ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2002年09月30日(月) エブリバディ・フェイマス!

監督:ドミニク・デリュデレ
出演:ヨセ・デパウ
    エヴァ・ヴァンデルフフト
    ウェルナー・デスメット、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
工場勤務で何とも冴えないオヤジの「ジャン」彼の願いは愛する一人娘「マルヴァ」の歌手になりたいという夢を何とかして叶えてやる事。のど自慢に何度出ても全く評価されない娘。でもそれはマルヴァが悪いのではなく、マルヴァの魅力を表現出来るような既存の歌がないからなのだ!と思ったジャンは自分で娘のために作曲する事にした。
そんなある日、ジャンの工場が倒産して解雇されてしまう。落ち込むジャンだったが、ひょんな事で超人気歌手「デビー」に出会い、勢いで彼女を誘拐してしまったのだ!ジャンはデビーのマネージャーに脅迫電話をする。
ところがそれは現金の要求ではなく、愛するマルヴァをデビューさせるために・・・?


【感想】
予告編のコピーからして「ダメ親父、今立ち上がる!」だもんねっ(笑)見ない訳ないっすよぅ〜♪←おバカ映画ファン
この映画、名古屋では先週土曜日封切りだったんだけど、東京では既に公開終了してるんですね。関東方面にお住まいのこの映画をご覧になってないみなさん、惜しい事しましたわねぇ〜!(笑)

ダメ親父の「ジャン」が実に情けない風情で。家族思いの上、娘の「マルヴァ」を心から愛しているのがすっごくよく判るんだけど、本当にまるっきり一人で空回りしちゃっててね。実にいいキャラクターしてんだなぁ!(笑)
しかもジャンがありったけの愛を注ぎ込んでいる娘の「マルヴァ」ってのが、これまた実にイケてないデブで(爆)よくもここまで「イケてない家族」がとてつもない大志を抱けたもんだと感心するやら笑えるやら!

人気歌手の「デビー」を思い付きで誘拐しちゃったかと思えば、その後のジャンの行動もまるで行き当たりばったりで、本当にダメ親父っぷり炸裂なんだけど・・・どうにもこうにも憎めない、いや「愛すべき」親父なんですよ。
ジャンを取り巻く人々もマヌケですっとぼけててどうしようもないのばっかりなんだけど、やっぱりどこか憎めないキャラクター揃いで。いわゆる「B級映画」の王道なんだけど、こういうの好きな人は絶対にハマるんだよねぇ〜♪

話のネタ的には相当面白いんだけど、脚本も演出もかなり弱い感じはするんだな(^_^;)
何もかもがご都合主義に展開してて、ツッコミどころ満載!というよりも、ツッコミが入らない場所がないと言っても過言じゃないくらいに辻褄も合わなきゃー強引に話進んじゃってるし(苦笑)

それでも「超B級娯楽映画」として存分に楽しませてくれるだけの魅力を放っている。逆に言えば、もっとしっかりした脚本と演出があればこの映画は世界的大ヒットになる可能性も秘めていると思えるだけに残念だなぁ〜と。(^_^;)
最近の映画界はリメイク・ブームだし、もしかしたらもっとしっかりした脚本と演出でこの映画を蘇らせたいと思ってくれる監督さんがいるかもしんない!既に見逃してしまった人はリメイクされるのを期待しましょう♪(笑)


何がってね、マルヴァのためにジャンが作曲した「ラッキー・マヌエロ」という歌ですよ!!
映画見終わって最低1時間、いや半日・・・1日以上かもしんないな・・・
〜♪ラッキー・マヌエ〜ロォ〜 って頭の中でリフレインするね!(笑)

CDカットして欲しいくらいだわ。この歌だけにハマると言ってもいい!(爆)




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2002年09月29日(日) メルシィ!人生

監督:フランシス・ヴェベール
出演:ダニエル・オートゥイユ
    ジェラール・ドパルデュー
    ミシェール・ラロック、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
冴えない中年男「ピニョン」妻子は愛想をつかして出て行き、20年間も勤めた会社からはリストラ宣告をされ、自暴自棄になって自宅アパートから飛び降り自殺をしようとしていた。それをたまたま目撃していた隣の部屋に住む老人に引き止められたのがきっかけで老人に自分の窮状を語った。すると老人が「会社をリストラされなくても済む方法がある」と言うではないか!
その奇想天外な老人のアイディアに乗る気になったピニョンだが・・・


【感想】
予告編見た時から「これはぴよの大好きなおバカ映画っぽいなぁ〜♪」と思ってたんだけど・・・
いやぁ〜!本当に大笑いさせてもらっちゃったわよ!!

老人の提案した奇想天外なアイディアというのは「ホモであるとカミングアウトする事」なんだけど、別にピニョンはゲイでも何でもない。当然ピニョンは老人に「ホモの演技なんてとても出来ない」と訴えるんだけど、老人は「演技など必要ない。ただホモだという噂さえ流れれば周りの目が勝手に変わって来る」って言うのね。

これって人間の心理だよねぇ・・・確かにそれまでは何とも思ってなかったのに、いざ「あいつはホモだ」っていう噂が流れると、言われてみれば確かにあいつはホモっぽい仕草だったなぁ、なぁんて思っちゃうモノなのよね。
人間の噂だったりクチコミ、思い込みによる影響の恐ろしさを痛烈に皮肉った内容なんだけど、実に笑わせてくれましたわ。

映画は皮肉りながらも、隣家の老人はピニョンに語る。
自分も過去にリストラされた人間だったと。そしてリストラの理由は正に自分がホモだった事が原因だったと。
時代は変わり、今はホモだからという理由で解雇すると世間から批判的な目で見られる、だからそれを逆手に取れるのだと。いい時代になったと苦笑まじりに老人が語るシーンはこの映画を引き締めてくれる実にいいシーンだったと思う。

この映画の愛すべき部分は、それまで自分自身「私は透明人間だ」と言うくらい地味で目立たなかった主人公が、本来なら蔑視されがちな「自分はホモだ」という噂に踊らされて逆に自己主張が出来るようになって行く事。


「嘘から出たまこと」という言葉、そのままの随分とシニカルなおバカ映画だったけど、ネタはかなり皮肉たっぷりではあるものの、ラストはやっぱりハッピーエンド。おバカ映画はやっぱり見てハッピーになれなきゃね♪




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2002年09月28日(土) チェルシーホテル

監督:イーサン・ホーク
出演:ユア・マーサン
    クリス・クリストファーソン
    ロバート・ショーン・レナード、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
ニューヨーク、マンハッタン西23丁目に建つ「チェルシーホテル」ここは20世紀のニューヨークカルチャー発信地として知られ、作家、詩人、俳優、歌手・・数々のアーティスト達に愛され続けた聖地だ。そして今も尚そのままの姿で建ち続けるチェルシーホテルには様々な夢を追い求める「都会の孤独」を生きるアーティスト達が息づいている。


【感想】
イーサン・ホークってね、去年のオスカー助演男優賞にノミネートされた若手でしかもかなりぴよのツボにハマったキュートでステキな俳優さんなの!その彼の初監督作品だって言われたら見に行かない訳にいかないぢゃなぁ〜い?(はあと)

大体さ、予告編見たトコロで思ったのよ・・・「何だか訳わかんねー映画臭いなぁ」(をい)

それがさ、映画が予告編のまんまなのね(笑)
ま、最近予告編に踊らされて「をい待て、コラァ!」って内容の映画多いからさ、そういう意味では期待を面白くない程裏切らない等身大の映画だったとも言えるんだけどさ(苦笑)

映像にかなりのこだわりがあると見たね。うん。
全体的にやや赤っぽい映像が多めなんだけど、まるで誰かがチェルシーホテルの中にビデオカメラを持ち込んでリアルタイムにあちこちの部屋の様子を撮って回ったかのよーな・・・
「実録!アーティストの聖地・チェルシーホテルの今」みたいな映像なんだけど、こういう混沌とした映像とかホテル内の誰も気に止めないよーな細工やオブジェ、各々の住人達の部屋の落書きや装飾、そういうモノに異常にこだわってる感じはすごーくぴよのツボにハマったわね。

