Monologue

2007年05月17日(木) ボタンの瞳にかけて

『縫製人間ヌイグルマー』(大槻ケンヂ著)を読了。

モーレツア太郎!啓蒙してくれよ!ハッ!
・・・ぢゃなかった、
猛烈に面白くて、大興奮しながら最後まで一気に読んでしまった。

『仮面ライダー』を彷彿とさせる、闘う宿命を背負った戦士ヌイグルマー達の愛と戦いの物語。

『ヌイグルマー』と云う名称が示す通り、主人公のブースケはクマのぬいぐるみ(しかもパチモンのテディベア)
ライバルのチャーリーは毛糸製のあみぐるみである。

外見は可愛らしい彼らだが、敵を毛糸で縫い殺したり、糸を操作して空中を飛んだり、合体してパワーアップしたり等、
ヒーロー物の王道らしい活躍を見せる。

だが、やはり、ぬいぐるみなので、最大の拷問が『全自動洗濯機の丸洗い』だったりする。

それがまた微笑ましかったりするのだが・・・


物語の面白さもさる事ながら、大槻ケンヂさんの文章力は物凄い。

“人形の指先を蝶々の動きに痙攣させている”とか、
“地獄の赤い玉と化したハジメ”等、読者の感性をズバッ!と直撃する的確で美しい形容詞は常人には絶対に想い付けない・・・さすが詩人様。

そんな文章で綴られた綿いっぱいの愛と血みどろの戦いの記録。

傑作である、読むべし。
(オーケンFANなのでつい熱く語ってしまいました(^^ゞ)


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