１８きっぷの余りを売りに、名古屋駅へ。金山にもチケットセンターはあるが、どうせならデパートとかをちょっと覗きたいと思ったので名古屋まで行った。どっちへ行くにしろ、交通費は変わらないし。
エスカの方にあるチケットセンターで売った後、地下鉄名古屋駅の改札からメルサへ続く地下街にある映画チケット屋を覗く。すると、今頃「ロスト・イン・トランスレーション」の前売りを売っていた。変に思ってよく見てみたら、券に印刷されている映画館がキノシタホールとなっていて、「上映中」というポップが輪ゴムでくくりつけられていた。そうか、キノシタホールって一旦上映が終わった作品をかけたりするものな。「ロスト」もここでまたやっているってわけだ。以前にゴールド劇場の前売り券を二枚買って、そのうち見に行くつもりにしていたんだけど、結局、原稿に追われるばかりで一回も行けなかったんだよな･･･。冬にＤＶＤを買うとはいえ、もう一回劇場で見たいので一枚買った。まあ、キノシタホールなんて１００席かそこらのミニシアターだから、そうそう浸れるもんじゃないけど。
メルサのヤマギワや本屋、近鉄のタワーレコードをぶらぶらする。タワーレコードでは、アメリカ版プレミアを立ち読み。おお、ここにもすでに「ザ・ライフ・アクアティック」のことが出ている。来月にはさらにいろいろ出るかもしれない。
それからカメラのアマノで安売りのＤＶＤ−Ｒ五枚パックを買う。そうやってなんだかんだ歩き回っているうちに喉が渇いた。ああクリームソーダが欲しい･･･。季節に関係なく好きだが、夏になるととにかくこいつが発作的に欲しくなる。微妙に安いとこを探してさらに歩き（たかが何十円の違いだろうに。そもそも本やＣＤなんて例え一冊一枚でもクリームソーダ何個分だと思っているのか）、やがて地下街にある一軒の喫茶店に入る。
家に帰って新聞でキノシタホールの上映情報を調べてみると、なんと９月３日まで。つまり今週金曜で最終回なのだ。うおう、これは木曜日のレディースデイに何としても行くぞ。
| 2004年08月26日(木) |
ロストのＤＶＤが出るってね |
先日２４日、アマゾンから「ロスト・イン・トランスレーション」のＤＶＤの発売日が決まりました、１２月３日です、という内容のメールが届いたので、早速予約したのだが（そうだよ買うよ悪いかよ）、このＤＶＤの発売についてのニュースがヤフーのコンピューターニュースにも出ていた。こっちにはＤＶＤにつく特典なども詳しく紹介されていた。で、仕様はというと。
・音声は英語（ドルビーデジタル、５．１ｃｈ、ＤＴＳ）と日本語（ドルビーデジタルステレオ）。字幕は日本語、日本語吹替え用。
・映像特典は約３０分のメイキングと、主人公のボブ（ビル・マーレー）が映画内で出演した「Ｍａｔｔｈｅｗ'ｓ Ｂｅｓｔ Ｈｉｔ ＴＶ」のノーカット版。他にミュージックビデオや、ビルとソフィアの対談も。
だ、そうだ。ふーん、東北新社のＤＶＤってタキ・コーポレーションがいつも発売しているけど（卒業とかヴァージン・スーサイズとか）、個人的な印象として、値段がいつも微妙に高くて、特典とかもあんまりついてなくて、品切れになってもあんまり再販しないって思ってて、よくなかったんだけど、今回はいろいろたくさんついているじゃん。ま、あれだけヒットしたんならこのくらい当然っちゃ当然だけど。
気になるのは吹替えかな。キャスティングが気になるのはもちろんなのだが、それ以前の問題として、言葉が通じないということが大きく占めるこの作品に吹替えをつけるのって、なんか無神経な気がするんだが。特に日本人と会話するシーンが不自然になっちゃうじゃないか。まあいいんだけど。
夜中にネットをうろうろしていたら、ふと、「ザ・ライフ・アクアティック」の予告編を発見。おお、ついに完成か？ 気になってＩＭＤｂへとんだら、はたして「ｃｏｍｐｌｅｔｅｄ」の表示が。うわーい、嬉しい〜！ ちなみにあちらでの公開タイトルは「ザ・ライフ・アクアティック・ウィズ・スティーブ・ジッソー」。あちらでの公開はクリスマスシーズンになるらしい。てことは日本では来年だな。いつ頃になるやら。でもこの映画はまあまあ大きな規模の映画だから、「ロスト・イン・トランスレーション」ほどにはタイムラグはないだろうと思うのだが。
「ザ・ライフ・アクアティック」に関しては、今年１月５日の日記以来、散々楽しみだなんだとわめいてきたので、いい加減読んでる方も耳タコだろうが、ああ、やっぱり楽しみだよ〜。「ロスト」より純粋に楽しみ。主演がビルであるからと言うのはもちろんだが、やっぱり監督がウェス・アンダーソンであるということが大きい。思えばウェス君が若手注目度ナンバーワン監督となれたのも、ビルの演技が批評家に認められるようになったのも、全てはこの二人が組んだ「天才マックスの世界」が始まりだったのだ。あの時ビルは脇役だったけど、今度は主役。完璧に主役。それでいてお話の幹はいつも通りのウェス・アンダーソンらしいものだ。つまり、どうしようもない親父と、その親父に似ているようでわずかな部分が完璧に違う息子が仲良く喧嘩する話だ。ちなみに今回の息子役はテキサス大学時代からのウェス君の盟友、オーウェン・ウィルソン。最近では「シャンハイ・ヌーン」でジャッキー・チェンと組んだりしているあのオーウェン・ウィルソンだ。ビルと共にさぞかししょーもない争いを繰り広げてくれるものと期待しているぞ。
ＢＳ２でやっていた「さらば冬のかもめ」をＨＤＤに録画しておいたのだが、まだ見ていなかったので見る。お話自体は期待したほどでなし。しかし、内容とは別の所でびっくりしたのが、エキストラだった。映画のちょうど中盤辺りでジャック・ニコルソンとランディ・クエイドが法華経を唱えているヒッピーたちの中に入っていくのだが、そのヒッピーの中にギルダ・ラドナーがいたのだ。エキストラとは言ってもちゃんとセリフもあったので、カメオ出演と言った方がいいかもしれん。映画公開が７３年となっているから、まだセカンド・シティに入ったばっかりの頃だ。その前にトロントで「ゴッドスペル」に出演しているとはいえ、アメリカの映画でセリフつきで出られるなんてちょっと凄いかも。
| 2004年08月16日(月) |
帰ってきたよ／旅は道連れ、世は萌え話 |
みなさん！ 九月にスーパーチャンネルでＳＮＬをやるんですってよ！ しーかーもーっ、＃１から！ スパチャンの放送を＃５２かそこらからしかみていない私にとってこんなに嬉しいことはないです！ 神様、私は光を見ました！
えっと、のっけからすみません。ただいまオン書きです。１４日に当方のスペースへご足労下さり、拙作をお買い上げ下さった皆様、ありがとうございました。
