ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2008年03月31日(月) 悲しみが乾くまで

監督:スサンネ・ビア
出演:ハル・ベリー
    ベニチオ・デル・トロ
    デヴィッド・ドゥカヴニー、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
オードリーの幸せな生活は、ある日夫が事件に巻き込まれて射殺された事で終わりを告げた。葬儀にやって来た夫の親友で幼馴染みの「ジェリー」は、ヘロイン中毒で堕落した生活を送っていたが、周囲が見放す中1人夫だけがジェリーと付き合いを続けていたのだった。ジェリーは初めて会うオードリーの子供達の事もよく知っていた。夫から色々と話を聞かされていたのだという。今まで敬遠していたジェリーに親近感を感じたオードリーは、ジェリーに同居を申し出るのだが。


【感想】
2007年にアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた「アフター・ウエディング(未見)」のメガホンを取った、デンマークの女流監督スサンネ・ビアの初ハリウッド進出作品。
・・・という情報は鑑賞後知った。とにかくベニチオーーー!ベニチオ出演作だよぉーーー!←毎回バカですいません

大好き♪ベニ男ちゃん、毎回奇天烈な役ばかり演じる。本当はとってもイケメンなのにぃ♪(超ぴよ的私感)
今回はどんな突き抜けた役なのかなぁ?と思ったら、ドラッグ中毒のおっちゃんでした。まあ、ハマり過ぎです(^-^;
そしてちょっぴり久しぶり?にハル・ベリーを見た気がする。それよりもっと驚いたのはオードリーの夫役・・・映画見てる間中ずーっと「うーん。誰だっけ?喉まで出掛かってるのにワカラナイ。でも絶対に知ってる顔だ。誰だっけ」と思い続けていたんだけど、何と「X-FILE」のデヴィッド・ドゥカヴニーだった。うへぇ〜!すげー老けた(ってか丸くなった?)なぁ!!

内容はこんなお軽い調子ではありません。むしろ物凄く暗〜いネタ。
愛する人を亡くした妻と、唯一無二の親友を亡くした男が、同居してお互い影響し合う事で、絶望の淵から這い上がって再生して行こうとする姿を淡々と描いた作品です。
男の方には、元々はエリート弁護士だったのにドラッグにまみれて既にズンドコに落ちていたというオプション付き。

正直、本作はかなり客を選ぶ手合いなんじゃないかと思う訳です。
ダメな人には全く受け入れられない作品でしょう。ネタは地味で暗いしエンターテイメント性は皆無。オードリーが下らない事でカリカリとジェリーに噛み付く姿にイラ付く人も多そうな予感。

しかしながら、最愛の人を喪った事のある人だったら、本作はかなりズシンと来るんじゃないかと思います。
愛する人が死んでしまった。もうこの世にはいない。頭では理解していても心はなかなか付いて行かないんですよね。
本作は、最初は喪失感を共に持つ2人が同居して支え合おうとするものの、お互いが心に抱えたモノにぶつかり、そしてそこから更に立ち上がって行こうとする姿を丁寧に描いて行きます。

もうとにかくベニ男、上手い!スゴイ!アンタは神!!
ドラッグでイッちゃってるベニ男、薬を我慢するようになってちょっとスッキリしたベニ男、友を思いオードリーと子供達を支えたいと真摯に向き合うベニ男・・・ぴよの耳たぶも引っ張って下さ〜いっ!!←ただのバカ(^-^;

それからハル・ベリーも上手かった。
本当は意地悪な女なんじゃないんだよ。愛する夫の知らなかった部分を、それまで疎んじていたジェリーが知っていた事が凄く悔しかっただけなんだよね。
子供達に水泳の楽しさを教えるのはジェリーの役目じゃなくて愛する夫のハズだったんだよね・・・夫を亡くした喪失感と空虚な心と焦燥感を、実にリアルに演じていたと思います。

夫を喪った女と親友を喪った男の同居・・・安直に考えればここから恋愛ネタになだれ込むトコロでしょう。
でも本作はギリギリの所で敢えてそれをしない。あくまでも「魂の呼応」として、男女を越えた純粋な人間の再生物語として描いている部分に好感が持てました。

ハワードが「一人は淋しいから」と、妻との離婚を踏みとどまる。
その一方でオードリーとジェリーは心を強く生きて行く事を決断する。
でももう一人じゃない。心には夫がいる。親友がいる。肉体はなくなってもオードリーの心にもジェリーの心にも彼が残してくれた素晴らしいモノが沢山満ちている。
そしてたとえ離れ離れになったとしても、オードリーとジェリーは心が真っ直ぐ繋がった「人生の同志」になったハズ。

大切な人を喪った経験のある人ならば、彼らの再生物語にきっと自分の姿を重ね合わせる部分があるでしょう。
そして幸いにもそういう辛い経験をした事のない人・・・そんな人も本作を見て何か感じて欲しいです。








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2008年03月27日(木) Sweet Rain 死神の精度

