Monologue

2004年04月02日(金) さよならは突然に

ウチの犬、リンが死んでしまった。

帰宅して自宅のドアを開けた途端、線香の匂いが鼻を着き、
「うわっ!どうしたの?」と声を上げると、

「・・・・・・リンちゃん、死んじゃった」

母の悲しそうな言葉がすぐには信じられない。

今朝はあんなに元気そうだったのに・・・・・・・


「今日は雨が降りそうだったから、布団を干さずに出掛けたんだよ、

そうしたら・・・・・・」

その布団に頭から潜り込もうとして、
首がつかえて抜けなくなったらしく、そのまま窒息死してしまったらしい。

母が仕事から帰った時は、まだ身体が温かかったので、
慌ててシャワーを浴びせたり、叩いたりしてみたのだが、
リンの身体はみるみる冷たくなっていったそうだ。

「病気や老衰だったら、まだ少しは諦めも付いたかもしれないけど、
まさかこんな死に方されるなんて」と、母は悔やんでいたが、
リンは小型犬の寿命はとっくに越えてしまっていた。

いつ死んでも不思議では無い年齢(16歳)ではあったから、
むしろこんなに長生き出来たのは、母が大事に面倒をみてくれたお陰なのだ。

また、リンは胸にガンが出来ていて、
もう年齢的に手術に耐えられないだろうとお医者様に言われてしまい、
痛くてキャンキャン鳴いていても、何もしてやれず、

(安楽死させるしか無いかも・・・・・・)と母と二人で悩んだ事も有った。

それでも、それでも、
人間の身勝手な我儘だろうけれど、
せめて、もう少しだけ生きていて欲しかった。

私はほとんど家にいないから面倒を見られないし、
母も体力的にキツイので、これから我家で犬を飼う事はもう無いだろう。
(犬に限らず、生物全般)

元気で傍に居てくれる内は良いが、
どうしても身体の小さい彼らの寿命の方が私達よりも先に尽きてしまう。

その哀しみを、母はもう二度と味わいたくないと言う。



「明日の午後、仕事が終わったらリンの身体を火葬しに行く」と泣きながら母は言う。

明日は『殺陣』の『イベント』が有るので、もちろん自分は立ち会えない。

哀しいけれど、辛いけれど、明日は笑って『イベント』の本番を努めなくてはならないのだ。


フワフワしたリンの毛皮に触れられるのは今夜で最後だ・・・・・・と、ずっと、ずっと撫でてやる。


リンの小さな身体は、
随分硬くなってしまっていたけれど、まだ少しだけ温かい様な気がした。


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