沢の螢

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蝉のいのち
2004年08月11日(水)



高原の夏はさわやかだ。
都会の人工的な暑さを逃れて、森にはいると、ホッとする。
先週1週間、森で過ごし、所用で3日ほど東京に帰っていた。
ひと頃の猛暑からは幾分、暑さは和らいでいたものの、日中の暑さはやはりこたえる。
そのまま森に滞在中の夫に連絡、昨日の午後またこちらに来た。
14日には、合唱の練習があるので、前日には二人で東京に帰らねばならないが、また来るつもりである。
涼しいと云うことは幸せなことだと、つくづく思う。
東京の生活をもっとシンプルにし、出掛けやすいように予定も減らし、夏の間はずっとこちらで過ごせるようにしたいと、思いながら、趣味の集まりがあったり、誘いがあると、つい予定を入れてしまう。
この6,7の二日は江ノ島で、泊まりがけの連句の会があった。
来週はまた連句関係の行事が3つ続いている。
一つは熱海に二泊三日である。
いずれも私の趣味に関する行事なので、話があった時、積極的に参加の意を表明した。
高原の静かな明け暮れ、都会での人間くさい交流、そのどちらも、今の私には、欠かせないことである。
動と静、いかに旨くバランスを取って、人世を充実していくかが、もう若いとは言えないこれからの私の過ごし方であろう。

昨日は、ここへ来るために、午前中大働きし、たっぷり汗をかいて出てきたので、疲れた。
夜は速く寝付き、今朝、六時に眼が覚めた。
牛乳だけ飲み、夫と朝の散歩に行く。
10分ほど歩くと、売店がある。
今週は、そのまわりで、朝市をやっている。
茄子とトウモロコシ、ジャガイモを買い、パン屋で焼きたてのパンを買う。
郵便ポストの前を通りかかると、蝉がひっくり返ってばたばたしている。
「もう寿命だね。土から出て7日の命だ」と夫が言い、蝉をつまんで、茂みの奥に置いた。
別荘地の管理事務所で新聞を買い、戻る。
往復1.5キロくらいだろうか。
ゆっくりと買い物もしながら、30分ほどの散歩だった。
朝ご飯が美味しかった。
日が上がり、周囲の蝉の声が一段と高くなった。



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