監督:筧昌也
出演:金城武
    小西真奈美
    富司純子、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
死神「千葉」の仕事、それは不慮の事故で亡くなる予定の人間を、死の直前の7日間観察し、その人間に死をもたらすかどうかを決めるという事。今回のターゲットは27歳のOL・一恵。彼女は自分が愛する人を次々と亡くしてしまうという人生を送っていた。一旦はいつも通り「実行(死)」にするつもりだったが、彼女に音楽の才能がある事が判り、今正に未来が開けようとしていたのだ。それを知った千葉は、初めて彼女を「見送り(生かす)」にする事に決めたのだが・・・


【感想】
伊坂幸太郎氏著の同名タイトル小説(原作ではSweet Rainの記述なし?)を映画化。
氏の作品は「陽気なギャングが地球を回す」しか読んでないです。って言うか「陽気な〜」も映画を先に見て、後で原作本を持っているという友人から借りて読んだというていたらく。
本作の原作本も最近文庫化されて書店に平積みになっているので気にはなってたんですが・・・金城君ファンなので、どうせなら映画を見てから原作を読もうと思って、敢えて読んでなかったんですよーう。ホントですよーう(^-^;

さて、本作。
3つのオムニバス・ストーリーなんですが、最初のストーリーで死神がいつもとは違う判定をした為に、後の2つに話が繋がっていくという変則オムニバス形式。まあ最近よくありがちな手合いです。

本作の予告編を見た段階では3つの話の内の最初の1話目にスポットを当てて見せていたので、オムニバス系だとは知らずに鑑賞したのですが、話が2話目に入った所で最後までオチが全部透けて見えましたね。
本作のジャンルはサスペンスではないだろうと思うので問題はないでしょうけど、ミステリ・サスペンス好きにとってはいささか興醒めすると言わざるを得ません。
丸々透けて見えるオチを予感しながらエピソードを眺めるというのは、個人的にちと辛かったかな・・・

可愛い黒ワンコが相棒なんですが、この相棒の役割はよく分かりません。分からないけど可愛いから許す(笑)
更に、死神@イケメン千葉は何故か自分が仕事をしている間中は必ず雨が降っている。他の死神は青空の下でタゲとラブラブ写真なんぞ撮ったりしているので、どうやらこの雨はイケメン千葉だけの現象らしいです。
どうして千葉は晴れ間を見る事が出来ないのか・・・理由は特にないようです。強いて言えば、感動のラストのネタにしたいから何となく千葉の仕事中には雨が降っているという事にしよう、というだけのようです(^-^;

他にも「無類のミュージック好き」「あれだけターゲットと会話をしている割には流行り言葉やスラングを知らない」等という香ばしいオプションが付いているのですが、コレらは内容には余り関係のない「なんとなく人間臭い味付け」をしたかっただけの模様?ちょっとよく分かりません。
よく分かりませんが・・・金城クンが猛烈に可愛いので許す♪←こんなんばっか(^-^;

2話目のエピソードの設定は原作通りなんですか?
別に原作と同じでも違っていてもいいんですけど、何だか突拍子もないと言うか浮いているというか・・・正直余り面白い話だとは思いませんでしたねぇ。←今日も吠えるなぁ〜

はっきり言って「何が言いたかったのかよく分からない話だった」んですがー(薄涙)
少なくとも3話目のバーチャンが何もかも捨てて生きて来た理由がアレでは、果たして死神の最初の選択には意味があったんだろうか?と思わずにいられませんでしたね。
最後の最後でしんみりさせられるものの、でも彼女はもう死ぬ訳でしょ?最後にちょっぴりいい思いが出来たから、後の自分の人生のほとんど全てはズンドコでもOKって事?
「終わり良ければ全て良し」とは言っても、いくらなんでも死ぬ前にちょこっとだけ良くてもなぁ〜。自分だったら人生のラストが一人ぼっちで淋しくても、その他ほとんどが幸せ気分でいられた方がいいような気がするんだけど(苦笑)

まあ、人の「生死感」というのはそれぞれ。
この映画中の登場人物の人生の選択に感銘を受ける人・同調する人も多い事でしょう。
ぴよ的には「金城クン」が可愛かったのでとりあえずOK。でも内容自体にはそれ程感銘を受けませんでした(薄涙)








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2008年03月26日(水) ダージリン急行

監督:ウェス・アンダーソン
出演:オーウェン・ウィルソン
    エイドリアン・ブロディ
    ジェイソン・シュワルツマン、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
父の死をきっかけで仲違いしていた3人兄弟が、長男フランシスの呼びかけで再び集まった。フランシスはインド北西部を走るダージリン急行に乗って、「心の旅」をする事で3人の結束を深めようと提案したのだ。しかし妻の妊娠がきっかけで離婚を考えている次男のピーター、元カノとトラブっているけど気にかかっている三男のジャック、個々に悩みを抱える3人はなかなかまとまらず、あるトラブルがきっかけで遂に列車から放り出されてしまう。