でもね、この映画の何が訳わかんないって・・・そりゃーね・・・

1.話の筋がない
2.何も展開しない
3.主役がいない

そして

オチもない



きゃー!すごい大きい字、いっぱい書いちゃったー♪(こらこら)

なのに↑上の「おすすめ度」の☆の数が結構多いじゃない?って思ったでしょ。
なんでだろー?(をい)いやね・・・何故だかわかんないんだけど、どーにもこーにも惹き付けられるシュールな映像と内容だったなーって。ホントにそれだけなんだけど。(^_^;)

一応ね、最後にはこのホテルに住む様々な人達やそれに関わってる人が色んな意味で納得したり再生の足掛かりを見つけたりしているようにも思えるんだけど・・それにしてもあまりに混沌とした映画なので本当に訳わかんなかったんすよ(笑)

でも何か後ろ髪引かれるよーな映画なんだよねぇ〜・・・
この映画に対してはっきりした答えを見つけられた人はご一報頂きたい!是非にっ!!(爆)




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2002年09月27日(金) ダスト

監督:ミルチョ・マンチェフスキー
出演:ジョセフ・ファインズ
    デヴィッド・ウェンハム
    ローズマリー・マーフィー、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
2000年ニューヨーク、黒人青年「エッジ」は金に困って空き巣に入った。留守だとばかり思っていた部屋には老婆「アンジェラ」がいたのだ。か弱そうな外見とは裏腹にアンジェラに鼻をへし折られた上、拳銃まで付きつけられたエッジ。ところがアンジェラは「私が死んだら故郷に埋葬してくれるなら金貨をあげる」と言い、とある物語を語り始めたのだ。
それは100年も昔のアメリカ西部に住む2人の兄弟「ルーク」と「イライジャ」の切ない物語だった・・・


【感想】
簡単に言っちゃうと2つの話を絡ませて進めてる・・・って言うのともちょっと違うか?(^_^;)
基本は現在のニューヨークで、黒人青年エッジの個人的事情だったり、老婆アンジェラとのやりとりが根底にある。
で、アンジェラが語る「物語」がこの映画の「核」になってる、と。
んー。なんだか説明が難しいなー。

アンジェラが語る話はかなり壮大で、100年前のアメリカ西部に住む兄弟「ルーク」と「イライジャ」が主人公。
性格がまるで違う兄弟が同じ女を好きになったのだが、女は弟のイライジャを選ぶ。しばらくして兄ルークは突然アメリカを後にして放浪の末、当時衰退したオスマントルコ帝国から独立を求めて戦うマケドニアへ向かったのだが・・・てな感じで。

オスマントルコから独立を求める為に当時マケドニアではいくつもの革命組織があって、血を血で洗う激しいゲリラ戦が繰り広げられていたようです。更にトルコ側からは革命組織のリーダーの首に多額の懸賞金を懸けていて、世界中のならず者達がその賞金目当てにマケドニアに入り込んでいて、正にこの時代のバチカン半島は混迷を極めていたそーだ。
・・・ここら辺の歴史に疎いと、アンジェラ婆さんの話に着いて行くのがちょーっと辛い(苦笑)

アンジェラのキャラはなかなかユーモアがあって面白かったけど、映像中でエッジとアンジェラの心の結び付きをそれ程感じられなかったせいか、どうしてエッジがそこまでアンジェラに関わるのかが納得いかなかったなぁ。

この監督さんマケドニア出身というだけあって、マケドニアの映像はかなり力入ってます!
ただねー・・・惨殺シーンがなぁ。すげードロドロしてるし、ヤギさんとか思いっきり血まみれになっちゃってるし、リアルを追求したかったんだと言われてるとそーなのかもしれないけど、何とも見てて気分が悪くなるっつーか・・・


人は塵(ダスト)から生まれ、そして塵に帰る。
でも人が歩んだ歴史は「物語」となって語り継がれ、そして永遠の命を得る。

いささか強引に思える物語の結末は、アンジェラから最後まで話を聞けなかったからなのか?でも敢えてこの映画はその本当のエンディングを用意しない事で、観客に「語り継ぐという事」の素晴らしさや大切さを示したかったのかな?と。

でも何かが弱い感じしたのよね・・・エッジのキャラが「語りべ」としては弱過ぎるからかなぁ〜?(^_^;)




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2002年09月25日(水) 阿弥陀堂だより

監督:小泉堯史
出演:寺尾 聰
    樋口可南子
    北林谷栄、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
東京で暮らす孝夫と美智子夫婦。孝夫は10年前に新人賞を受賞するもその後ヒット作に恵まれない売れない小説家、美智子は大学病院で最先端医療に携わる有能な医師だった。ある日美智子は仕事のストレスと都会生活の疲れからか「パニック障害」という心の病にかかってしまう。
美智子の病気をきっかけに、夫婦は孝夫の故郷である信州の無医村に移り住む事を決意した。


【感想】
この映画ねー。すごく感想が書きにくいな。悪く書いたらバチ当たりそうな映画だもん(笑)
いや、悪い映画だったって訳じゃないんだけどね。本当に「評価のしようがない」ってのが正直な感想。

↑上のあらすじにも書いたけど、一応話の筋としては心の病にかかった美智子に都会生活のギスギスした所から抜け出て大自然に抱かれ、土地の素朴な人達と交流する事で心も体も元気になりましょう・・ってトコロなんだろーけどね。

正直言うとこの映画、

主役は「自然」と「おうめ婆さん」です(爆)


つーかね、孝夫と美智子夫婦の事なんてどーでもいいんですわ(をい)
1年かかってロケったらしいんですけど、この夫婦が春に信州の田舎に転居して来て、それから丸々田舎の四季を見せましょうってのがこの映画の主題になってるんだろうなぁ〜と。それはよーく判る。判るっつーか、本当にただ信州の四季を見せてるだけの映画なんですよ(わはは)
それがダメだって言ってる訳じゃないんすよ。確かに映画の中にふんだんに素晴らしい信州の自然、音、光、そして素朴な村人達が出て来てさ、見てる観客も心洗われるような清々しい気持ちにさせてくれるんですよ。

ですがね、

元々美しい雄大な山並みだったり清流だったりのどかな田園風景だったり、虫や小鳥の声だったり小川のせせらぎの清らかな音だったりをあるがままにふんだんに描き出したとしても、それが「日本人の心」の琴線に触れるのは当たり前だと思うんですよ。だって美しいんですもん。日本の自然って。誰が見たって誰が聞いたって郷愁を誘う美しいモノなんですもん。
ぴよはひねくれモノだからなんでしょうけど、見ながら「卑怯な映画だよなぁ〜」って思っちゃったぢゃん!(^_^;)

そんな中、とにかく御年91歳の現役女優「北林谷栄」が演じるおうめ婆さんは光輝いていた!
思いっきりボケかましまくりで(それがわざとじゃなくてすごく天然なんですわ!)一体コレは演技なのか素の状態なのか、ぴよは未だに判別付きませんけど(爆)とにかく「おうめ婆さん」見るだけでもこの映画を見る価値があると言ってもぜんっぜん過言じゃーないねっ!!