本日青春１８きっぷで旅すること約六時間、夜の７時頃、おかげさまで自宅に帰って参りました。せめて過去数日分の日記ぐらいはアップしたいところですが、それよりも１８日締め切り（消印有効）の冬コミ申込書を書いて投函することの方が先決なので、ご勘弁を。
と、その前に。
今回の新刊である「Ｔｈｅ Ｗｉｌｄ ａｎｄ Ｃｒａｚｙ Ｇｕｙｓ」をお読み下さった皆々様、すでにこの本のとんでもない誤植の多さに怒るを通り越して呆れ返っていらっしゃることと思います。本当にごめんなさい。詳しい言い訳もとい、原因は７月３１日の日記にある通りでございます。しかしどちらにしても私の不注意です。ちなみに二日がかりで新たに打ち直した部分は、本で言うと１４ｐと２０ｐ、それと４３ｐ〜７３ｐの部分です。ええ、この部分の文章が特にミスが目立ってますね（遠い目）。ごめんなさいぃぃ〜〜。
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今日はひたすらゆっくり寝て、電車に乗るのは３時か４時頃にしよう、と思っていたのに、妹が朝普通に起きたのにつられて私も結構早めに起きてしまった。と言っても目が覚めてからも布団の中でしばらくごそごそしていたので、ちゃんと起きたのは１０時半頃だったが。今日はもう泊まらないので、布団をクローゼットの上に戻す。
思ったより早く起きたのでひたすらだらだらと支度。ごはんは新宿で食べることにして、飲まず食わずのままアパートを出る。新宿駅にある京王のデパートのレストラン街でカニ炒飯をお腹に入れる。お腹はすいていたのだが、食べる元気が今いち足りず、あんまりおいしくは戴けなかった。うーん、こういう所がやっぱ夏だな。食べた後、その場で時刻表を片手に帰りの行程表を作る。東京１２時３３分発で快速列車が出ていたので、これを取っ掛かりに後の路線を組み立てた。
中央線快速で東京駅に行き、東海道線の熱海行き快速列車に乗る。タイミングよくホームに並んでいたおかげで、余裕で座れた。しかし、残念ながら飲み物を買うタイミングは逃してしまった。ああ水が飲みてー、と思いながらひたすら電車に揺られる。忘れる前に、と、母に「夜の７時頃帰る。ごはんは自分で適当に食べる」とメールを送る。
それにしても祭りが終わった後の疲れだろうか、喉の渇き以上に脱力感が激しい。もう指一本動かしたくねえ･･･。ああ、こんなんで名古屋までこの重たいカートを手に帰れるのか不安だ。
そうしてどこを過ぎた辺りからだろうか、パックツアーの帰りと思える五十代そこらのおばさま三人連れが私の席近くに座った。旦那がそこそこ金持ちなのだろうか、声の調子に濁点が少なく、話し方も柔らかい。おばさまたちは最初のうちは「今度は〜へ行きましょうよ」とか、「〜の･･･って、とってもいいそうなのよ」とか、ごく普通に旅絡みの話をし合っていたのだが、途中から韓ドラの話になった。どうも、おばさまの一人が例のヨン様にご執心らしい（別の三人は全くノータッチのようだった）。と言っても、このおばさまが確かに韓ドラのヨン様の話をしていたかどうかは定かではない。なぜなら、固有名詞をただの一度も口にしなかったからだ。公共の場で固有名詞を出すことに恥じらいを覚えるという辺り、やっぱりこのおばさまたちはおハイソなのだなあ、と思った。しかし、こういうのはどう隠そうが、本人の話し振りによって、何のことを言っているのか結局は分かってしまうものなのだよな。
「テレビでやっている吹替えなんかだめよ、あんな変な声。やっぱり字幕よ」
「もうね、作品によって本当に変わっちゃうのよ。ドラマとこの間の映画だって、全然違っていたもの」
「歌とかはやらないのよね。下手だもの。そんな何でもやるような人じゃないの」
と、おばさま、興味のない他の三人相手に語る語る（ただし、どこまでいっても口調は上品だ）。このおばさまの萌えパワーを真横で受けている間に何となく元気が出てきてしまった私であった。
熱海駅で一旦乗り換え。と言っても、ここから浜松までの電車は三両編成の普通列車しか通っていないみたいだ。ホームに下りた途端、浜松行きの２時１４分発の列車は人で一杯になった。私の方は売店へ直行してペットボトルのお茶を買い、すぐに蓋を開けた。どっちにしてもこの駅で列車一個分見送って、次の３７分発が来るまでの間にトイレに行ったりお茶を飲んだりするつもりだったので、そのままお茶をがぶがぶやりながら満杯の電車を見送った。三両のうち、トイレがついているのは先頭の一両だった。よし、次の電車は先頭に乗らなきゃね。
それにしても熱海はまわりが山ばかりなだけあって空気がおいしいなあ、と思いながら十数分の間、山の空気を満喫する。･･･ああもう何年もハイキング行ってないなあ。それもこれも、金と時間を全て（以下略）。
熱海・浜松間はトイレ横の席に座ることができ、気楽なものだった（繁忙期の在来線は人が多すぎて自分の席からトイレまで辿り着けないことが多いのだ）。次の浜松・豊橋間は出発駅からの発車ではあったが、すでに乗客で一杯で一回も座れなかった。まあ、４０分かそこらの間のことなので平気だったが、弁天島の辺りで競艇帰りのおっさんたちがどっと乗り込んできて、そっちの方がちょっと参った。
豊橋駅での乗り換えは、階段の上り下りがちょっときつかったが、電車には楽に座ることができ、金山までのんびりと過ごした。ちょっとお腹がすいてきたので、名古屋駅まで行ってホームできしめんでも食べようかなとも思ったが、まあ、家に帰ってから自分でうどん作って食べりゃいいか、と思い、そのまま金山で降りた。祭りの帰りに金山総合駅を荷物抱えて通る度に、いくらかしんみりとするものだが、今年の夏は新刊執筆末期の疲れと、東京本番での疲れによるダブルパンチで、なんかこう、センチになるだけのゆとりというものが全くなく、今の頭の中にはうどんのことしかなかった。
自宅には７時ちょい前くらいに着いた。冷蔵庫を開けると、タイミングよく刻んだネギがしまってあったので、早速冷凍庫にある冷凍うどんを茹でて食べた。油揚げとほうれん草があったらもっとよかったが、まあ、いいや。
名古屋と違って東京はうどんをやってる店が少ない。だから、「お腹はすいているけど脂っこいものは食べたくない」と思っている場合、本当に困っちゃうのだ。蕎麦屋ならいくらでもあるけど、私は蕎麦アレルギーだからなー。ああ、それにしてもうどんがうまいぜ（結局、二玉も食べてしまった）。食べている間にクロネコから祭りの荷物が届いた。この時、両親が出かけて家にいなかったのは幸いであった。ちょっとでも在庫を見られると、何を言われるか分かったもんじゃない（苦笑）。
疲れてんだからそのまんますぐ寝ちゃってもよかったのだが、今日は月曜日だからＢＳ２の「ＥＲ �宗廚鮓�ないといけない。いや、ついこの間までＥＲなんてごくたまにしか見ていなかったのだが、この第九シーズンからは、ほぼ毎週欠かさず見ている。前の「�次廖腹��擦世辰燭�もしれん）から登場しているクロアチア出身のルカ・コバッチュ先生目当てだ。