【感想】
「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」のウェス・アンダーソン監督最新作。
正直ウェス・アンダーソン監督の事はコロッと忘れてたんですが(をい)、予告編を見て素晴らしく面白そうなキャストの組み合わせ+舞台が憧れの地・インドという情報に踊らされてウキウキしながら鑑賞。

メインキャストの中ではオーウェン・ウィルソン君が一番お気に入りでしてね、
彼が去年の夏に自殺未遂を起こしたというニュースを聞いた時には、本当にびっくり仰天コキましたよ。
そんなオーウェンが顔中に包帯巻き巻きで登場するもんだから「切ったのは手首だけじゃなかったのね・・・」なんて訳の判らない事を考えちゃったじゃないですか!(こらこら)
ウソウソ。いいのよ。元気になってくれればそれでいいの♪

脱線しましたが、本作。
豪華なキャストで送る「まったりロードムービー」・・・舞台がインド&列車の旅というシチュエーションだけで既にまったりする事は確定している訳ですが(苦笑)、それにしてもこの3人のキャラは濃いですなぁ〜

そもそも長男・オーウェン・ウィルソン、次男・エイドリアン・ブロディ、三男・ジェイソン・シュワルツマンってさ・・・
誰がどう見ても「血の繋がった兄弟」には見えませんよね(笑)、映画を見始めてしばらくは「異母兄弟か異父兄弟?」と思って見ていたくらい似てないしキャラも違い過ぎ。
でも、見てる内に「まあこんなバカ兄弟もアリだな♪」と思えるような、3人それぞれキャラが立ってましたね。

とりあえず何も説明なしで、登場人物の会話だけで順を追ってこの話の背景を明らかにしていくという趣向。
とにかく延々とどーでもいい会話をしていて、長男を疎んじているようで微妙に次男・三男は持ち上げていたりして、旅行先をインドに選ぶだけあってやたら「スピチュアル」なイベントを重視していたりして・・・
まあ、本当に「まったりしててどーでもいいロードムービー仕様」な作りなんですよね(苦笑)

どーでもいいんだけど、何か妙に和んじゃうんですねぇ〜。
コレこそが「インドパワー」なのか、それとも映画の作りが良かったのか悪かったのか(謎)、とにかく何がどうという話でもないんだけど妙に旅心を刺激されるし、妙に3兄弟の様子に「この手のスタイルの旅行って、こんなトラブル在りそうだよな」みたいな、本当にまったり(グッタリ?)させてくれるんですよ。

まあ、「それで面白いの?」って聞かれるとコレがまた微妙な訳なんですが(苦笑)
少なくとも旅好き・インド好き・インドに憧れ中〜の方だったらちょっといい感じ♪な気分にはなれそうですが、話自体が非常にとりとめのないエピソードを繋いでいるだけなので、「何が言いたいんだかワカンネー」と思い始めたら、もうダメダメのグダグダになっちゃうんじゃないかと(^-^;

本作、タイトルの作品の前に「ホテル・シュバリエ」という短編作品を上映するんですが、最初見ていて何の事やらさっぱり訳が判らなかったものの・・・コレは本編に到る前の三男のエピソードでした。後に劇中に三男が書いている小説の内容が出て来るのですが、コレが先に上映した短編と繋がっている。ちょっとひねっていて面白い趣向ですね。

好き・嫌いがはっきり分かれそうな作りですが、個人的には「旅好き+インド憧れ中」の身なので、本作のまったりしたインド旅行の様子はなかなか楽しめましたよ。音楽のチョイスも好みでしたね。








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2008年03月22日(土) スタスキー&ハッチ

監督:トッド・フィリップス
出演:ベン・スティラー
    オーウェン・ウィルソン
    スヌープ・ドッグ、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
カリフォルニア州ベイ・シティの秘密捜査官・スタスキー刑事は、仕事熱心な余りにパートナーとの仲が長続きせずに上司をいつも困らせている。一方、通称「ハッチ」ことハッチンソン刑事は、仕事は優秀だが余りにもいい加減な性格とケチな小金を稼ぐのに執心し過ぎて、しばしば仕事に影響を来たすというこれまた問題児。上司は一計を案じ、この問題児2人をコンビに組ませる事にしたのだが・・・


【感想】
名古屋−グアム間の機内上映2作目。
「スタスキー&ハッチ」は1975〜1979年までアメリカで製作・放送されたTVドラマシリーズ。日本でも1977年から放送されて人気を博し、通称「スタハチ」の名で親しまれた・・・という事は勿論知ってます。
本作のTVドラマシリーズって絶対に見てるハズだと思うんだけど、でも全く記憶にないんだなぁ〜。

まあ、そんな訳で往年の人気TVドラマをリメイクしたのが本作。
スタスキー役をベン、そしてハッチ役はオーウェンという「アメリカB級コメディの神コンビ」が演じ、他にもハッチお抱えの情報屋役をスヌープ・ドッグ、それから最近日本でも思いっきり知名度の上がった「バカコメディ王@ウィル・フェレル」等、なかなか脇役出演陣も豪華です♪コレは期待値が跳ね上がります♪

面白いですよー。面白いけど、でもフツー。←何このいい加減さ(^-^;

