ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2004年04月30日(金) しあわせの法則

監督:リサ・チョロデンコ
出演:ケイト・ベッキンセール
    クリスチャン・ベール
    フランシス・マクドーマンド、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
ハーバードを卒業してロスの病院で精神科医として勤務する事になったサムは、生殖学の研究家で美貌の才女アレックスと婚約して人生は順風満帆。誰もいないハズのロスの実家で新生活を始める予定で行ってみると、音楽プロデューサーの母ジェーンとバンドメンバーがレコーディング中だった。
破天荒な人生を歩む母に反感を覚えるサムは苦々しくも母と同居を始めるが、最初は戸惑っていたアレックスが次第にジェーン達に興味示して彼女に近付くようになり、そしてサムも病院で同僚医師と怪しい雰囲気に・・


【感想】
リサ・チョロデンコというちょっぴり可愛い名前の監督さんの作品(この方、ぴよは全く知りません)
監督さんは知りませんが、出てるキャストはなかなか豪華です。オスカー女優のフランシス・マクドーマンドが音楽プロデューサーで破天荒なおかんを演じ、理想的ハイソサエティ・カップルを、様々な役を自在に演じる多才クリスチャン・ベール&今後メグ・ライアンの後釜になれるか!?笑顔がキュートなケイト・ベッキンセールが演じています。

自由奔放な母親が反面教師となって、「絶対に俺は真面目なカタギになるのぢゃ!」と医師になったサム。真面目に真面目に生きて来たので、選んだ嫁さんも当然だけど超カタブツの生物学者。

ただしサムとアレックスではスタンスが違う。
サムは母親という悪い見本を見ながら育ってるので、自分だけは決して道を踏み外すものか!と意気込んでいて、同僚医師にクラクラしちゃってるんだけど無理矢理自分を押さえ込もうとする。
一方のアレックスはただ無菌状態で育っちゃっただけの女の子なので、最初は破天荒なおかんに戸惑うものの、彼女やバンドメンバー達のやる事成す事興味津々で、割とあっさり感化されていっちゃう訳だ。
ここら辺の2人の温度差というのは結構上手に表現されていたなぁ〜と思うんすよね。

わかんねーのはここから先さ(^-^;
映画が進めが進むほど、サムとアレックスは見ている方向も幸せの基準も明らかに違って来るのに、アレックスのぷち浮気現場を押さえたサムに向かって、突然「淋しいのよぅ!」と慟哭するアレックス+はっきり言っておまへの興味はすっかり女医に行っちゃってるでしょ?状態のサムも突如アレックスへの溢れる愛でひしと抱き合う。

アンタ、進んで楽しんでたぢゃん(笑)<アレックス

世の中こんなもんなんですか?
結局「真面目にやって来たヤツらは真面目に生きとけ」って事で幸せ感じちゃったんすか?(苦笑)
よーするに、ぴよにはこのサムとアレックスというカップルが全然幸せそうに見えなかったんすよ。
この話のどこら辺に「しあわせの法則」があるのか、さっぱりわかんなかったんですよ。

更にわかんないのが、ラストのラストで突然宣戦布告して来る女医。
このシーン、必要なのか?映画のシメとして、こんな中途半端で何の収束もないネタだけ振ってどーするよ?(^-^;

ちょっとくらいの浮気は人生のスパイスになるけど、元サヤに収まるのが条件なのヨ♪っていう話なんですか?
うーん。訳わかんなかったなぁ〜(苦笑)






 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2004年04月29日(木) エレファント

監督:ガス・ヴァン・サント
出演:ジョン・ロビンソン
    アレックス・フロスト
    エリック・デューレン、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
オレゴン州ポートランドにある、ごく平凡な高校のある日の1コマをカメラが追う。
学校に送ってくれた父が泥酔している事に気付いて兄に向かえを頼むジョン。ポートフィリオ作成の為に誰彼なく声をかけて撮影する写真部のイーライ、愚痴話に花を咲かせるオシャレな3人娘・・・そして学校でいじめられて劣等感をもつアレックスと、やはり人生に鬱屈した物を感じているエリックの2人は、インターネットで購入したある物が届くのを心待ちにしていた。


【感想】
「グッド・ウィル・ハンティング」等で知られるガス・ヴァン・サント監督作品。
今作は2003年のカンヌ国際映画祭で、史上初のパルムドール&監督賞のW受賞を果たした鳴り物入りの一作です。

アメリカの銃社会を浮き彫りにさせる作品と言えば、まず頭に浮かぶのは昨年のアカデミー賞ドキュメンタリー長編賞受賞のボーリング・フォー・コロンバインですが、本作は正にそれとネタ的には被りまくってます。
ただし、先のボーリング・・とこの作品の大きな違いは、「ボーリング・・」はお手軽に銃が手に入るアメリカ銃社会を痛烈に批判するというスタンスに終始しているのに比べ、今作品はあくまでもカメラは傍観者の立場で貫き、彼らの行動やそれを取り巻く環境や若者の劣等感や優越感等を何の説明もなく、本当に「見せるだけ」に徹している点です。

ぶっちゃけ言っちゃうと、ぴよには「ボーリング・・」よりも今作品の方がかーなーりー寒かったんすよ。
「寒かった」ってのは、よりリアルで鳥肌が立ったっていう意味なんだけど。

田舎のとある高校を舞台に、そこに集う学生の幾人かにスポットを当てて、ただただカメラは彼らの後ろ姿を長回しで追っかけて行くだけ。そこには彼らの人物背景の説明もなければナレーションも何もない。
本当にどこにでもありそうな普通の高校の1コマが、本当にどこにでもいるハズの平凡な目立たない学生2人によって、狂乱の場と化していく恐怖・・・彼らの心理状態を決め細やかにナレーション入れたり脚色したりしないで、ありのままのリアルな状態でフィルムに収めるというのは、映画制作者としてかなり勇気の入る行為だっただろうと思います。

これが、ナレーションがないだけに本当に鳥肌モノなんですわ。

更に恐ろしい事は、この映画は彼らが起こした恐ろしい出来事に対してすら、何の解説も入れなければナレーションも入れず、彼らの真意を明かそうともしないという事。
誰もが簡単に銃器を手に入れる事が出来て、そして誰もが人を殺す事を「楽しむ」事が出来る社会。

ただただそれを淡々と見せる事に終始し、見た者の感情に任せた作りは余りに不親切だとも言えるし、余りに丁寧過ぎるとも言えると思う。

これは遠い国「アメリカ」の話だと思ってはいけない。今の日本は既に病んでいると痛感させる問題作。






 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2004年04月28日(水) 深呼吸の必要

監督:篠原哲雄
出演:香里奈
    谷原章介
    成宮寛貴、他
オススメ度:☆☆−


【あらすじ】
沖縄にさとうきび収穫のバイト「きび刈り隊」としてやって来た7人の若者。それぞれに様々な思いを秘めた彼らは、35日間寝食を共にしながら7万本という途方もない量のさとうきびと格闘しなければならなかった。
想像以上に過酷な作業、そして先輩風を吹かせるきび刈り隊の常連に反発を覚える者、ロクに挨拶も出来ない者、それぞれの若者はきび刈りで何を得て行くのか・・・


【感想】
長田弘氏の詩集「深呼吸の必要」に触発された「ちゅらさん」シリーズの脚本家・岡田惠和の企画によって、オリジナル脚本を起こして映画化した作品。たぶん詩集と作品の内容には直接の関連性はないんだろうなと。
たまたまですが、立て続けに篠原監督作品を鑑賞する事になりましたな。

要は「きび刈り」という過酷な労働を寝食を共にしながら体験する事で、それぞれが抱えた問題を浮き彫りにさせて、最終的にそれぞれが成長し何かを掴んで行く・・という青春群像劇な訳ですが、要するに30年前くらいにすっげー流行った「青春物・学園物ネタ」を、今の役者さんにシチュエーションを変えて演じて頂いた、ただそれだけで(^-^;

