Monologue

2010年03月21日(日) こんな冗談はイヤだ!

「おい、フィリップ!お前一体いつまで『かたつむり』作ってんだ!」


亜樹子や竜との会食を終えて『鳴海探偵事務所』へ帰宅した後も、
ひたすら『デンデン・センサー』を作り続けているフィリップを見兼ねた翔太郎が
声を荒げて窘める。

「あぁ!もう!うるさいな!あともう少しで完成なんだよ!」

「子供は夜更かししてねェで歯磨きしてさっさと寝ろ!
・・・ったく!俺はお前のお父さんかよッ?!」

煩わしそうに眉間に縦ジワを寄せるフィリップに向かって、
翔太郎は右の人差し指を突き付けながらビシッ!と厳しく言葉を掛ける。

「判ったよ!もぅ〜あと少しなのにさ・・・」

不満そうにブツブツ呟きながらもフィリップは作業の手を止めて後片付けを始める。

「それにしてもシュラウドが設計するガジェットは本当に素晴らしいよ!完成が楽しみだ!
う〜ん、ゾクゾクするねぇ・・・」

フィリップは左の人差し指で艶やかな下唇を撫でつつ、
うっとりしながら『デンデン・センサー』の設計図を眺める。

そんなフィリップの様子に翔太郎は、ふと不安そうに眉を顰めた。

「ところでフィリップ・・・シュラウドから送られて来てる、その設計図だが、
・・・・・・無料なんだろうな?」

「ハァ?いきなり何を言い出すんだい?翔太郎。」

突然の質問に驚いたフィリップは黒い瞳をパチパチ瞬きする。

「ほら!良く有るじゃねェか!
初回だけは190円の雑誌で、
毎号付いて来るヤツを組み立てて行くと
最後に何かスゲェモンが出来るっつ〜の?
あぁいうのを知らねェ内に定期購読とかさせられてんじゃねェのか?」

「まさか!?そんな筈無いだろう?キミの考え過ぎじゃないのかい?」


「シュラウド・・・キミが設計したガジェットは本当に素晴らしい。今日も感度良好だ。」

シュラウドが設計し作製したガジェット『ビートルフォン』から送られて来る『鳴海探偵事務所』の画像と音声を、
竜は今日も自宅マンション内でチェックしている。

「ん?何だと?・・・左の奴、せっかくキミが好意でフィリップに送っている設計図に対して、
あんな事を言ってるぞ?
次からは金を取ってやれ、シュラウド・・・」

背後で次にフィリップに送る予定の設計図を書いているシュラウドに声を掛けると、
彼女は顔を上げてコクと肯いて、再び作業をしながら竜に尋ねた。

「幾ら位取れば良いかしらね?」

「・・・今のは冗談だ、シュラウド。」


どうやらシュラウドと竜は、まだイマイチ和んでいないらしいぞ!

次回!『Rの冗談/賞金500万円は誰の手に?!』

真倉「ダメですよ!刃さん!今の照井さんのアレ・・・笑っとかないと!」

刃野 「えっ?!今の照井警視のアレ・・・冗談だったのか?ややこしや〜」

頑張れ照井竜!
R-1はチョット遠いみたいだぞ!!


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