脇を固める俳優陣も申し分なく、本当に文句が付けようないんだけど・・・ぴよは孝夫と美智子の主役夫婦の関係がすごくキレイ過ぎて、なんだか「ウソ臭く」見えてしまったのね。
実際の夫婦ってこんなによそよそしくないでしょ?慈しみ合ってる美しい夫婦愛の理想的姿なんだと言われてしまえばそれまでなんだけど、あまりにリアリティのないその「美しい夫婦」の姿に少々鼻白んでしまったのは否めないです。


ほーらね。ひねくれモノがこの映画見るとこんな事書いちゃうんだよぅ〜!(苦笑)
たぶんね、ほとんどの人が見たらすっごく感動するハズだから!ぴよの言う事アテにしちゃダメよぉー!(をい)





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2002年09月23日(月) スリープレス

監督:ダリオ・アルジェント
出演:マックス・フォン・シドー
    ステファノ・ディオニジ
    キアラ・カセッリ、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
1983年イタリア・トレノの町。まだ幼い少年「ジャコモ」は目の前で母親を当時街を震撼させた「小人連続猟奇殺人」犯に惨殺された。担当刑事「モレッティ」警部はジャコモに生涯を賭けても犯人を捕まえると約束するが、容疑者だったホラー小説家はその後変死体で発見されて事件は一応の決着が着いた。
それから17年後の2000年、かつての猟奇殺人と同じ手口の猟奇殺人が発生。今は引退し隠居生活を営むモレッティだったが、17年前の事件との関連性を見出し、かつての事件でトラウマを抱えつつも成長したジャコモ青年と共に、この難事件に立ち向かう事になったのだが・・・


【感想】
単館上映モノ、しかも名古屋で1館だけ(更にレイトショーの1回のみ)という悪条件にも関わらず、何故か気になって仕方ない映画だったので頑張って見に行っちゃいましたわよ!東京ではかなり前に公開終了してるみたい?(^_^;)

さて。
ダリオ・アルジェント監督と言うと「ホラー映画の奇才」と呼ばれているようですが、そんな事は知ったこっちゃありません!
だって本当に全然知らなかったんだもーん!(^_^;)

確かに惨殺シーンはスゴイ!やたらに惨殺シーンにこだわってる感じがよーく判るエグい映像!(笑)
しかしながら、この映画のいいトコロは巷によくある「ホラームービー」みたいなやたら死体がゴロゴロ転がったり血しぶき上げまくればご満悦♪的な中身空っぽな映画と違って、きちんとサスペンス要素も取り込んである所じゃーないでしょうか。

ネタ的にはアガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」に代表される「歌」の歌詞になぞらえて殺人を犯すパターンなんですけど、この映画はそれだけじゃーない!歌の歌詞とは全然関係無い、例えば目撃者だったり事件の関係者だったりもビシバシ殺しちゃう!
ここら辺もかなりエグい映像満載で、この監督がいかに「惨殺シーン」にこだわってるかがよーく伺えます♪(笑)
推理小説好きな人が見たら途中で犯人判っちゃうだろうなーと(実際ぴよも途中で犯人が判ったクチ)
でも、最後の最後まで犯人を明かさないで進行して行くので、ホラーファンじゃなくても、あくまで「サスペンス」として楽しめるんじゃないかと思ったね。一応犯人像に辿り着くまでの伏線は随所に散りばめられてますし。

まーそれにしてもね、トコロドコロ・・・つーか、のっけから「そりゃねーだろ!」と叫びたくなるくらいのご都合主義な展開しちゃって、要するにただ惨殺シーンを映像に入れたいが為に無理矢理行っちまえーっ!的ノリがバリバリだし、結局どうして犯人が歌を題材に殺人を犯していたのかとか・・そーいう辻褄合わせは一切なくて、ただただ「だってコイツ頭おかしいヤツなんだもぉ〜ん♪」みたいなお茶目なオチには苦笑するしかありませんですけど。(^_^;)

それにしても、なんだかんだで結構楽しめちゃいました。
かーなーりー「B級ホラーサスペンス」なんだけど、近頃やたら「名作」を気取る映画が多い中、ここまで突き抜けちゃってる作品に出会うと何だか気持ちいいのね♪(笑)




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2002年09月20日(金) ザ・ロイヤル・テネンバウムズ

監督:ウェス・アンダーソン
出演:ジーン・ハックマン
    ダニー・グローバー
    アンジェリカ・ヒューストン、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
天才ファミリー「テネンバウム家」当主のロイヤルは高名な法律家、妻エセルは考古学者、そして3人の子供達はそれぞれ十代にして富と名声を手に入れた天才児揃い。だがそんなテネンバウム家の名声も今は昔。20年という歳月の中で裏切りや失敗、災難にみまわれ全てが過去の栄光となり消え去っていった。そしてその失敗の常に元凶だったのが父「ロイヤル」の存在だったのだ。
家族と別居してホテル住まいだったロイヤルはついに破産してホテルを追い出され、ある日ひょっこり家族がバラバラになってしまった「テネンバウム家」に舞い戻って来た・・・


【感想】
予告編見て、もうこれは絶対に見なくっちゃ!と思ってた一作。
なにしろそのキャストの豪華さと言ったら・・・よくぞここまでこれだけの俳優を集められたなぁ〜!

俳優もアクの強い名優揃いだと、個々のキャラが強過ぎて話がまとまらなくなるんじゃ・・と懸念されますが、これがまた俳優のキャラを凌駕する程の濃い設定の役ばっかりで、逆に突拍子もない役ドコロがうまい具合に名優達をまとめてくれてる♪

予告編を見て、大笑いするよーなコメディ映画を想像してたんだけど、実は内容自体はかなりまっとうな家族ドラマになってる。笑わせるシーンも「腹を抱えて」と言うよりも、こっそり「ぷぷっ」とほくそ笑む程度のテイスト。
これが「普通の家族」のドラマだったら全然面白くもなんともないんだけど、「イっちゃってる」家族をこの名優達が演じてるという事で実に見せ場の多い面白いドラマに仕上がってるなぁ〜と思ったね。

話の展開も読めそうでいて、全然先が読めない(だからと言って難解とか意味不明という事じゃない)
おもちゃ箱をひっくり返したような・・ジェリー・ビーンズみたいな色を思わせる独特な映像
話の筋とは関係ない小道具にやたら凝ってて(3兄弟の衣装とかね♪)
更に音楽はかつてのポップス・ロックの名曲をカバー。

・・・この映画は「好き・嫌い」がはっきり分かれるアクの強い映画だなぁ〜、と。


ぴよはね、こーいう映画はかなり好き♪どーでもいい事にやたらこだわる映画って好きだねっ!(をい)
ただ、この名優達をあまりにうまくまとめ過ぎてしまった為に、小さなエピソードのひとつひとつが小粒に見えてしまったのが難点と言えば難点か。
でも映画好きだったら見て損はないねぇ〜♪ハマる人には相当ハマる手合いの映画じゃないかと。





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2002年09月19日(木) 人妻

監督:ポール・シュレイダー
出演:ジョセフ・ファインズ
    グレッチェン・モル
    レイ・リオッタ、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
マイアミ・ビーチのホテルで働く青年「アラン」と、やり手実業家の夫と共にバカンスに来ていた美貌の人妻「エラ」はお互い一目見た瞬間から激しい恋に落ちて結ばれる。バカンスも終わり、エラはアランを諦めNYに帰って行くが、アランはエラが諦め切れずに全てを捨ててエラを追いNYまでやって来た。
激しくお互いを求め合う2人だったが、エラは良心の呵責に苛まれ夫に不倫の事実を告白してしまった。激情化で嫉妬深いエラの夫「マーク」はアランに殺意を抱き、殺し屋を雇ってアランを亡き者にしようとするが・・・


【感想】
まず映画のタイトルがスゴイよね・・・予告編見て散々笑わせてもらったんだけどさ、映画自体は割とまともなサスペンス仕立てになってて、予告編で「いかにも3流ポルノちっくなベタな恋愛モノかぁ?」というぴよの予想をいい意味で裏切ってくれましたわ♪

現在の話と、過去(13年前)のアランとエラの出会いから悲しい別れ?までの部分の2つの話をクロスさせて話が進んで行くんだけど、過去の話部分は赤っぽい・・・いかにもフィルム焼けしたような「時代懸かった」映像に作ってあります。

アランとエラが恋に落ちるくだりがさ、ちょーっと唐突過ぎる感じしなくもなかったんだけどね。アランも最初エラを口説く時は「一夏のバカンスの恋だと思って・・」みたいな事言ってる割には、ほんの数日一緒にいただけでここまで入れ込める程愛し合ってたかぁ?と思わずにいられなかったんすけど、それにしても・・・
人妻「エラ」役のグレッチェン・モルが・・・オトコ好きする体してますわぁ〜♪(笑)
ちょっと「むっちり」した感じでおっぱいなんてまん丸でメロンみたいだよ!(うひー♪)表情やちょっとした仕草も妙に色っぽくってさー、こーいうオンナになりたいもんだぜっ!!(爆)