最近ここまでベタな青春群像劇ってあんまりなかったから、中村雅敏が怪しいアフロヘアで走りまくってるよーな学園物(古いなぁ〜)を知らない世代のイマドキの人が見たら、それなりに楽しめたり共感したり納得したり出来るのかもしれませんが、ぴよにはなーんの面白味も感じなかったんだけどな(今日も吠えましたね。苦笑)

この映画の1番の致命傷は、何と言っても主人公「ひなみ」のキャラクターに魅力がない事、更に何故ひなみはこの過酷なバイトに参加する事にしたのかという理由、ひなみが抱える問題について一切触れていないという所。
他にも、よっぽどの理由がなきゃこんな過酷なバイトに参加しないであろう「オシャレ命」の女の子も、ただ文句垂れたりキャピキャピしてるだけで「どうしてここにやって来たのか」というツボに触れずに終わっている。

全てのエピソードやそれぞれが抱える問題が、中途半端にバラバラに提示されて、それがとっ散らかったまま結論を出さずに、ただ肉体を酷使し集団生活をする事で何となく昇華されちゃった、という終わり方になっちゃっててどーにもこーにも納得が行かないんですわよ。

さとうきびを刈るシーンをもっと少なくして、個々の精神部分にスポットを当てた方がよかったんじゃないかと思うのよ。
どれもこれも中途半端になるくらいなら、問題を抱えたキャラクターを2,3人に絞って(その中に主人公を入れるのは基本)、そのキャラクターをうんと掘り下げる事に心血注いだ方が断然作品に深みが出ると思うのさ。

沖縄の素朴で瑞々しい風景、実に感じのいい「おじい・おばあ」、そしてとにかく美味そうな沖縄郷土料理。
この3点以外には何の魅力も見出せない、実に中途半端なアイドル映画モドキになっちゃってましたわ(苦笑)






 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加








2004年04月26日(月) 天国の本屋〜恋火

監督:篠原哲雄
出演:竹内結子
    玉山鉄二
    香川照之、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
何故か生きながらにして「天国の本屋」で働く事になったピアニストの健太は、天国で幼い頃憧れたピアニスト・翔子に再会した。何故かピアノが弾けなくなってしまった翔子を助け、未完の組曲を作る手伝いを始める事に。
一方、現世では翔子の姪・香夏子が商店街の花火大会で伝説の「恋する花火」を復活させようと遁走していた。ところが「恋する花火」を作っていた職人・滝本は、10数年前の暴発事故がきっかけで花火を捨てて、自暴自棄な生活を送っていた。
実は滝本の恋人が翔子で、この事故により翔子は片耳が聞こえなくなり、彼女は非業の死を遂げていたのだ。


【感想】
松久淳と田中渉の共著「天国の本屋」シリーズの第一作「天国の本屋」と第三作「恋火」を掛け合わせて映画化。
原作本は、絶版寸前だったところを地方の書店主が目を留めてアピール、それがきっかけでじわじわと火が点き、50万部超えのベストセラーになったという、正に「クチコミ伝説」の逸品だそーです。

話は、生きながらにして天国にスカウト(?)されて「天国の本屋」でバイトをする事になったピアニストの健太と翔子の物語と、現世で商店街の花火大会に伝説の「恋する花火」を復活させようと遁走する香夏子と花火師・滝本の苦悩を並行して見せる・・・と思わせておいて、実は映画の主軸になるのは決して交わる事のない「滝本と今は亡き翔子」の恋の物語という、実に手の込んだ脚本になっています。

花火を捨てさせる事になってしまった恋人に罪悪感を残す死者の翔子と、償いようのない傷を負わせて死なせてしまった恋人に対する罪悪感で自暴自棄に陥る現世の滝本の永遠に封印された恋。
これを当人同士が絡む事なく「天国の健太」と「現世の香夏子」の2人がそれぞれに絡む事で、2人のラブストーリーを完結させて行く妙技には、思わずうなってしまいましたわ。

映像もすごくキレイ♪
全編ALL北海道ロケを行ったそーで、ノスタルジック感のある優しい風景と町並みが映画を支配し、それはクライマックスまで実にいい雰囲気で引き継がれて行きます。

「何故健太は死んでいないのに天国に連れて来られたのか?」という理由探しのヒントとして、心に深い傷を負った由衣とサトシの恋愛エピソードが挿入されていますが、これもしつこくない程度のボリュームで、尚且つきっちり「泣かせ」なシーンも盛り込んで、実にソツがないです。

難を言えば、1人2役という難しい役ドコロだった為か?竹内結子の演技が多少わざとらしく感じた事と、伝説の「恋する花火」が想像していたよりも地味で「フツーの花火やんか」と思った事くらいか(^-^;
まあ花火に関しては仕方ないかも?何しろ「恋する花火」は「和火(日本古来の伝統的花火)」だという設定なので、どーしても最近の「スターマイン」に代表される「洋風花火」よりも色や演出が地味になってしまいますから。
(でもラストのスタッフロール画像で挿入されている花火は圧巻でしたわヨ♪)

バラバラに見せているようで、じわじわと「天国と現世」を絡ませ、そしてクライマックスで完全に融合させる。
実はぜーんぜん期待してなかったんだけど、思わぬ「拾い物」をしたよーな、ステキな作品に出会っちゃいました♪







 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2004年04月25日(日) 真珠の耳飾りの少女

監督:ピーター・ウェーバー
出演:スカーレット・ヨハンソン
    コリン・ファース
    トム・ウィルキンソン、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
タイル職人だった父が失明したので、一家の家計を支える為に画家フェルメール家の住み込み女中になったグリート。彼女の色彩センスを見抜いたフェルメールは、グリートに絵の具の調合を手伝わせるようになった。
ところがフェルメールがグリートとアトリエで過ごす時間が長くなるにつれ妻の嫉妬心を煽り、それはフェルメールがグリートをモデルにして絵を描く事で頂点に達するのだった。


【感想】
トレイシー・シュバリエ著の同名小説の映画化。フェルメールは今も世界中から愛される画家の1人だが、彼の作品の中でもとりわけ人気の高い「真珠の耳飾りの少女(青いターバンの女、とも呼ばれる)」にまつわる、フェルメールとモデルの少女とのエピソードがネタになってます。
勿論映画の内容(原作もネ)はフィクションですヨ。実際のこの絵のモデルは今も誰だかはっきりしていませんから。
(一番有力なのは、彼の娘の内の1人であろうという説)

本作では「真珠の耳飾りの少女」のモデルになったのは、フェルメール家の奉公人だったという事になってます。
これがまた・・・よくもこんなにモデルの少女に似た顔を捜して来たなぁ〜と感心するくらい、スカーレット・ヨハンソンが絵の少女に似てましてねぇ(笑)
例の絵を描くシーンで青いターバンを巻いて振り向いた顔なんて、絵から抜け出したかのよーな瑞々しさでしたわ。

この「フェルメールの作品から抜け出したかのよーな」というのは、彼女だけでなく作品全編を通しても言える事で、小さなシーンのちょっとしたショットの1つ1つが「あ。これは水差しを持つ女に似てる」とか、「これは秤を持つ婦人っぽい」とか、相当フェルメール作品の「光と影」使いを意識した撮り方をしていて大変高評価です♪
衣装もフェルメールの残した作品のテイストを実に忠実に再現しているし、室内内装、装飾の細かい部分に至るまで、本当にため息が出るほど「フェルメール」しています。

