を見合わせて、にっこり笑いました。


二人はお互いに、嘘をつきました。

本当の事を言ったら、

きっと相手がかなしむと思ったからです。


おいしいはずがありません。

ホントウは、雲も星も、味なんてないのですから。



2003年01月14日(火) そばにいること。


当たり前になってしまった、

アナタのそばに、いるということ。

当たり前になってしまった、

アナタのそばにいないということ。

触れる体温が全てなのだとしたら、

アナタとワタシの関係は、

どうなのだろう。


・・・離れているということ。




2003年01月13日(月) 女郎蜘蛛と蝶二匹。


樹齢五百年と六百年の間に

女郎蜘蛛は巣を作った。

大きな、大きな蜘蛛の巣だった。

朝露に濡れて雫が光ると

大きな一枚の絵に見えた。

ある日、ちょうちょがひっかかる。

食べ物だった。

蝶は泣きながら思うのである。

おとうさん、おかあさん、さようなら、と。

しかし、女郎蜘蛛は食べようとしない。

数日後、もう一匹ちょうちょがひっかかる。

前にかかった蝶は言う。

きっと私たち、食べられてしまうわ、と。

後にかかった蝶も言う。

まだしたい事は沢山在ったのに、と。

気付くと女郎蜘蛛が傍に居た。

怖さに竦んで声も出ない二匹に、

女郎蜘蛛は醜悪な笑顔を曝して言うのである。


『いらっしゃい、私の家へ。 私、お友達が欲しかったの。』



女郎蜘蛛と、蝶二匹。




2003年01月12日(日) インストール。


アナタが体を失って

思考だけが私の中に残される。

組み込まれたプログラムは

ヴァージョンアップの時を待ち

タイミングを見計らっては

起動して行く。




2003年01月11日(土) すこし。


ほんのすこし。

泣いてみても良いかもしれない。

アナタを想って。

そう、ほんのすこしだけ。



2003年01月10日(金) 溺れて、溺れて。


見えなくなってしまう。

水中から水面を見るように。

アナタの顔が歪んで見える。

真実だけを錘に

沈んでゆく私が見えた。





2003年01月09日(木) こっち向いて。


名前を呼ぶと

嬉しそうに振り向いて

耳たぶを

そっと舐めるのです。

・・・もう、愛してます。




2003年01月08日(水) お疲れ様。


長い間の患いも、

終わりです。

どうぞ、お疲れの出ませんよう・・・。




2003年01月07日(火) 月命日。


1ヶ月が経ちました。

そっちは過ごしやすいですか。

こっちはとても寒いです。

毎日雪です。

オトウサン。




2003年01月06日(月) 中指。


心の奥に触れてくる

とても痛い、中指。




2003年01月05日(日) デジタルで感じて。


全て数値に変わればいいのに。

目に見えて

『ワタシ』を感じて貰えるのに。

体温以外で示せる、

ワタシのリアル。




2003年01月04日(土) 会いに行こう。


海でも

山でも

空でも

陸でも。

何処にだってアナタに会いに行こう。

雑踏に紛れた街中でだって

イチバンに見付けてみせるんだから。




2003年01月03日(金) 春の宵の夢。


甘酒が

着物の合わせ目から

心に染み込んで

頬を染め上げて

舌を紅く熟させる。

食べて、食べて。

ワタシヲタベテ。




2003年01月02日(木) キータイプ。


ついつい

『2002』

って打ってしまうのは

貴方を想うが故ですか?

答えを下さい。




2003年01月01日(水) アナタ色のない年。


全てを引きずってた去年が終って

今年が始まって

其処に

貴方は居なくて

これからの私達だけが在る。

今年は一年、

いい年になるといい。

そう、貴方が居た去年のように。



 既知  置場  未知


本田りんご

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