| 2006年07月03日(月) |
Catch The STAR |
『嫌われ松子の一生』を観覧。 相変わらず大した事は書いてませんが、これから観るのを楽しみにしてらっしゃる方はご注意下さい。
いやはや、めちゃんこ面白かった(^^) 久し振りに映画館で観て良かった!と想えた映画だった。 まず映像がとにかく素晴らしい! 実写&CG&アニメーションが見事にコラボレートされていて、まるで漫画みたいな独特の世界を造り出している。 昭和の頃のエピソードが描かれているシーンは、 わざと少し褪せた彩色がされていてノスタルジックな雰囲気になっているのだが、 その画面に大きな瞳ぱっちりの中谷美紀さんの美しい顔が合成されると、 まるで昔の『少女の友』の表紙を飾った中原淳一さんの絵の様なのである。 きらびやかで美しい画面に所々歌と踊り(?)が挿入されてミュージカル仕立てになっているので悲恋続きの松子の運命もあまり悲壮さを感じずに観ていられる。 『愛のために生きていくわ♪』『曲げて 背伸びして お星様をつかもう♪』と云う歌詞の劇中歌が特に印象に残った。 サントラ盤を聴いて歌を覚えたくなってしまった。 この映画は単なるベストセラー小説の映画化だけに止まらず、監督の感性がちゃんと表現された作品になっている。 「とりあえず今売れてる役者さんを主人公にして、とりあえず今売れてるベストセラー小説のプロットをそのまま映像にしました」みたいな作品が乱立する中、原作を深く読み込んでイメージを大きく膨らませ、しかも原作に寄り掛からず、ちゃんと監督自身の表現作品として独立している。 松子のヘンテコな顔や片平なぎささん、光GENZIなど小ネタやギャグ、小道具の使い方のセンスも良い。 惜しむらくはラストが無駄に長過ぎた事。 「ココで終わればイイのに」と10回位感じてしまった。 それにしても松子はちっとも『嫌われ』る様な女ではない。
ただ彼女の本当に不器用な性分が災いして運命の歯車が合わず 人並みの幸せを手に入れられなかっただけなのだ。 お父さんも妹も松子を最後まで愛していたし、他にもイイ男達にたくさん愛されていた。
本当に『嫌われ』るべきは、 松子の様な純粋な人間では無い。
断じて無い。
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