『縫製人間ヌイグルマー』(大槻ケンヂ著)を読了。
モーレツア太郎!啓蒙してくれよ!ハッ! ・・・ぢゃなかった、 猛烈に面白くて、大興奮しながら最後まで一気に読んでしまった。
『仮面ライダー』を彷彿とさせる、闘う宿命を背負った戦士ヌイグルマー達の愛と戦いの物語。
『ヌイグルマー』と云う名称が示す通り、主人公のブースケはクマのぬいぐるみ(しかもパチモンのテディベア) ライバルのチャーリーは毛糸製のあみぐるみである。
外見は可愛らしい彼らだが、敵を毛糸で縫い殺したり、糸を操作して空中を飛んだり、合体してパワーアップしたり等、 ヒーロー物の王道らしい活躍を見せる。
だが、やはり、ぬいぐるみなので、最大の拷問が『全自動洗濯機の丸洗い』だったりする。
それがまた微笑ましかったりするのだが・・・
物語の面白さもさる事ながら、大槻ケンヂさんの文章力は物凄い。
“人形の指先を蝶々の動きに痙攣させている”とか、 “地獄の赤い玉と化したハジメ”等、読者の感性をズバッ!と直撃する的確で美しい形容詞は常人には絶対に想い付けない・・・さすが詩人様。
そんな文章で綴られた綿いっぱいの愛と血みどろの戦いの記録。
傑作である、読むべし。 (オーケンFANなのでつい熱く語ってしまいました(^^ゞ)
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