沢の螢

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落日の葉
2004年11月04日(木)

きのう、夫と共に、一時間ほど散歩した。
道の両側のはなみづきが、すっかり紅葉して、真っ赤な葉が傾きはじめた西日にひかっている。
やがてそれが、落ち葉となって降りしきる。
道を埋め尽くすのも、間近いだろう。

アメリカ大統領選挙が終わった。
この手の話題は、どうせ誰もがするだろうから、選挙の経緯だとか、それが日本の将来に関わる影響だとかに関する難しい問題には、コメントしない。
ケリーも善戦したが、結果はブッシュが再選されて、時期アメリカ大統領は、ブッシュで行くことになった。
アメリカという国は、いったん決まったら、過去に遡ってごちゃごちゃ言わず、次のことを考えていくところが凄い。
過半数の票というわけでなくとも、ケリーが敗戦を認め、そこで決着が付いたら、もう終わりである。

プロ野球新規参入問題は、楽天に決まって、ケリが付いた。
ライブドアだったらこうだとか、楽天は、こんな問題があるとか、もうそんなことをいつまでも言わずに、応援したらいい。
知事は、最初ライブドアが名乗りを上げたとき、いち早く、歓迎の意を表しながら、あとから参入を表明した楽天にも、受け入れる態度を示して、結果的には、ライブドアに、ちょっと不義理をすることになった。
ライブドアでは、機構側の賛意が得られないと見たのだろうが、仙台市民が多くライブドアを支持していたのだから、それを汲んで、初志を貫いたら、よかったのかも知れない。
たとえ失敗に終わっても、人間として信頼を得たであろう。
二兎を追い、一兎は得たものの、ちょっとミソを付けてしまった。
ライブドアは、この件で破れはしたものの、インターネット業界でしか知られていなかったライブドアという名前を売り込むことになったし、赤字経営を背負い込まなくて済んだし、同情も加わって、もう一度チャレンジするときは、支持者も増えるだろうから、それ程悪い結果ではなかった。
本当のところ、楽天の方がこれから大変である。
もう、決まったことである。
これからは、ライブドアを支持していた人たちも、気持ちを切り替えて、東北楽天チームを応援したらいい。

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イラクでテロリストに殺害された香田さんの遺体が、昨日、家族の元に帰ってきた。
物言わぬ息子を出迎えた両親の憔悴しきった姿に、胸が詰まる。
「ご迷惑掛けました」「感謝しています」などというメッセージを、出さねばならなかった家族の気持ち。
 
 あなた方は、そんなに立派でなくていいのです。
 何も悪いことはしていません。
 人に迷惑を掛けながら、人間は生きていくのですから。
 かけがえのない命を失った息子さんの死を、充分、悼んでください。
 誰に、遠慮も要りません。

私たちは、彼を見殺しにした。
どう正当化しても、それは、紛れもない事実。
人の死をなぶりものにしてはいけない。
これ以後、犠牲者が出ないことを、祈るのみである。


曾我ひとみさんの夫、ジェンキンスさんは、司法取引を含め、一ヶ月の禁固刑と、不名誉除隊という判決が出た。
24歳で、軍隊を脱走(とされている)してから、40年近くに及ぶ歳月の、ひとつの終焉を見た。
ひとみさんの、妻としての証言もよかったかも知れない。
よくわからないが、まあ、妥当な判決であろうか。
アメリカ国内での裁判だったら、あるいは、もっと厳しい結果になったかも知れない。
これから日本で暮らす分には、それ程影響のある判決ではなさそうである。
ここにも、ひとつの複雑な背景を持った、家族の姿がある。
アメリカにいる母親、親族にも、早く会わせてあげたい。



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