ＥＲに出てくるドクターは誰彼、アル中だったりノイローゼ気味だったり、家族に厄介な人がいたりして、みんなそれぞれ重いものを抱えているのだが、コバッチュ先生の抱えているものは、他のドクターたちと比べてちょっと特殊だ。彼はクロアチアで医者をしながら、妻と幼い子供二人と共に暮らしていたのだが、紛争によって家族を失った。その後シカゴのカウンティ総合病院にやって来て、今に至っている（どういう経緯で来たのかはその頃の本編を見ていないので分からない）。�爾��擦硫刃談椶�の頃だろうか、たまたま見た回で、ルカは患者の一人である余命幾許もない老いた神父（ルカはクロアチア人なのでカソリック）に告解の秘跡を乞う。ルカは故国で犯した「罪」を告白する。
空爆の中、ルカがやっとの思いで家に辺り辿り着くと、辺り一面瓦礫の山で、至る所に死体と重傷者が横たわっていた。ルカの妻と子供たちもその中にいた。幼い子供たちのうち一人は瓦礫の下敷きになってすでに死んでいた。妻はまだ意識があったが、腹部に重傷を負っており、危険な状態だった。子供たちのうちもう一人の方は、何とも言えない状態だった。娘はすでに心停止していたが、心臓マッサージをすれば、蘇生するかもしれない。しかし、妻の方も一刻も早く病院へ運ばなければ確実に死んでしまう。冷酷な選択が必要だった。しかしルカにはそれができなかった。ルカは苦しいうめき声を上げる妻の声をそばで聞きながら、動かぬ娘に心臓マッサージをし続けた。そして、結局どちらも助けられなかった。
「あの時、娘の方を諦めて妻を抱えて病院に運ぶという判断をしていたら、妻だけでも助かったかもしれなかったんです･･･」
涙をこぼしながらベッドの下で跪くルカの頭に、老神父の手が被さる。
「父と子と聖霊との御名によって、あなたの罪を赦します･･･」
その後、まもなくこの老神父は息を引き取ったのだった。
何の気負いもなしに見たせいもあって、もう泣けた泣けた。その後、ルカ先生目当てでＥＲを見るようになったのだった。で、この話の後もルカ・コバッチュはカウンティ病院のＥＲで懸命に働いているのだが、戦争はなくともアメリカの都会には命を粗末にする者が後を絶たない。で、最近のルカ先生は自分が医者である意味を見失って、現在では相当に心を蝕まれていらっしゃる状態である。
（ここから先最後まで、地上波でＥＲを見ている人はネタバレになるので読まないのをおすすめする）
一番最近じゃ、セックス依存症になってしまい（誰もいない病室に患者の母親を連れ込んじゃったりするのだ）、ある患者に医療ミスも犯してしまった。まったくもって目が離せないルカ先生なのであった。･･･ああもうっ、好み、好みよ、こういうキャラ！
で、今週なのだが、この日は山の中で交通事故を起こした中年男性が、運ばれてきた。男性は助けを求めて大きな道路に辿り着いたものの、その場で倒れてしまい、しばらくたってから近くを通った車に発見されたという。
「子供たちがまだ車の中にいるんです！ どうか警察を呼んで助けて下さい！」
治療しているルカ先生、それを聞いてもう目がマジ。ああ、自分のトラウマ思い出して思いっきりこの患者にシンクロしちゃってるよ、ルカ先生･･･。当然、警察を呼んで捜索を要請。それからしばらくたって警察が報告をしに来るのだが、「探したが何も見つからなかった」との返事。もちろん、ルカ先生はそんなんで引き下がりはしない。
「そんなはずはない。この人は確かにそこで事故にあったと言っているんです。犬は使ったんですか？」
どうも事態が噛み合わず、警察の方は困惑する。しかし、やがて病院にやってきた男性の妻により、彼が精神病にかかっていることを知る。事故にあったのは本当だったが、彼には子供など最初からいないのだ。呆然とするルカ先生。というわけで今日もかわいそうなルカ先生であった。
予告。ああ、カーター君のお婆ちゃんがとうとう亡くなるのか。お婆ちゃんの前で涙に暮れるカーター君を見ているだけでなんだか泣けてきちゃったよ。
疲れでぼーっとしながら、洗濯物をかごに入れ、バッグを適当に片付けて、あとは歯を磨いてお風呂に入って就寝。
お昼前に起きる。妹は部活・バイト共にオフなので、一緒にお昼ご飯を食べに行こうということになった。もともと名古屋を出る時に母から、「あんたら二人で何か食べてきな」と、資金は貰っていた。と、妹に話すと、
「じゃ、叙々苑がいい」
などと、当然のように抜かしやがった。殴ったろか。
「たーけ、そんなに貰っとらんわ！ どこでもええでまあちと安いとこにして」
そんなら、と、妹はわりと近所にあるという、イタリア料理店の名前を出した。店の感じを語る妹の話を聞くにつけ、旨そうに思えたので私も、じゃそこにしよう、と賛成。ただ、今だとお盆だから閉まっているかも、と、妹が用心のためにそのお店に電話をすると、営業はしているが、混んでいるので今から来るなら予約が必要とのこと。我々の支度時間を考えて、じゃ２時半でお願いします、と予約を入れた。
なんだかんだで予約時間ぴったりにそのイタリア料理店、食楽人工房（くらふとこうぼう）に到着。サラダは生ハムのサラダと、トマトとモツァレラのサラダをそれぞれ一つずつ、ピザは妹おすすめのビスマルク、パスタはトマトソースとホワイトソースをそれぞれ一品ずつ頼んだ。それと、私の方はグラスワインの赤を一つ頼んだ。お店の人が、通常のグラスワインとは別に、本日おすすめのグラスワインというのをすすめてきたので、折角だし、とそっちにしてもらった。
最初にサラダが出てきたのだが、もうこれからして旨いのなんの。生ハムって、店によってやけに分厚かったり妙にしょっぱかったりするんだけど、ここのはカンナ屑のように薄い上、変な塩辛さも一切なく、ハムそのものの旨味と、それに相性ぴったりのドレッシングの味だけ。レタスも新鮮。一緒に出された本日おすすめのグラスワインがこれまたおいしい。常温で出してくれるっていう所も嬉しかったんだけど、ワインの味そのものがイケる。変な苦味とか全然ないし、もちろん生ハムとか料理にも凄く合う。
次に来たのがビスマルクっていうピザで、ハムとトマトがのってて、ピザの真ん中に半熟の卵がのっかっているというもの（切る前にこの卵をピザの上で掻き回す）。初めて食べたんだが、これがもう大層旨く･･･。て、もう段々描写に疲れてきたので以下省略。この後パスタとデザートを食べた。食休みも兼ねて何やかやと喋りながら長居しているうちに時計を見ると４時半。お腹も少し楽になったので、そのまま店を出た。
