沢の螢

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万愚節
2005年04月01日(金)

今日は万愚節、四月バカとも言う。
エイプリルフールといった方が、いいかも知れない。
昨年、贔屓にしているあるサイトが、面白いトリックで、みんなを騙した。
トップページをクリックしたら、「ページが見当たりません」という警告文。
ハテ、削除したのかと思ったが、どうもおかしい。
一見、真っ白なページによく見る警告文ではあるが、どことなく文調が違う。
そのサイトの管理者が、そういうページを作って、その日だけトップに据え、まんまと訪問者を煙に巻いたのだとわかった。
よく読めば、いかにも、ユーモラスに書かれてあって、通常の無味乾燥な警告文ではないから、わかることなのだが、最初はビックリした。
半日ほどして、もとの画面に戻り、掲示板で「ビックリさせてごめんなさい」とあったので、それで一件落着。
質の良いサイトで、訪問者もユーモアを解するレベルの高い人たちだから、シャレで済んだ。
来年は私も、そんなことをしてみたいと、その時は思ったが、私の場合は、ユーモアになりそうにないから、真似するのは止めた。
今の殺伐とした時代、そんなことが、ユーモアにならない可能性もある。
でも、参考のために、あのページのソースをコピーしておけば良かったと悔やまれる。
案外と難しそうで、ちょっと再現できそうにない。
今年も、そのサイトに、何か仕掛けがあるのかと覗いてみたが、二番煎じはやらない考えらしく、いつもの画面のままである。
 
  上官を殴打する夢四月馬鹿   沢木欣一
 
万愚節は季語にはなっているが、あまり良い句がない。
その中で、光っているのが沢木のこの俳句。
太平洋戦争で、悲惨な軍隊経験のある沢木の心に、深く影を落としたものを読みとることが出来る。
平和日本では、戦争による大量死はないし、兵役もない。
その代わり、人を簡単に裏切ったり、騙したり、身近な人を殺したりする事件が多くなり、人の痛みを自分の痛みとして感じることが、少なくなったような気がする。
こんな時代には、万愚節の出番はないのである。



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