問題は、キャラクターの心理状態の描き方と見せ方だと思うんだな。

少なくともフェルメール、グリート共にお互い尊敬だったり思慕だったりを超える「性的魅力」を感じていたハズですが、余りに「おキレイ」に作り過ぎて、正直言って魅力を感じないんだよね。(^-^;
昔から画家とモデルが男女の関係になるというのは当たり前で、だからこそフェルメールの妻はこの絵を見て怒り狂う訳だけど、結局アトリエで2人が実際に体を交える事はないのさ。

いい捉え方をすれば「精神的な繋がりを絵画に昇華させた」というトコロなんでしょうが、実際はそんなおキレイなモノぢゃないでしょう。セリフの少ないこの映画の中でフェルメールとグリートの心の高まりを表現しようと思ったら、映像で見せる「エロティシズム」は必要不可欠だったんじゃないかと思う訳です。
唯一エロティシズムを比喩するのがピアスの穴を開けるくだりですが、これだけではぴよには物足らなかったなぁ。

だから映画見ながらずーっと「物憂げな目線くれたり、影からコソコソ盗み見し合ったりしてるけど、結局おまへらは何を考えてんねん!」って思っちゃったぢゃんね(苦笑)

フェルメールが使用していたと言われる「暗箱(今で言う一眼レフカメラみたいなもんです)」のシーン等も盛り込んでいますが、これは美術史やフェルメールが好きだという人じゃないと、見ても意味が判らなかったんじゃないかと思うわ。
(ぴよは勿論フェルメール好きなので、このシーンが挿入されてるのは嬉しかったけどネ♪)

お高くとまらず、もうちょっと2人の関係をググッと掘り下げた内容だったらなぁ〜。
これだけ映像にこだわって撮ってるのに、本当に勿体無いと思うわ。


 



 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加
   





2004年04月22日(木) ハッピーフライト

監督:ブルーノ・バレト
出演:グウィネス・パルトロウ
    クリスティナ・アップルゲイト
    マーク・ラファロ、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
ダラスの片田舎でトレーラーハウス生活の田舎娘ドナは、TVで見たカリスマ・スチュワーデスを見て一念発起!地元の小さな航空会社の客室乗務員になった。でもこのドナの夢は「国際線ファーストクラス」
業界大手のロイヤルティ航空のスチュワーデス養成試験に合格したドナ、必死に勉強してテストも自身満々だったのに、何故か配属は成績の悪い人が担当する近距離路線。おまけに不出来な生徒だったハズの親友クリスティーンは国際線勤務に。ヘコむものの持ち前のバイタリティで更に上を目指すドナだったが・・・


【感想】
グウィネス・パルトロウ(ぴよ、この人好きなの♪)主演最新作・・・って、名古屋では明日で公開終了しちゃうので、大慌てで鑑賞。レディースデーだった事もあってか劇場超満員でした。だったらもっと公開延長しろって(笑)
日本では既にスッチーネタは散々使い古された感がありますが、今になってハリウッドでスッチー物。乗務員の実技訓練のシーン見ながら、思わず「堀ちえみ」を探したぴよは余りに古過ぎますか?(^-^;

話は先の展開ミエミエの、乙女・サクセスストーリーの王道です。なーんのヒネリもございません。
自分の夢を追う為に全力投球し、途中邪魔が入るものの何のその、見事克服して憧れの国際線ファーストクラスの客室乗務員の道へ!・・・でも夢は叶ったけど何か空しい。そう、夢の為にぶった切った男が忘れられないのよぅ!夢は叶ったんだから、今度は男も私のモノにするのよぅ!
・・・書いてて、相当都合のいい話だったんだなーと今更ながら再確認したりして(笑)

見モノはグウィネス演じるドナのファッションの変遷です。
映画冒頭の「これはさすがにあり得ねぇ〜!」という、田舎者と言うよりも「スレっからし」のよーなファッションが、大手航空会社に就職し、国際線スッチーになって行くにつれてどんどん洗練されたコンサバファッションにグレードアップして行きます。
それは航空会社の制服にも反映されてて、最初に勤めた地元弱小航空会社の制服なんて、イマドキ風俗雑誌でも見かけないよーな怪し過ぎる服だし!(笑)

映画に使用されてる楽曲も超・ぴよのお好み♪
中学・高校時代に散々聞いたあの曲・この曲、今でもカラオケで歌う定番ナンバーまでビシバシ登場。
サントラCD売ってたら今度買っちゃおうかなぁ〜♪

難を言うとグウィネスの相方役だよなぁ。
もーちょっと「花」のある俳優使えなかったんだろーか?彼女の方が迫力有り過ぎて、そこまでドナが思い入れを持つ程のイイ男には見えないのは痛いっすわ。
クリスマスのシーンや、近距離線に乗ってる時にゲイのスチュワードに相談するくだり等、結構上手に「恋愛と仕事」の板ばさみに悩む姿を描いているだけに、テッド役に魅力がないのは余りに痛い。

ま、そこそこ楽しめて、そこそこ笑えて、ファッションや音楽も楽しみつつ磐石なオチに突き進むという、文句の垂れようもないありきたりなサクセス・ラブ・ストーリーに仕上がってるんじゃないでしょうか?





 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2004年04月21日(水) スクールオブロック

監督:リチャード・リンクレイター
出演:ジャック・ブラック
    ジョーン・キューザック
    マイク・ホワイト、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
売れないロックバンドを率いるデューイ。ある日バンド仲間からクビを言い渡され、挙句居候している友人ネッドからは家賃滞納で出て行けと言われてしまう。困ったデューイは、ネッドに成りすまして有名私立小学校の代用教員の職を得た。
ところが自分が受け持ったクラスの生徒はどいつもこいつも音楽の才能に長けたヤツばかり。クラッシックしか知らなかった生徒達にロック魂を叩き込んで、賞金目当てにバンド・バトルに出場しようと目論むのだが・・・


【感想】
自身も「THE D(テネイシャスD)」というバンドを結成しているマルチ俳優「JB」ことジャック・ブラックの最新主演作。
どっかで見た顔だけどどこだったっけなぁ〜と思ってたら、「愛しのローズ・マリー(2002.5.6鑑賞)」のハル役やってたのね。ハル役よりもこっちの方が断然JBの魅力がバリバリ全開になってますぜ!

話は簡単。ロック馬鹿の主人公が、金に困って友人の名を偽って職を得た先が名門私立小学校の代用教員で、クラッシック音楽の英才教育を受けてたガキ共を見て「これは使える!」と即席ロックバンドを作って、2万ドルの優勝賞金目当てにバンド・バトルに出場しよう、という話。

まぁ〜・・・いかにもB級臭のプンプンするあらすじでしょ(笑)
これが、本当に超B級な作品なんだけど(をい)、とにかく楽しくて楽しくてしょーがないんだ!!
少なくとも60年代〜80年代のロックを愛して止まないぴよ世代(からちょっと上かも?)の皆さん、必見です!
何しろネ、ロックのロの字も知らないガキに最初にセッションさせる楽曲が、ディープ・パープルの「SMOKE ON THE WATER」ですぜ?これ聞いて「うっ!そー来たかっ!」と反応したヤツ、絶対にこの映画は見逃すな!!(笑)

正直言うと、文句付ける箇所は多々ありますわ。
子供達のキャラクターの描き込みが薄くてガキキャラの魅力が今ヒトツ欠けるし(特にリードギター担当のザックのキャラはもう少し掘り下げて欲しかった)、エピソードの繋ぎや展開がぬるいのも否めませんしね。
でも、その欠点を補って余りある臭い程の「ロック魂」バリバリのステキな作品になってます♪

ただ「ロック見せます」だけでは面白くない。アホのロック野郎・デューイの言う事がとにかくイカす(死語)のさっ!
初めて出会ったロックに戸惑うヤツ、自分に割り当てられたミッションが気に入らないヤツ、コンプレックスに悩むヤツ、誰もがぶち当たる精神的な壁をガキ共がデューイに訴えるんだけど、その都度すっごいハートフルで熱い名言をこのデューイという男は語るのだ。
こんな熱いメッセージを聞いたら、そりゃ誰だって心動かされちゃうだろ!って納得出来るくらいステキなのよ。

