沢の螢

akiko【MAIL

My追加

プロ野球をめぐって
2004年09月17日(金)

春になり、野球シーズンにはいると、茶の間のテレビは、亭主に占領される。
大河ドラマや、BS映画が見られなくなるので、野球中継なんか、いい加減にして欲しいと思ったこともあるプロ野球。
夫唱婦随で、一応ジャイアンツのファンとして、他球団にどんな選手がいるかさえ、余り関心もなかったが、この2ヶ月ほどの、パリーグ球団合併問題に始まった、選手会と経営者側の交渉の行方には、無関心ではいられない。
中でも、日々の試合をこなし、得点に繋がるヒットも飛ばしながら、試合後には、選手会会長として、経営者側との交渉に臨んだ古田選手に、エールを送りたい気持ちだ。
話し合いは、決裂して、明日、あさっての試合はストライキという結果になった。
記者会見で、球団経営者側の、文書による味も素っ気もない報告には、血の通ったものが感じられなかった。
それに比べ、「ファンの皆さんには、申し訳ありません」と、土日の試合を楽しみにしていたであろうファン達に向けて、何度も謝っていた古田選手。
決して弁の立つ人ではないが、ストライキという苦渋の選択をする結果になった経緯を語る彼の、とつとつとした言葉に感動した。
野球を愛し、野球人として、身を捨てて、今回の問題に立ち向かっている。
そのあとのテレビで、彼は、キャスターの質問などに答えながら、時に、目に涙を滲ませていた。
朝から10時間という長い間、実りのない話し合いに臨まねばならなかった、彼の悔しさ、無念さがよくわかった。
経営者達は、野球に対して、こころざしというものがあるのだろうか。
赤字経営で、苦しいのはわかるが、この2ヶ月、彼らのとった態度は、プロ野球をこれまで育ててきた、先達や、古くからのファンの気持ちを考えず、選手達を、見下したものではなかったか。
野球選手達は、グランド以外では、不器用な人が多い。
会社の労働組合のような手慣れたことは出来ない。
老獪なレトリックに惑わされたこともあるだろう。
シーズンの終わり近くになって、ストライキという非常手段を打ち出さねばならなかったつらさも、想像できる。
でも、多くのファンは、選手会の決断を支持している。
選手会が、一致団結しているのは立派だ。
屈強な体力を持っていても、さすがに疲労の色を隠せない古田選手。
でも、「希望を持って、これからも闘っていきます」と語っていた。
古田選手よ、負けるな。
日本の野球が、ひとつの転換期に立っている今。
週末は、ゆっくり休んで、また来週から、野球のあるべき道に向かって、新たな闘志を燃やして欲しい。



BACK   NEXT
目次ページ