TVドラマ版の「スタハチ」が全く記憶にないから、往年のスタハチファンが本作見たらどー思うのかは謎ですが・・・
少なくとも個人的に「ベン×オーウェン」のコンビは大好きなので、彼ら風味が良く出ていてとりあえず面白い。ベンはクソ真面目にやってるんだけど、クソ真面目にやればやるほど空回りしていて笑わせるというキャラ。
対するオーウェンはお調子者でいい加減で、でもやる時はやるぜー♪なイケイケドンドンキャラ。まあ簡単に言うと、いつも通りのお二人のキャラという感じですね。安心して楽しめます。

舞台設定を徹底してTVドラマシリーズ時代を再現していて、更にスタハチファンには絶対に欠かせない?スタスキー刑事の愛車「フォード・グラン・トリノ」も完全復刻した模様。この車見るだけでもファンは胸が熱くなる事でしょうよ(笑)
それから映画ラストにはTV版のスタハチを演じたお2人もカメオ出演してくれるという親切設計。

ヅラのシーンとか・・・結構プププッ!と笑っちゃうんですが、でも爆笑する程じゃないよなぁ〜。
案外アクションシーンも頑張ってて見ドコロも作ってあるし、随所にベン×オーウェンらしいすっとぼけたギャグもコマメに挿入していてダレる事もないんですけどね、まあそこそこ面白いけど「凡庸なB級刑事コメディね」程度かと。

それから美女2人が「刑事さん達、カッコイイー!うふーん♪」みたいに擦り寄って来るんですが・・・オーウェンはともかくもベンはどうなのよ?(ベンのファン、すまん。いやぴよもベンは好きなんだけどさ。笑)
しかもベンの方も言い寄られて当たり前みたいな態度だしさー・・・だからベンよ、お前はどーなのよ?(^-^;
マジなんだか笑っていいんだか訳判んないじゃないですか!どうしていいか判らなくて引いちゃいましたって!(笑)

舞台設定を忠実に再現する余り、映画の作りや展開も「二昔前」風味にしてしまったのはいかがなものかと(^-^;
そもそもどうして21世紀に入った今、わざわざ「スタハチ」を劇場版として作っちゃったのかが判らないですわ。どうせ映画版を作るならもっと前にやってりゃよかったんじゃねーの?と思わずにいられない・・・それくらい「古色蒼然としたギャグと展開」に終始していて、まあ懐かしい作りと言えば聞こえはいいですが、少なくとも金払って劇場まで鑑賞に行きたいと思わせる程のクオリティは感じませんでしたねぇ〜(苦笑)

・・・と、日本の配給会社もぴよと同じ事を思ったからのか?
本作は日本では劇場公開はしないで、いきなりDVD発売だったそーですネ。これは正直「納得の選択」だなぁ〜と。

決してつまらない訳じゃないですよ!むしろちゃんと面白くて楽しめる作品ですから!
まあでも「劇場公開しても赤字になるのは目に見えてる」と思わせる「小粒なB級モノ」ではあります。少なくともレンタルで見る分には「チクショー!金返せー!!」なんて思う事はありませんからご心配なく♪(^-^;








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2008年03月21日(金) ビー・ムービー(日本語吹替版)

監督:サイモン・J・スミス、スティーヴ・ヒックナー
声の出演:宮川一朗太(バリー)
      日野由利加(ヴァネッサ)
      小松史法(アダム)、他
オススメ度:☆☆−


【あらすじ】
ミツバチのバリーは大学を卒業して新米働きバチになった。工場へ連れて行かれると、一度選んだ職業を一生やり続けなければならないと知って愕然とする。初めて蜜を取りに外に出たバリーは、花屋を営む心優しい人間「ヴァネッサ」と出会い友達になった。ところがヴァネッサと共に行ったスーパーでハチミツが売られている事に愕然とする。人間はバリー達ミツバチから大切なハチミツを搾取していたのだと知り、人間相手に訴訟を起こす事を決意するのだったが・・・


【感想】
パラオに遊びに行って来ました。
飛行距離が短いので機内上映はやらないだろうと思っていたけど、行きと帰りで1本ずつ未見映画が鑑賞出来た♪
てな訳で、機内で見た1本目はドリームワークスのアニメ。確か今年1月に日本で劇場公開された記憶ですが、気が付いたら公開終了していましたね。機内上映だから当然の吹替版でした。

主人公はミツバチ。アニメ業界も様々な動物を主人公にしてみたり、魚や虫も主人公にしてみたり大変ですね(苦笑)
まあ魚が主人公だろうが虫が主人公だろうが、やってる事や考えてる事は人間と同じ。本作も虫を擬人化させてやたら人間臭いキャラクターを作っていますが、一応ミツバチを主人公に仕立てたので「ミツバチらしい・ミツバチならでは」の思考展開を発揮して、更にはこの手の動物モノにしては珍しく「人間と対等に交流させる」というのがキモになっています。

