沢の螢

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俳諧百韻興行
2004年08月20日(金)

連句を一座して巻くことを興行という。
連句には、36句の歌仙、18句の半歌仙、24句の短歌行あるいは胡蝶、14句のソネット連句、20句の二十韻、28句の源心など、句数と発案者の考えた名前の、さまざまな形式がある。
参加者(連衆)の数と時間、捌き(連句をリードしまとめる人)の好みなどで、形式を決める。
メンバーと捌きのやり方で、時間は異なるが、ベテランばかりであれば、歌仙で4時間あれば巻ける。
初心者がいたり、初めての顔合わせばかりだったりすると、もっと多くの時間が掛かる。
場所取りの関係から、大体朝11時から午後5時までと言う場合が多いので、長くても歌仙止まりである。
百韻は、文字通り百句の連句だが、時間と連衆、捌きとがうまく噛み合わないと難しいので、滅多にやることはない。
わたしも、自分のネット連句で一度だけ試みたが、余りうまくいかなかった。
今年は、秋に、熱田神宮に百韻百巻を奉納するという企画があり、わたしの周囲でも、いくつか参加することになっている。
滅多にない機会なので、そのうちの三つに、わたしも参加申し込みをした。
昨日は、そのうちのひとつの連句会があった。
朝10時から夜9時まで、昼食、夕食を挟んで、百韻を巻く。
酷暑の中、出かけていった。
25,6人が3つの座に分かれて始まった。
わたしのところは捌きを入れて9人、百韻としては適当な連衆数である。
ベテランの捌きの発句で始まった百韻は、なかなかエキサイティングであった。
この日に備えて、意気込みを持って参加した人が多かったせいか、どの座も活気があり、賑やかに愉しく進んだようである。
終了時間内には、全部巻き挙がり、散会した。
わたしは百句のうち17句を取ることが出来、満足。
少ない人でも、8句くらいは付けていたからまあまあであろうか。
スピードでどんどん句を出す人、じっくり考えて、完成度の高い句を出す人、さまざま。
捌きは、それらを見極めて、ある程度のリズムを考え、しかも余り句数が偏よらないようにしなければならないから大変である。
わたしは、人からは早付けと言われるが、そうでもない。
メンバーと雰囲気によっては、なかなか句が出ないことがある。
座の中に、気の合わない人がいたりすると、余り弾まない。
連句は、皆おとなだから、滅多にはないが、バトルもあるし、親しさこうじて、無神経なことを言ったりする人が居ると、わたしはダメである。
その意味では、精神的な要素も大きい。
昨日は幸いそんなこともなく、弾んだ一巻になった。
11時間近くに及ぶ連句、帰宅したのは夜10時半、さすがに疲れたが、満足感があった。
数日後、今度は熱海に2泊3日の百韻興行がある。



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