出演してる子役がまたスゴいんだよねぇ〜!
全米でオーディションして掻き集めた精鋭子役らしいですが、その殆どは役者経験がない子供だそーです。音楽センスと素晴らしい演奏技術を持っている事が決め手にはなっているんでしょうが、よくもここまでやってくれました!と言わんばかりの熱演&熱演奏。

クライマックスでデューイが「観客ダイブ」したシーンでは、会場で拍手が起こりました!(勿論ぴよも拍手したわ♪)
このクライマックスシーンでは、思わずスタンディング・オベーションしたいくらい・・・実は腰が浮いてたし(笑)

いやぁ〜!全然期待しないで見ただけに、感動もヒトシオですわ。
ロック好きは涙モノの使用楽曲に興奮して、そーでない方もハートフルなデューイのキャラに魅了されて、笑って笑って楽しんで癒されて感動して・・・映画ラスト後のスタッフロールも、最後の最後まで必見!

これ見なくちゃ、この映画は完結しませんよ!!







 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2004年04月20日(火) 死に花

監督:犬童一心
出演:山崎 努
    青島幸男
    松原智恵子、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
東京郊外にある高級有料老人ホーム。ここに入所している悠々自適の生活を送る老人達の仲間の1人が亡くなった。彼が遺した「死に花」というタイトルのノートに書き記されていたのは、何と銀行の金庫強奪計画書だったのだ。
練りに練られた計画書を見て沸き立つ老人達。生ぬるい「老後」に辟易していた仲間達は一念発起、銀行強奪計画を実行に移すのだが・・・


【感想】
太田蘭三氏著の同名タイトル小説の映画化。
とにかくキャストが豪華です!山崎努、青島幸男、谷啓、宇津井健、長門勇、の「銀行強奪メインチーム」に、花を添えるマドンナ役は松原智恵子と若手の星野真里、他に藤岡琢也、小林亜星、そして森繁久彌等、日本映画界を長年背負って来た錚々たる顔ぶれが総出演しています。

予告編で大体のあらすじの流れは想像付きますが、要するにヒマ持て余したリッチな老人達が、生き甲斐見つけて子供のように大はしゃぎしながら銀行の金庫を強奪しようという話です。

話のネタ自体は非常に面白いと思うの。
実際、今の「70歳超世代」ってすっごく元気いいし、元気はあるのにやる事がなくて日々を持て余してる人、多そうだしね。そんな彼らが刺激を求めて起こした行動が「銀行金庫強奪」ってんだから、突拍子もなくて楽しいぢゃ〜ありませんか!

ネタはとっても興味をそそるし、映画自体も結構「ぷぷっ」と笑わせてくれるんだけどネ、どうもダレるんだよなぁ〜(^-^;
まず、銀行の金庫強奪に至るまでのエピソードが長過ぎる感じがしたんだよね。
すっごく丁寧に老人達の生活振りやエピソードを描いてくれてるんだけど、それがぴよには余り魅力的には映らなかったワケよ。映画冒頭の棺桶シーンは導入部としてなかなかいい感じなんですが、その後の白寿祝いのシーンや葬式終了までのシーンが長過ぎると思うの。
加えて言えば、金庫強奪後のラストも全部端折っちゃっても(全部と言わないまでもかなりの部分)良かったと思う。

更にイチャモン付けるとさ(あうぅ〜)
これだけの芸達者な役者を揃えている割に、個々のキャラクターに際立つモノがないってのも勿体無い気がするわ。
1番クセがあるのは青島幸男氏の「1000人斬り目標のエロおやぢ」だけど、彼だって妙にいい人でクセがない。もっと生臭くて辛らつでワガママで癇癪持ちで、更に持病があって都合のいい時ばっかり病気のせいにするような・・・そんな「誰もがイメージする老人像」をうんとディフォルメしたよーなキャラがてんこ盛りの方が、エピソードも膨らみが出て面白くなったんじゃないかなーと思うのよ。

妙に老人達を持ち上げて、感じのいい老人達ばかり揃えてしまっているのが本当に勿体無い。
もしかしたら製作者は、この映画の鑑賞ターゲットを「同世代の高齢者」に据えてるのかもしれないけど、ネタ的には充分若者にウケる内容だと思うんですわ。
若者層にこの映画をアピールしようと思ったら、やっぱり若い人がイメージする「これだから年寄りってのはさぁ〜!」ってキャラをふんだんに作った方が断然映画が生きたハズ。

そういう意味では、小林亜星氏のキャラが一番若者のイメージする「老人キャラ」だったのかもしんないな。(^-^;
ま、どんなだったかは映画を見て楽しんで下さいヨ♪(笑)







 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2004年04月19日(月) ビッグ・フィッシュ

監督:ティム・バートン
出演:ユアン・マクレガー
    アルバート・フィニー
    ビリー・クラダップ、他
オススメ度:☆☆☆☆+


【あらすじ】
エドワードは自分の人生をまるで神話か御伽噺のようにドラマティックに語る少々虚言癖の激しい男だ。だが彼の話の楽しいだけでない「真実」の物語に人々は魅了され、誰もが彼と彼の話を愛したのだ。たった1人彼の息子を除いて。
幼い頃は父エドワードの話に夢中になった息子のウィルだったが、エドワードのホラ話に段々嫌気が差し、本当の父の姿が見えなくなっていったのだった。病床の父を見舞ったウィルは「真実の父の姿」を捜し求めるのだが・・・


【感想】
1998年に発表されたダニエル・ウォレス氏著のベストセラーになった同名小説の映画化。映画化に際しスティーブン・スピルバーグ監督も候補に挙がったそーですが、結局ティム・バートンがこの大役をゲット。
ティム・バートンって、ぴよ的に「当たり・ハズレが大きい監督」というイメージなので、期待半分で鑑賞しましたが・・・

映画の構成が、死期の迫った(それでもホラ吹きまくり)親父と息子の葛藤という現実シーンと、親父が語る壮大なホラ話を映像で見せる虚のシーンを交互に差し挟むという、なかなか面白い作りになってます。

とにかく親父の語る「我が人生」ってのが、実にドラマティックで楽しい。
こんな話あり得ねー!と思っても、「それで、どーなったの?」って思わず聞き入っちゃうネタばっかり♪
そのホラ話を実に丁寧に映像化してくれて「絵+エドワードの語り」の絶妙なコントラストで益々惹き込まれちゃったねっ

この「ホラ話」をどうやって収拾付けるのかと思ったら・・・
これは原作が素晴らしいのか脚本が素晴らしいのか、虚実入り乱れた親父の「ホラ話」はラストで息子に語らせる事で、とても優しいおとぎ話として完結して行きました。

何より、親父が語らなかった「本当の親父」のエピソードの方が、ぴよにはよっぽどドラマティクでステキだったと思うの。
それにコレは「ホラ吹き」の基本だけど(をい)、「全て作り話だと誰も信じない。事実の中に演出として他愛のないウソを潜ませる」という王道をきちんと守っていて、この「事実部分」と「ホラ」の微妙な(ある意味意外な)バランスが、この映画をよりステキにしてくれてると思いましたワ♪

これは映画の感想ではなくなってしまうけど、
今は亡きぴよのパパが正にこのエドワードのような「ホラ吹き親父」の典型でネ、事実もちゃーんと散りばめられてんだけど、話してる内にどんどんエンターテイメント化(笑)して行って、「演出段階」で随分話が摩り替わって、最終的に大ウソのオチが付くというお茶目な親父だった。
ぴよはパパの「本当半分・ウソ半分」のお茶目なホラ話が大好きだったんだけど、ママはよく「またウソばっかり!」って始終プリプリ怒ってましたねぇ(^-^;
丁度この映画の設定「妻は親父のホラ話を愛し、息子は嫌悪する」が全く逆のパターンでした。