今日もまた６時集合を目安に、有楽町で昨日とほぼ同じ面子で飲み食いする予定なのだが、その前に渋谷のまんだらけに行っておきたかったので、渋谷へ。妹も渋谷のパルコに行きたい、ということで二人で京王線に乗り、途中で井の頭線に乗り換えて渋谷駅で降りた。だらけに行く途中のショップで三足千円のチビ靴下を買ったりしつつ、西武ビル方面へ向かった。西武のＡ館とＢ館の間にある横断歩道の所で妹とはお別れ。私はまんだらけで女性向け同人誌をひたすら漁った。
買い終えた頃にはすでに６時前になっていた。結局有楽町の某店に着いたのは７時前。皆さんの方はすでに始まっていた。後から来た人のためにもう一回乾杯して、そっから先は昨日と同じ楽しい毒話（ボカ〜ン）。ちなみにお腹の方はやっぱりと言うか何と言うか全然すいてなくて、つきだしをつまんだだけでもう満腹になってしまった。
この日は日曜日だったせいもあっていつもより追い出され時間が早く、１０時前には店を出た。次の場所として、以前Ｍさんと一緒に入ったガード下の喫茶店に行ったが、ここも以前は深夜までやっていたのに、この日はもう閉店間際になっていた。結局、パチンコ屋の隣にあったセルフサービスの喫茶店に入った。
電車の時間がそろそろやばそうだったので、１１時頃に退席。同じ方面てことで他三人と共にＪＲへ。で、東京から先は新宿まで、中央線で他お二人さんと一緒に帰ったのだが。東京駅にある中央線ホームへの長いエスカレーターに乗っている間に、最後の快速が行ってしまった。やな予感がして時計を見ると、中央線の普通電車の速度で新宿に着く頃には京王線の電車は桜上水止まりしかなくなってしまう時間帯･･･か、どうかは知らないが、前にこんな感じの時間帯でお開きした後、京王線に乗ったらすでに桜上水止まりしかなかったことがあったのだ。それも二回（ボカ〜ン）。一回目の時はまだ失業して間もなかったのでタクシーに乗って帰ったんだが、二回目ん時は歩いて帰ったんだよな･･･。いや歩くこと自体はどうってことないんだけど、今回の場合、サンダルであちこち歩き回ったせいでもう足の痛みがピーク。とても長距離は無理だ。となるとタクシーかあ。Ｍさんの方が気ぃ使ってくれて、「よかったらウチに泊まる？」とまで言ってくれたんだが･･･。この時、「ぐふふ、Ｍさんの過去同人誌を漁れるかも」とか野望を抱いていたのは内緒だ（ボカ〜ン）。
やがて新宿駅到着。ちょっとブルーな気分で京王線の電車に乗り込むと、なんと、目的駅まで余裕で行ってくれる電車だった。どうなっているんだろうと思い、目的駅に着いてからそこの時刻表を眺めた。･･･そうか、分かった。以前乗り遅れたのは、新宿駅で京王線じゃなくて間違えて「京王新線」に乗っちゃったからなんだ。どっちもほとんど同じ駅に停まるんだけど、京王新線の方が停まる駅がちょこっとだけ多いのだ。だから、京王線ならまだ何とかセーフの時間でも、うっかり京王新線のに乗っちゃったりすると、遠回りな分だけこっちはちょっとだけ終わりが早いから、アウトになってしまうのだ。うーん、つまり前回も前々回も京王新線のホームに行かなきゃギリギリセーフだったはずなんだな･･･。ちぇっ。てゆか紛らわしい路線を作るなよ。
目が覚めると６時半。一時間寝坊。ああ、やっぱり起きられなかったか（ボカ〜ン）。取り敢えず超特急で支度してアパートを出る。駅へ行く途中にあるコンビニであんぱんとカロリーメイトとジュースを買う。新宿駅に着く頃にはすでに８時。ちなみに今回はゆりかもめではなく、りんかい線を利用するつもりだった。しかしりんかい線は早い時刻をちょっとでも過ぎると、パンク状態になって、国際展示場前駅から脱出すること自体が難しくなってしまう。その上、駅を出たら出たで、ビッグサイト入口まで長蛇の列がのっそりと続くのだ･･･、ということはこれまで友人やまんレポから散々学んでいたはずなのだが、身をもって経験したことがないというのは恐ろしいもので、私はそのままりんかい線に乗ってしまったのであった。
で。はたして駅で降りてから地獄を見ましたわな（ボカ〜ン）。入場できたのはぎりぎり９時。まあ、ペナルティにならなかっただけよかったとするべきかね。これもきっと、昨夜道端で引っ繰り返ってもがいていたカナブンを起こしてあげたご利益であろう。
まあ、今回はこうなってしまったが、新宿から乗れる分、りんかい線はゆりかもめに比べると距離的に遥かにお得なので、以後は時間帯に注意して使うことにしよう。
スペースに着くと、でっかい段ボール箱が二つ、ちゃんと机の下にあった。ああよかった。隣のサークルさんに聞くと、見本誌提出のスタッフはもう行っちゃったとのことなので、受付の方へ直接、参加登録と見本誌提出をしに行った。提出を終えてひとまず安心して、スペースであんぱんとジュースで朝食。しかし一日ジュース一本ではどう考えても水分が足りなくなりそうなので、売店でペットボトルのお茶を買う。それから一通り準備が終わった後は、入場開始時刻まで本の奥付に修正のシールを貼る。入稿が終わった後で気がついたのだが、奥付にミスがあったのだ。まあ、間違い箇所はここ以外にも腐るほどあるこの新刊だが（涙）、さすがにここだけはイカンということで。
ちなみに今日着ているＴシャツはＭｒ．Ｂｉｌｌ（オレンジ色のＳサイズ）。これはＭさんに教えてもらったんだが、ＨＭＶの通販で売っているのだ。でも、原作者のウォルター・ウィリアムスに使用料が払われているかどうかは謎（ボカ〜ン）。
１０時、拍手と共にお祭り開始。ところで今回新刊が７００円だったのだが、見事に１００円玉の数を甘く見ていたおかげで、途中で足りなくなってしまい、隣のＳＧ−１サークルさんに両替してもらってしまった（本当にありがとうございました。そしてごめんなさい）。
それやこれやで時刻は昼の一時半前。そろそろ西館にお買い物しに行きたいなあ、と思い、西にいるＭさんに電話するとまだそっちにいるとのことなので、私から西館へ行くという風にお伝えした。お客さんが切れた所でひとまず場所を畳み、スペースには「ＢＡＣＫ ＩＮ ５ＭＩＮＵＴＥＳ」と書いた紙を置いて、出発。本を全部箱にしまい終わった頃にお客さんが一人いらっしゃったのだが、「ごめんなさいぃ〜、すぐ戻りますから･･･」と言いつつそのまま出発（汗）。はっと思い出し、一応忘れないうちに、と、次回申し込み用紙を買って西へ向かった。
その後、異臭つきスチームボーイズを乗り越え（って、私もその一人なんだが）、途中車椅子に後ろから足を度突かれ（足が悪いわけでもないのに、コスプレで車椅子に乗るんじゃねえ！）たりなどしながら、ようやく到着。
ここ最近００９は新規開拓していない。今日もＭさんとことか昔から買っているサークルさんの本しか買わなかった。没ゼロ以降のサークルなんて二つしか買っていないよ。うーむ寂しい･･･。もっといろいろ見回りたいけど、お金がねえ。他、「あしたのジョー」サークルをまわって再び東館方向へ。