「ま、子供向けなんだろうな」という気持ちで見ていたんですが、本作の作りはちょっと立ち位置が微妙?
映画前半〜ヴァネッサと出会って仲良くなる辺りまでは楽しいCGアニメーションと「人間と交流させる事で、最終的に動物愛護を子供に呼びかける啓発映画ナンデスネ、はいはい〜」てな感じで見ていたのですが、途中から結構シリアスな法廷ドラマ化してドびっくり!
いくらアメリカが訴訟大国だからって、これはちょっとやり過ぎなんじゃ・・・と、正直ドン引き状態(^-^;

この法廷シーンでレイ・リオッタやスティングが実名で証人喚問されたりして、きっとこのシーンは吹替版じゃなければ間違いなく本人が声を当てているんだろうなぁ、本人の声が聞きたかったなぁ〜と思いながら見ていたんですが、とにかくすげーブラックなネタです。子供には到底判らないでしょう。大人でもご本人を知っていなければ苦しい。
だがしかし、ドリームワークスらしいシニカルネタで、ここは大人の笑うべきツボでしょう。

他にも毎度お馴染み「天敵・ディズニー」を皮肉ってクマのプーさんもどきを登場させてみたりして、大人向けの見せ場はなかなか上手く作り込んでいると思うのですが・・・正直「それほど面白いと思えない」のが悲しい(苦笑)

確かに「ハチが人間を相手取って訴訟を起こす」という展開は意表を突いていて目新しいとは思うんですがー、
子供向けにしてはひねくり過ぎてる感じがするし、大人が喜ぶ手合いの映画でもないし・・・そして訴訟後の展開もちょっと強引過ぎじゃーないですか?全然乗れませんでしたよ(薄涙)

そもそもキャラクターのビジュアルに魅力がないんですよね。
この手のアニメは「キャラ萌え度」が高くないと魅力は半減ですわ。ドリームワークスは「シュレック」でキモカワ系キャラが予想外にウケたのに気をよくしていらっしゃるのかもしれませんが、二匹目のどじょうにミツバチというのはパンチが弱い。
せめてヒロイン?の「ヴァネッサ」がもう少し萌えキャラなら多少溜飲も下がるってモノですがね・・・(溜息)

基本的に「お子向け映画」なハズなのに、このシニカルな展開はスゴイ!と楽しめる方には最強かもしれませんが、本作は好き嫌いの評価が割りとはっきり分かれそうな作品だなぁ〜と思いましたね。
そしてぴよは「機内上映で見れて良かったわ。金出して見に行かなくてよかった〜!」の方でした(^-^;








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2008年03月15日(土) マイ・ブルーベリー・ナイツ

監督:ウォン・カーウァイ
出演:ノラ・ジョーンズ
    ジュード・ロウ
    ナタリー・ポートマン、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
NYの片隅にあるデリ。失恋の傷が癒えぬエリザベスは、毎晩のように彼が住んでいるアパートの向かいにあるこのデリにやって来ては、デリで働くジェレミーが作るブルーベリーパイを食べながら傷心に浸っていた。ジェレミーの優しさに触れて彼が気に掛かるようになるものの、エリザベスはある日思い立ってNYの街を後にして長い旅に出るのだった。旅先から自分の思いを綴ってはジェレミーに手紙を出す。ジェレミーは手紙を受け取って必死にエリザベスを探すのだが・・・


【感想】
第60回(2007年)カンヌ映画祭オープニング作品に選ばれた、ウォン・カーウァイ監督最新作。
本作はカーウァイ監督初の全編英語のハリウッド製作で舞台もアメリカ。キャストがまた凄くて、主人公のエリザベスをグラミー賞8冠の世界の歌姫「ノラ・ジョーンズ」が演じてスクリーンデビューを飾り、脇をジュード・ロウ、デイヴィッド・ストラザーン、レイチェル・ワイズ、ナタリー・ポートマンという鼻血もんの超豪華フルキャストで固め、映画好きにはたまら〜ん!!

ウォン・カーウァイ監督の作品って「2046」しか見た事がないんですけど・・・
少なくとも2046は全然肌に合わなかったんですね。映像はキレイだなーと思ったけど内容がさっぱり判らなくて、きっとコレは雰囲気を楽しめばいいのかな?とも思ったけど、根本的に面白いと思えなかったんですわ。
だから今回も「どーだろーなぁ、コレは」と思ってたんだけど、とにかくノラですから!ノラちゃん好きですから!!
もっと言うと本作に出演してる役者全員好き!ジュード・ロウ様ぁ〜♪ぴよにもブルーベリーパイ作ってぇ〜♪←アホ

正直言って内容には全く期待してなかったからなのか?(をい)、意外に楽しめましたね。
もっとノラちゃんとジュード・ロウ様がベッタリ絡むのかと思いきや、ジュード・ロウ様が意外に出番少ない(涙)
失恋した傷心の女性が、ちょっと気になるイケメンから敢えて距離を取って、未知の場所で様々な人達と出会い触れ合う事で自分の気持ちを見つめなおしていく・・・まあそんな話です。