でも、エドワードの語るホラ話は決して自分を英雄視させる為のものではなかった。
ぴよパパのホラ話も、いつもそこにいる誰かを心の底から楽しませる「極上のエンターテイメント」だった。

面白味を感じない人も多いかもしれない。「展開がぬるい」って言う人もいるかもしれない。
好き・嫌いが割りとはっきり分かれる作品なんじゃないかと思うんだけど・・・ぴよは亡きパパを重ねて懐かしみ、エドワードの話にワクワクし、そして彼を取り巻く全てのキャラ(息子もネ)の心情に共感し納得し、ラストで息子・ウィルが語る壮大で神話的なおとぎ話には思わず涙がこぼれました。

そんなぴよもパパの血を色濃く受け継ぎ、相当な「虚言癖」アリアリなヤツです。(笑)







 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2004年04月16日(金) ゴッド・ディーバ

監督:エンキ・ビラル
出演:リンダ・アルディ
    トーマス・クレッチマン
    シャーロット・ランプリング、他
オススメ度:☆


【あらすじ】
2095年ニューヨーク、そこは神々と人間、ミュータント、エイリアンがひしめく混沌とした世界だった。古代神ホルスは反逆罪で神々から死刑を宣告され、7日間の猶予をもらい地上に降り立った。ホルスは30年前政治犯として捕らえられた男・ニコポルに、体を借りてある女を捜したいと申し出る。ニコポルに選択の余地はなく、ホルスに言われたバーに向かった。
そこにいたのは白い肌、青い髪の美しい謎の女・ジルだった。ジルは自分が何者なのか、自分に備わった特殊な能力、そして愛とは何なのかすらも知らなかったのだが・・・


【感想】
フランス・コミック界の巨匠エンキ・ビラル氏の代表作「ニコポル三部作(不死者のカーニバル・罠の女・冷たい赤道)」の映画化。脚本も監督も全てビラル氏がこなしたという本作は、主人公のジルとニコポル、そしてジルに興味を持ち人体実験を申し出る女医エルマ以外の登場人物を、全てフルCGで製作、最新のVFXで実写と合成している。

そーか。これも原作があったのか。(^-^;
こういう内容に触れない程度の情報は、先に仕入れておかなければいけませんね。以前「イノセンス(2004.2.24鑑賞)」見た時も、原作の世界観を勉強しておかなかった自分を激しく呪いましたが、ぴよってホントに学習能力ゼロですわ(涙)
原作があるという事は、原作コミックのファンの方にはこの映画の世界観やキャラクター設定は先刻承知で楽しめるという事でしょう・・・てな訳で、元ネタを知らないぴよにはまたしてもとんちんかんな映画でした(笑)

それにしても「イノセンス」の時にも思いましたが、いくらファンの為の映画だとは言え、原作のある物を映画化するんだったら何も知らない人にも最低限理解出来る程度の説明は必要だと思うんですよ。

内容がとんちんかんなので(実は公式HPのストーリーを読んでも、まだ今ヒトツ理解出来てないんすけど。苦笑)仕方ないから映像技術の方を攻めてみましょうか。
上にも書きましたが、本作は主人公2人と女医以外の登場人物を全てフルCGで作っています。ですがこれには全く意味も意義も感じません。感じないっつーか、ヘタなCG使うよりも役者に特殊メイクして演じさせた方が、もう少しマシな出来になったんじゃないかと思う程お寒い状態です(^-^;

そもそも古代神ホルスの役ドコロがさっぱり掴めません。もっと言うと必要性すら感じません。
ジルという女性は自覚がなくとも特殊な能力の持ち主だという設定なので、ニコポルが神のパワーで強くならなくても、ジルがスーパーパワーを持った女性という事にしておけば展開に問題はなかったと思うんすよ。
そーなると、刑事の存在も必要なくなりますから・・・随分話がシンプルになって判りやすくなりそうでしょ?(^-^)
あ。そーすると「ゴッド・ディーバ」ってタイトルが合わなくなっちゃうか?映画そのものが破綻しちゃうな(爆)

代議士が飼ってる気持ち悪いだけのお粗末なエイリアンやら、謎に包まれた・・包まれ過ぎて全く意味不明の巨大企業ユージェニックス社やら、何から何まですっとこどっこいでお手上げですわ。

ちょっと思ったんだけど、この主人公ニコポルが30年前に捕まったという事件、こちらの方が映画のネタとして魅力的な気がするんすよね。
元ミス・フランスの女優さんに青い涙流させてるヒマがあったら、巨大企業ユージェニックス社の謎と代議士との癒着、そしてそれを暴こうとする正義漢・ニコポルの対決!って映画作った方が、よっぽど面白くなりそうだと思ったんだけど。

ぴよが脚本書いてあげようか?(をい)






 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2004年04月15日(木) コールドマウンテン

監督:アンソニー・ミンゲラ
出演:ジュード・ロウ
    ニコール・キッドマン
    レニー・ゼルウィガー、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
南北戦争末期の1864年ヴァージニア州ピーターズバーグ、北軍との戦いで瀕死の重症を負ったインマンは、3年前にたった1度だけ口づけを交わしたまま離れ離れになった恋人・エイダへの愛にのみ命を捧げる事を決心し、脱走兵となって1人500Km離れた故郷のコールドマウンテンに向けて歩き出した。
一方、故郷でインマンの帰りを待つエイダも苦汁を舐めていた。支えだった父親が亡くなり、お嬢様育ちのエイダは生き延びる術を知らなかったのだ。そんなある日、エイダの元に流れ者の娘・ルビーが現れた。


【感想】
1997年に出版されるやNYタイムズ紙のベストセラー・リストに45週ランクインし、栄えある全米図書賞のフィクション部門を受賞したチャールズ・フレイヤー著の同名小説の完全映画化。
物語はフィクションだけど、主人公インマンのモデルはチャールズ氏の大々叔父なのだそーだ。氏の大々叔父は、実際にヴァージニアの病院からノースカロライナ州の自宅まで、480Kmの道程を歩いて帰ったんだそうです。

映画の舞台は南北戦争時代だけど、決して戦争映画ではないです。映画冒頭に迫力ある戦闘シーンがありますが、話の中心は脱走兵となった男の苦難と、男を待ちながら逞しく成長していくお嬢様の愛、そしてそれを取り巻く人間関係と環境と時代という「南北戦争という魔物に翻弄された市井の皆様」というネタです。
たまたま先日見た「ブラザーフッド」と、アプローチは随分違うもののテーマは被る部分が多いです。

要するに「反戦映画」なんですよね、コレ。
人の心を突き動かすのは「大義」ではない。「愛」のみに人は命を捧げられるのだ、と。

時代を見せるだけでは話が薄っぺらくなってしまいますが、主人公が脱走兵になって色んなイベントをこなす事、更にエイダという女性の成長物語を交互に見せる事で、目先が変わってドラマ性に富んだ物語に仕上がってます。
上映時間が2時間30分超えとかなりの長丁場ですが、ぴよは見ててダレたり飽きたりしませんでしたね。

時代考証もしっかりしているし、非常に丁寧にしっかりと作られた作品だという印象は誰もが持つでしょう。
役者の演技も申し分ない。レニーちゃんは今作でようやく念願のオスカーを手にしましたが、さもありなんの熱演ぶりです。ニコールはエイダという役をやるには少々トウが立ち過ぎてる感は否めませんが、それを補って余りある相変わらずのまばゆいばかりのお美しさ♪彼女の衣装もめっちゃ可愛いよぉ〜ん!
ジュード・ロウの男っぷりも見モノです。「A.I.」で怪しい男娼ロボットを演じてた時は「コイツの顔は出来過ぎだな」と思ったぴよですが、今回かなりコ汚い様子でご登場のジュード君、ワイルド路線もかなりイケてます♪