アランは復讐?の為に自分の顔形や素性まで変えて・・・という展開なんだけど、どー見てもそんなに変わったように見えなくて、何故あれ程愛し合ったハズのエラがアランと再会しても彼だと気付かなかったのか不思議なくらい(^_^;)
ま、役者を変える訳にもいかないだろーから仕方ないんだろうけどサ。ちょっと弱い感じするね。
オチも大体想像通りのところに落ち着いて・・・よく纏まっててなかなか面白い話ではあったけど、驚く程の展開もないしはっきり言ってしまえば「2時間ドラマにありがちな話」程度の・・(をい)


ぴよが笑わせてもらったのは、アラン(と気付かずに)再会したエラはボランティアで養老院のお年よりに本を朗読してあげてるんだけどね、アランがエラに「どんな本を読んであげてるの?」って聞いた時にエラが言った答え。

『ボヴァリー夫人』 ・・・しかも「愛読書なの♪」ってをいをい(爆笑)

ま、ぴよも愛読書だったんすけどね(笑)それにしても養老院で爺さん婆さんに聞かせるよーな話じゃないだろー!
つーか、ボヴァリー夫人を読んだ事ある人だったら、このシーンは相当ウケたと思うわ♪


そうさねー・・・ぴよがエラの立場だったらさしずめ『マノン・レスコー』辺りでも朗読して差し上げようかと(わはは!)





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2002年09月18日(水) イン・ザ・ベッドルーム

監督:トッド・フィールド
出演:トム・ウィルキンソン
    シシー・スペイセク
    マリサ・トメイ、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
ニューイングランド、メイン州の小さな港町で開業医をするマット・ファウラー。妻ルースは合唱隊の教師をしている。大学の夏休みで帰省している1人息子のフランクは、年上で2人の子持ち女性ナタリーと愛し合っていた。ルースは息子のフランクがナタリーとの恋愛に溺れるのを快く思っていなかった。なぜならナタリーは別居しているものの離婚していない夫リチャードという存在がおり、更にリチャードはかなりのワルな上、ナタリーに復縁を迫っていたからだ。
そんなある日、事件が起こる。ナタリーの家で言い争いになったリチャードがフランクを射殺したのだ・・・


【感想】
結構話題になった映画だと思うんだけどなぁ・・・見に入ったらぴよ含めて8人しか客がいなかったぞ(^_^;)
ま、所詮単館上映モノですもんね、こんなもんなんすかね。

映画全体が実に淡々としてて・・・これが悪いんじゃなくて、たった1人の息子を実に不本意な形で失った両親の虚無感と言うか悲しみが伝わり易くなってるんだけどね。
主人公のファウラー夫妻の心のひだを言葉やナレーションやBGMで饒舌に表現するというやり方じゃなくて、セリフは極力少なめで、画面をフェードイン、フェードアウトさせたり、マットやルースのちょっとした視線や仕草でそれを表現してるんだよね。なかなか面白い撮り方してるなぁと思ったわ。

長年連れ添った夫婦と言えど・・・むしろ、長年一緒にいたからこそお互いに言えなかった小さな心のすれ違いや誤解、わだかまり、不満、そういうものが息子を失った後の静かな夫婦2人きりの生活の中で初めてお互い爆発する。
この夫婦が言い争いになるまでのくだりが実に寒々しいと言うか、身につまされると言うか・・・(苦笑)

ところがここからがこの映画、ガラっと様相が一変する。どーしてこういうオチ付けちゃうかなぁ〜?
もっと・・・夫婦の再生のあり方を見せてくれると期待してただけに、この展開はぴよはどーにも好きになれませんでしたね。これもまたファウラー夫婦が再生するためには必要な事だった?
映画ではこの後の夫婦の姿を示唆するモノを与えられなかった(とぴよは感じた)から想像するしかないけれど、決して「夫婦の今後の幸せの形」を模索するという終わり方ではなかったと思う。つーか、めちゃくちゃ後味悪い。

それにしても実に重たくて暗い話だったわさ(ぼそ)


ぴよはさ、やっぱり「悲劇の後にも救いがある」ストーリーが好きなんすよ!ベタだけど、困難や悲劇から立ち直って行って、そこに一筋の光が見出せるよーな、そんな救いのある話がいいんすよぅ!

てな訳で、今回評価低め。・・・あのオチじゃなかったらなぁ〜・・・ふうぅぅぅ〜




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2002年09月16日(月) この素晴らしき世界

監督:ヤン・フジェベイク
出演:ボレスラフ・ポリーフカ
    アンナ・シィシェコヴァー
    ヤロスラフ・ドゥシェク、他
オススメ度:☆☆☆☆+


【あらすじ】
第二次世界大戦下、チェコの小さな田舎町にもナチの影が忍び寄りユダヤ人狩りが行われていた。
そんな町の子供のいない夫婦「ヨゼフ」と「マリエ」の元にかつてヨゼフが雇われていたユダヤ人社長の息子「ダヴィト」がポーランドの収容所から命からがら逃げて転がり込んで来た。成り行きでダヴィトをかくまうヨゼフ夫婦。
戦争激化の中、ダヴィトをかくまう為にヨゼフ夫婦の運命は翻弄されていく・・・


【感想】
チェコという国も、そしてこの国の歴史もぴよはほとんど知らないのね。
ただ第二次世界大戦中はドイツが占領して激しいユダヤ人狩りが行われていたというくらいの事は知ってる程度。
そしてこの映画は正にそんな辛く悲しい時代を何とかして生き延びようとしたチェコ人夫婦の涙ぐましい努力と運命に翻弄される姿が、実に滑稽で、それでいて切なく哀しく綴られた物語です。

映画冒頭で1937年〜1941年までを2年刻みで何気ないエピソードを見せながらチェコの時代背景を観客に示して、この映画の本題に入るのが更に2年後の1943年。この作りはとても面白いし、チェコに馴染みのないぴよにもすんなり本ネタに食い付けるよーになってます。

かつては「ヨゼフ」と一緒にユダヤ人に雇われていたドイツ系チェコ人「ホルスト」は、ドイツが台頭して来ると進んでナチに擦り寄ってユダヤ人狩りのお手伝いをしていたり、ナチスの事は忌み嫌っているものの自分と家族の保身の為に収容所から逃げて来て助けを求める「ダヴィト」を冷たく突き放す隣人がいたり・・・じゃあダヴィトをかくまったヨゼフ夫婦が聖者なのかと言えば、それもちょっと違う。
一晩ダヴィトを成り行きで自分の家に置いてしまった手前、今更ダヴィトを追い出した所で、もしダヴィトがナチスに捕まればそれまでどこにいたのか直ぐバレてしまう→自分達がユダヤ人をかくまった事がバレて自分達も殺されてしまう、という「やむを得ない事情」から戦争が終わるまでかくまうハメになってしまっただけ。
当時のチェコ人の複雑な心境だったり置かれた立場が実にリアルに、そしてシニカルに描かれています。

ダヴィトをかくまっている事を必死に隠さなければいけないヨゼフ夫婦の悲哀が滑稽で笑える!
映画中、悲しいハズの場面が滑稽に面白おかしく、そして笑っていい場面が切なく描かれていて、これは本当にあの時代の悲哀を経験したチェコ人の心境そのままの等身大の物語なんだろうと思わされて、特にラストのシーンはジーンとしたわ。

この映画、役名から想像付くと思うけど、

主人公ヨゼフ→ヨセフ
ヨゼフの妻マリエ→マリア
ユダヤ人ダヴィト→ダビデ

そして妻マリエは夫の子ではない子供をヨゼフの希望通り?に授かり・・・そう。聖書のエピソードをなぞらえるかのようにヨゼフ夫婦というのは「聖家族」を模しているんですよ。
だからと言って決して宗教臭いお説教染みた作りじゃなく、逆に聖書を模した作りだからこそこの映画にリアリティを出して、シニカルでいて哀しい笑いを誘う映画になったんじゃないだろうかと。


「いい人」「悪い人」という区別ではなく、人間というのは「いい面」と「悪い面」を併せ持つ悲しい生き物なのだと教えてくれる、この映画は隠れた名作だねー!チャンスがあったら是非沢山の人に見てもらいたいねぇ〜!