根本的な事言っちゃうと、旅立つ前に既に新しいターゲット(ジュード・ロウ様♪)がいるので、何もわざわざ旅に出なくてもそのまま毎日デリに通ってりゃいいぢゃねーか、と思う訳ですが(苦笑)
まあそこは「ウォン・カーウァイ・ワールド」ですよ。イマドキ携帯メールもあるしどんなクソ田舎でもネットカフェ位はあるにも関わらず、敢えて絵葉書に書いて投函しちゃう。手紙はロマンティックアイテムの王道だもんね♪

主人公のエリザベスは、行く先々で色んな形で愛に傷付いた人と出会う。
夫の束縛から逃れたくて逃げ回る妻、そしてその妻に逃げられてアル中になってしまった男、誰も信用しないとうそぶく美貌のギャンブラー等・・・彼らの思いを聞いて「じゃあ私はどうなんだろう?」と自分を見つめ直す主人公。
・・・可愛い!ノラ、本当にキミは可愛いよ♪←かんけーねーじゃん(^-^;

正直言って話の展開自体はありきたりでどーって事ないけど(コラ)、
とりあえず役者が誰も彼も上手いから見せますよねぇ。それにカーウァイ監督らしいカメラワークや色使いも雰囲気が良くてロマンティックな作品のカラーにピッタリ合うし。音楽もこれまたいいんですわ。ノラちゃ〜ん♪←しつこい
それに、本作は「話の筋がさっぱりワカンネー」というストレスはありませんからね。単純な話でしたし(苦笑)

そんな訳で、基本的には「カーウァイ監督ファン仕様」なんですが、腐女子にも肌が合いそうです。
デートムービーにもいいかも?現実主義派の彼氏にはちと厳しいかもしれませんが、彼女の為に我慢しましょう(笑)
少なくともぴよは本作結構気に入りましたね。何しろ・・・ノラちゃ〜ん♪←だからもういいってば(^-^;








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2008年03月14日(金) バンテージ・ポイント

監督:ピート・トラヴィス
出演:デニス・クエイド
    マシュー・フォックス
    フォレスト・ウィテカー、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
テロ撲滅サミットに出席する為にスペイン・サラマンカに訪れたアシュトン米大統領が、演台で何者かに狙撃された。直後爆破テロが起こり会場は大混乱する。半年前に大統領を庇い自らが銃弾を受け、今回の護衛でようやく復帰したシークレットサービスのバーンズは、前回のトラウマから大統領を守りきれなかった思いを抱きつつも犯人確保に遁走する。だがこの会場にいた様々な立場の8人は、それぞれ全く違った視点でこの事件を目撃していたのだった。


【感想】
米大統領暗殺事件に絡む、ある8人のそれぞれを視点を通して事件の全容を見せるというサスペンスアクション。
出演している役者がナニゲに豪華なのだが、いわゆる「イケメン俳優」がクレジットされていないので、微妙に世間的に扱いが小さい気がしているのはぴよだけなのか・・・某シネコンに見に行ったら、すげー小さいスクリーンでしたよ。

本作は「米大統領が狙撃されるまでの23分間」を、立場の違う8人の視点で何度もフィルムを巻き戻すように見せるというのが一番のキモになっている。
事件というのは、立場が違えば見ているモノも感じた事もまるで違ってくる。映画では最初はマスコミの視点で、そして大統領を護衛していたシークレット・サービスの視点、観光客の視点、地元覆面警察の視点、テロの犯人の視点・・・それを何度も何度も時間を巻き戻して見せて、見せながら少しずつネタを披露し、最終的に8人全ての視点を見た所で真相が明らかになるという構成になっています。

この手の「フィルムを巻き戻して別視点である事象を眺めてみると、違った解釈や事実が発覚する」という見せ方は、過去にいくつも同じアプローチで作られた作品はあるのでそれ程「すっげー!」とは思わないものの(苦笑)、本作は良くも悪くも登場人物のキャラクターや背景をサラリと流して描き込まずに「大統領暗殺事件」という一点に絞っている。
「サスペンスアクション」に的を絞って1時間半程度の短い尺に収めたので、ストレスを感じずに鑑賞出来ますね。

だから「人間ドラマ」部分はいささか弱いから、ドラマ部分を期待している人には物足らない感じ。
キャラとして立っていたのは主人公のバーンズよりも、フォレスト・ウィテカーが演じていた「ビデオマニアな観光客」
彼は単なる観光客という設定だけど、登場キャラの中で一番人物像や背景が判り易く、そしてクライマックスでは意外な活躍をしてくれるというオイシイキャラでした。それにしても彼は本当に演技上手いな。うん。

息詰まる追跡劇や派手なカーチェイスシーンも、スペインの古い街並みの特徴を生かしていて見所充分♪
・・・だがしかし、たった90分やそこらの映画にしてはカーチェイスシーンは引っ張り過ぎ?あそこまで時間を掛ける位ならもう少しドラマ部分に時間を割いてもらった方が個人的には有難い気がしなくもなかったなぁ〜(苦笑)
描き込みが足らないからなのか?それとも「ハリウッド仕様なんですから仕方ないですね」と開き直っているのか?基本的に話の展開はご都合主義バリバリでツッコミどころ満載ですし(^-^;