大作系の匂いプンプンでしてネ、すっごいオーソドックスな作りしてるんです。
先の展開もミエミエで、これと言って驚かされるよーなヒネリもありませんから安心して見れると言えばそーですが、何と言うか・・・壮大な抒情詩を見させてもらったという満足感はあるものの、映画のどのキャラクターにも自分を投影出来なかったって言うのかな?作品に置いてきぼりを食らって、感動するツボが掴めなかったという感じがしたんですが(^-^;

そもそも「恋愛映画」としての部分が弱過ぎなんですよネ。
「汝、姦淫するなかれ」という十戒の言葉、今の時代の人間が聞いても何のこっちゃ?って感じでしょ。
そんな現代人に「3年前にたった1度キスした相手」に命捧げるって言われたって、ピンと来る訳ありませんわ(苦笑)

とは言え、作りはしっかりしてますし映像も手が込んでて素晴らしい出来栄えになってます。
大スクリーンで見る価値は充分アリですネ。「いい作品」だとは思いましたもの。






 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2004年04月13日(火) ブラザーフッド

監督:カン・ジェギュ
出演:チャン・ドンゴン
    ウォン・ビン
    イ・ウンジュ、他
オススメ度:☆☆☆☆+


【あらすじ】
1950年、韓国ソウル。しっかり者の兄・ジンテと気が弱いが心優しい弟・ジンソクの兄弟は、6月25日の朝鮮戦争勃発により強制徴収されてしまった。弟を何とかして退役させて戦地から引き離そうと、ジンテは身代わりに危険な任務を自ら進んで買って出るようになる。自分が勲章を取れば、褒美の代わりにジンソクを退役させる事が出来るからだった。
ところがジンテの急激な変化にジンソクは戸惑い、兄に不信感を募らせるようになる。ようやく勲章を手にした兄がジンソクを退役させようとするものの、既に兄が信じられなくなったジンソクはそれを拒否するのだった。


【感想】
「シュリ」で日本に韓国映画ブームの先駆けを作ったカン・ジェギュ監督の最新作。韓国では既に2月6日に公開になっていて、オープニング新記録を始め次々と新記録更新中。既に観客動員数も1000万人を突破し、正に韓国映画史上最高記録を樹立するのは間違いなし!の超大作。

とにかく映像がスゴイ!
派手なアクション好きのジョン・ウー監督も真っ青になりそーな(をい)爆撃に次ぐ爆撃、銃弾が目まぐるしく飛び交い、あちらこちらで炎を上げ爆薬が炸裂し人が吹っ飛ぶ戦闘シーンは圧巻!
カメラワークにもリアリティを追求し、爆弾が炸裂するシーンでは爆破の振動の臨場感を伝える為に、スクリーンの映像自体も大きく揺れ動いて、何がどーなってんだか見てて訳わかんないくらいスゴイです(笑)

話の本筋は、およそ戦争向きではない心優しい秀才クンの弟を何とかして戦地から引き離そうとする兄貴と、戦渦にまみれてかつての思いやりを失っていく兄貴に失望する弟という「兄弟の心のすれ違い」を主軸に、戦争がもたらす狂気と動乱を絡めて見せて行きます。

戦争映画というとどうしても製作した国の側の立場で作ってしまうので、「主人公チームが正義・敵は絶対悪」というスタンスになってしまってぴよはどーにも好きになれないのですが、この作品の素晴らしい点は何と言っても「戦争をするのにいいも悪いもない。韓国の方だって同じ穴のムジナだった」という描き方をしているトコロでしょう。

強制徴収されて嫌々戦場に駆り出されたハズのヤツらが、自分達の平和を守りたいだけだったハズの一般市民が、いつの間にか北朝鮮軍と見ると有無も言わさず虐殺し、進んで「アカ狩り」をして同胞達を殺し合う。
戦争がもたらす狂気の描き込みがリアル過ぎて、思わず目を覆いたくなるほど・・・

上映時間が2時間20分超えと長めですが、トントン拍子に話が展開する割りに兄弟の心の動き・すれ違い・心情等の描き込みは非常に丁寧で、ダレる事は全くなかったです。
主人公の2人の演技も申し分ない。特に兄・ジンテを演じたチャン・ドンゴンは素晴らしかった!
映画冒頭での家族思いの優しい兄の表情が、戦渦にまみれてみるみる阿修羅の光を放つようになる辺り、あまりの迫真の演技に思わず鳥肌がゾゾーッと立って悪寒が走ったわよ!!

結局この戦争の結果は・・・
何も変わっていないどころか、世界も人の心も益々邪悪な方向に向かっているとしか言えない状況で。
老人の慟哭には涙を流さずにいられませんでしたが・・・戦争を過去のモノとしてその爪痕を嘆くにはまだ早い。
今もまだ世界は日々人を殺し合い、略奪し、陵辱し、狂気を生んでいるんだもの。

この映画は単なる「かつて起こった朝鮮戦争の話」として見るべきではない。
「面白かった」という感想は不似合いな、でも色々考えさせられる「今見なければいけない」作品だと思う。






 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加
   





2004年04月12日(月) オアシス

監督:イ・チャンドン
出演:ソル・ギョング
    ムン・ソリ
    キム・ジング、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
轢逃げで男性を殺してしまった事で服役していたジョンドゥが、刑期を終えて出所して来た。ところが家族はジョンドゥが服役中に引っ越しているし、明らかに彼を持て余している状態だ。とりあえず職を得たジョンドゥは被害者の家を訪ねるが、被害者の息子夫婦は脳性麻痺の妹コンジュを残し、大きな家へ引っ越しする所だった。
コンジュに興味を覚えたジョンドゥは翌日花束を抱えて、独りぼっちになった彼女の元を訪れたのだが・・・


【感想】
「ペパーミント・キャンディー」の監督イ・チャンドンが「ペパーミント〜」で起用したソル・ギョングとムン・ソリをそのまま使って製作した本作は、男は前科3犯、女は脳性麻痺の障害者という、いわゆる「世間から疎外されている」キワモノ同士のピュアな恋愛を描く意欲作。

・・・というフレコミで見たんですがネ。
ノッケから書いちゃいますけど、ぴよは「感動した」とか「泣けた」とか「ジーンとした」という感想は持たなかった。
はっきり言って「悲しくて苦しくて目を覆いたくなる作品」という印象だったんだけどネ。

公式HPや宣伝コピー等のあらすじを読むと、出所したばかりのジョンドゥが最初に脳性麻痺のコンジュにアプローチをかけるくだりが、「彼女に興味を持ったジョンドゥが行き過ぎた行動から云々・・」と書かれているんだけど、ぴよが見た限りではジョンドゥがとった行動は「出所したばかりで性欲を満たしたいジョンドゥが、女なら誰でもいいと抵抗の出来ない脳性麻痺のコンジュを強姦しようとした」という風にしか見えなかった。

少なくとも、仮にジョンドゥが単にコンジュを「1人の女性」として興味を覚えた末の行動だったとしても、コンジュ側からしてみれば「アタシが脳性麻痺で無抵抗なのをいい事に、犯そうとしたでしょ!」としか思えない状態だったとぴよは思う。
(ぴよがコンジュの立場だったらそう思う)

ぴよが悲しいと思ったのは、この後のコンジュの行動だ。
あたかも強姦まがい(ぴよ的に見れば明らかな強姦未遂)の行為を受けた後、このコンジュという脳性麻痺の女性は、自分を犯そうとしたジョンドゥに自ら連絡を取るのだ。
彼女は強姦まがいの事をされたにも関わらず、それが生まれて初めて自分の事を「1人の大人の女性」として扱ってくれた行為だった事を嬉しく思っているのだ。余りにも悲し過ぎるではないか・・・