東館へ入る途中で、委託コーナーへ寄った。お仲間の旅行本目当てで初めてこのコーナーへ行ったんだが、いやはや、暑苦しいビッグサイトの中でここだけは別世界である。コーナーの入口付近は床が絨毯になっていて、まるでシティホテルのロビーみたい（つっても中にいる人間はまあ、私も含めて汗で薄汚れたヲタクばかりなんだが）。クーラーもばっちり効いていて熱風や湿気はゼロ。中はさすがに人ごみのせいでちょっと窮屈な感じだが、他のスペースに比べればクールなもの。ずっとここにいたいくらいだったが、すでに東西の往復でかなり時間をとられているので、あんまり悠長にはしていられない。目当ての旅行本を買った後はさっさと出て東館に向かう。自スペへ戻る前に、これだけは、と、東館で「十二国記」の本を一冊買う。「十二国記」は大好きなんだけど、最近買っているサークルは今日買ったここの本のサークルさんだけ。もっと発掘したいけどお金（以下略）。今回ここは別サークルさんでの委託販売のみだったので、単純に本を買っただけになってしまい、作家さん本人の顔も見られなかったが、このサークルさん、最近活動がまばらなので新刊を買えるだけでも嬉しい。
他にヤマトの送り状をもらってきて、２時半過ぎにスペースに戻った。すると、先ほどのお客さんが机の前にいらっしゃっていた（うぎゃあ、すみませんっ）。急いで在庫とお釣りを取り出すと、お客さんから「じゃあ五千ドルで」（←映画見ている人なら分かりますね？）と言われた。ああ、こういうやり取りができるなんてシアワセ〜。このお客様のみならず、今回は比較的お客さんとコミュニケーションできて楽しかった。そう言えば、一人で三冊（四冊？）買ってくれた方もいたっけか。ありがとうございました！ ぐふふ、この本が伝染病のように広まってくれると嬉しいわ。
３時半を過ぎるとさすがにまわりも閑散としてきたので、こちらも撤収を開始。今日の戦利品やら何やら、できるだけ詰め込む。それにしてもさすが、上質９０キロで１００ｐの本。魂振り絞るくらいに全力を出さないと、私の力ではカートに載せることすらできない。片付けている間に４時になり、閉会の挨拶が。でもいつものジャンルと違うせいだろうか、なんかあんまり実感が湧かなかった（いや、単に暑さで参ってセンチになっているゆとりがなかっただけだって）。
ギシギシ音を立てながら、ヤマトの受付へ。たくさん並んでいたが、去年の大雨夏コミで屋内に長時間並ばされて発送した時のことを思えば実にスムーズだった。荷物はあらかじめ全部持ってきていたので、そのままお仲間たちのいる西館へ向かった。こっちの皆さんもすでに発送を終えていたようで、そのまますんなりとゆりかもめへ向かった。通常ならこの時間はもういい加減帰りのラッシュも過ぎている頃なのだが、今日は花火大会と重なっていたせいで、改札の前にも人がとぐろを巻いていた。しかしタイミングがよかったおかげで車内で座れた。
打ち上げは毎年恒例、有楽町の某居酒屋。お疲れの乾杯の後は楽しいヨゴレ話をしまくった。しかし今回ごはんはいつもに比べるとあんまし食べられなかった。年と暑さのせいかねえ。お茶漬けばっかり二杯も食べてしもうたよ。飲み会は１１時前にお開き。
妹の所に帰ってから、在庫から一冊抜いてきた自分の本を読む。想像していた以上に誤字や脱字、謎の文法が飛び交っていて憂鬱な気持ちになる。むう、こんなことならあともう一日延滞して見直すべきだっただろうか･･･。いや、あの時の私にはそんな体力も根性も残っていなかったさ（涙）！ 口直しに昨夜と同じく「ブラック・ジャックによろしく」を読んで寝る。
結局、一晩中目を瞑っていただけで一睡もしないまま、朝の５時４７分、東京に到着。そのまま荷物を引いて中央線に乗り、６時半頃に妹のアパートに着いた。鍵をあけてもドアが動かないので、ピンポンを鳴らした。ドアの向こうから妹がベッドから降りる音が聞こえたのだが、間の悪いことに妹が出る前にドアが開いてしまった。ドアを開けると、凄い顔をした妹がいた。ごめんよ、無駄に起こしちゃったよ（この後も私が朝食を食べたり、荷物をがさごそやったりしていたおかげで妹はすっかり眠りを妨害されていた。すまぬ）。
朝食にまたもやインスタントラーメンを食べた後（なんか無性に食べたかったのだ）、妹と一緒に朝のテレビを見ながら顔を洗って化粧をし、髪を整え、８時半頃、またアパートを出て東京駅へ向かった。
東京都現代美術館に行くのにはいろいろルートがあるのだが、一番歩かなくて済むのがいいな、と、東京駅から美術館前まで約３０分かけてバスで行くルートを選んだ。ただこのバス、３０分に一本くらいしか出ない。目標としては９時半のバスに乗って、１０時の開館時刻ぴったりに入るはずだったのだが、ちょっと読みが甘くて９時半のバスには間に合わなかった。仕方ないので１０時発の次のバスに並ぶ。幸いバス停に日除けがついている上、空もちょっと曇っていたので、風でも吹けば涼しいくらいだった。名古屋じゃこうはいかない。うーん、やっぱり名古屋の方が暑いんだなあ。出発間際になると、バス停には私以外に十人くらいの人が並んだのだが、まわりの話し声を聞くともなしに聞いていると、どうやらほとんどの人が美術館目当てのようであった。やっぱりね。
早めに並んでいたおかげもあって、バスには難なく座れたのだが、降りる駅を一駅勘違いしたために、結局美術館まで２００メートルばかり歩く羽目になる。とほほ、素直に「東京都現代美術館前」で降りればいいっつうのに、バカバカ。と、思いながら歩いていたら、私と同じバス停で降りた若い女の人がさっきからずっと私と同じ歩調で歩いている。結局、その人も美術館に入っていった。なんだ、勘違いしたのは私一人じゃなかったんだ。ちょっぴりほっ。
美術館はその名の通りの現代的なデザインで、とにかくでかかった。入口の横には、今回の催しのために作ったのか、猫バスのプレイルームが作ってある（何て言うか、子供が中に入ってボンボン跳びはねたりするような遊具ね）。受付けで「日本漫画映画の全貌 ―その誕生から「千と千尋の神隠し」、そして･･･。―」の入場チケットを買い、展示コーナーへ行く。大正期に作られた本邦初のアニメーション（黒板にチョークで絵を書いて、動きを一つずつ書いては消し、書いては消し、で撮影していく）は、昔ＮＨＫの特番でちょっと見たことがあったような気がしたが、ここではその作品の広告の切り抜きまで展示してあって、思わず感嘆した。戦中に作られた政岡憲三の「くもとちゅうりっぷ」が一部のシーンのみであるが壁に大きく映し出されていて、これまた感動。