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2002年09月15日(日) ロード・トゥ・パーディション

監督:サム・メンデス
出演:トム・ハンクス
    ポール・ニューマン
    ジュード・ロウ、他
オススメ度:☆☆☆☆+


【あらすじ】
1931年イリノイ州ロックアイランドの町、読書好きの12歳の少年「マイケル・サリヴァンJr」は弟のピーター、優しい母、少し距離を置く寡黙な父「マイク・サリヴァン」と幸せな生活を送っていた。父・マイクはこの町を牛耳る大物ギャングのボス「ジョン・ルーニー」の片腕としてルーニーに実の息子のように愛されていたが、ルーニーの実の息子「コナー」はそんな2人の親密な関係を憎々しく思っていた。
ある日、マイケル少年はたまたまコナーが仲間の一員を殺害する場面を目撃してしまう。元よりマイクを疎ましく思っていたコナーはこれを機会にマイク共々一家を殺害しようと企むが、妻とピーターは殺害されてしまうもののマイクと肝心の目撃者マイケルは難を逃れた。マイクは怒りに震え、息子マイケルを守りながら復讐を誓ったのだ・・・


【感想】
「アメリカン・ビューティー」で初監督にしてオスカー取りまくりのサム・メンデス監督2作目。とくれば、自ずと期待が高まっても仕方ないでしょう!しかもキャストがオスカー2度獲得のトム・ハンクスに、もちろんこちらもオスカー俳優でハリウッドの重鎮ポール・ニューマン共演と来たら、期待しないのがウソってもんですわ!(笑)

ジャンルとしてはバリバリの「ギャング映画」の部類に分類されるんでしょうけど、この映画はあくまでもギャング黄金時代を背景にした「親子の絆モノ」映画なんです。それが悪いんじゃない。・・・むしろ実によかった!

最初、マイクとマイケルの親子関係はかなりそっけなく(どうかすると非常に淡々と)描かれていて、それは観客だけではなく映画中の少年マイケル自身も感じている。
「父はボクの事を、ボクが父を慕う程は思ってくれていないんじゃないんだろうか」

そしてもう一組の親子がいる。ギャングのボス・ルーニーと実の息子コナー。
コナーもまた父が自分ではなく、他人のマイクを我が子のように可愛がる事に嫉妬を感じている。
更にルーニーとマイクの関係。孤児だったマイクを拾い上げていっぱしのギャングに育てたルーニーは、やはりマイクに対して実の息子のような愛着を持ち、マイクはルーニーに対して実の父親のような忠誠心を誓っている。

これがひょんなきっかけで歯車が狂い、そしてマイケル少年が、マイクが、ルーニーが、各々目に見えなかった絡み合う糸がほどけ合うかのように本当の親子の結束と絆を確認していく・・・

実に淡々とした作りでありながら、ひしひしと心に刻み付ける素晴らしい映画でした。
その映像美もさることながら、音響の効果、切ないBGM、そして役者の堂に入った心打つ演技、どれを取っても超一流のまさしくオスカー候補にふさわしい映画と言っていいでしょう!!

ギャングの痛ましい虐殺シーン≒どしゃぶりの雨、という演出も臭そうでいてしっくりハマる(笑)
ラストのオチも途中で予想が付くものの、その伏線の張り方は実に巧みで嫌味がなく、あのラストで逆に観客を納得させながらも見終わった後にいつまでも余韻を残す名セリフ付きで・・・


こういう映画を「名作」と呼ぶのだなぁ、と。


ただね、字幕の表示が・・・白い背景に白い字幕で(しかもめちゃいいシーンで)これは大減点!
だって全然字幕読めないんだもん!これはいかんですよ!!
あの読めなかった字幕部分には何が書いてあったんすか?英語わかんなかったら見るなってか!?

・・・てな訳で、☆は5つ付けませんでした(笑)あの読めなかった字幕部分が全部読めたら星5つ確定よ!(爆)




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2002年09月14日(土) サイン

監督:M・ナイト・シャマラン
出演:メル・ギブソン
    ホアキン・フェニックス
    ローリー・カルキン、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
「グラハム・ヘス」は痛ましい交通事故で最愛の妻を失った事がきっかけで信仰を捨ててしまった元牧師。妻なき現在はヘスの弟「メリル」と重度の喘息持ちの息子「モーガン」そして『水』に異常な執着を持つ娘「ボー」と共に静かにとうもろこし農場を営んでいた。
そんなある日ヘス家の前のとうもろこし畑に巨大なミステリー・サークルが出現する。最初は誰かのいたずらだと思っていたグラハムだが、時同じくして世界中に同様のミステリー・サークルが無数に作られていたのだ。
数々起こる怪奇現象がグラハム達を襲う・・・この「サイン」はグラハムに何を示そうと言うのか!?


【感想】
この映画、公開前にネタがバレるのを嫌って一切試写会しなかったのね。だから先行上映をすんごーく楽しみにしてわくわくしながら見に行ったんすよ!!何しろあの「シックス・センス」のシャマラン監督の新作だもんねっ!一体どんなどんでん返しでぴよを驚かせてくれるのかな〜♪

・・ってね、この映画の感想書くと全部ネタバレになりそーで怖いんすけど(苦笑)
一言で言うと(←最近コレも多用してますな)


ミスリードし過ぎやろ!!


あ、予告編がね。(^_^;)

だってね、(以下、やっぱりネタバレになりそーなので文字隠しましたわ。未見の人はドラッグしない方がいいかと)
あの予告編見たら大抵の人が「ミステリー・サークル出現と未知の物体(宇宙人)の謎」がこの映画の主題になってて、あのミステリー・サークル絡みで一体どんなどんでん返しのオチが付くんだろ?って思うに決まってるぢゃん!?全然違うんだもん・・・絶対にあの予告編ってば卑怯だってば!!

何もかもがネタバレの危険をはらんでますので(苦笑)今回ほとんど内容に触れれないんですけど、ミステリー・サークルが出現してからいよいよ映画が大きく動くまでに、話の筋に肉付けとして(とぴよが思い込んでいた)エピソードがかなり細かく入って来るんですけどね、ま・・ぴよが勝手に誤解してたから仕方ないんだけど、多少ダレた感じがしたわね。
映画を見終わってみてよくよく考えると「よく出来た脚本だなぁ」と思うんだけど。

ま、重要なキーワード?がこの映画の公式HPにも書いてありますのでそれだけ書いておきましょうか・・
『人には2つのタイプがある。ひとつは、この世には偶然などなく、奇跡が存在すると信じているタイプ。
 もうひとつは、すべては単なる偶然で、未来は自分次第なのだと思うタイプ。お前はどちらのタイプだ?』

これは主人公グラハムが弟メリルに向けて語るセリフなんだけど、実はこの言葉は自分に向けられている、と。

子役2人、特に娘役のアビゲイル・ブレスリンちゃん、めちゃ可愛い&演技ウマい!彼女若干5歳児のお子ちゃまだそーですが、今後人気出ちゃうかもねー♪どーかハリウッドの「大人の世界」に毒されてしまいませんよーに(^_^;)


この映画、きっと欧米では非常にウケがいいとは思うんだけど、この「日本」という特殊な宗教感?の国でどれだけ受け入れられるんでしょうか・・・実は非常に格調高い映画だと思ったんだけど、なかなか日本人には受け入れにくい題材だったんじゃないだろーか。

そう思うと、あの予告編の作りにしてしまった映画会社の気持ちは判らなくもないかな、と(笑)





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2002年09月13日(金) クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア

監督:マイケル・ライマー
出演:アリーヤ
    スチュアート・タウンゼント
    マーガリート・モロー、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
100年の眠りから覚めたヴァンパイア・レスタト、彼は新しい「神」になるべくロック・スターになった。本来ならば人間にその存在を隠していかねばならぬ掟だが、レスタトは自らを「ヴァンパイア」と名乗り、仲間のヴァンパイア達を敢えて挑発する。
そのレスタトの挑発的な声に、全てのヴァンパイアの母にして呪われし者の女王「アカーシャ」が目覚めたのだ・・・


【感想】
前作「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」ではトム・クルーズがレスタト役を演じて、その鼻血もんの美しさで世界中の女性のハートを鷲掴みにしてくれましたわね♪今作ではその「レスタト」をスチュアート・タウンゼントが演じてます。・・・が、ぴよはこの人知りませんでしたわ。(^_^;)

確かにスチュアート・タウンゼント君美しいです♪黄色人種には絶対にありえない遺伝子情報であろうあの彫りの深さ、光り輝くような白い肌、そして少し憂いのある潤んだ瞳・・・でもね、なーんか違うんだなぁ。確かにキレイだけど、どうしてもトム・クルーズと比べちゃうからさぁ〜、カリスマ性に欠けるっつーか、なんて言うのかな、

粒が小さい っつーの?(をい)


題名が「クイーン・オブ・ザ・〜」だしね、映画のポスターも当然だけど女王様の「アリーヤ」がメインなんだけどね、どーしてこの映画はこのタイトルなんでしょう?と首をかしげたくなるくらいアリーヤの出番が少ないのよ。これは猛烈に残念だった。
R&Bの歌姫の名を欲しいままにしたアリーヤ、この映画の撮影直後に飛行機事故で亡くなりましたね。
ぴよはR&B大好きっ子なのであの訃報は本当にショックだったわ・・・彼女の遺作となったこの映画、タイトルにまでなってるんだからもうちょっと出番が多くてもいいんじゃないでしょうかっ!?(ちょっとお怒り)

要するに題名から想像するのとは思惑ハズレで、あくまでもこの映画の主役はレスタト。それも悪くはないんだろうけど何故レスタトが敢えてロック・スターという道を選んだのかもちょっとエピソード弱い気がするし、それよりも何がダメだって・・レスタトの相手役「ジェシー」が全然魅力ないんだよぅ!(>_<)
女王「アカーシャ」に反旗を翻す為には、アリーヤ以上のカリスマ性と魅力を持った女優じゃなければこの映画は成り立たないんじゃないかと思うんだけど!!(ぴよはアリーヤ大好きだったので特にそう思うんだけどねっ!←鼻息荒め。笑)

前作では語られなかったレスタトの出生?の秘密だったり、色々観客を楽しませようとアクションっぽいシーン多めでそれなりに見せてはくれるんだけどね、前作の色を期待して見に行くと大失敗するわね(きっぱり)


ぴよはね、やっぱりトム・クルーズに「レスタト」をやって欲しかったな。んで「ジェシー」役にニコール・キッドマンが出てくれれば文句なかったんだけどなーってね♪(笑)





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2002年09月11日(水) イノセント・ボーイズ

監督:ピーター・ケア
出演:キーラン・カルキン
    エミール・ハッシュ
    ジェナ・マローン、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
カトリック系ジュニアスクールに通う少年「フランシス」「サリバン」は大の親友。彼らとウェイド、ジョージを加えた4人組は保守的で厳しい学校に反発して他愛のないいたずらを繰り返す、若いエネルギーを持て余し気味なお年頃。プロ並みの腕前のフランシスが描くコミックはそんな彼らの捌け口。いけすかない校長を悪の親玉に仕立て上げ、4人はコミックの中でヒーローとして大暴れするのだ。
そんなある日、フランシスが書いたコミックが校長の目に触れてフランシスとサリバンが停学になってしまう。学校に仕返ししてやろうと企てた大胆不敵なある計画が彼らの予想もしない事になってしまうのだ・・・


【感想】
31歳の若さでこの世を去った天才作家クリス・ファーマンの処女作にして遺作「放課後のギャング団」を自ら映画製作会社を立ち上げて企画・製作もこなすジョディ・フォスターが映画化。彼女自身もこの映画中で悪ガキ4人組から「悪の親玉」扱いされる校長役を演じてます。

この映画、公式HPでも「21世紀のスタンド・バイ・ミー」と煽ってるだけあって、本当に展開がスタンド・バイ・ミーと被りますわ。大人になり切れないちょっと背伸びをしたい年頃の男の子達がちょっと図に乗っていたずらしちゃう・・・それが大人になるための儀式であるかのように目を輝かせて、時に躊躇しながらもどんどんエスカレートして行って・・・

あぁ。ホントにスタンド・バイ・ミーぢゃん!(笑)

そういう意味では「目新しさ」は感じないものの、スタンド・バイ・ミーにはない演出として、フランシスが描くコミックをアニメ化させて映画の展開に合わせるように平行して挿入しています。
主人公は自分達4人、その4人がスーパーパワーを得てそれぞれ必殺技を持つ怪人に変身してヒロインを守りながら悪の軍団と戦って行く・・・これがなかなか面白いのよ!自分達の身に起こる事がデフォルメされてアニメになって行く、こういう作りはちょっと予想外だったけど、いかにも現代ちっくなボーイズ・ストーリーの演出だなぁと思ったね。

フランシスの描くコミックは彼らの実体験から出る創作の世界だけど、現実の彼らはコミックではない。
1つ1つ無邪気ないたずらを繰り返す内にとんでもない事も自分達の手で出来てしまうと勘違いして暴走してしまう、そんな多感な時代の無軌道な少年達の姿は現代のマスコミをにぎわす少年犯罪を犯す少年達の心理を少し垣間見せてくれるような気がしたな。


でもそんな無軌道ないたずらのツケは必ず自分達に帰って来る。


どこか懐かしい匂いのする映画だけど、それはぴよがすっかり大人の世界に浸かってしまったからなのかな。
今正に「無軌道な青春」を謳歌する今の中学生達にこの映画を見てもらって感想が聞きたい気がした。

正直言って今のぴよにはあまり共感する部分はなかったけど、ぴよもこの映画の中に出て来る少年達の年頃には自分の中の無限の可能性を信じてたし、学校だったり親だったり世の中だったりに訳もなく反発して「何かでっかい事してみんなをあっと言わせたい」って常にうずうずしながら友達と他愛もないいたずらを繰り返していたな・・・

そんなノスタルジックな気分にさせる映画だったよ。





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2002年09月10日(火)

監督:篠原哲雄
出演:江角マキコ
    豊川悦司
    筧 利夫、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
人気作家「柳 美里」のお腹に1つの命が芽生えた。相手は妻帯者の男性。不倫の子を宿した柳の心は揺れ動き中絶も考え、かつて10年もの間同棲生活を続けた元恋人で、東京キッドブラザースの主宰者「東 由多加」の元を訪れる。ところがその時すでに東は手の施しようもない癌におかされていたのだった。
柳の中から生まれいずる命、そして消え逝こうとする東の命、対照的な2つの「命」の劇的ドラマが始まった・・・


【感想】
柳 美里の同名小説シリーズ「命」「魂」「生」「声」の映画化。映画化になるに当たり、彼女は自分の名前、子供の名前、そして「東 由多加」の名前を実名で使用する事を条件に出したそーです。
・・・題名くらいは聞いた事あるけどネ、原作は読んでないんすよ(相変わらずこのパターンよ。苦笑)

日本国籍ではないがゆえのいじめや家庭内の不和、様々な思春期の葛藤から家出と自殺を繰り返して来た「柳」が、生まれる命と消え逝く命に向き合う事で人間として成長し、生きる力を得て行く・・・

何だかすっごくカッコいいなぁ(ぼそ)

カッコ良過ぎるんだよな。原作の小説読んでないから作者の意図を作者の言葉で見ていないから色々書くのが心苦しいんだけどさー、リアリティがあるようでいてないような・・・すごく微妙な感じがしたのよね。(^_^;)
この映画、身内や愛する人を「癌」という病気で失った経験がある人とない人では見方が多少違って来るんじゃないかという気もしなくはないんだけどね。