それはこの映画のクライマックス、ジョンドゥとコンジュの愛の結実シーン以降に益々悲しい色を濃くして行く。
2人にとって自然に愛し合った結果が、世間から見れば「普通では到底ヤる気も起きないよーな女を犯した変態卑劣漢」としてジョンドゥは扱われるハメになるのだ。

この2人の愛がピュアだったかどーかという問題よりも、彼ら(と言うよりもコンジュという脳性麻痺の女性)に対する周囲の不当な差別と偏見が余りに悲し過ぎて、ぴよは見ていて不快になる程だった。

それだけコンジュ役を演じたムン・ソリが熱演していたという事なんだと思うんだけど。
本当に彼女はこの難しい役ドコロを体当たりで演じていたと思います。作中コンジュが「もし自分が健常者だったら」という空想をするシーンが何度も出て来るんだけど、健常者のコンジュは実に愛らしい美女なんですよ。
その愛らしい美女が実際はこの悲劇的な状態なだけに・・・

余りにリアル過ぎて、ぴよには「何て悲しい話なんだろう」としか思えなかったんだけど。
・・・役者の迫真の演技ですっかりナーバスになっちまったさ。ウマ過ぎる演技も問題アリって事なんですかね?(苦笑)






 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2004年04月09日(金) 殺人の追憶

監督:ポン・ジュノ
出演:ソン・ガンホ
    キム・サンギョン
    パク・ヘイル、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
1986年、韓国・ソウル郊外の農村で連続猟奇殺人事件が発生。地元刑事パクらが捜査に当たるものの、目撃者もなく物的証拠もほとんどない事件故、容疑者ばかりが増えて行く状態だった。ソウルから応援に来たソ刑事の「頭脳プレイ」も気に入らないパクらは、証拠を捏造してまで無理矢理犯人を作り上げようとまでする。
ようやく犯行の手掛かりを得て、最重要容疑者ヒョンギュを取り調べたパクらだったが・・・


【感想】
韓国で実際に1986年〜1991年の6年間に10人の女性が犠牲になった連続猟奇殺人事件を元に、刑事達の苦悩・苦労、そして犯人逮捕にかける執念を、当時の時代背景を織り交ぜながら見せる一作。
ちなみにこの事件は未だに犯人は逮捕されておらず、10件中既に8件は時効になっているそーです。

事件背景の見せ方が非常にリアルだなぁ〜と思っていたら、どうやら実際の事件の背景をほとんどそのまま映画でも採用しているらしいです。それにしても犯行の手口や事件の関連性など、まるで小説か映画のような緻密でドラマティックな設定なんですわー。実際の犯人は映画マニアなのか?(笑)
肝心のラジオ番組のリクエストのくだりは創作らしいですが、この創作エピソードは実に面白いし、この事件の猟奇性をより観客にアピールする役割をしっかりと果たしていたと思う。

かつての日本もそうだったけど、韓国でも数年前までは早期事件解決に焦る余り、日常的に取り調べでの拷問や証拠の捏造、自白の強要があったそうです。
ここらのプロセスや描き込みも非常に緻密で見ててかなり感じ悪いんですが(苦笑)、それを地元刑事とソウルから派遣されたインテリ刑事との軋轢や、何とかして事件を解決したい・地元刑事の手で犯人を逮捕したいという熱意と執念を見せる材料として、上手に料理していたと思いますわ。

韓国映画お得意の「シリアスなネタを見せながら時々ププッと笑わせる」小細工はきちんと生きてますし、とっ散らかりそうな様々なネタをクライマックスに上手に引き継いでまとめ上げている辺り、なかなか技アリの脚本です。

ただ、上映時間が2時間超えってのは、やっぱりちと長過ぎる気はしたねぇ。
もう少し枝のエピソードをタイトにしても、作品の質に影響はなかったんじゃないか?って気はしましたわね。例えばパクの相棒が破傷風になるくだり、ここらは全部ばっさり切っちゃっても問題なかったんじゃないかと思うっすよ。

役者の熱演が観客にひしひしと伝わる、非常に骨太な男のドラマになっていますが・・・
実際の事件が未解決なので仕方ありませんが、どうにもスッキリしない終わり方で、見終わってから「かー!だから犯人は誰なんだよぅっ!」という、超・消化不良状態でモヤモヤしまくりです。

と、思ったのはぴよだけじゃなかったよーで、
映画を見た韓国の皆さんが、「この事件の再捜査しろ!」という運動を起こしているそーですヨ(笑)






 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2004年04月06日(火) 恋人はスナイパー <劇場版>

監督:六車俊治
出演:内村光良
    水野美紀
    いかりや長介、他
オススメ度:☆☆−


【あらすじ】
日本国内で謎の狙撃事件が頻発。数日後、内閣総理大臣宛てに国際犯罪組織「1211」からの脅迫電話がかかって来た。「日本国民1億3千万人を誘拐した」身代金の要求額は5千億円。
政府は事件解決のため、かつて1211の一員で現在は香港の刑務所で250年の終身刑に服役している、伝説のスナイパー「ウォン・カイコー」を呼び寄せたのだが・・・


【感想】
テレビ朝日系列で2度に渡り、特番形式で放送されたドラマ「恋人はスナイパー」の劇場公開版。
西村京太郎氏著「華麗なる誘拐」を原作に、「踊る大捜査線シリーズ」の脚本を手掛ける君塚良一氏が脚本を担当、キャストもTVドラマシリーズから引き続き内村光良&水野美紀コンビに加え、先日惜しくも亡くなったいかりや長介氏、TV版パート2に参加の中村獅童他、豪華キャストを布陣。

ぴよはTVシリーズ未見ですが(こんなんばっかですいませんねぇ)、TV版を見ていなくても人間関係は大体わかるようにはなっていると思います。・・・ま、そんな事はどーでもいいです。(をい)

とにかく設定や展開がハチャメチャです。(^-^;
まずからして、いくら日本の危機だからといって香港で懲役250年の終身刑になってる国際犯罪者が、いとも簡単に日本に連れて来れるハズがありませんからねぇ・・・って、それ言っちゃったらこの映画が成り立たなくなっちゃうから、ここだけは目をつぶるとして。

何故か地下鉄爆破の日時や場所、更にはクライマックスシーンの狙撃ポイントがいともアッサリ判っちゃったり、
時限爆弾を仕掛けておけば済むのをわざわざ爆弾を狙撃して爆発させる事にしてたり、
黒幕のオフィス?に簡単に入り込めちゃったり(まずからして黒幕が簡単に判り過ぎだし!)、
拳銃持ってるのに何故かわざわざカンフーアクション(しかもヘタクソ)で肉弾戦しちゃったり、


イケてなさ過ぎ! 


