泡とガラス玉


2007年06月05日(火)      ニュウハクショクノセカイ


日向によく映えるシーツの洗濯物の影に身を隠したら
まるで隠れ家だった。

暗い木陰の足元の柔らかい土に
苔の島を見つけた
小さな列島。私は巨大だった。

ガラス戸をとんとん叩くと
人の気配がして窓が開いた。
煙草の仄かな匂いは
私を安心させた。


白いレースのカーテンが
呼吸していた。
猫のお腹のように膨らんではしぼんでいる。
夏の昼下がりに私は眠った。

世界は一筋。
時間も一筋。
過去も現在も未来もない。
本当はたった一つの延長線。


乳白色の世界は
遠い記憶の中に広がっていて
いつでも夢見ることができる。


世界は遠い果て。


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