Monologue

2004年06月13日(日) 薔薇の名前

レオリオが病院の仕事を終えてマンションの部屋に帰ると、
同居人兼恋人であるクラピカが、
ダイニングテーブルに置かれたガラスの花瓶に朱赤色の薔薇を生けていた。

「どうしたんだ?その薔薇」

レオリオが尋ねると、

「さっき買物に行った時にな、
この辺ではあまり見掛けない珍しい品種だろう?」

「へェ・・・・・綺麗な薔薇じゃねェか」

大きなオレンジ色の花弁を拡げて、あでやかに咲き誇っている異国の薔薇に、
うっとりと瞳を細めて見入っているクラピカの傍らに歩み寄る。

「で、これは何て名前の薔薇なんだ?」

「ああ・・・『チ・・・・・』」

ハッ!と息を呑むと、
クラピカは言い掛けた答えを噛み殺す様に唇を噤んで俯いてしまった。

「何だよ?『薀蓄の貴公子』でも知らねェ事が有んのか?」

「いや、その・・・・・・」

心持ち頬を赤らめながら、しばし言い難そうにゴモゴモと口篭もった後、

「その・・・・・・イタリア語で『乾杯』と言う意味の『名前』が付いた薔薇なのだそうだ」

下を向いたまま、ぼそりと小声で呟く。

「へェ・・・・・
そういや、イタリア語で『乾杯』って何て言ったっけか?」

「バ、バカ!そんな恥かしい言葉、ロに出来るか!」

緋赤色に変化した瞳を大きく見開いて、
声を荒げたクラピカの真っ赤な顔を見下ろしながら、レオリオはニヤリと唇の端を歪める。


「そう言う割には、良く唇にしてるじゃねえか?オレの『チ・・・・・・』」

シュッ!と、すかさず飛んで来たクラピカの右ストレート・パンチを素早く交わしながら、
ハハハ・・・・・と声を立ててレオリオは微笑う。


テーブルの上に飾られた薔薇の花弁がふわり・・・と微かに揺れた。

まるで、微笑っているみたいに・・・・・・・


(元ネタは『トリビアの泉』でした。ワンパターンな文章でスミマセン(涙))


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