・・・はぁ〜。久々に赤文字使っちゃったぁ。
ま、設定や展開が破綻しまくってても何故か面白い映画ってあるんですよネ♪
これがまたさぁ。 

話もつまんないと来てるから手に負えない。(あははははー)

とりあえずぴよが寝ないでこの作品を最後まで見れたのは、兎にも角にも故・いかりや長介氏が出演していたから、というただ1点だけと言っても過言じゃーないです。はい。

この作品がいかりや氏の遺作になってしまったという事・・・ですよね?
うーん。これが遺作ではいかりや氏が余りに気の毒ですが(無茶苦茶言ってる?)、彼のセリフが結構聞き取りにくかったんですわ。かなり声がしゃがれてて、いかりや氏が出て来るたびに「やっぱりちょっと顔色悪いかも・・」とか、「セリフが聞き取りにくいのって、やっぱり病状が悪化してたからよねぇ」とか、そんなトコロばっかり気になって、まるで話の内容度外視していかりや氏ばっかり見てた自分ってどーなんでしょ。(^-^;

でもこの作品見た人のほとんどが、きっとぴよと同じくいかりや氏ばっかり追っちゃうと思うもん。
そんな映画になっちゃっても仕方ないと思うの。
だって、いかりや氏って「8時だよ!全員集合」世代のぴよにとって、本当に特別思い入れのある人なんですもの。

逆に言えば、いかりや氏が出てなかったらほとんど見る意味ないって事なんだけどサ。(苦笑)






 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2004年04月04日(日) 恋愛適齢期

監督:ナンシー・メイヤーズ
出演:ジャック・ニコルソン
    ダイアン・キートン
    キアヌ・リーブス、他
オススメ度:☆☆☆☆+


【あらすじ】
ハリーは63歳の大富豪にして独身貴族。彼の恋愛のモットーは「女性は30歳未満の美女に限る」――新しい彼女とのランデブーを楽しむ為に彼女の母親が所有する別荘に来た2人だったが、そこで母親と鉢合わせしてしまった!
更に彼女とイチャイチャしてる最中に心臓発作を起こしたハリーは、絶対安静という事でそのまま別荘に居座って彼女の母親・エリカの世話になるハメに・・・


【感想】
ジャック・ニコルソン×ダイアン・キートンという名優コンビが送るラブ・ストーリーは「老いらくの恋」をテーマ?にコミカルに見せる作品。ダイアン・キートンは本作でゴールデングローブ賞「ミュージカル/コメディ部門」の最優秀主演女優賞を受賞し、更にアカデミー賞・主演女優賞にもノミネートされましたネ♪(残念ながら受賞はしませんでしたけど)

63歳のエロおやぢと54歳@生理も上がって(いやん)恋愛は過去の遺物と思いながらもちょっぴり淋しいおばちゃんの恋。
ダイアン・キートン、歳取ったよねぇ〜!顔なんて笑うと(笑わなくても)シワくちゃだよぅ!

・・・これがネ、話が進む内にどんどんダイアン・キートンが実にチャーミングで知性とユーモア溢れるステキな女性に見えて来るからスゴいですヨ。映画冒頭登場して来た時と、ハリーを気にするようになってからの表情が明らかに違うんです。
特に彼女の笑顔、本当にシワだらけなんだけど(をい)すっごくキラキラしてて、映画見てるぴよまで彼女の笑顔につられて思わずニコニコしながら「ステキな恋してるんだネ♪」って心の中でつぶやいちゃったもんねっ!

ハリーに裏切られて、おいおい泣きながらも自分の恋愛体験談をびしばしシナリオにしていくくだりなんて大笑い必至!
ここらが仕事に成功している成熟した女性のパワーなんだよなぁ〜!って思わせてくれて・・・これはダイアンの演技力の賜物だねぇ。彼女にアカデミーの主演女優賞も取らせてあげたかったなぁ〜

全編非常にコミカルで、熟年同士の恋愛って事で通常のラブ・ストーリーには決して登場しない「老眼鏡・血圧計・バイアグラ」等のお茶目な小道具をふんだんに使って観客を楽しませてくれます♪

恋愛モノとしては少々長めの2時間越えの作品だけど、ダレるシーンもなく(多少冗長な部分もあるにはありますが)ハリーとエリカの心の動きを木目細やかに見せながら心温まるエンディングまで観客を引っ張って行く、実によく練られたウマい脚本だったと思う。

あ。書き忘れそうになっちゃった。(^-^;
キアヌ・ファンの皆様、今作のキアヌ君はとってもステキな役ドコロですわよ♪
言っちゃ何だが、ぴよがエリカの立場だったら63歳の心臓発作デブおやぢより間違いなくキアヌ選ぶけどネ(笑)
・・・やっぱぴよは「笑って笑って切なくて、ラストはにっこりほのぼの」な恋愛映画が好きだなぁ♪

この映画、今年1番の当たり恋愛モノになるかもしんないな♪






 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加






2004年04月03日(土) しあわせな孤独

監督:スザンネ・ビエール
出演:ソニア・リクター
    マッツ・ミクルセン
    パプリカ・スティーン、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
もうすぐ結婚するセシリとヨアヒムは幸せ絶頂のカップル。ところが1台の車がヨアヒムを撥ねた事で一変する。一命は取り留めたもののヨアヒムは全身麻痺になってしまったのだ。「2人で乗り越えよう」と献身的看護を続けるセシリの言葉もヨアヒムには届かない。セシリに辛く当たり、ついには病室から追い出されてしまった彼女は、ヨアヒムを撥ねた加害者の夫でたまたまヨアヒムが入院していた病院のドクターだったニルスに何かと相談するようになったのだが・・・


【感想】
2002年のアカデミー賞外国語賞にノミネートされ、本国では国民の8人に1人が見たという記録的大ヒットとなったデンマークの作品。予告編で流れるBGMが何ともぴよの好みなので、気になってた一作です♪

本来なら出会う事もなかったハズの2組の幸せなカップルが、ひょんな事故がきっかけでそれまであった幸せが根底から覆されて行く・・・と言うとすごくドラマティックで臭い話(をい)って気がしますが、あり得そうにもない展開のような気がするのに、実際こんな事が起こったら自分もこの映画のキャラクターみたいな状態になるだろうなぁ〜・・・と、妙に共感させるウマイ作りになっています。

じゃあどのキャラクターに共感するのか?
ヨアヒムにもセシリにも、そしてニルスとマリーの夫婦にも、更には事故のきっかけを作ってしまったと自己嫌悪に陥る娘にまでも共感出来てしまうからスゴイです。
あ。スゴイってのはぴよがスゴイんじゃなくて映画がスゴイんです!(んな事言わなくても判るってか。苦笑)

全身麻痺になって心を完全に閉ざしてしまったヨアヒムの心痛もうなずけるし、ヨアヒムに辛く当たられて心の逃げ場を求めてニルスに傾いていったセシリの気持ちも痛いほど判る。

たぶん問題になって来るのは医師夫婦の方だと思うんだけど。
加害者である妻のマリーは、気の毒なセシリの為に夫に出来る限り力になってやって欲しいと言ったものの、まさか不倫しろとまでは言ってねーだろ!ってな心境なんでしょうが、強く出てみても結局は夫が愛しい。
ニルスが「家を出て行く」と言った時になりふり構わず「見捨てないで!」とすがるマリーが痛々しくて切なかったワ

1番問題のニルス、世にありふれた不倫おやぢと言ってしまえばそのとーりですが(をい)、家庭も円満と言えば円満だけど、ちょっとくたびれた女房に多少女性としての魅力を感じなくなっているのは事実。そんな時に23歳のピチピチギャルに涙目で「私の所に来て、そして抱いて♪」なぁ〜んて言われた日にゃ〜、そりゃおじちゃん突っ走っちゃうでしょ(笑)

それぞれが誰かを傷付け、それぞれが傷付き、そして今まで見えなかった新しい幸せを求めて立ち上がって行く。
自分が傷付いてみなければ人の痛みも理解出来ない・・・と言ってしまうと乱暴だけど、誰かを傷付けて自分も傷付いてみて初めて見えるモノも世の中には確かにあると思う。
この4人がそれぞれに下した決断は、傷付け傷付いた者だからこそ知ることの出来た優しさだったり強さなんだろう。

手持ちカメラや自然光で撮影された独特の映像も、それから作品中に使用されている楽曲もとっても雰囲気がいい♪
ちょっとシーンの繋ぎが不器用な感じで違和感がありましたが、少なからずも恋に傷付いた事のあるアナタ、必見です!






 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加





 < 前の作品  INDEX  あいうえお順INDEX  次の作品 >


ぴよ [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加