劇団ひとりさんの処女小説『陰日向に咲く』を、図書館で予約してから半年待ってようやく借りる事が出来た。
「この本は面白い!」「直木賞を狙えるレベル」等とあちこちの書評でかなり褒められていたが、天之邪鬼な私はイマイチ信じられず半信半疑で読み始めたのだが・・・
本っ当に!すっごく面白かった!!
まず文章の読み易さとキャラクターの心理描写の巧みさにグイグイ引き込まれる。
これでもか!これでもか!と張り巡らされた伏線と計算され尽くしたプロットに依って緻密に絡み合う、それぞれの物語の登場人物達。
人生のレールからドロップアウトした、いわゆる『負け組』(この言葉大嫌い)の人達の一途で不器用な生き方に、かなり共感を覚えた。
「もしかしたら、これは売れない頃の劇団ひとりさんの実体験かも?」と想わせられる場面も随所に有った。
高価な花瓶やホテルのロビーとは一生縁が無いであろう、 道端の名も無き小さな花々が懸命に咲こうとする姿は時に滑稽で哀しく、美しい。
久し振りに面白い本に出会えてとても嬉しかった。
あまりの面白さにアッ!と云う間に読み終えてしまったので、 一緒に借りて来た『仮面ライダー555・正伝〜異形の花々』を読み始める。
次はどんな花々に出会えるのだろうか?
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