a Day in Our Life
「ほー。見た目は全然美味そうやん」
ほかほかと湯気をたてるカルボナーラを前に、渋谷は感心した声を上げた。 「やろ?悪ない思うねんけどなぁ…ま、食うてみて」 勧められるがままにフォークを取った渋谷は、数本のパスタを絡めて一口。 「……うん、」 口をもぐもぐとさせる渋谷は、噛む動きをなかなか止めない。あれ、すばるはこんなに噛む子やったかな?と不思議がった村上は、焦れた様子で聞いてみる。 「どない?」 「不味い!」 「えええっ、マジでか!!」 即答で切り捨てた渋谷の言葉に驚いた村上は、思わず当社比1・5倍の大声になった。結構自信があったのに、正に一刀両断の勢いで不味いと切って捨てられた村上のショックはただ事ではない。がしかし、 「ホンマやって、おまえ自分で食うてみたか?」 と言われてそういえば味見も何もしなかった、と今更のように村上は思い至った。 「そういえば、してへんな」 「せやろ。食うてみ、自分で」 差し出された皿を、素直に引き戻して。ソースに絡まるパスタをじっと見ながら、そぉっと一口。そして、 「…うわ。何やコレ」 「やろ?不思議な味やねん」 思い描いたカルボナーラの味ではないそれは、どう好意的にとっても「美味しい」とは言いかねた。何をどう間違えてこんな味になったのか…そこで村上ははたと気付く。 「でもヨコは完食しとったで」 真顔で呟いた村上を真正面から射止め、ふふんと一言。 「そこがなぁ。ヨコの優しいとこや」 ヒナちゃん大概愛されとるで、と渋谷に言われた村上は、それはそれで全くもってまんざらでもない。あえて苦言を避けた横山の優しさも分かる。分かるがしかし、 「しかし悔しいなぁ、何でこんなに不味なるんやろ」 「ホンマになぁ。不味く作るほーが難しいやろ、普通」 むしろ渋谷的にはその事が面白かったらしい。それはそれで才能やで!笑いの神様降りて来とるやん!と肩を叩かれ、ハムスターよろしく頬袋を膨らませてしまった。
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「何それ。不味いカルボナーラなんて、聞いた事ないわ」 と、興味を示したのは大倉だった。美味い不味いよりも腹に入れば何でもいいのではないかとすら思える関ジャニ∞の残飯整理係は、何だか使命感に満ちた目で村上を見た。 「めっちゃ興味あるから俺も食うてみたい」 ヒナちゃん、今度作ってぇや。と言われた村上は果たして誉められて(?)いるのか貶されているのか、正直自身では判断出来ないままに、3食目のカルボナーラを大倉の為に作る事になった。
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