どんどん進んでいくと、東映の黎明期に入る。まずは森やすじの「こねこのらくがき」（５７）、「こねこのスタジオ」（５９）。うーん、やっぱかわいいよ！ 森キャラ！ それにかわいいだけじゃなくてなんかこう、色気みたいなものもあって、ほんとにうっとり。直筆の原画まであって、もうこの時点でかなり満足。さらに先へ行くと、ホルスやど宝、長猫。もちろんこっちも原画やキャラ表が一杯。小田部羊一、大塚康生らの原画、宮崎駿のレイアウトやイラストなどなど。ホルスのコーナには森やすじによるヒルダのイラスト（横顔で、バックが紫色に塗られたイラスト）が巨大パネルに印刷されて壁にかかっていて、ヒルダフェチにはたまらなかった。ホルスは他に、奥山玲子が描いたヒルダの初期設定もあったりして（目つきが魔女っ子メグちゃんに出てくるノンみたいだった）、こんなものもあったんだなあ、と新鮮だった。
この他にあったちょっと珍しいもの。
・「ニモ」の原画とキャラ表。ニモの顔はアニメーターによって初期設定が全然違っていた。近藤喜文のものも当然あったんだが、あんな四白眼じゃなくて、「愛の若草物語」のローリーをちょっと少年ぽくしたような顔だった。まあ、若干田舎臭い顔ではあったが。
・カリ城と同仕様にされた黄色いフィアット（もちろん、トランク部分にターボがつけてある）。これに関してだけは撮影自由だったので、カメラ持って来ればよかったなー。ついでに、小学生なら中に乗るのもＯＫと。ううん、まわりに誰もいなかったら絶対乗ってたな。
展示コーナーを出た後はグッズ売り場へ。もりやすじ画集や、再版された小松原一男の画集など、アニドウの書籍が一杯。今回の展示物の目録も売っていた。２５００円と、まあまあリーズナブルだったが、これから秋葉原の上映会へ直行するのに荷物を作りたくなかったし、手提げとかも持っていなかったので、何も買わずに美術館を出た。
ネットからプリントアウトした案内によれば、秋葉原オリエンタルコミックシアターは、地下鉄の末広駅を出てほぼ目の前にあるという。東京のガイドブックを見ると、ＪＲ秋葉原駅からここへ行く場合は、ヤマギワへ向かってひたすら歩き、そのままヤマギワを通り過ぎてずーっとまっすぐ歩いていく感じだ。美術館から少し歩いた所に清澄白河駅という地下鉄駅があるので、そこから末広まで行くことにした。美術館から清澄白河駅までの距離は、地図上ではちょっとの距離に見えるが実際にはなかなかの距離で、昼間のカンカン照りもあいまって、途中で喉が渇いて仕方がなかった。ようやく駅の入口が見えると、入口手前にあった自販機でお茶のペットボトルを買って、ソッコーで飲み干した。
で、この駅から末広駅へ直行するつもりだったのだが、時計を見ればまだ１時。映画の上映は３時から。昼食は館内かその付近でカロリーメイトでも齧るつもりだから、昼食に時間を取るつもりはない。秋葉原の町も今夏はお買い物でぶらぶらまわるつもりはない。今のまま直行しても微妙な間ができてしまう。迷った挙句、途中でＪＲに乗り換えて中野へ行った（別に地下鉄でも行けるけど、今日なら１８きっぷでＪＲは乗り放題なのでちょっとでもＪＲを使いたいという貧乏性である）。資金も時間も限られているので、まんだらけの女性向け同人誌店だけ漁る。すると、長年探していた十二国記の同人誌をゲット。これ、ちょっと前にヤフオクで落札し損なったものだったので、特に嬉しかった。第一、まんだらけならヤフオクより０一個分少ない値段で買えるしね（ボカ〜ン）。
時計を見ると、ちょっとやばい時間になっていたので、早歩きで中野ブロードウェイを抜ける。途中の薬局でカロリーメイトを買い、ＪＲ中央線の快速に乗る。秋葉原までは何事もなく着いたが、ちょっと違う出口から出てしまったせいで、目印であるヤマギワを一瞬見失う。あるお店で「末広駅はどっちですか？」と聞いたりしたのだが、今一つ要領を得ない。取り敢えずヤマギワの場所だけ聞いて、そこをひたすら目指して歩く（このイベント、アクセス案内が「末広駅出てすぐ目の前。一階にコンビニのサンクスあり」ってあるだけで、地図とかがないんだよな）。今まで散々歩き回ったせいで、足の裏にもう豆ができていたが、今はそれどころじゃない。大汗をかきながら歩くこと十数分、ぎりぎり３時直前に目的地に到着。と、ここまで一生懸命急いだ割には、直前の作品がちょっと押してしまっているとかで、開場まで１０分ほど待たされる。まあいいさ、とこの間にトイレに行って顔を直した。開場後は館内（と言っても、すんごく小さくて室内と言った方がいいかも）でカロリーメイトを食べる。しかし、ふと見渡せば客の少ないこと。半分どころか、四分の一埋まっているかいないかである（多分、二十代は私だけ。圧倒的にみんな三十代後半〜四十代って感じだった。女は私を含めて二人だけだった）。まあ、ガンダムならともかくイデオンはなあ。しかしこんなことなら１０００円の当日券でもよかったじゃん、などとちょっとケチくさいことを考えてしまった。しかし、これなら先日ネットで見たあのチケットの売り切れ状況は一体何だったんだろう。でもまあ、とにかくこうして無事にイデオンが見られるんだからいいや。ガンダムの劇場鑑賞は二十周年の時に地元の今池の映画館でリバイバルしていたので経験済みだけど（ちなみに行ったのは『めぐりあい宇宙』だけ。ま、あとは別にどうしても映画館で見たいってもんでもなかったんで）、イデオンだけは家で見ただけだったもんなあ。せめて発動編だけはどんなにちっちゃいとこでもいいからスクリーンで見たいと思っていただけに、まったくもって今回のイベントは嬉しいよ。
とうとう最初の接触編が始まったが、結局入場者数は変わらない。私の指定席はＦ列５番で、全体としても前の方だし、左右も真ん中といい席だったのだが、折角だったので、一個前に動いた（こういうのはマナー違反だけど、まだＯＰだったし、前後左右誰もいなかったのでまあいいかと）。･･･それにしても。夜行列車で着いてすぐの日なんて、疲れがきちゃって、今日は何を目にしようが、あんまり楽しめんものと思っていたんだが、朝の６時に東京駅へ着いてからこっち、全然眠くない。それどころか疲れすら全く感じないというのはどうなっているのか。やっぱ祭りで気が昂ぶっているんだろうか。この接触編なんて、当初は睡眠時間のつもりで、本番の気力は発動編に回す気でいたのに、なんか自分でもびっくりするくらい夢中で接触編を見てしまっていた。うーん、私ってそんなにイデオン好きだったのか。それともすぎやまこういちの音楽に麻薬作用があるのか。