ぴよは大好きだったパパを2001年1月12日に癌で亡くしました。だから癌と向き合う「東 由多加」という人の気持ちだったり、親身になってくれた東の主治医の一見冷酷とも取れる(でも実は本当に一生懸命だったとぴよは思えた)言葉の数々には頷いてみたり「パパもこんな風に思っていたのかなぁ」としんみりしたりして、ちょっぴり切なくなっちゃったんだけどね。

ただ、肝心の「柳 美里」という人にはあまり共感が出来なかった。
原作はどうなのか判らないけど、映画を見る限りの彼女は不倫の末に妊娠したものの不倫の彼が煮え切らない態度で一時は中絶も考え、彼がアテにならないから元彼を頼り、彼の気持ちに甘えていたクセに「私、こんなに成長しました」とカッコよく1人颯爽と立ち上がっちゃったオシャレな女風な・・・鼻持ちならない感じを受けてしまった。

東 由多加と自分のパパの姿を重ね過ぎたせいなのか・・・東の気持ちに肩入れし過ぎて少々意地悪な目でぴよは見てしまったかもしれません。だから今日の感想はかなり私感多くてアテにならないかも(^_^;)


柳が産んだ子供のお宮参りに付き添った東が、神社の境内で微笑ましく戯れる親子の姿を見て号泣するシーン。
「俺の命がもう少しあればこの産まれたばかりのこの子の成長を見届ける事が出来るのに・・・」

泣きました。

ぴよのパパも病院のベッドで来年や2年後に一緒に旅行に行く計画を楽しそうに話していました。
パパはもう自分の命が長くない事を誰よりも判っていた事でしょう。
それでもぴよに2年も3年も先の楽しい夢をたくさん語ってくれました。
本当は、本当は、1人ぼっちになった時、パパはあのリノリウムの床の冷たい病室であんな風に泣いていたんだろう・・・そう思うとぴよは泣かずにはいられませんでした。


ちょっとナーバスになってしまいました。今日は全然映画の感想じゃなかったっすね。(すんまそ)





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2002年09月08日(日) シャーロット・グレイ

監督:ギリアン・アームストロング
出演:ケイト・ブランシェット
    ビリー・クラダップ
    マイケル・ガンボン、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
1943年第二次世界大戦下、フランスはドイツに国の北半分を占領されていた。スコットランド人看護婦「シャーロット・グレイ」は空軍パイロットの恋人がフランス戦に行く事を知り、自らもフランス語が堪能な事を見込まれて諜報員としてフランスでレジスタンス活動をする為に密かに特訓を受ける。
数週間後、恋人がフランスで戦闘中に行方不明になった・・・シャーロットは諜報員としてフランスに乗り込み恋人の行方を探すが、戦下のフランスは彼女の想像を絶する過酷な運命が待ち受けていた。


【感想】
この作品も「あいち国際女性映画祭」のプログラム。愛知県未公開・・つーか、公式HP調べたらまだ日本公開されてませんでしたわ(12月シャンテシネ公開予定)
オスカー女優「ケイト・ブランシェット」主演だしねー♪彼女って正直言ってぴよあんまり好きじゃないんだけど、演技は本当にウマイわよね!・・ってな訳でいやがおうにも期待が膨らみます!!


・・・が。 ←字、デカ過ぎる?(苦笑)


ケイト演じる「シャーロット・グレイ」という女性がぴよには理解出来なかった。(いきなりコレだよぉ〜)

まず恋人を追って危険な任務と知りながらフランス入りまでしたシャーロット、そして恋人の消息を知る為にレジスタンス活動の仲間を結果的に犠牲にしてしまったシャーロット・・・こう書くとすごーく「ウェット」な女性ってイメージが湧くと思うんだけど、映像で見る限り彼女がそこまで恋人に対して情熱を燃やしていたとはとても感じられないんだよね。(^_^;)

フランスでレジスタンス活動を続けるリーダー格の男「ジュリアン」に対しても、それほど心動かされているような感じは受けなかったし、ユダヤ人の子供達に対してもクライマックスであそこまで思い入れを持つほど信頼関係が出来ているようには思えなかった。

これってケイト・ブランシェットのアンニュイな風情が「恋に生きる情熱的な女性」とはちょっとキャラクターが違うし「子供達に慕われる心優しい天使」ともイメージが被らない・・・ケイトは素晴らしい女優だと思うけど、簡単に言っちゃえば

ミスキャストなんちゃうん? (をいをい)


ジュリアンの父「ルベード」役のマイケル・ガンボンはよかった。それから映画冒頭から映画中も素晴らしい風景が展開されて映像的には情緒豊かで見応えもあると思う・・・んだけどね。なんだろー?
この映画は「シャーロット・グレイ」という女性の生き様を描いていると思うんだけど、その肝心のシャーロットに思い入れが出来なかったらもう台無しって言うのか(苦笑)


要するに、ぴよが理解も出来なければ思い入れも持てなかった大バカだっただけとも言えるんだけど(うひーん!)





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2002年09月07日(土) キルミー・レイター

監督:ダナ・ラスティグ
出演:セルマ・ブレア
    マックス・ビーズリー
    ブレンダン・フェア、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
銀行員のショーンは上司との不毛な不倫関係に疲れ果てて会社のビルの屋上から正に飛び降り自殺をする所だった。
そこへたまたま銀行強盗に入った犯人グループの1人「チャーリー」が警官に追われてビルの屋上にたまたまいたショーンを人質に取って逃走をしようとしたのだ。ところが人質のショーンはチャーリーに「殺してくれ」と頼む始末。仕方なく無事逃走したあかつきにはショーンを殺してやるのを条件にチャーリーはショーンと共に奇妙な逃走劇を繰り広げる事となったのだ。


【感想】
9月4日〜8日まで「あいち国際女性映画祭」というイベントをやっていて、そこで上映してました。
この映画、愛知県では未公開(つーか、この映画祭で上映する映画は全て愛知、もしくは日本未公開の作品ばかり)

「ストックホルム・シンドローム」という心理状態をご存知でしょうか?かつてスウェーデンのストックホルムに銀行強盗が入り人質を取って銀行に立て篭もったんだけど、時間が経過していく内に人質が銀行強盗に愛情すら感じるようになって積極的に強盗を守った、という事実から生まれた言葉だそーです。
これは「強盗に殺されたくない→強盗から好かれれば殺されないで済むかもしれない→強盗に好かれたい」という自分の生命の危機に対して異常な心理が働いて、更に強盗に好かれたくて努力する内に自分が進んで強盗を愛してしまうという、正に「風が吹けば桶屋が儲かる」的心理とでも言えましょうか・・・

って、全然関係ない説明が長くなりましたが(苦笑)この映画を見ていて、ぴよは設定はまるで逆だけどこの「ストックホルム・シンドローム」の事を思い出してました。
この映画では本来なら殺されたくない筈の人質女性は自殺志願者で強盗にどうしても殺してもらいたい、そして強盗の方は人質に簡単に死なれては自分が無事に逃げる事が出来ないから何とかして生きていてもらいたい・・・ちょっと妙ですわね(笑)

不幸な生い立ち、愛に飢えるが余りの不倫、そして不毛な自分・・・もう死ぬ事しか考えられない主人公「ショーン」とケチな犯罪でたった2年投獄されていたが為に最愛の妻も子供も失ってしまうが、決して自分の人生を諦めない夢を持つ強盗「チャーリー」(夢の実現のさせ方はいささか強引かと思うけど)
2人のキャラクターの心理状態は両極端な所にいるんだけど、両極端だからこそお互い相手が気に懸かり、いつのまにか心惹かれ合って行く・・・ってのはなかなかうまく描かれていたと思うな。
最初、ずーっと眉間にシワを寄せていかにも「私ってつまんない」風のショーンが、チャーリーの人柄に思わず笑いを漏らす辺りなんて実にうまかった♪