まあでもね、非常に良く出来た作品だなーと思いましたね。
最近ハリウッドでは自国の政治家や政治を自虐ネタにするのが流行りなんですか?(笑)
本作でも「をいをい〜」なシーンがありますし、同じシーンの繰り返しだけど「見飽きる」という事もなく、むしろ次はどんな真相が明らかになるんだろう?と楽しみにさせられるような、よく練られた脚本だったと思いますよ。

特に心に残るような手合いじゃないですけどね。お軽く楽しめる娯楽映画としては充分楽しめました♪








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2008年03月05日(水) ライラの冒険 黄金の羅針盤

監督:クリス・ワイツ
出演:ダコタ・ブルー・リチャーズ
    ニコール・キッドマン
    ダニエル・クレイグ、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
我々の住む世界とは別のパラレルワールド。そこは人間と共に動物の形をした守護精霊「ダイモン」が寄り添う世界。この世界のある寄宿学校で暮らす孤児のライラは、活発で冒険心の強いお転婆な女の子。最近この地で子供の誘拐事件が頻発し、ライラの親友も何者かに誘拐されてしまう。時同じくしてライラもコールター夫人に連れられて今まで暮らした寮を去る事になった。その際、学長から「黄金の真理計」を渡されるのだが・・・


【感想】
児童文学界のアカデミー賞とも呼ばれる「カーネギー賞」で歴代ベスト1作品だと謳われた、フィリップ・プルマン著の最高傑作児童文学作品を遂に映画化。本作は3部作の第一章になるそうです(要するに今後2作品シリーズは続く)
ファンタジー作品を3部作で映画化と言うと、指輪物語が記憶に新しい所ですが、正しく本作はそのロード・オブ・ザ・リングを手掛けたニューラインシネマが製作。LOTRで儲けて、柳の下に二匹目のドジョウはいるのか!?

本作、映画本編が始まる前にご丁寧にこの作品が三部作である事、そしてその三部作がどういう手順で語られていくかの説明字幕が入ります。
更に本編が始まると、またしてもご丁寧に本作の描くパラレルワールドの特徴についての説明から入る。やたらしつこく丁寧に説明してくれるので「よっぽど難しい話なのか?」と、ややいぶかしみながら本編鑑賞ですが・・・

話が難しいんじゃなくて、きっと話が壮大過ぎるんだな?
壮大過ぎると言うよりも「説明しなければならない部分」が多過ぎるんだな?
要するにですね、原作の話の筋を追うのでいっぱいいっぱいで「観客置いてきぼり系」ですわ。「ダ・ヴィンチ・コード」と全く同じ臭いのする作りですね、コレは。

ダ・ヴィンチ〜の方は原作を読んでいたから着いて行けたものの、本作の原作は未読なので、とりあえず話が光速でバンバン進んで行くのに判らない事だらけで「ちょ・・・そもそも教権って何?コールター夫人はライラを北極に連れて行くという理由で寮から連れ出したんじゃなかったっけ?あれ?あれ?」みたいな感じで、アレアレと心の中でしつこくつぶやきながらも話はどんどん先へ先へと進んでしまう。

ま、映画を最後まで見てればとりあえず「何となく世界観は判る」ようには作られてますからいいんですけどね、
それにしても詰め込み過ぎで何とも勿体無い作りだなぁ〜・・・と言うのが正直な感想。

主人公のライラが、予告編を見た時には「児童文学にありがちな品行方正な萌え系美少女キャラ」なのかと思いきや、予想に反して活発ないたずら好きで気の強い女の子だったのは結構好印象。
ニコールは相変わらず眩暈する程美しいし(あのスタイルの良さはどーだ!脱げ!脱ぐんだー!←をい)、007を観てすっかり大ファンになってしまったダニエル・クレイグは相変わらずステキ!出番が少なくてぷちムカ付いたけど、きっと次回作からは活躍してくれるのよね?

それにしても、「ダイモン」って何か意味があるんですか?
ビジュアル的には非常に面白いんですが、守護精霊の割りには特に身を守ってくれる様子もないですし、一応ライラに控えめな忠告をしてたりはするものの、「言葉が話せる仲良しペット」の域を出てない気がするんですが(苦笑)

それから肝心の「真実を見せる黄金の羅針盤」なんですが、コレもよく判らないシロモノでして。
3つの赤い矢印を知りたい真実のキーワードとなるアイコンに合わせると、何となくライラの脳内に真実らしき映像が飛び込んでくる仕様らしいんですが、知りたい真実のキーワードとなるアイコンはどういう発想でチョイスするんでしょうか?
映画途中から、ライラが真理計を開くと何も考えずに矢印をアイコンに合わせて、スルスルと真実が見えてくる状態に突入してましたので、どうやらライラはガンオタ(ガンダム好きネ)的に言う所の「ニュータイプ」というヤツなんでしょう(^-^;

後ね、コレはぴよが悪いんですけど・・・
鳥目なんですね。暗いモノが非常に見にくいんです。だからクライマックス以降のバトルシーンなんて何が何だか訳が判らないと言うよりも、ダイモンが光ってくれるので「今誰かが死んだらしい」としか判別付かなかったじゃないですか!
それから魔女軍団は何?どうしてそう都合良くライラの窮地にキャラ総動員されちゃうの!?

