沢の螢

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森林浴
2003年08月13日(水)

昨日は怒りのあまり、つい、JR批判をしてしまったが、最後に付け加えることを忘れていた。
差し迫った状況を察知して、素早く対応してくれた窓口の人のことである。
5分後に来る特別快速に乗らなければ、私は目的の列車に間に合わないところであった。
私の前に並んだ10人ほどの客、誰かが文句を言えば、先に受け付けることも手間取ったに違いないが、その駅員は、その場では、特にそれを気にすることなく、事務手続きをしてくれた。
「皆さん、済みません」と私は先客達に言ったが、誰も無言ながら、仕方がないと思ったらしく、自分たちを飛び越しての事務手続きを見逃したようであった。
こんな時、ラテン系の人なら、何か言葉を掛けるところである。
ともかくも、駅員と、消極的協力をしてくれた先客達のお陰で、私は、列車に乗り遅れることは免れたのである。
かかった時間は正味2分ほど、コンピュータの入力が終わって切符が出てくるまでの時間の何と待ち遠しかったことか。
慌ててそのまま立ち去ってしまったが、あの駅員には、素直に感謝したい。

今日は、森の中を散策した。
晴れ間が見え、少し汗ばむほどだった。
歩くコースは大体決まっている。
家の前からなだらかな坂を下り、間道を抜けて幹線道路に出る。
渡って、売店に行き、ちょっとした食料品など買う。
お盆の時期は、朝市が立ち、土地の野菜、果物、日用品、ドライフラワーなどを並べて売る。
15年ほど前には、値段が安く、素朴な自然野菜などが手にはいるので、いつも出かけたものだった。
土地の人が漬けたたくあんや野沢菜、梅干しも魅力だった。
しかし、いつの頃からか、品物がスーパーにあるようなものになり、値段も観光料金になってしまったので、この頃は行かない。
散歩の途中の昼下がりの売店には、あまり買うものもなかったが、珍しい皮の赤いジャガイモ、それにパンとジャムを買った。
帰りは、逆のコースである。
坂を少し上り、森に入り、大回りして、違う道を行く。
俳優のT氏の家の前を通り、少し下ると、我が家である。
今頃は、例年なら周囲の家も、みな誰か来ているのだが、今年はなぜか、人が少ないようである。
天候不順なことも影響しているのかも知れない。
標高1100メートルのこのあたりは、気温が平地より5度ぐらいは低そうである。
カット照りつける夏の日差しの頃に、その良さを発揮する。
どんなに下界が暑くても、28度を超えることはないように思う。
晴れた日に家中を開け放ち、窓もドアも開けたままにしておくと、木々の間からさやさやと吹いてくる風が、虫も鳥もついでに運んできて、家の中を横切っていく。
そんなときが最高だが、今日あたりはそんな感じではない。
もう6年前になるだろうか。
乳ガンの手術をした友人が、森林浴をしたいといって、来たことがあった。
近くのペンションに1泊、私の家で1泊して、帰っていった。
1年半後、彼女はガンの再発で死んだ。
絵の好きな人だったので、車でマリー.ローランサン美術館、ガラス細工のある北沢美術館に案内した。
彼女は、私のロンドン在住中も、巴里からの帰りだと言って、訪ねてきた。
そんなことを思い出す。
想い出の中の人は、いつまでも若く、美しい。



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