Monologue

2004年11月12日(金) ガラスの動物園

演劇の稽古の一環として『戯曲』を沢山読みましょう!と云う課題が出たので、
図書館で借りた『戯曲』を皆で廻し読みしている。

その内の一冊、テネシー・ウィリアムズ氏の『ガラスの動物園』を読んだのだが、
内容よりもあとがきに書かれていたテネシー・ウィリアムズの境遇にショックを受けている。

テネシー氏のお姉さんは心を病んでしまい
「お父さんが私を殺しに来る!」と叫び続けていたそうだが、
それを見兼ねた父親が姉に『前頭葉切除手術』を受けさせたと云うのだ。

しかもテネシー氏が家にいない間に・・・・・

手術に拠って廃人になってしまった姉の面倒を看ながら、
テネシー氏は数々の『戯曲』を書いたのだそうだ。

最愛の姉をモデルにして書かれたと云う『ガラスの動物園』のヒロインであるローラは
ガラスの様に繊細で傷付き易く、ほとんど家から出る事が出来ない臆病な少女。

テネシー氏自身を投影したと思われるローラの弟は何とか姉を救おうとするが、叶わない。

テネシー氏の代表作、
『欲望と云う名の電車』のヒロイン、ブランチも生き方が不器用で世間に上手く適応出来ずに
崩壊してしまう可哀想な女性だった。

初めて『欲望と云う名の電車』を舞台で観た時、その面白さにすっかり引き込まれてしまい、
3時間強の上演時間の長さを感じさせられなかったのだが、それは男性とは思えない程、
繊細に描かれたヒロインの心理描写に依る処が大きいと思う。

だが、この『戯曲』を廃人になってしまった姉を見ながら書いたと云う
テネシー氏の気持ちを考えると堪らなく遣る瀬無い。

作家は自分を削って作品を書くと云うが、
テネシー氏が削られた心の痛みはどれ程深かったのだろうか?


いっそ彼の悲劇もお芝居なら良かったのに・・・・・・


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