文句垂れまくりましたけどー
でも、きっと話が進めが面白くなって行くんだろうなぁ〜・・・という期待は充分持てる作りではありましたよ。
少なくとも次回作は絶対に見なくちゃな!とは思いましたもの。ダニエル・クレイグ見たいし♪←コレが理由か(笑)

ところで本作って「ベストセラー児童文学」の映画化なんですよね?
この映画の作りで児童の皆様は理解が出来るんでしょうか・・・対象年齢がよく判らない壮大な物語ですね。うーん。








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2008年03月04日(火) 迷子の警察音楽隊

監督:エラン・コリリン
出演:サッソン・ガーベイ
    ロニ・エルカベッツ
    サーレフ・バクリ、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
文化交流の為に演奏会をしにイスラエルの空港に降り立った、エジプト・アレクサンドリア警察音楽隊の一行。ところが手違いで誰も迎えに来てくれない。仕方なく自力で会場のある町「ペタハ・ティクバ」に向かった音楽隊は、よく似た名前のホテルすらない田舎町「ベイト・ティクバ」に間違えて来てしまった。お金も乏しくバスは今日はもう来ないと言う。途方に暮れる音楽隊の面々だったが・・・


【感想】
2007年カンヌ映画祭他、世界各国でさまざまな賞を獲得した作品。イスラエル=フランス合作。
出演している役者さんは、エジプトからやって来た「アレクサンドリア警察音楽隊」のメンバーもイスラエルの田舎町に住む人々も全て、イスラエルで活躍する役者なんだそうです。当然知ってる役者は1人もいなかった・・・(^-^;

話はすごく簡単で、エジプトからイスラエルに演奏会にやって来た警察音楽隊が迷子になってしまい、たまたま出会った食堂の女主人の計らいで一晩泊めてもらう・・・ただそれだけの話。
まあそんな訳ですっごくかったるいんですが(苦笑)
なかなか味があって「いかにも単館ロードショー向け(単館モノ好きさん向け)」な作品です。

まず中東の歴史をサラリとでも知っていないと、本作の味わいは半減してしまう。
ぴよは「中東大好き♪」なので、ここらの歴史はちょっと強い。だからこの作品の背景については改めて勉強する必要はなかったので助かりましたが、日本人は中東・・・特にイスラエル絡みの歴史には疎い方が多いですよね。
正直本作は中東(イスラエル)の歴史に疎い方にはちと難しいかもしれないなー、と思いました。

まあ歴史を知らなくても、本作のまったりした人間描写は多少楽しめるハズ。
たった一晩の出来事で何かが劇的に変わる訳じゃない。むしろ大して何も変わらない。でも、エジプトの都会からやって来た音楽隊に興味を示したり半ば迷惑に思ったりしながらも、少しだけ交流して少しだけ何かを感じる。
翌日になればこの地を去り、もう二度と会う事もない人々との交流だけど、きっと双方忘れられない一時になる。

見せ方が特徴的で、セリフが少なくて何となくボーッとしてるだけのカットが結構あるんですが、このなんでもないシーンが積み重なると何か印象に残ると言うのか・・・セリフのない行間を微妙な表情から想像して楽しむ、そんな雰囲気。
大してセリフを喋ってる訳でもないのに妙にコミカルだったり、時に女主人が饒舌に話せば話す程切なくなったり、登場人物の背景についてそれ程情報が与えられる訳ではないけど、何か心に引っ掛かる感じがするというのか。
地味で静かで取り立てて何も展開しないんだけど(をい)、でもちょっぴり優しい気持ちや切ない気持ちになる。

お気に入りだったのは、軟派な若手団員が引っ込み思案なイスラエル野郎に「口説きの手ほどき」をするシーンと、やっぱり食堂の女主人と楽長の遣り取りかなー。
女主人が「エジプトの映画は毎週金曜の夜12時からやっててね」と語るシーンは何だか切なかった。後何と言っても真夜中に目が覚めた楽長さんの、あの淋しげで何とも言えない表情・・・この役者さん、本当にいい表情をしますね。

まあでもねー・・・寝不足で見ちゃーいけない類です(苦笑)
個人的には双方の国の背景もよく判るので非常に興味深く見ましたが・・・やっぱり背景(歴史)が判らないと、ただまったりしてるだけでぼや〜んとした人間ドラマに感じてしまう可能性は大。

中東好きな方にはオススメしたいですが、ただの「人間ドラマ」としてだけ見たらどうなんでしょう?
ぴよにはちょっと評価が難しいトコロですね。是非イスラエルの歴史のお勉強をしてからご覧になって下さい(^-^;








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