接触編が終わった後は休憩を１０分。その後はいよいよ発動編。繰り返し言うが、今日はどうしてもこの発動編を「映画」というカタチで見たくてアキバまでやってきたのだ。最初にキッチ・キッチンが出てきたシーンでもう脳内ボルテージが上がりまくり。まあ、その後すぐにキッチンはお亡くなりになってしまうわけだが（涙）。キッチンが死んだ後はしばらくの間、接触編の続きみたいなストーリー説明＆穴埋めシーンが続いた。さすがにこの辺りになると眠くなってきた。が、シェリルさんが彗星に吹き飛ばされる辺りから物語が発動編っぽくなっていって、こちらも集中して見られるようになった。ああ、やっぱりいいねえ。なんか普段は文句を言うことの方が多いイデオンだけど、やっぱ好きだわ。特に後半なんてほんと切ない。イデが自分たちを亡ぼそうとしているという事実を知ったカーシャが、「じゃあ私たちはなんで生きてきたの！？」って涙ながらに叫ぶシーンは、これまでの彼らの旅を見てきたこっちも泣かずにはいられない。それと、カララを殺したハルルが、父親であるドバ総司令に本音を吐露する所なんかも、怨念に満ちた場面ではあるんだけど、なんか妙に美しい。ラストの飛翔シーンに関しては言うまでもなく素晴らしい。･･･って私、マジックにかかりすぎ。いやでも、これを見た当時のワカモノたちがこれを「現時点で世界最高の映像」って言ったのも無理はないよ。人によって好みは大きく分かれるだろうけど、あたしゃこういう、気合が入りすぎた青臭い作品って嫌いじゃないんだよな。
幸せどっぷり気分でシアターを出た後、秋葉原で一軒ばかり中古ＤＶＤ屋を覗く。その後はどこの店も見ずに秋葉原駅から新宿駅へまっすぐ行き、中村屋のファミレスで炒飯を食べ、妹のアパートへ帰って、すぐに歯を磨いてお風呂に入った。さすがにこの頃になると睡魔がものすごかった。で、そのまま早めに寝りゃよかったのだが、妹が持っている「ブラック・ジャックによろしく」の末期癌編を読んでいるうちに夜中の１時に。しかも、そんなもんを読んでしまったおかげで目がすっかり冴えてしまった。ううん、こんなんで明日無事に五時半に起きられるのか。取り敢えず、「明日の朝無事にスペースに新刊が届いてますように」とお祈りはした（って、んなこと考えてたら余計目が冴えちゃうでしょうが）。
今回の東京行きは往復とも青春１８きっぷを使うのだが、行きだけは１８きっぷとあわせて夜行のムーンライトながらで行く。夜行となればロクに眠れずに翌日疲れることは分かっているんだけど、昼間の在来線は乗り換えが多いし、座れないこともある。ホームで電車を待っている間、暑いのも嫌だ。だから往復ともムーンライトながらにしたくて、行きの分と帰りの分、それぞれ乗る日の一ヶ月前の日に、金山駅まで買いに行ったのであった。行きの分は無事ゲットできたが、帰りはだめだった。
両親は今日から三泊四日で湯河原に行っているので、家の中は私一人。夜の７時頃、日清のなんとかっていうどんぶり型のインスタントラーメンを食べた後、歯を磨いてお風呂に入る。髪をゆっくり乾かしてから着替え、指の爪にマニキュアを塗る。カートに着替えの入ったバッグとコミケで使うものを入れた紙袋を縛り付け、家の戸締りをして地下鉄駅へ。マニキュアの渇きが甘かったみたいで、すでにこの時点で指先がえらいことに･･･。とほほ。さらに地下鉄の駅に着くと、さっき風呂に入ったのが全く無意味なくらい大汗をかいている。こういうことがある度に夏のイベントが嫌になる。
ＪＲの金山駅で１８きっぷと指定席券を差し出すと、
「これだと今日のハンが押されちゃうから、途中までしか行けないよ。日付が変わる刈谷駅までの４００円の切符をそこの自動改札機で買ってきて」
と言われる。あれ？ と思って、
「夜行を使えば翌日に下車する最初の駅までは有効なんじゃないですか？」
と言うと、違うと言われた。ふーんと思いつつ、言われた通りにして入る（後で調べて分かったのだが、日付変更後に下車する最初の駅までじゃなくて、停車する最初の駅までなんだな。説明はよく読もう･･･）。
電車は１１時４３分に金山を出発した。指定の席に荷物を置くと、トイレに行って安眠枕をふくらませた。それからトイレを出て手洗い場で手を洗おうとすると、中で誰かが手を洗っている気配もないのに、カーテンがかかっていた。前に使った誰かがカーテンを閉めっ放しにしたんだろうか。いや、そんなの変だよな。だって出たらカーテン開けるわけだし。何なんだろう？ と思ってカーテンを開けて中に入ると、蛇口の前にこそ誰もいなかったが、壁際に男の人らしい人がいた。足元に荷物を置いて微動だにせず立っている。それだけでもぎょっとするのだが、この人、なぜか頭からスーパーのビニール袋をすっぽりと被っていた。これでナタかハンマーでも持っていたら、まんま「悪魔のいけにえ」である。しかし手を洗わないまま席に戻るのも嫌だったので、そのままさっさと洗ってまたカーテンを閉めて出た。私が座っている席の斜め後ろには、四人グループが向かい合って座っていたのだが、彼らもさっきのレザーフェイスを目撃しているらしく、「なんかあそこに変な人が･･」と、声を潜めて話していた。
夜行のためにと、安眠枕とアイパッチを用意したおかげで首と肩は何ともなかったのだが、背中の方が痛くなって結局寝付けなかった。第一、エアコンが効きすぎていて、暑がりの私ですら寒かった。結局、前の席からテーブルを倒して、その上に枕を置き、そこにうつ伏せになって寝た。そうすると背中が冷えるのだが、コミケのスペースに使う敷物を被って凌いだ（まあこの敷物、もとは肩掛けだし）。
チケットはぴあ会員枠で無事に買えた。私はぴあの会員じゃないけど、なんかこの催しだけは会員じゃなくても会員枠で特別に買えるらしい。あれ、でもこの枠ってもう売り切れたんじゃなかったっけ？ まあいいか。ただ残念ながらこのイベント、前売りを買う際でも自分で席は選べないとのこと。まあいいか。途中、受付けのおばさんにイベントの名前の確認のために、声に出してタイトルを読まれた時は、ちと恥ずかしかった（ちなみにおばさんは巨神の読み方が分からんようだった。そりゃそうだ）。
それにしてもさすが夏休み、ジャスコもＴＯＨＯシネマズも人で一杯だ。ジャスコとＴＯＨＯシネマズの間にあるベイシティを一時間ばかりぶらぶら見た後、家に帰った。屋外に車を停めておいたせいで、戻った時は中の温度がとんでもないことになっていた。
家に帰ってからは、ひたすら旅支度。
| 2004年08月10日(火) |
震えるなと歌われても震えるよ |
新刊につけるおまけのコピー本作りも終わってほっとしながら、ニフティのオタクアミーゴス会議室のログを読む。といってもここを覗く目的は、今やもっぱら毎月のイベントスケジュール（とにかくありとあらゆるオタク系及びサブカル系のイベントスケジュールを見せてくれる有難い所）を見るためなのだが。まず発見したのは、東京都現代美術館でやる「日本漫画映画の全貌 ―その誕生から「千と千尋の神隠し」、そして･･･。―」。「くもとちゅうりっぷ」など、日本アニメ黎明期の作品から、「わんぱく王子の大蛇退治」、「太陽の王子ホルスの大冒険」、「どうぶつ宝島」「長靴をはいた猫」といった東映の初期黄金時代の作品の原画やキャラ表、イラストを展示中なのだ。早速情報元のサイトへ飛んで、周辺地図などをプリントアウトする。
