| 2002年03月22日(金) |
電話しようかな(サクツカで松潤視点) |
ピピピ・・・・・ピ・・・・ブチ。
あ〜あ、また消してる。 翔くんが途中まで打ったボタンを消去する。 携帯片手にさっきからボタンを押しては途中で止まって、そのまま消すの繰り返しをしている。 電話を思いつめたように見つめて、やっと動いたと思ったらこうだ。
きっと、塚本くんに電話しようとしてるんだろうけど時間を気にして迷ってるみたいだった。 今の時間はAM0時を回ってる。 俺たちとしてはまだまだ全然イケル時間だけど、普通の人からみたら遅い時間ではあることは確かで。 もしかしたら寝てるかもしれないって、それを気にしてるらしい。 ただでさえ仕事時間がバラバラなんだから。 昼間に電話したって、もしかしたら9時に寝たばっかかもしれないし。 そんなのが当たり前になってるから、電話するタイミングって考えるとわかんなくなるんだよね。 ましてや、大好きな「塚本くん」のことだから。 ほんの小さなことでも気になっちゃうんだよね。 きっと翔くんのことだから、もし今電話して嫌われたらどうしようとか、そんなことまで考えちゃうんだろうな。
だけど。 俺だったら速攻電話してるのに。 声聞きたいって思ったら我慢できなくて、時間とか相手の事気になったりするけどどうしても声聞きたいって思って。 怒られるのはわかってるけど電話してる。 それが四時だろうとなんだろうと電話しちゃうから怒られちゃうってのはわかってるけど。 それでも例え不機嫌な声でも聞けたらすごく嬉しいから。 寝てても怒っても、それでも電話かけると絶対に出てくれるから。 そんな翔くんに甘えってるってわかってるけど、電話しちゃう。
他から見たら今度にすればいいだけじゃんって思うかもだけど。 本人からしたらかなり深刻なこと。 だって、電話するだけで幸せになるってことあるから。 声聞けるだけでホッとしたり、安心したり。 元気をもらえるってこと、あるから。
「あ〜!!!!クソ!」 翔くんが少しイライラしたように声を荒げる。 こんな時間だからとか、だけど声聞きたいからと思ってどうすればいいのかわからなくなってる感じなんだろうな。 いっそのこと、俺が変わりに電話できたらいいんだけどね。
「嵐さん、スタンバイお願いします」
タイムリミットを告げるように、スタッフに呼ばれてしまった。 翔くんは一度携帯をじっと見つめたあと、深いため息と共にカバンにしまった。 名残惜しそうにゆっくりとした動作は。 また出来なかったって、落ちこんでる感じで。 なんだか見てる俺まで切なくなった。
明日、俺から塚本くんに電話しようかな。 お節介って言われるかもしれないけど、元気ない翔くんを見てるのはツライから。 大好きな人には、いつもで笑っててほしいから。
明日こそは、笑ってる翔くんがみたいから だから明日は、お節介させてね。
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