Monologue

2006年12月25日(月) 氷の世界(『カブト』ネタです)

今日は楽しいクリスマス★

例年は前日の『クリスマス★イブ』の大繁盛の後片付けで大忙しの筈であるフレンチ・レストラン『サル』だったが、
今ホールに居るのは蓮華一人だけである。

蓮華は厨房から真っ黒に焦げた餅を一面に並べた大皿を運んで来てテーブルの上に“ドン!”と置いた。


「よぉし!あとはこのお餅の上に加賀美先輩に座って貰えば『特製・かがみもち』の完成だわv」

自己満足気に一人呟いたその時“バタン!”とドアが開く音がして、
蓮華が振り返ると、

「あ!加賀美先輩!ちょうど良かった!」

扉を開けて店内に入って来た加賀美は、
蒼褪めた頬の上に薄く微笑みを浮かべながら、

「何だ?蓮華、
お前またヘンな料理作ってんのか?」

「ヘンな料理だなんて失礼ですね!
先輩は剣さんと違ってグルメじゃ無いから、
アタシの料理の美味しさが判らないんですよ!」

白い頬をプゥと拗ねた様に膨らませながら、
蓮華は事も無げに言う。

「早く来て味見してくれないかなァ、剣さん、
・・・先輩?」

ふと加賀美の方に視線を戻して、
項垂れた彼の肩が小刻みに震えている事に蓮華は首を傾げた。

「・・・・・どうして泣いてるんですか?先輩?」


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