ただ、人質が自殺志願者だという事にやたらこだわる刑事のやりとりのくだり等、本来の映画の筋には影響のないエピソード等が映画を盛り上げるんじゃなくて逆にダレさせちゃってる感じが。(^_^;)
それから個々のキャラの描き込みが丁寧なのに対して、強盗グループ同士の関係や「黒幕」との関わり合いが説明不足で消化不良気味の感じ・・・余り影響のないエピソードはもうちょっとすっきりさせてここら辺をもっとしっかり描いてもらった方がもっとスピード感も出ただろうし映画自体にも愛着が湧いたんじゃないかなーと。うーん、残念っす。

ラストの着地点も大団円ではあるものの、いささか陳腐で安易な感じも・・・ま、見てて胸クソ悪くなる映画よりもよっぽどいいんですけど(笑)





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2002年09月03日(火) ジャスティス

監督:グレゴリー・ホブリット
出演:ブルース・ウィリス
    コリン・ファレル
    マーセル・ユーレス、他
オススメ度:☆☆−


【あらすじ】
第二次世界大戦下の1944年ベルギー、ドイツ軍捕虜となった26歳の若き士官「ハート中尉」はバルジの戦いで捕虜になった兵士らと共にアウクスブルク郊外のドイツ軍捕虜収容所へ送られた。その後そこへ黒人士官2名が捕虜として収容される事になると今まで感じのよかった下士官達の態度が一変するのだ。
あからさまな黒人士官達への嫌がらせ。それはエスカレートして、とある白人兵士の陰謀で黒人士官の1人があらぬ疑いをかけられてドイツ軍に射殺されてしまう。その後その陰謀を企んだ白人兵士が何者かによって殺害される事件が発生。容疑者はもう1人の黒人士官「スコット」だ。
ハートはマクナマラ大佐からスコットの弁護士に指名され、事件を追って行くのだが意外な展開が待っていたのだ・・・


【感想】
んー。ブルース・ウィリスの新作とは言え、また戦争モノですかぁー・・ぴよは戦争映画苦手なのでぇ〜・・と思ってたんだけど、確かに舞台は第二次世界大戦下のドイツ軍捕虜収容所ではありますが、内容としては「戦争」じゃなくて、同じアメリカ軍内の人種差別とそこから派生した事件を軍法裁判で裁くという部分がメイン。

捕虜とは言え、そこには軍人として当たり前の「階級制度」が横行している訳で、若かろうが中尉の肩書きを持ってる「白人」士官ハートに対しては荒くれ者の下級兵士達も礼を尽くしている。
これがいくら上官とは言え相手が「黒人」となると話は別・・ってのがこの映画の展開で重要な位置を占める訳で。
もうねぇ・・・人種差別モノの映画って本当に見てると胸糞悪くなるんだよねぇ〜
これだったらまだ「ドンパチ」ONLYで中身カラッポの戦争映画の方が見てて気分がいいっすよ(^_^;)

正直言うとね・・・この映画、長過ぎますわ。上映時間2時間越えなんだけど、これくらいの上映時間は面白ければきっと全然気にならない程度の長さだと思うんだよねー・・・って事は?

全然イケてねーよっ!(怒)


あ。また吼えちゃった♪

だってねー、今日は言うよ?(誰に聞いてんだ?苦笑)
まず話がダラダラし過ぎてちっとも盛り上がらないんすよ。ワクワクもしなければドキドキもしない、手に汗握るって感じもなければ謎解きを楽しむって気分にもなれない!(あぁ、言いたい放題よ)
本来なら必要もなかった軍事裁判が何故必要だったのか?そこら辺の描き込みも甘過ぎる。それからマクナマラ大佐のキャラの描き方も、説明不充分というか・・・全く共感も出来ないし思い入れも出来ない。

何が気に入らないって、映画のオチっすよ!!
ブルース・ウィリスが出てるからっての考えるとこーいう落としトコロしかなかったのかもしんないけどさー、それにしても・・・(以下超ネタバレにつき、未見の人は絶対にドラッグしないよーにねん)
あの展開でマクナマラは戻って来るかねぇ?ハートの「正義を貫く為についたウソ」に心打たれて急に宗旨替えしてイイ人になっちゃったってかぁ!?ウソ臭過ぎるんだっちゅーのっ!!
これだったら最後の最後まで当初の訳わかんない嫌なヤツでいた方がよっぽど納得出来るっちゅーねん!



何がって・・一番痛いのは「この映画は一体どこで感動すればええのん?」
(観客を感動させようとする意図をちょっと感じたので・・・)

この一言に尽きるかと。(^_^;)




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2002年09月01日(日) チョコレート

監督:マーク・フォスター
出演:ハル・ベリー
    ビリー・ボブ・ソーントン
    ヒース・レジャー、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
刑務所の看守を勤める「ハンク」は人種差別主義の父に精神的虐待を受けながら大人になり、そして自分の受けた虐待をそのまま心優しい息子「ソニー」にぶつけ続けたが為にソニーを自殺に追い込んでしまう。
黒人女性「レティシア」は夫が11年間も投獄生活にあり疲れ果てていた。その夫をついに死刑執行という形で亡くし、程なくして最愛の息子を不慮のひき逃げ事故で失ってしまう。
レティシアの息子の事故がきっかけで出会った2人はお互いの心に出来た穴を埋め遭うように惹かれ合って行くが・・


【感想】
この映画でハル・ベリーがオスカー「主演女優賞」取ったのよねー。公開2日目(名古屋)に行ったんだけどスゴイ盛況振りですわ。そんなに派手にCMしてなかったのにね。やっぱりオスカー映画は注目度高いか?
予告編見た時は恋愛映画だなと想像してたんだけど、話自体は非常に重たいテーマでしたね。
恋愛映画と言うよりもヒューマン系なんだろうなぁ。うん。

アメリカ社会では今も黒人差別(有色人種差別とも言うか?)は続いていて、この映画の主人公「ハンク」もそんな人種差別の激しい父親の影響を受けて自分も黒人を意味もなく差別する人間の1人。正直言って映画前半までのハンクの様子にはかーなーりー見てて胸クソが悪かった。

ハンクと祖父に対してまるで抗議するかのように気持ちの優しい息子ソニーが自殺する。ここでハンクは初めて今までの自分の生き方を振り返り、そして父親から受けた精神的虐待の呪縛から逃れようと変わって行くのだ。
ここまでのくだりにかなり時間を使っているんだけど、ぴよは恋愛映画だと思って見に行ったので「ちーっともハル・ベリーと絡んで来ないぢゃーん」って思って見てたんだけど(苦笑)映画を見終わった後になってみると、この演出はよかったと思う。
あれだけ黒人差別をしていたハンクが生まれ変わる為には、息子ソニーや父親との関わり合いだったり近隣に住む黒人の親子との関係もきちんと見せてくれなければ納得が出来ないもんね。

さて。
オスカー受賞のハル・ベリー。確かにウマかった。
けど役柄というか脚本がそーだったから仕方ないんだろーけど、ちょっとご都合主義で、ハンクの好意に甘えてぶら下がる「ソツのない女」というイメージを感じなくもない。(^_^;)

この映画「R−18」なんすよ。で、その問題の18禁シーン。・・・ま、確かにちとドギツイかな、と。
と言うよりも、ハンクとレティシアの絡みね、あれちょっとしつこいと思うんだけどー!
あそこまで「まったり」見せてくれなくても2人の気持ちはよーく判るしぃー!(苦笑)ま、とりあえずはハル・ベリーのナイスバディをじっくり堪能出来るって事で良しとするべき?

ラストも「ハッピー・エンド」とは決して言い切れない微妙な着地点で・・・でもこの映画、変にまとめて清々しいオチに持ってくるよりもこのラストの方がいいとぴよは評価するけどね。


全然関係ないんだけどさー、ビリー・ボブ・ソーントンってサム・ニールに似てると思わない!?
サム・ニールをちょっと頑固おやぢにするとビリー・ボブ・ソーントンになるんだよー!
「バーバー」見た時も思ったんだよー!絶対に似てるってー!!(←やっぱぴよはバカですか?笑)






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