何なんだろう、プロ野球をめぐる、この妙な動きは! 私は、つい昨日までは、プロ野球の行方について、純粋に憂いていたし、選手会が、ストライキをするに至った経緯を、仕方ないと思い、応援してきた。 ライブドアが仙台に新球団を作ることを早くから表明し、動きだしていることについても、あの社長は個人的には好きになれないが、新しい風が、プロ野球界に吹くことで、全体が活性化されれば、歓迎していいのではないかと思った。 そのうち、楽天がプロ野球参入の考えを表明し、それも、まあ悪くないかと思った。 はじめから、仙台とはっきり表明して、そこに絞って動いているライブドアと違い、楽天の方は、大阪といったり、長野といったり、場所もはっきりしないし、どこまで本気なのか、ちょっと首をひねるような所もあった。 ウチの亭主は「泥縄だよ」と、疑わしげであったが、私は、「女は金に付いてくるなんて言ってる人より、ちゃんと背広を着てるだけ、こっちの方がいいわよ」などと、無責任なことを言っていた。 でも、プロ野球が今までよりよくなって欲しいし、選手達には、何よりも、いい試合をしてファンを愉しませて貰うことが、最大の願いなのだから、その為には、とりあえず、お金を持っていて、野球チームを運営する意志と力のあるところなら、どこが経営してもいいのである。 どちらも、今までの企業の中では新しい分野、若い人たちが多数を占める野球ファンにとっても、前向きな競争は、よいことだからである。 しかし、今朝ーいやもっと前から報じられていたかも知れないが、私が知ったのは、今朝のことでー楽天が、こともあろうに、宮城は仙台に新球団設立を考えているというニュースを聞いて、ちょっと待てよ、これは、何なのよ、と思った。 楽天社長は、「早い者勝ちということではない」といっているが、私の常識では、頷けない。 候補地を転々として、先にライブドアが名乗り挙げた仙台に、わざわざ持ってきた理由は何? 「ナベツネと同じ発想さ」と、亭主は言うが、直感的に、これはおかしい。 プロ野球の行方なんて、本当はどうでもよくて、同種の企業に負けたくないとか、自分の野心を満足させるほうが先じゃないの、などと、勘ぐってしまったのは、間違いだろうか。 ブログで、選手達のストに発して、議論が盛り上がるにつれ、ちょっと距離を置きたくなっていた私だが、楽天の動きに関してのニュースを聞いて、もう、この話には、これ以上、参加したくないと思った。 野球を本当に愛し、こころざしある人達の手で、プロ野球が、よい方向に向かうことを願っている。 ボランティア事業ではないのだから、地域の活性化とか、経済原理が働くのは、当然だが、間違っても、一握りの人たちの野心や、政争の道具にだけは、して貰いたくない。 野球を天職とし、ファンの夢に応えようと必死に努力している選手達、よい試合を見ることを愉しみに、せっせと球場に通うファン達、野球は、そうした人たちが支えている。 「野球は、僕たちの夢」と書いた少年の気持ちを、踏みにじらないで欲しい。
|