さらにスケジュールの先へ目を通すと、秋葉原オリエンタルコミックシアターでやるという「アニメ１００日マラソン」という名の上映会を見つけた。数々の演目の中にあった内の一つはなんと、「伝説巨神イデオン 接触編／発動編」！ うおう、これＬＤは持ってるけど、劇場で見たことはなかったんだよう！ ガンダムはともかく、イデオンを劇場で見ることなんて一生ないと思っていたよ！ こ、これはハラワタを引き摺ってでも見に行かねば！
わなわな震えながら情報元のサイトに飛ぶと、イデオンは今月１４日までの上映とある。そうなりゃ１３日に見に行くしかないぜ。正直１３日がさっきの展示会に行くだけで終わっちゃうのは物足りないなあと思っていたので嬉しい。ああ、私が東京へ行く時にこんなステキなイベントをやってくれるなんて、もう幸せ。
チケットは当日券１０００円か、ぴあの前売座席指定券（１２００円）。ネットで残り数を見ると、ぴあ会員分はなんとすでに完売。げげ。ここの劇場って席数は１０５っていう超ミニシアターだもんなあ･･･。チケットはネットでも買えるそうだが、登録やらなんやら手続きが面倒そう。でも、やっぱり当日安心して座りたいので、前売券は要る。ネットで名古屋市内のぴあの支店を探すと、なんといつも行くＴＯＨＯシネマズに隣接しているジャスコの一階にあった。よーし、明日はちょっと早めに起きてここに行くぜ。
お久し振りの日記アップです。と、言ってもあんまり書いてる日ないなあ。もうひたすら原稿書いていたからな（なーんてね。やりだしたのは結構ぎりぎりさ。いつもながら。ま、そのせいもあって最後で泣きを見たわけだが）。一応さらっと書いたりした日もあったし、今回のアップにあわせて過去を思い出しながら書いた箇所もありますが、結局ほとんど埋めてません。六月の頭に友人たちとパルケエスパーニャ（伊勢志摩スペイン村）行った時のこと書きたかったけど、もう記憶が曖昧で書きようがない（一応ピレネーに乗ったのは覚えている。あとひまわりのアイスを食べたのも）。というわけで、虫食いもいいとこですが、一応ある分だけアップしておきます。
２日の日記で言ってたスパイダーマンですが、昨日パート１のＤＶＤを見て、今日映画館で２を見てきました。いやあ面白かった。さすがサム・ライミだねえ。シリアスなヒーローものとしての完成度は言うまでもなく素晴らしかったし、それと逆に話のふちっこでやけにゆるいギャグもあったりして、私好みだった。あとやっぱトビー君はいいわあ。エドワード・ファーロングが事実上消えた今となっては貴重な、いつも遠い目をしているタイプの顔。願わくばこれから先も消えないで欲しいものだ。
それでも何となく気に入らなかった点をちょっと。このシリーズ、バットマンシリーズほど悪役のキャラが強く立っていないってのが個人的難点。パート１なんて折角ウィレム・デフォーが悪役にキャスティングされているのに、見ている側の心に迫ってくるような恐さがあんまりなかったもんなあ。まあ、デフォーたんなので顔と演技だけはめちゃくちゃ恐かったんだが（役柄上、仮面をつけているんだがその仮面より素のデフォーたんの顔の方が遥かに恐い）。あと、ヒロイン役のキルスティン・ダンストはしごくまっとうな性格のヒロインなのに、どう見ても顔がいじめっ子にしか見えないっていうのはどうなのかと。やっぱこういうドラマのヒロインなら、一目見ただけで守ってあげたくなっちゃうような顔じゃなきゃいかんだろうに、なんか助け甲斐のなさそうな顔だよ。せめてもうちょっと目つきのいい女優にするべきだったと思うぞ。
では、夏コミまでいろいろ支度があるのでまた当分お休みします。夏コミに行ける方、お会いできるのを楽しみにしております。
| 2004年08月02日(月) |
意外に早く売り切れるのね |
昨夜寝る前、どうしても思い出せなかった幻の１ページの原稿を思い出す（ボカ〜ン）。他にもいろいろ抜けていた点を思い出してもうどんより。嗚呼。
本日は美容院へ行く。いやあ、のびたのびた。三ヶ月全く切らないでいたらほんとにえらい長さになっちゃったよ。よくこんなうっとうしい頭で原稿書いてたもんだ。じゃっきり切ってすっきり。
栄に出たついでに星野書店でコミケカタログを買う。･･買おうとしたらなんと売り切れ。嘘だろ、漫画専門書店でしょ、ここは。その後、マナハウスに行き、さらに別の買い物をするために行ったロフトへ行き、階上にある紀伊国屋書店へついでに寄ったのだが、どこもなし。
どうしようかと思っていたら、なんてこたあない、まんだらけに行けば済むことだ、と、早速、歩いてまんだらけへ。一階の店員さん（女）にカタログがあるかどうか訊ねたところ、えらい無愛想に、「九階です。そこになければもうありません」とだけ言われて、なんとなく恐くなったので、だらけ傍にあるとらのあなに行った。だらけより遥かに物腰の柔らかい店員さん（男）に聞くと、すみませんもう売り切れです、とのこと。ああ、せっかく入稿したというのに、サークルチェックもできず、まんレポも読めずに会場へ直行することになるのか、と暗い予感に襲われる。取り敢えずもういっちょ、と、まんだらけに行き、エレベーターで九階へ。しかし、さすが九階男性向け同人誌売り場。とらのあなにしてもそうだが、フロア全体が肉々しいぜ。
レジがつまっていたので別の場所にいる店員さんに恐る恐る聞いてみると、レジで売っていますが、まだありますとのこと。しかし随分頼りなさそうな感じの人だったので、なんか安心できない。やっとレジで聞いてみると、ありがたいことにまだあった。ああよかった。
「ところで、あと何冊あるんですか？」
「あと三冊です。これがなくなるともうありませんね」
「そうですか。実はとらのあなにもいったんですけど、なくって」
「ああ、あそこは冬に大分余らしちゃったんで、今回は買い控えているんですよ。あれ、余ると大変ですから」
なるほどね。
家に帰ってから自分のサークルカットを見る。おお、隣はモンティ・パイソンサークルだ！ 嬉しいぜ。
とりあえず今日の残りの時間はゆっくりサークルチェックし、まんレポを楽しく読む。明日からはまた当日へ向けてコピーのおまけ作って、ペーパー作って、その他いろいろ支度して、あ、その前にスパイダーマンのＤＶＤを見て、水曜日のレディースデイにパート２を見て、おお、サイトも工事進めなきゃ･･･、間に合うのかな。
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