(祝★センター・カラー!!あの表紙の夜のお話です)
“パチパチ…”と香ばしい音を立てて、 巨大魚の脂が青銀色の鱗を泡立ち、食欲をそそる匂いを立てている。
燃え盛る焚火の周囲で、 ゴン,キルア、レオリオのレッツゴー!……じゃ無かった、 食べ盛り三匹は、グゥグゥ鳴り続ける空きっ腹を抱えて、 昼間、レオリオが吊り上げた巨大な青魚が焼けるのを今か今かと待っていた。
「それにしても、スゲェ大物が釣れたよな」 キルアが弾んだ声を上げると、傍らのゴンがコクンと頷く。
「うん、エサのミネルバネムシが良かったからね! オオアオベタ(巨大青魚の名前らしい)は大好物のミネルバムシを 見付けたら、すぐに喰い付いて絶対に離さないんだ」
「おい、おい、何言ってんだ、お前ェら、 オレ様の腕が良かったからに決まってるじゃねェか」
ビシッ!と立てた親指で、 己自身をクイクイと誇示してみせるレオリオを無視して、 ゴンとキルアは釣りの話に夢中になっている。
「こんな海沿いでミネルバネムシが捕まえられるなんてラッキーだったよ」
「ああ、たった1匹しか見付からなかったのが残念だったけどな」
「そうだね、もっと捕まえられば、もっと沢山釣れたんだけど……」
「おい!お前ェら、オレの腕前のお陰で釣れたに決まってるじゃねェか!! 大体、キルア!てめェはずっとアイス喰ってただけの癖に!」
「あ、そう云えば、クラピカは?」
ゴンが言うと、
「アイツ、ま〜だ本読んでんのか?」
「うん、さっき呼びに行ったら“今、最も良い処だから邪魔するな”って言われちゃった」
「しょうがねェな、ったく……」
軽く舌打ちしながら立ち上がるとレオリオは、 一日中クラピカが本を読んでいた巨大な貝の方に向かって砂を蹴った。
「お〜い、クラピカ〜!魚が焼けたぞ〜!
早く来ねェとゴンとキルアに全部喰われちまうぞ〜!」
……と、巨大な貝殻の外から声を掛けてみたが返事は無い。
中を覗き込んでみると、 クラピカは読み掛けの本を枕にして、スヤスヤと穏やかな寝息を立てている。
貝殻に空いた穴から差し込む月の光を浴びて、彼の全身に付いている海の砂が、 キラキラと煌いている。
まるで白磁の人形の様な彼の艶やかな肌の色に、 レオリオは反射的にゴク…ッと息を呑む。
なるべく音を立てない様に、巨大な貝殻の中に足を踏み入れると、 碧色の短パンから、すんなりと伸びた、細長いクラピカの脚に、 そぉ…っと静かに右手を伸ばし……
「どうしたんだろうね?レオリオ」
クラピカを呼びに行ったきり、帰って来ないレオリオを待ち切れず、 食べ頃に焼けたオオアオベタ(巨大青魚の事らしい)をモグモグ頬張りながら、 首を傾げるゴンに、キルアは事もさらりと答えた。
「さぁ? オッサンも美味い餌に釣られちまったんじゃねェの?」
(やはりエサが良かったらしいです(^^))
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