『La Compagnie A-n』のピースリーディング『おやすみ世界のこどもたち』を観に行く。
これは大勢の方が書かれた戦争の体験談を基に、渡辺えり子さんが脚色なさった『あきらめない』と云う台本を、 『ZABADAK』の音楽に乗せて沢山の役者達が朗読すると云う反戦イベント。
知り合いの役者さんが出演なさっているし、 『ZABADAK』の曲も聴けるから・・・位のLightな気持ちで行ってしまった私は、 役者たちが読み上げて行く悲惨な真実の叫びの集中砲火でダメージを受け、かなりHeavyな精神状態に陥ってしまった。
どの言葉も痛くて、怖くて、哀しくて、涙が溢れて止まらなかった。
それは、突然の空爆を受けたイラクの子供たちの大量の屍体と実際に対面した人のブログの文章であったり、 また戦争の被害を受けた人達の手記、 そして日本各地に作られた米軍基地での兵隊達の傍若無人な振舞いを受けた人達の言葉だったり・・・・
第二次大戦後、勝利に酔うアメリカ兵達に酷い仕打ちを受けた日本人達の手記が読まれた後に、 別の戦争で勝利した日本兵達が中国人達にした虐待について語られたりする。
敗軍の民達に対して、勝った国の兵士達は何と惨い事が出来るのだろう?と憤る私の耳に、 また別の声が、 戦場から帰って来た後もずっと長い間、 人を殺した罪悪感から逃れられず苦しみ続けていると云う元アメリカ兵の言葉を綴る。
戦場で殺されていく人達も、また自分の意思とは無関係に人を殺さなければならない人達も、絶対に戦争を起こした張本人では無い。 力無く弱い一般市民ばかりが戦争の犠牲者になってしまっているのだ、と云う現実を改めて瞳の前に突き付けられた。
イベントの最後に登場した、戦場の子供達に救援物資を送るボランティアをなさっていると云う女性の、
「実際の戦場から送られて来るメールはとても怖い内容ばかりです、
現地と電話している時は正に地獄と繋がっている様です」と云う言葉が鋭く胸に刺さった。
日本は(建前上は)平和な国だから、 私も戦争なんて自分とは関係無いと想って、のほほんと暮らしているけれど、 決して無関係ではないのだ。
大仰な事は無理だとしても 『ボランティア』とか『募金』とか、何かすぐに私にも出来る事は無いだろうか?と深く考えさせられたイベントだった。
(そんな訳で・・・とりあえず上演台本を買ってみた。 この本の売上げも寄付金になるそうだ、ささやかな一歩である)
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