気が付かずに、途中からになってしまったが、夕べ、BSで「アメリカ映画音楽ベスト100」という番組を見た。 音楽と言っても、歌の入ったものを取り上げていて、映像を流しながら、その中で演奏され、ヒットした曲を、100位から順に、紹介していく。 私が見始めたのは、すでに60位くらいまでが、終わったあとだったので、ちょっと残念。 というのは、この種のものは、上位にランクされたものより、下の方にあるものの方が、いいと言うことが少なくないからである。 2時間半くらいの番組の中で、往年のミュージカルスターや、作詞、作曲者達のインタビューを入れながら、100曲を流すのだから、フルコーラスとは行かず、みな、細切れであったのは、やむを得ないのかも知れない。 しかし、映画の黄金時代と言われた、1950年代前後の、輝かしいアメリカ映画が、ほんの一場面であっても、再現されたのは、嬉しく懐かしかった。 第2次世界大戦後、敗戦日本は、食べ物もろくにない貧しい時代。 戦後10年くらいは、私の成長期とぴったり重なる。 そして、続々と、アメリカやヨーロッパの映画も入ってきた。 リアリズムのイタリア映画、恋愛を描いたら負けないフランス映画、親たちはきっとこちらに夢中だっただろうが、私には、見て愉しく豪華なアメリカ映画が印象にある。 初めて見たアメリカ映画は、昭和25年の「子鹿物語」。 父親に連れて行って貰った。 グレゴリイ・ペックの何とステキだったこと! それから「若草物語」。 ここに描かれたアメリカの家庭は、南北戦争を背景にしていて、決して裕福ではないのだが、初めて映像で見るアメリカの家の造りや調度、少女達の長いスカートは、その頃の私の生活の中にはない夢の世界があった。 同じ貧しさでも、こうも違うのかと、子供心に思った。 エリザベス・テイラーの美しさは、忘れられない。 次々と入ってきたアメリカ映画のうちでも、ダンスや音楽を中心にしたミュージカル映画は、夢という意味では、最たるものだった。 昨日の番組では、このころ見た映画の場面が沢山流れたが、フレッド・アステアとジーン・ケリーという、天才二大スターを中心に、歌とダンスの達人達が織りなす、銀幕の星達の競演だった。 昨日、ベストテンが出た段階で、アメリカ人の選ぶ眼は、ちょっと違うなと思うところもあったが、ビージーズは、中学生の息子の影響で、私もメロディを覚えているし、バーブラ・ストライサンドの、素晴らしい歌も、記憶に新しい。 番組で紹介されたベストスリーは 1.「オズの魔法使い」のジュディ.ガーランド歌う「虹の彼方に」 2.「カサブランカ」で流れる「時の過ぎゆくままに」 3.ジーン・ケリーが歌って踊る「雨に唄えば」 と言う順位だった。
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