12年前の冬、サクラはうちにやって来ました。
すでに歯と前足の爪が根元から欠けていたサク。
鼻っ柱が強くて何かあるとすぐシャーシャー唸ってたサク。
昨年の6月に手術を受けてから、窓から脱走するような
威勢の良さはすっかりかげをひそめてしまったけど
ゆったり、状態を維持してほしい、維持してくれると思っていました。
高齢猫と思われるサクへのこれ以上の治療は、
むしろ負担になるんじゃないか、という迷い。
果たして手術をしてよかったんだろうか、という迷い。
そして「サクは大丈夫」と思いたがっていた。
前足に人差し指をのせたらぎゅっと爪で握り返してくれたサク。
もう一度のせたら、また、ぎゅ、ぎゅっと握り返してくれたサク。
まさかそれが最期の時だったなんて。
なんて能天気な自分。
1月17日の午後、
サクは面倒もかけてくれずに亡くなりました。
ありがとうね、ごめんね、何であの時抱きしめなかったんだろう、
何であの時つっけんどんにしてしまったんだろう。
何で何でがぐるぐるぐるぐる。
サクがいなくなって初めて気づいたサクへの思い。
サクを火葬してお骨にしたら、自分でも意外なくらい
気持ちがすーっと落ち着いていくのがわかったけど、
サクのいない空間にはまだちょっと慣れません。
今は、サクの前に置くごはんやおやつに
熱視線を送る雪太朗たちに困り笑いしているよ。

お別れの日。
1月にやって来て1月に帰って行ったサクです。
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